第1章は「金融のリスクを考える」で、リスクとはどういうものかを説明しています。
第2章は「ポートフォリオ理論の本質」で、ポートフォリオという考え方を通じて投資のしかたを伝授しています。p.67 では「株価予想のむずかしさ」を説明していますが、なるほど、この説明を読むと、株価を予想することがなぜむずかしいか、よくわかります。納得できます。
第3章は「デリバティブとは何か?」ですが、前著・吉本佳生(1999.9)『金融工学の悪魔』日本評論社
2007.12.22 http://otsu.seesaa.net/article/74013494.html
と似た記述がされます。
第4章は「ブラック=ショールズ式を検証する」で、ここも前著と内容的に重なるところがあります。
第5章は「金融工学でカネ儲けはできるのか?」で、結論からいえば「できない」ということになります。
p.216 では、ヘッジファンドのようなものでも、ハイリターンなものはハイリスクであり、ローリスクなものはローリターンであることが示されています。これはおもしろい話でした。
時期的にも前著と出版が近いためか、内容的に重なるのはしかたがありません。まあ、普通はどちらか1冊を読めば十分でしょう。
乙の場合は、両方を読んだので、既読感があって、やや残念でした。いい本であることは確かです。
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