2007年10月03日

「長寿投信」販売が低迷

 日経新聞10月2日夕刊の1面に出ていた記事です。
 ごく一部が NIKKEI NET でも読めます。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071002AT2C3000202102007.html
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071002AT2C3000202102007.html
http://markets.nikkei.co.jp/fund/news.cfm?id=d2c3000202&date=20071002
 ファイナンシャル・プランナー長峰氏も
http://plaza.rakuten.co.jp/tokaifp/diary/200710020000/
でコメントしています。
 夕刊では、日米の投資信託の運用期間別のグラフが示されていて、印象的でした。
 ちょっと数値を読み取って表にしておきましょう。
運用期間日本米国
1年未満
13.5%
0.6%
1〜3年
34.1%
4.9%
3〜5年
23.2%
4.6%
5〜10年
24.4%
24.5%
10年以上
4.8%
65.4%

 日米はこんなにも違っています。
 この表から、見事に日本が短期志向、米国が長期志向であることが見てとれます。アメリカに比べたら、日本は赤ん坊みたいなものです。
 最近の日本の投信は手数料も高いものが多く、古い投信のほうが相対的によかったりすることも考慮するべきでしょう。
 問題は、投資家の多くが古い投信を買うという行動を取れるかどうかです。一部の人がそういう行動しても不十分であり、多くの投資家が一斉に動くことで、さらに多くの人(および金融機関やファンド会社)にアピールしていかなければなりません。
 アメリカのように、投資家の全体的態度として、長期投資を志向しているのはうらやましいです。これは、第1に、ファンド運用会社が、長期投資を心がけていることの反映です。第2に、投資家も長期投資を重視しているということです。投資家とファンド運用会社の間にそのような「暗黙の合意」があるのでしょう。たぶん、この長期投資はインデックス投資とかなり重なっているのではないかと思います。
 記事中で、前川貢氏が次のようなコメントを述べています。「米国では少なくとも3年運用し、実績を残した投信に資金が集まる傾向が強い。日本では投資家が過去の運用成績を重視していないのではないか。」
 まさにその通りです。日米の投資家の違いなのです。各国の投資家の需要に応じてファンド会社が投信を供給するのです。
 乙も、自分の投信購入歴を見ると、日本の投資家としての行動をしてしまった例がたくさんあります。今から思えば、短期投資をしようと思っていたわけではなかったけれど、結果的にそうなっていたのですね。投信の選び方を間違えたというべきでしょう。
 各国の投信のあり方は、その国の投資家がどんな考え方をしているかを反映しているといえるでしょう。日本は、「長寿投信」の販売が低迷する国なのです。そういう中で自分なりに長期投資していくというのは大変です。むしろ、アメリカで投信を購入したほうが、アメリカ式の考え方が反映していて、望ましいのではないかと思います。
2007.10.3 追記
 VMax さんのブログ
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_c81e.html
でも、この話が取り上げられています。
 生存者バイアスによる説明がおもしろいですね。
posted by 乙 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内投資信託 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック