2006.6.29 http://otsu.seesaa.net/article/19997784.html
これは、BRICs の4ヵ国に投資するものなので、インデックスとの比較がかなりむずかしくなります。
しかし、自分で納得するために、一応、やってみましょう。
さて、まずは株価指数の変遷ですが、インド株については、
2007.8.17 http://otsu.seesaa.net/article/51661221.html
で示したように、2005年7月から2007年7月まででちょうど2倍になっています。為替レートを考慮すると、110% 増です。
ロシア株は RTS 指数ですが、
http://www.rts.ru/index.cfm?id=2753&tid=323
でドル建てで計算できます。2005年7月段階で 782 でしたが、2007年7月では 1994 です。
中国株は H 株指数を見ましょう。
http://stock.searchina.ne.jp/
によれば、2005年7月では 5263 でしたが、2007年7月は 13363 です。香港ドルは、米ドルにペッグしていますから、為替レートは考慮する必要がありません。
ブラジル株はボベスパ株価指数というのがあります。
http://www.capital.co.jp/VDF_brics.pdf
http://www.bloomberg.com/apps/quote?T=jpquote.wm&ticker=IBOV:IND
によれば、2005年7月で 25000 くらい、2007年7月で 53000 くらいです。
ブラジル通貨レアルは、
http://www.ny.frb.org/markets/fxrates/historical/fx.cfm
で調べると、2005年7月で1ドルが 2.38 レアル、2007年7月で1ドルが 1.87 レアルとレアル高ドル安になりました。これを考慮すると、ドル建てではブラジル株は 2.7 倍にもなったということです。
次に、各国への投資配分について検討しましょう。
2005年7月に申し込むときに見た Fact Sheet では、国別投資比率は、ロシア26%、中国24%、ブラジル20%、インド17%、現金11% でした。現在は、ロシア31.3%、中国22.3%、ブラジル28.0%、インド16.8%、現金1.6% です。一応、足して2で割って、次のような配分がずっと続いたと仮定しましょう。
ロシア 29%、中国23%、ブラジル24%、インド17%、現金7%
各国別の株価指数の上昇と各国への投資比率から計算すると、2005年7月から2007年7月まででは、4ヵ国を合わせた株価指数は 2.4 倍になった(1年あたり 55% 増)という計算ができます。さすがに BRICs は好成績ですね。
実際のファンドの基準価格の上昇率は、2.25 倍ですから、株価指数に負けていることになります。
このファンドは成功報酬制で、1年あたり5%を上回れば、その 20% が成功報酬ですから、手数料が高いのです。ちょっと計算してみましょう。
2年で基準価格が 2.25 倍ということは1年あたり 50% 増(1.5×1.5=2.25)ですから、実際は、1年あたり 62% 増の成績をあげたことになります。そのうち、57×0.2=11.4% が成功報酬になり、ファンドの保有者に約 50% がまわったわけです。つまり、ファンドの成績は、実際はインデックスを上回っているのだけれど、高手数料のために、基準価格はインデックスを下回る結果になっているというわけです。
こういう成績なら、成功報酬2割というのも高くないように思えてきます。(でも、きつい下げに見舞われることもあるのでしょう。そのときは成功報酬はゼロです。)
成功報酬については、すでに乙の考え方をブログで述べたことがあります。
2007.6.19 http://otsu.seesaa.net/article/45253002.html
2008.9.14 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/106523626.html
に書きました。
よろしければご参照ください。
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