2007年04月06日

ジェレミー・シーゲル(2006.7)『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』日経BP社

 乙が読んだ本です。
 索引まで含めると 420 ページもあり、分厚くて重いです。株式投資に関する研究書といった感じです。
 図表がかなりあって、わかりやすそうですが、乙は、2ヶ月ほどかけて少しずつ読んでいったため、全体を把握することがむずかしくなってしまいました。
 全体として、まじめな本であるという印象は受けましたが、そのうち、再度全体を読み直そうと思います。それくらい、内容が濃いと思いました。
 「推薦の言葉」(p.iii)には、長期運用について、20年以上ということであり、10年ではダメだと書いてあります。「余裕資金」というのは、20年以上使わないで投資できる資金という意味なんですね。乙の15年の投資期間というのは、ちょっと短いように思えてきました。ま、15年経った段階で投資を完全に止めるという意味ではないので、問題はないと思いますが。
 第1章から第2章では 200 年に渡る株式や債券のデータを用いて議論しています。態度としてはいいのでしょうが、そんなに昔の話が今に当てはまるのでしょうか。心配です。
 p.41 では、「30年物の米国債の実質実質利回りよりも、普通株を組み込んで分散化させたポートフォリオを30年間保有する場合の購買力のほうが、はるかに安定している」と書いてあります。30年もの長期投資では、株だけでいいということなのでしょう。しかし、それより短期の場合、資産の安定化のためには、ある程度は債券を組み込んでおいたほうがいいように思うのですが。
 p.156 では、1970年代のニフティ・フィフティ銘柄について述べています。ニフティ・フィフティというのは、投資家が夢中になった成長株だったというわけです。これは1970年代に暴落があり、その直前には割高株だった(過大評価されていた)のだと思われたわけですが、その後の推移を見ると、必ずしも割高だったとは言えないということです。不思議な話です。ということは、ある意味で、どんな株でも、じっと持っていれば何とかなるという意味に受け取れます。
 p.174 英米日独の30年間(1970-2001)の米ドル投資の利回りは(年利で 11-12% で)ほぼ一致するというグラフが掲載されています。これまた不思議な話です。この途中には、日本の大きな経済成長や、ブラックマンデーなどの大事件があったわけですが、30年というスパンで見ると、そういうのは特に例外とも思えません。
 pp.212- の第12章は「株式と景気循環」を論じていますが、結論からいうと、景気循環はあてられない(予測できない)ということです。つまり、景気がいいときは株価が上がるから、そのときだけ株に投資しようという態度はよくないということになります。
 pp.256- の第15章は ETF の話です。p.256 では、(2001 年の段階ですが)QQQ が一番人気だったとのことです。
 pp.303- の第17章は「テクニカル分析とトレンド投資」の話です。移動平均を基準にして投資すると、そうでないときよりもちょっとだけ成績がよくなるという結論です。おもしろいと思いました。テクニカル分析が有効な場合があるんですね。
 pp.320- の第18章は「季節のアノマリー」ということで、1月効果など、各種の季節効果について述べています。ごく一部ですが、単なるランダムではない現象があるのですね。
 p.373 優れたファンドマネジャーを見つけることはむずかしいという話です。下手なファンドマネジャーを見抜くことも困難だということです。
 p.387 「すべての長期的な金融資産ポートフォリオにおいて、圧倒的に大きな比率を株式に割り当てるべきである。」という著者の主張が述べられます。理屈からすればそれが正しいということはわかりますが、いざ、自分が当事者になったときに(自分の資産運用時に)そう決断できる人はなかなかいないだろうと思いますが。
 p.392 「小型割安株の利回りは、長期にわたって小型成長株の利回りを大幅に上回ってきた。」とのことです。ということは、分散投資の中でも、小型割安株のインデックス・ファンドに投資することを考慮したほうがいいということでしょう。


【関連する記事】
posted by 乙 at 05:03| Comment(3) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シーゲルは、現在、WisdomTreeでETFの組成に関わっています。潰れかけの投資会社に招かれて、配当加重平均ETF、収益加重ETFの内外、大型、小型株別、さらには国際セクター別ETFを組んでいます。

学友かどうかは知りませんが、WisdomTreeのチェアマンは、元ヘッジファンド勤務でペンシルバニア大学の卒業生です。(といっても何十年も前)。

小型割安株のETFは、WisdomTreeであれば、DES(米国小型)、DLS(米国以外小型)、EZY(米国内低PER)などがあります。indexのところで、バックテストの結果が示されています。いずれも、近似するセクターの市場平均をアウトパフォームしています。
Posted by 名無しさん@お金いっぱい at 2007年04月07日 22:23
名無しさん@お金いっぱい様
 コメント、ありがとうございます。
 WisdomTree 社もおもしろそうですね。
 もっとも、ETF では、市場平均をアウトパフォームすることをねらうものではないと思いますが、……。
Posted by at 2007年04月08日 17:34
こんにちわ。すばらしいブログですよね。
私は某証券会社勤務で3年目になります。
「今日の収益はどれだけできた?」ではなく、
「今日はどれだけいいアドバイスができた?」
と顧客第一の環境を維持してます
私のブログでも顧客第一としています
こちらのブログのようにすばらしいブログにもしたいです
よろしくおねがいします
Posted by 木下義孝 at 2007年04月08日 20:38
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

【読書メモ】株式投資 ジェレミー・シーゲル
Excerpt: 今年196冊目。おススメ度★★★★☆ 原題は、『Stocks for the L
Weblog: レバレッジ投資実践日記
Tracked: 2010-02-27 18:34