古本屋に並んでいたので、思わず買ってしまいました。
中身は、インデックス投資のすすめです。日本債券はさておき、日本株、外国株、外国債券のそれぞれインデックスファンドに分散投資することを勧めています。文字通り、「本当に正しい」やり方だと思います。
ただ、この種の本を何冊か読んだ後で本書を読むと、あまり新しいことは書かれていないと感じます。まあ、それはそうでしょう。日本ではあまりに変な投資信託が蔓延しているわけですから、そういう社会に対しては、本書のような「正しい」投資のあり方を訴えていかなければなりません。
p.56 では、中国株やインド株の投信はかなり危険なギャンブルだということで、これを資産運用の核にしてはいけないと述べ、投資するとしても資産の 10% 以下にするべきだとしています。これは正しい考え方です。しかし、乙の過去の経験からすると、新興国株は大きく値上がりしており、さらに今後も高成長が期待できますから、実際上、10% よりももう少し多くてもいいのではないかと感じています。p.57 では、1ヵ月で 30% も下落したインド株投信の例がグラフで示されていますが、しかし、そのグラフをよく見ると、大幅下落の前後をある期間保持していれば、大幅下落を乗り越えて、全体としてはかなりのプラスになっています。これがインド株の魅力です。というわけで、インド株投資を少な目にするのは「正しい」考え方なのですが、そうでない考え方も十分魅力的に思っています。まあ乙はギャンブル好きということになるのでしょうね。
第5章では、「世代別に見る、投資信託の活用法」が述べられています。60代以上では、リスクを小さくして、債券を多めにし、20〜40代の若い人の場合は株を中心にして積極的にリスクをとることをすすめるわけです。各世代に対するおすすめの資産運用プランが具体的に書いてあります。わかりやすくて大変いいと思います。ただし、言うまでもないことですが、このようなプランは多数の人に当てはまるような、ある意味で「平均的な」プランであり、わかっている人の場合は、必ずしもこれに即していなくてもいいように思います。まずは本書で基本を学び、各自が自分の考え方で自分の人生設計に合わせて変更して使うのがいいでしょう。変更する前に基本を知る必要があり、それが第5章の記述だと思えばいいわけです。
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