9月末から施行された金融商品取引法(金商法)では、投資家保護の姿勢が強く打ち出されています。しかし、それが投資家にとって本当にいい話なのかと考えると、どうもそうとはいえないような気がしています。
日経ビジネスオンラインの記事
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20071016/137604/
によると、純資産が3億円以上ないと「一般投資家」に分類され、詳しく丁寧な説明を受けることになるそうです。この記事では、このことが金融機関に負担増になるという観点から書かれています。ヘッジファンドもアマチュア扱いになるという話などはおもしろいといえばおもしろいでしょう。
しかし、投資家の立場から見ると、これはまた面倒くさい話になります。
日本の金融機関がリスク商品をどう説明するか、よく知りません。乙の以前の(金商法施行以前の)投資信託の購入の経験をブログに書いたことがあります
2006.3.10 http://otsu.seesaa.net/article/14552734.html
が、金融商品取引法の施行によって、これがもっと強化されるのでしょうか。丁寧な説明というからには、時間をかけた説明になるのでしょうね。しかし、乙としては、実際のところ、そんな説明は聞きたくありません。時間のムダです。でも、法律がある以上、聞かなければならないわけです。
乙の純資産が3億円になってしまえばいいのでしょうが、う〜ん、そこまで行けるかどうか……。少なくとも今ははるか彼方の目標です。
金商法に関する乙の感想は、ブログ
2007.9.30 http://otsu.seesaa.net/article/57977096.html
に書いたことがありますが、金融商品を日本式に規制しても、コスト増になるだけで、それによって、ファンドが海外に逃げ出し、投資家も海外に逃げ出す(海外で投資するようになる)のではないかと感じています。
乙は、しばらく海外での投資を中心にしようと思います
2006.2.5 http://otsu.seesaa.net/article/12800956.html
が、そのほうが金融機関からの変な説明もなくて便利なように感じます。(こういうことがいえるのは、金融商品のリスクなどについて自分で心得ていることが大前提になるわけですが。)
金商法は、決して投資家のためにならないと思います。
そういえば「角を矯めて牛を殺す(ツノをタめてウシをコロす)」などという成句がありました。結果的に金商法が金融機関と投資家を殺してしまうことのないように願っています。
2007年10月21日
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