日本から香港の自分の口座に1万ドルずつ送金するとして、その2回分をまとめて2万ドルを香港からどこかに送金するとするとしましょう。1万ドルでも2万ドルでも、送金手数料は変わりませんから、まとめて送金することで、送金手数料は半分ですむということになります。
さて、このような条件で、「まとめて送金」は本当におトクでしょうか。
乙の場合、年7%の運用を目指しています。ということは、1万ドルは年平均 700 ドルの資産増加をもたらすと考えていることになります。1日あたり2ドルです。1万ドルを送金して、ちょっと待ってもう一度1万ドルを送金すること(送金手数料は2回分かかります)と、1万ドルを送金せずに、口座に入れたまま待って、あとの1万ドルと合わせて2万ドルを送金すること(送金手数料は1回分だけです)を比べることになるわけですが、後者の場合、1万ドルを口座に入れて待っている間はわずかの利息が付きますがまあ無視できるとしましょう。すると、待っている間に1日あたり2ドルが得られるはずだったのに、それが得られなかったということになります。
送金手数料が32ドルとすると、1回で2万ドルを送金する場合は 32ドルかかることになり、2回に分けると 64 ドルですから、差額は1回分の送金手数料の 32 ドルということになります。
32ドルは2ドルの16倍ですから、つまり1万ドルを16日間運用せずに口座に置いておいたら、送金手数料節約分の損失が発生する(正確には、得るはずだった利益がゼロになる)ということになります。
言い換えると、16日以内に再度1万ドルを同じところへ送金する予定がある場合は、1万ドルの送金をストップして、2万ドルにしてから一度に送金するべきで、それ以上間隔が空くなら、1万ドルずつ送金するほうがいいという結論になります。
実際上、もらった給料の一部を投資に回すときは、16日以内に再度送金する可能性はほとんどなく、まあ1ヶ月後の送金でしょう。とすると、1万ドルを口座に入れておいて1ヶ月待つようなことは、かえって損だということになります。1万ドルずつこまめに送金した方がいいということです。
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