2007年02月09日

藤沢数希(2006.12)『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。
 この本は、インデックス・ファンドへの投資を語る本です。
 現代のファイナンス理論に基づき、株への投資を説いています。
 乙は、今まで投資関連の本をいろいろ読んできたので、残念ながら、この本にあまり新鮮味を感じませんでした。特に、橘玲氏の『臆病者のための株入門』
http://otsu.seesaa.net/article/19337369.html
と似ているようです。しかし、投資関連本として、最初に読むと、インパクトがあると思います。
 この本では、最後のほうにおもしろいことがたくさん書いてあります。
 pp.177-178 インデックス・ファンドがいいなら、なぜインデックス・ファンドばかりにならないかという問題に対して、人間はオーバーコンフィデンス・バイアスがあるからだと説きます。人間は自分に自信があるからという説明です。投資の場合も同じで、自分は他人よりもうまくやっていけるという自信を持っている人がいるからアクティブ・ファンドの人気があるというわけです。この説明は納得できます。人間は自分を冷静には見つめられないものなんですね。
 pp.180-181 TOPIX 組入銘柄をねらって儲けようという話がうまく行かなくなってしまった経緯を書いています。
 乙も、このことは気になっており、ブログに書いたこともあります。
http://otsu.seesaa.net/article/22402936.html
しかし、気にするほどのことはないということです。
 p.184 インデックス・ファンドを優位にする莫大なコストは、すべてアクティブ・ファンドの投資家が支払っているという指摘です。非常に興味深いです。考えてみれば、そうなりますね。
 p.190 投資するよりも働くことが一番だという話です。日常的にお金が生まれるという意味では、一面の真理です。
 p.194 「貯金が数千万円以上あるひとは、嫌でも投資というものに向き合っていかなければいけません。」まさに乙の気持ちが書いてありました。好きで投資しているわけではないのです。「しなければいけない」のです。
 p.202 アセットアロケーションの考え方を具体的に書いています。個人ごとに違わざるを得ないので、あくまで参考にするだけですが、具体的な数値が書いてあるだけに興味深かったです。そして、p.205 では、藤沢氏が自分のアロケーションに関して、外国株、日本株、外国国債、日本国債を85対15対50対0にしていると記しています。日本国債をゼロにしているのは乙と同じです。けっこう外国株と外国国債が多いように見えます。合わせれば135ですから、全資産の9割は外国に投資していることになります。

 ちなみに、著者のブログがあります。
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/
 アクセスしてみると、ブログに書かれていることは本の内容とダブっているんですね。(本にもその旨が書いてありましたけれど。)
 もしかして、本を買わなくとも、こちらのブログを通読すればよかったのかもしれません。


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posted by 乙 at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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