今(2007年)を基準に考えて、10年後にどうなっているかを四つのシナリオに沿って予想し、1997年に学生だった5人が2017年にどうなっているかを描いています。みんな40歳前後になっているわけですが、それぞれずいぶん違った道を歩んでいます。SF小説タッチですから、全体として軽い読み物になっています。
四つのシナリオのどれが実現するかで、日本はまったく違った社会になっているものと思われます。どれが実現してもいいように、今から準備しておきなさいという趣旨なんでしょうが、それだったら、もっとコンパクトに書けるのではないでしょうか。
乙は、投資の面から考えると、中身が薄いように思いました。
内藤忍氏の「あとがき」の前半(pp.242-249)が一番読み応えがありました。長期分散投資を心がけようという話です。
また、「まえがき」もおもしろかったです。学者でありながら同時に資産家でもあった本多静六氏のことが書かれています。『私の財産告白』という本があるそうで、乙は、これを読みたくなりました。
というわけで、この本は、あまりおすすめではないと思います。
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