考えたのは以下のような点です。
第1に、購入単位の問題です。
生債券では、購入単位が大きすぎるということがあります。給与の一部を投資に回すことを考えると、せいぜい数十万円くらいを上限にするのでないと、日常的に購入するわけにはいきません。分散投資を考えたら、もう少し小さい単位での投資が可能なほうが望ましいと思います。
ETF ならば、相当小さな単位でも購入可能です。銘柄にもよりますが、数万円程度から購入可能です。もっとも、あまりに小さな金額では、売買手数料が高くなる可能性があるので、かえって非効率ですが。
第2に、購入する金融機関の問題があります。
海外で債券を購入する場合、乙が現在利用している金融機関では、生債券を適当な品揃えで売っていません。意外とバラエティがないものです。
債券購入のために別の金融機関に口座を開設する手もありますが、どこの金融機関がいいのかを調べるのも一苦労です。その金融機関に口座を開設していない人で、当該金融機関が取り扱っている債券について事前に十分に調べられるかどうか、疑問があります。アメリカとヨーロッパの両方の債券を扱っている金融機関があるのでしょうか。(口座開設自体、海外ではけっこうな手間が必要です。)
一方、ETF ならば、証券会社で気楽に買えます。Interactive Brokers であれば、ヨーロッパ市場で上場されている ETF も買うことが可能なようです。ということは、アメリカ債券、ヨーロッパ債券の両方とも投資可能だということになります。これは大変便利です。
第3に、金利動向や投資期間との問題があります。
生債券は、購入時に金利が固定し、それが償還時まで継続します。したがって、金利が高いときに購入するべきです。金利が低いときに債券を購入するということは、その低金利が長期にわたって続くということになりますから、金利上昇の好影響が享受できないわけで、それは避けるべきです。また、生債券では、投資期間=償還時期を事前に決めておかなければなりませんが、それはそれでなかなか悩ましい問題になります。将来どうなるか、予測は不可能です。
一方、ETF では、投資期間はほぼ関係ありません。ずっと保持したままでかまわないことになります。金利の動向は運用結果に影響しますが、長期間にわたってずっと ETF を保持したままであれば、だいたいは変動金利並みの利回りになるのではないでしょうか。つまり、ETF はほったらかしに向いているというわけです。
第4に、手数料の問題です。
ETF のほうが少し手数料が高いように思います。生債券では、購入時(と売却時)に手数料がかかります。ETF も購入時と売却時の手数料(株式の売買と同じ金額:大した負担ではない)がかかります。両者はほぼ同じくらいでしょうか。それに加えて、ETF の保有時には口座管理料(Expense Ratio)がかかります。生債券でも口座管理料がかかるところがあります。これらは、債券に投資し続ける限り継続しますから、20 年とかになると、1年分の20倍のコスト(実際は複利で考えるべきでしょうか)がかかります。債券の利回りを考慮すれば、それくらいのコストはしかたがないかなと思います。まあこれは許容範囲内でしょう。
第5に、換金性ですが、これは、生債券と ETF で差がありません。何らかの事情で現金化する必要が出てきたときには、両方とも比較的スムーズに市場で換金できると思います。
第6に、集中投資と分散投資の問題です。生債券では1種類の債券に集中投資することになりますが、ETF は、いろいろな債券に分散投資することになります。社債などは、生債券ではちょっと恐い(企業が倒産したらゼロになる)わけですが、ETF なら、多くの会社の社債に分散して投資しているので、一部の会社が倒産しても、全体としてはそれなりのリターンが期待できます。多くの会社がバタバタ倒産するような大恐慌にならなければ大丈夫でしょう。アメリカ国債にしても、ETF の場合は、償還期限が異なるさまざまな国債に分散投資しますから、その時々の国債を順次買い換えているようなことになります。これが上で述べた変動金利並みの利回りになるということです。これはこれで便利です。
というようなことで、乙なりに考えたところでは、債券投資も ETF がいいのではないかと思っています。
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E-Trade での債券売買はインターネット取引です。
それだけに限らず、乙の場合、ほぼすべての投資はネット経由です。金融機関まで足を運ぶことは今はまったくないです。いやな経験ばかりですからね。
Offer Priceがずらっと並んでいてそれを取る見たいな感じでしょうか?
アジア時間でもアメリカ時間でも取引可能?
売る時はどうなんでしょう?Bid Priceは出てますか?