2007年04月04日

渡辺仁(2005.11)『起業バカ2 やってみたら地獄だった』光文社

 乙が読んだ本です。
 前著『起業バカ』
2007.3.29 http://otsu.seesaa.net/article/37135377.html
に続くもので、似たような調子で書かれています。
 一番おもしろかったのは、p.207 です。一部引用します。
 ハッキリ言おう、この本を手に取った多くの読者は、「ちょっと起業でもしてみようかな」と思っているはずだ。だが、そんなヤツらは間違いなく社長の資格 qualification はない。「社長になっちゃいけないヤツ」だ。だから、99%失敗する。【中略】
 そもそも素質 potential のある人間は、私の本を読む前に、とっくのとうに起業している。まずは実際にやっているのだ。私の本を読んでいる時間なんてない。その意味では、本書を読んでいるようなあなたに、起業の資格なんぞないと断言 assert してもいい。
 何とすごい言い方でしょう。読者の心を見透かされたようなことばです。乙は、別に起業するつもりではないですが、会社を作り経営するということはどういうことか、知りたくて、手に取ってみたのでした。この1節には驚きました。
 p.129 には「脱サラ 35 歳説」が出てきます。起業適齢期というのがあるそうで、それが 35 歳とのことです。乙は、とうの昔にその年齢を過ぎていますから、今さら起業はできません。しかし、起業する人たちの考え方を知ることは、意味のあることで、中小企業に投資するかどうかなどと考えるときにも、参考になると思いました。しかし、本書で描かれるような人たちは、株式公開まで行かずに失敗して、廃業してしまった人たちですので、投資の参考にはなりませんでした。まあ社会勉強と考えればいいのではないでしょうか。
 本書全体として、前著との重なりが感じられ、あまりおもしろいとは思いませんでした。「二番煎じ」といえばいいでしょうか。
 ただし、後書きが大変おもしろかったです。前著で書いた教育系フランチャイズから著者が訴訟を起こされたことを書いています。どう決着するのか、興味が尽きませんが、著者は、本書と前著の2冊で、いいたいことをズバズバいっているわけですから、このような訴訟は当然のことでしょう。著者には、そんなことに負けずにがんばっていってほしいと思います。


ラベル:起業 脱サラ 倒産
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posted by 乙 at 06:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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