このブログでは、乙の投資金額について書いたことはありません。比率だけは示しましたが、絶対額は書かないままにしてきました。
しかし、乙の20年ほどの経験の中で、投資金額の多少によってリスクをどう考えるべきかが違っているような気分になりました。主観的なものですので、客観的な裏付けがあるわけではありません。
投資先として、株式と債券がある場合、株式はハイリスク・ハイリターンであり、債券はローリスク・ローリターンです。これはいつでも成り立ちます。株式に投資すると、ハイリスクですから、株価の上昇にともなって投資資金が急増する場合もあるでしょうが、株価の大暴落があってすっからかんになる場合もあるかと思います。債券に投資すると、ローリスクですから、そういうことがなく、いつもわずかながらの投資資金の増加が見込まれます。
そんなわけで、投資本などを読むと、株式と債券の比率をコントロールするとよいというようなことが書かれています。年齢によって比率をだんだん変えるのがよいというような記述もあったりします。若いうちは自分で働いて稼げるということで、リスクを取ってもいいので、株式投資の比率を高くし、歳を取ってきたら、自力で稼げなくなり、大暴落にあうと老後資金がなくなってしまうから、株式投資の比率を低くする(債券投資の比率を高める)という考え方です。
乙の経験(というか感覚ですが)では、投資金額によってこのような考え方が違ってくるように思います。
数百万円から数千万円を投資する場合、やはり、老後資金を失うことは歳を取った後で生活できないことに直結しますから、大きな問題になります。だから、株式に全力集中などということは、危なっかしくてやるべきではないと思います。しかし、投資資金が1億円から2億円を越えるようになってくると、ちょっと感覚が違ってきます。
株式に集中投資して、債券をまったく持たない場合もあるかと思います。すると、1年で資金が半減するような暴落も経験することがありそうです。まれには資金が2割程度まで減ってしまうことがあるかもしれません。日本のバブル崩壊時には、4万円近くの株価が7千円を切るところまで暴落しました。2割以下になってしまったわけです。
しかし、仮に2億円の資金を株式で運用している場合、株価が2割になってしまっても、4千万円が手元に残ります。これだけでは老後が心配だという人もいるでしょうが、年金をもらっているならば、毎年の定期収入が別にあることになりますから、年金以外に4千万円くらい資金があれば、何とか老後を食いつないでいくには十分ではないかと感じます。
この感覚は、1億円ないし2億円くらい運用資金がないと成り立たないことになります。世の中の富豪と言われる人はそんな額をはるかに超える資金を持っているわけですから、そういう人は株式投資一択でいいのではないでしょうか。
それにしても、大暴落は怖いので、一つの銘柄の株式に全資金をかけるようなことはするべきではないと思います。会社が破産して無一文になってしまう危険性があります。
分散投資ということで、インデックス投資を心がけているような場合、たくさんの銘柄に資金が分散されますから、大暴落(つまりはすべての企業の株価下落)というのも起こる確率が低くなります。
特に、海外の株式を視野に入れて世界の株式に分散投資している場合は、全世界の株価が一斉に大暴落という事件が起こる確率はさらに低くなります。
ということで、投資金額がそれなりに多くなれば、全資金を株式に投資するという手もあるのではないでしょうか。株式はハイリスク・ハイリターンです。ということは、一般に株式で運用している方が資金が増加しやすいということです。たまに大暴落があるのですが、それを回避することは(特に素人には)不可能です。受け入れるしかありません。
こんなことを考えていると、世の中のお金持ちがさらにお金持ちになっていくプロセスがわかってきます。お金持ちは、株式投資を通じてリスクが取れるので、自分の資金がさらに増えていくことが多いということになります。乙は、その入口が垣間見えたような気がしました。
山崎元氏の“2世代運用”についての話も、そんな文脈でとらえられるかもしれません。
2022.1.27 http://otsu.seesaa.net/article/485375803.html
2024年04月08日
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