2007年04月08日

保田隆明(2007.3)『なぜ株式投資はもうからないのか』ソフトバンク新書

 乙が読んだ本です。
 ちょっとショッキングなタイトルですが、これは『なぜ(個人投資家が行う)株式投資はもうからないのか』という意味ですから、誤解を招きやすいタイトルだと思いました。
 IPO の問題点、機関投資家や証券会社が有利であること(それと対比すれば個人投資家は不利であること)、日本の新興市場の問題点、などをわかりやすく述べています。株式市場は、金のある人が有利になるようにできており、その意味で不公平なんですね。著者は、外資系の証券会社などを経てきているとのことで、内部事情にも通じています。
 いろいろ考察した後で、結論をいえば、p.215 で述べているようにインデックス投資に行き着くとのことです。結論は平凡ですが、そこに行き着くまでのさまざまな話がおもしろかったです。一読しておく価値はあると思います。
 乙が一番おもしろいと思ったところは p.126 で、投資家は、証券会社(の社員)を食わしているという発想です。個人投資家が株の売買をすればするほど、証券会社に手数料を貢ぐことになるわけです。インデックス投資ならば、一度買って、ずっと保有するだけですから、証券会社に貢ぎません。その分だけ、成果が投資家に返ってくると考えられます。これは普遍的な真実と言えるでしょう。


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posted by 乙 at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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