アメリカでの ETF の購入は、すべてドル建てですから、日本円をドルに両替してアメリカに送金することになります。
さて、ここで問題になるのが、日本円の運用方法です。
手持ち資金を全額ドルに替えてしまっては、日本で生活できなくなりますから論外です。海外に投資すると、国内に戻すとき手間と時間がかかるので、資金の一部(生活費+α)は日本円で持っていなければなりません。その場合、預貯金という形が当然です。
では、日本国内で日本円のまま投資することをどう考えたらいいのでしょうか。資産運用の一部は国内で円建てで行うべきでしょうか。
アメリカの ETF のすばらしさを知ってしまうと、日本での投資が全般にばからしく思えてしまいます。
この問題について、乙なりに考えてみました。
いうまでもなく、すぐに使う(可能性がある)お金なら預貯金の形が一番です。
「投資」は、余裕資金で長期に渡って継続的に行うべきことだと思います。数年ないし10年、できたら15年さらにはそれ以上のスパンで考えたいものです。乙は老後のことを考えて投資しています。今、投資に回している資金は、これから15年以上使わなくていいものです。
日本円にせよ、外貨にせよ、どうせ長期にわたって使わないということでは同じことです。
だとすると、日本円による投資は一切考えなくてもいいということになりそうです。つまり、投資は全部海外で行うと決断してしまってもいいのかもしれません。日本円は、当面の生活費+α程度を預貯金で持っていて、それで全部というスタイルです。
日本円による資産運用はしないとした場合に、何か不都合はあるでしょうか。
考えてみると、不都合は何もないように思います。
子供の結婚やマンションの購入でお金が必要になるとか? こういうことは、親が資金を援助しなくたって、子供が自分で行うべきことです。援助するとしても、ほんの一部で十分であり、それは「生活費+α」の中に含めて考えます。
自宅が地震で倒壊したりして、緊急にお金が必要になるとか? そういう場合は、激甚災害ということで、地方自治体や政府が緊急の援助をしてくれるでしょうし、周りの人(親戚など)が何とかしてくれるでしょう。そんな、いつあるかわからないものに備えて、すぐお金が引き出せるようにしておくべきだなんていう話はないと思います。それでは投資なんかやってられません。
乙やその家族が大病して、入院手術代などが相当にかかるとか? そういう場合は、海外から資金を引き揚げたって間に合うでしょう。
クルマを買い替えるとか? しばらく先にまとまったお金(日本円)が必要になる場合は、海外送金をストップするだけでいいのです。乙は給料をもらう身分ですから、海外に送金しなければ、自然と日本円が貯まります。
円高になったときに、海外で外貨建ての投資をしていると大きな損失が出るとか? それはあり得ますが、逆に日本円で資産を持っていれば円安のときに損失が出るわけで、この問題は何ともいえません。そもそも、日本は成熟経済ですから、そんなに大きな為替変動はないだろう(せいぜい2倍程度だろう)と思っています。
2006.6.19 http://otsu.seesaa.net/article/19489254.html
こんなことをあれこれ考えていると、日本国内で日本円投資を考えている人たちは、なぜそのようなことをしているのか、疑問になってきました。一番身近な通貨だから何となく(確たる根拠なく)円投資をしているだけではないでしょうか。
分散投資の一部として日本株に投資する必要性は認めます。しかし、それにしたって、アメリカの ETF で行うことが可能です。つまり、日本株に投資する手段は国内で日本円で行うとは限らないということです。
乙なりの当面の結論は、投資は全部海外で行ってもよく、日本円で持っているのは当面の生活費+αだけで十分だということです。過激な結論にたどり着きました。
なお、VMax さんが、ホームバイアスという記事をお書きです
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_41bc.html
が、これは理由もなく自国資産の割合を高めてしまうことなので、今回の乙の議論と関連します。
さて、今回の「日本円の資産運用は不必要」の記事ですが、いろいろな場合について考えられており、それなりの説得力があると感じます。
ですが、少しだけ私の意見を述べさせてください。為替変動ですが、将来円高に振れるか円安に振れるか分からないので、どっちに振れてもいいように分散することが必要なのではないでしょうか。また日本株の運用も海外ETFで行えるとは思いますが、わざわざ為替手数料を払ってまで外貨で行う必要もないと思います。素直に国内のETFで行えば低コストで行えます。ですので、やはり一部は日本円で運用を行うべきかなという気がします。
でも記事で書かれているようにアメリカのETFを見てしまうと日本国内の金融商品で運用する気にはなれないかもしれません。アメリカ並みの商品が日本でも提供されることを望んでおります。
資産運用の(外貨と円の)比率の問題もさることながら、どれくらいの総額なのかによって話が変わってくるように思います。
数百万円ならば、日本円が半分近くあっても自然ですが、数億円ならば、5% でもいいかもしれません。
絶対額として、数百万円あれば、当面の生活資金として十分ではないかと思います。
同感です、
>数百万円ならば、日本円が半分近くあっても自然ですが
総資産数百万だと、少しきついかなと思います、すぐ車が欲しくなったりしますと大変です
その辺りは個人のライフスタイル次第ですね
記事でおっしゃりたいのは「日本の金融商品で運用する必要はない」ということだと思いますが、それはそうかもしれないなあとは思います。確かにアメリカには魅力的な商品が多いですものね。
アメリカの税制は今のところ、非居住者(日本に住む日本人など)にはよぶんな税金を課しません(居住外国人やアメリカ国民への税率は比較的高い)。投資を海外から呼び込みたいのでしょう。でも将来は分かりません。議会の動向によってはアメリカ国内の税制、日米での租税条約が変更になるかもしれません。
なので、法律改正などに敏速に対応できる証券会社を選ぶのは、海外取引では特に重要だと思います。郵送の必要がない、メールの対応が早い、などは、本当に大事なチェックポイントのようです。
ただ、アメリカでの投資の比較優位が小さくなっていく気もします。日本国内での手数料が最近急速に下がっているから、という他にはあまり根拠がないのですが。