2007年01月05日

出島昇(2004.7)『週末「株」で大儲け!』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。「1週間に一度の取り組みで着実に資産を増やす方法」という副題が付いています。
 柴田罫線を用いたテクニカル分析を主体として株を売買しようという本です。ウィークリートレードといいます。
 乙は、テクニカル分析を基本的に信頼していないので、読むべきではなかったと思いました。特に第3章(pp.93-156)はテクニカル分析そのものですので、スキップしてかまわないと思います。
 さて、出島氏は、まえがきの p.5 で次のようにいいます。「そこで私はようやく学んだ。今でも最も確率の高いテクニカル分析手法だと確信している柴田罫線をもってしても、「罫線を見ているだけでは、長期にわたり、株で勝つことはできない」という真理を。」
 なかなかまともな話です。では、どうするか。続きに、こう書かれています。「常に、全体相場を見極める必要があるということなのだ。」同様の趣旨は、本書の終わりのころ、p.270 にも現れます。これもある意味で正しいでしょう。一番の問題は「全体相場を見極めることができるか」ということです。乙は、以前は、ある程度可能だと思っていました。しかし、最近は、そうでもないと思うようになってきました。数年にわたる大きな流れのようなものは、把握できると思っていましたが、実際に株の売買をやってみると、それでさえもむずかしいということを感じています。単に乙が素人だからでしょうか。
 また、日経平均がどういう傾向にあるかということと、自分が買っている個別銘柄がどう動くかとは必ずしも関連しないことがあり、個別銘柄の株は個別銘柄の特徴を強く持っています。ますますむずかしいです。(まあ、日経平均を反映するような株を買えばいいということもいえますが。)
 出島氏の主張は、テクニカル分析と相場全体の傾向が不一致のときにどうしたらいいのかという一番肝心なことが書かれていません。ここらあたりが「マル秘」の技術なのでしょう。乙は、これはマル秘の技術ではなく、単にヤマカンに過ぎないと思っていますが。
 p.79 では、株の売買に関して、証券会社が買い一辺倒の推奨をする理由は、証券会社がファンドを顧客に買わせている以上、カラ売りは推奨できないからだということを述べています。なるほど、こういうことだったんですね。業界の内部事情が暴露されたような感じです。
 p.86 株について、長期の値上がりを狙うのはバクチだとしています。乙は、これは違うのではないかと思います。むしろ、長期に持っていれば値上がりする確率が高いのが株なのではないでしょうか。これが資本主義の特徴だといってもいいと思います。数十年単位で見れば、株価は上昇するものでしょう。
 p.148 著者がなぜファンダメンタル分析をしないかが書いてあります。会社のファンダメンタルズ情報は『会社四季報』から得られますが、そもそも『会社四季報』は当該企業のIR、広報情報であって、あまり信頼できないということです。だから、『会社四季報』が出た後で、業績予測を下方修正するということも珍しくないということです。なるほど、そんな読み方ができるんですね。
 p.160 では、柴田罫線で買い転換した銘柄をすべてファンダメンタル分析したと書いてあります。おや、p.148 の記述と矛盾しているようです。
 p.189 では、業績のチェックは株式投資の基本だということで、ファンダメンタル分析を行うように書いています。p.160 の態度と同じですが、p.148 の記述とは矛盾しているように読めます。
 p.272 一番最後のページです。ここでは、トレンドを重視するように主張しています。そのため、柴田法則の影が薄くなっています。

 全体を通読して、わかったようなわからないような気分になりました。
 株の本はむずかしい(内容が理解できない)ものが多いような気がしていますが、それは、乙の頭が悪いからでしょうか。どうも、書く側の頭がすっきりしていないか、少なくとも、わかったことをわかりやすく他人に伝える技術を持たないかではないかという気がしています。
 乙は「真理は単純である」(Truth is simple.)という主義ですが、株の本はそういうのとはだいぶ違うようです。
 なお、出島氏のサイトがあります。
http://www.zubakabu80.com/
興味のある方はどうぞ。


2007.1.8 追記
 この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/30915013.html
に書きました。
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posted by 乙 at 05:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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