2006年12月14日

レジャーホテルファンドへの出資は保留します

 乙はレジャーホテルファンドにも出資しています。
http://otsu.seesaa.net/article/21743958.html
http://otsu.seesaa.net/article/19651675.html
http://otsu.seesaa.net/article/15111327.html
 そのためでしょうが、グローバル・ファイナンシャル・サポート株式会社から、最近、HOPE α9 に出資しませんかという勧誘の書類をもらいました。
 自分で出資しておきながら、そのシリーズにいちゃもんをつけるのもどうかと思いますが、どうも追加出資する気が起こりません。
 今回は、「ダブル紹介キャンペーン」と称して、新たな出資者を紹介すると、紹介した人と紹介された人の両方に新たな出資金額の1%がプレゼントされるという話です。こういう話があると、つい、親戚や知人などにこのファンドを紹介したくなるものですが、みんなが紹介料ねらいであちこち勧誘するようなことをはじめると、連鎖販売取引(マルチ商法)になってしまいます。今の制度では、紹介料はたった 1% なんですから、めくじらを立てるほどのことではないとも思いますが、新規出資者が200万円を出資する場合には紹介料が2万円にもなり、無視できない額になります。乙は、レジャーホテルファンドの仕組みが将来どうなるかを考えて、大いに気になりました。
 パンフレットの一つに「レジャーホテル高収益の秘密」というのがありましたが、その p.3 では、運用利益率(運用利益/売上)が45%であると書いてあります。これだけを見ると、ものすごい利益率ですが、運用利益率から先の話として、本来、減価償却なども考慮しなければなりません。それが書いてないのはミスリーディングのように思いますが、どうなんでしょうか。
 もう一つのパンフレットに「はじめよう! HOPEα9」というのがあります。その p.12 では、総募集額(累計)も延べ出資者数も順調に増加しているようすがグラフで示されます。
 乙がグラフを目で読み取って、以下に概算を示します。

 総募集額 出資者数
α3 16億円  500人
α4 20億円  900人
α5 30億円 1400人
α6 41億円 2000人
α7 52億円 2500人
α8 67億円 3200人

 しかし、総募集額は累計であり、出資者数も延べであることに注意が必要です。
 上の表から、各段階の差分を取って、一人あたりの出資金を計算すると、以下のようになります。α3は、それまでの累計・延べのままです。

 総募集額 出資者数 一人あたり出資金
α3 16億円  500人 320万円
α4 4億円  400人 100万円
α5 10億円  500人 200万円
α6 11億円  600人 180万円
α7 11億円  500人 220万円
α8 15億円  700人 210万円

 α3のころまでは、一人あたりの出資金が 320万円もあったのに、その後は100-200万円くらいになっており、一人の出資者が出資する金額が小さくなってきている(出資者が小粒化してきている)ことがわかります。ということは、それだけ募集の手間がかかるわけで、会社としてはコストがかかるようになってきたということです。これもあって「ダブル紹介キャンペーン」などをはじめたのでしょうか。
 同じパンフレットの p.7 には、出口戦略(ホテルを売却して出資金を返還すること)について書かれています。
 乙が
http://otsu.seesaa.net/article/21743958.html
http://otsu.seesaa.net/article/19651675.html
で心配していたことは出口戦略でしたので、ここは注意深く読みました。
 そこでは、二つの方法が書かれていました。一つは、HOPEα32(仮称)のような、新しい「HOPEシリーズ」に売却することです。もう一つは、市場に売却することです。後者は、他者によって評価されて、正当な時価で売却されるでしょうから、特に心配はありません。(低く評価されて損失が出る心配はありますが。)問題は前者です。新しい「HOPEシリーズ」が買うといえば聞こえがいいですが、悪くいうと自転車操業ではないでしょうか。旧匿名組合の出資者への出資金の返還を優先させるには、時価よりも高い金額で新匿名組合に売ればいいわけです。新匿名組合でも、年間運用利益が十分ある間は、収益還元法で価格を計算しますから、ホテルの実際の評価額が表だって出てくるわけではありません。こうして、高い価格で先送りを続けていくと(これが自転車操業ですが)、あるとき、新匿名組合の出資金が十分集まらなくなった段階で、建物価格が大きく下がり、損失が表面化します。
 幸い、今までの「HOPE」シリーズはすべて完売してきたとのことですから、乙の心配は杞憂にすぎませんが、これからもずっとそれが続くとは限りません。特に旧匿名組合の物件を購入する場合が問題です。HOPEシリーズ間での物件の売買は、実態を隠すことにもつながりかねないので、ファンド会社としてはなるべくしない方がいいと思います。
 乙は、自分が出資しているα3が償還されるまで、このシリーズは購入しないことにしようかと思います。
2007.6.26 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/45923010.html
に書きました。
posted by 乙 at 05:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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