しかし、それでは資産を無用のリスクにさらすことになるように思います。
また、今後の投資の方針を考える上でも、この際、アセットアロケーションを考え、かつ現実のポートフォリオを把握し、両者の違いをなくすようにするべきだと思います。
そこで、最近、思い立って、乙の場合を計算してみました。
まず、(乙が考える)乙にとって望ましいアセットアロケーションの一例です。
投資対象別では、株式50%・債券20%・不動産15%・ヘッジファンド等15% くらいが適当でしょう。
不動産やヘッジファンドを組み込んでいるところは、従来のアセットアロケーションと少し違うところでしょうか。
次に、株式の地域別配分ですが、アメリカ40%、ヨーロッパ20%、日本20%、新興国20% くらいでいかがでしょう。株式の時価総額や GDP の大きさを基準にすると、アメリカに重点をおいてもいいでしょう。新興国の比率が GDP の大きさに比べて高めなのですが、これは乙の好みの反映です。新興国のほうが先進国よりも成長率が高い場合が多く、リスクは高いけれども、それなりのリターンが期待できそうです。
この話は、VMax さんの意見
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_096c.html
に近いかもしれません。
最後に、債券の地域別配分ですが、アメリカ、ヨーロッパ、新興国を同じくらいにし、日本はゼロとしましょう。日本の国債は利率が低すぎてお話にならないし、格付けが上がったといっても、まだまだ総合的には格付けも低いし、投資先としての魅力はないものと思います。
さて、これらを総合すると、以下の表のようなアセットアロケーションができあがります。
《理想》 合計 アメリカ ヨーロッパ 日本 新興国
株式 50% 20.0% 10.0% 10.0% 10.0%
債券 20% 7.0% 7.0% 0.0% 6.0%
不動産 15%
ヘッジ等 15%
この表を全体として眺めると、まあまあのような気がします。こんなのを当面の理想と考えることにしましょう。
さて、現実はどうでしょうか。乙が投資している各種の金融商品の時価を求め、通貨単位をそろえ、多くの国々に投資するファンドは、それぞれの国の投資比率で按分し、各種資産ごとに合計して算出したのが以下の表です。
《現実》 合計 アメリカ ヨーロッパ 日本 新興国
株式 54.0% 3.3% 2.2% 14.6% 33.9%
債券 15.6% 7.2% 0.6% 0.0% 7.8%
不動産 10.1%
ヘッジ等 20.3%
《理想》と《現実》を比べると、乙の今後の投資方針がわかります。
新興国の株を総資産の24%ほど売り、日本株を5%ほど売って、アメリカ株17%とヨーロッパ株8%、ヨーロッパ債券6%に振り向けるべきだということになります。(細かいパーセンテージのズレは気にしないことにしましょう。)さらに、ヘッジファンドを5%ほど売って不動産に振り向ける必要があります。
実際のところ、乙は毎月の給料の一部を投資に回していますが、それではもっぱらアメリカ株、ヨーロッパ株を買おうと思います。
《現実》の表を見ると、乙の場合、結果的にずいぶん新興国の株に集中投資してしまいました。これには二つの理由がありそうに思います。
一つは、新興国の株が大幅に上昇しそうに見えて、ついつい買いすぎてしまったということです。
もう一つは、新興国の株は、実際大幅に上昇したので、はじめはそんなに比率が高くなかったのに、自然にどんどん比率が高まったということです。
すぐにこれだけの調整をすることはむずかしいと思いますが、今後は、この方向でコントロールしていこうと思います。1年くらいのうちに《理想》に近づけたいと思います。
こういう作業をリバランスというのでしょうね。いや、乙の場合ははじめからバランスなんて考えていなかったからそう呼ぶのはおこがましいですかね。
ラベル:アセットアロケーション