http://otsu.seesaa.net/article/29970176.html
開設OKのメールがあったのは、12月20日でしたが、その後、1月6日になって、やっと User Name と Password が郵便で送られてきました。正月ということも影響するのでしょうか、連絡がかなり遅い感じです。
封筒のアドレスを見ると、何と(!)、香港からです。アメリカの証券会社に口座開設したのですが、郵便は香港発なんですね。このほうがたぶん郵送コストが安いからなのでしょう。以前、アメリカの某所から定期的に手紙をもらっていましたが、いつも香港からだった(香港の切手を貼り、香港の住所が書いてあった)ことを思い出しました。アメリカ企業の合理性の一端をかいま見ました。
さて、E*TRADE 証券では、どんな債券があるのか、ちょっとサイトをのぞいてみました。User Name と Password をもらわないと、こんなことすらできないんですよね。
一見して驚きました。E*TRADE 証券の扱う債券のバラエティたるや、すごいものです。ウェブサイトには Bond Finder などという検索ソフトまであり、これで各種条件を指定して債券を検索するのです。
たとえば、2012 年から 2017 年に満期になるゼロクーポンの米国債を指定してみましょう。47件もヒットしました。最も利回りが高いのは 2017年11月15日満期の 4.714% のもので、最も安いものは 2012年5月15日満期の 4.276% のものです。まさによりどりみどりです。
同じ条件で野村證券(日本国内で最大の米国債の品揃えがあるという話ですが)のサイトを探すとたった4件しかありません。
その4件の利回りを、野村證券と E*TRADE 証券で比べてみましょう。
満期 野村證券 E*TRADE
2017.11.15 4.54% 4.714%
2016.02.15 4.47% 4.597%
2015.08.15 4.46% 4.553%
2013.02.15 4.38% 4.453%
このように、いずれもアメリカの E*TRADE 証券のほうが高利回りです。それ以外に、口座管理料の問題があるのですが、ここでは省略します。
この結果を見れば、野村證券で米国債のゼロクーポン債を買う意味はありません。やはり、米国債はアメリカで買うのがよいという当たり前の結論になります。
唯一、野村證券が優れている点は、日本語でやりとりができることでしょう。乙は、E*TRADE 証券と英語でやりとりするのも楽しいと思いますが、ま、こうなると、趣味の領域でしょうかね。
ともあれ、野村證券としては(いや、日本の全部の証券会社に当てはまることですが)、アメリカの E*TRADE 証券と競争することになったようなもので、大変なことだと思います。日本語が唯一の武器というのでは、将来は明るくないように思いますが、どうなんでしょうか。
2007.1.12 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/31260499.html
に書きました。
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