さて、その4面には、投資信託に関する記事が出ていました。「キーワード 信託報酬と運用成績」というものです。前半で、信託報酬の高低と運用成績の良し悪しは関係がないと述べた後、後半で次のようなことが書いてありました。
「例えば日本株全般で積極運用するアクティブ型投信約200本について、11月末までの5年間騰落率を調べると、最高210%から最低14%まで開きがある。一方、信託報酬は最大2.5%から最低0.8%程度であり、5年累積すると8.5%の差がつく計算だが、運用成績の差のほうが圧倒的に大きい。競争原理による信託報酬の低下は歓迎するべきだが、銘柄選別など運用力向上が前提になる。」
この記事では、信託報酬の差による影響は小さく、運用成績の差による影響が圧倒的に大きいから、後者に注意するべきだと述べています。しかし、このことは、前半に書かれている両者は無関係だという説明と矛盾しているのではないでしょうか。
もしも、信託報酬が高い投信の運用成績が、信託報酬の低い投信の運用成績よりも圧倒的によいならば、(つまり、信託報酬と運用成績に正の相関が見られるならば)信託報酬の高低はあまり気にせずに、運用成績を重視して投信を選ぶということになりますが、現実には、そうではないのです。
だとしたら、運用期間中に確実にかかってくる信託報酬が安いものを選ぶべきで、成績がどうなるかは、神頼みになるということです。210%の運用成績(5年で3倍ですから見事なものですが)は、たまたまの幸運でしかありません。その投信が210%の成績を挙げることは事前にはわかりません。
乙は、この記事を読んで、どうしても矛盾するようにしか読めませんでした。
【関連する記事】
- NISA で eMAXIS Slim 全世界株式の積立の設定
- 「長寿ファンド」に人気?
- CMAM日本株式インデックスeの第1期運用報告書
- CMAM外国債券インデックスeの第1期運用報告書
- CMAM外国株式インデックスeの第1期運用報告書
- 被災地応援ファンド「復興義援金」
- さわかみファンドの解約結果
- さわかみファンドを解約します
- 分配型の投資信託に関する考え方
- セゾン投信の月次運用レポート
- 「STAM グローバル REIT インデックス・オープン」の第6期運用報告書
- 中国・香港IPOファンド
- 「STAM 新興国株式インデックス・オープン」の第2期運用報告書
- 「STAM グローバル株式インデックス・オープン」の第5期運用報告書
- 「STAM TOPIXインデックス・オープン」の第5期運用報告書
- 毎月積立投信を「住信-STAM」シリーズから「中央三井-CMAM」シリーズに
- 「フェイム−アイザワ トラスト ベトナムファンド」の第3期運用報告書
- 積立投資がプラスになる
- 孫の出生祝として投資信託を(3)
- 孫の出生祝として投資信託を(2)