このファンドについては、今までにも2回ほどブログに書きました。
2006.5.5 http://otsu.seesaa.net/article/17401418.html
が第1回目で、概要を述べ、第2回目が
2006.10.23 http://otsu.seesaa.net/article/25983122.html
で、パッとしない成績を嘆いています。
最近、第2期(平成18年7月1日〜平成19年6月30日)の運用報告書が郵送されてきました。
運用報告書って、期が終わってから半年以上もかかって送られてくるのですね。ちと遅いのではないでしょうか。ファンドの運用状況は10月末のものが掲載されていましたけれど……。
第2期末では、以下のような資産配分になっています。
米国債券等 58.0%、上場株 16.6%、未公開株等 12.4%、円金利商品 4.6%、現金等 8.4%。
相変わらず、未公開株への配分率が低く、いくら愛称でも「未公開株組入」を名乗るには、ちと物足りないと思います。正式名は「SBI グローバル・セレクション・ファンド/SBI ボンド&プライベート・エクイティ・ファンドV」です。
今回の第2期の運用の推移を見ると、米国債券部分は +11.81% の成績でした(円安が効きました)が、株式で運用している未公開株および上場株式の合計では -12.56% と振るいません。
日本円金利部分 +0.05% という成績は当たり前ですが、こんなところに投資しているなんて、乙には信じられません。現金と同じようなものです。現金と合わせて資金の 13% を占めるわけで、この部分に対しても、信託報酬 2.1% がかかるのですから、投資家にとっては目もあてられません。運用会社さん、何をやっているんですかあ?
上場株式部分については、運用報告書に明記されているように、主として新興株式市場に投資しているということで、今期は -29.7% という惨憺たる成績でした。
このファンドには未来がありません。今から投資するかと聞かれれば、誰だって投資しないというでしょう。いやはや、どうしようもない状態です。でも、クローズド型ですから、今から投資はできません。今すぐ解約もできません。
では、第3期は期待できるでしょうか。今後の投資戦略のところには、次のような記載があります。(p.7)「2008年7月からのクローズド明けに備えて、6月には現金比率を増加させる予定です。」また、肝心の未公開株については、次のようになっています。(p.8)「クローズド明けまで1年となり組入れ可能な銘柄に相当制約が出てきています。」これを言い換えると、このファンドの命脈は尽きており、2008年7月には解約が相次ぎ、まともな運用ができなくなることを予測させます。
最近の成績を見ると、投資金額 10315円に対して、8590円になっており、投資成績は -17% と、いやはやさんざんな損失です。一方では、証券会社と運用会社は、(申込手数料 3.15%)+(信託報酬 2.1%×3年)+(成功報酬 0.7%)+(解約手数料 1%)=約11% を受け取るわけで、販売側は大儲けです。ざっと 170 億円集めたとなれば、3年で17億円ほど儲かったのですから、おいしい商売だといえます。
たぶん、乙は2008年7月時点で解約すると思います。こちらから解約しなくても早期に償還となるでしょう。両者の違いは、解約手数料1%を払うか払わないかということです。
2009.4.18 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/117689854.html
に書きました。
よろしければご参照ください。
ラベル:SBI未公開株組入ファンドV
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ところで、このシリーズのTとUの値動きですが、ずっとほとんど変化がなくて、5年目ぐらいだったかな?にぽんっと倍値に跳ね上がるような値動きだったように記憶しているんですが(未公開株が上場したため)ファンドに含まれている未公開株は、上場しないんでしょうか…?
どう思いますか?
このファンドを購入した全員がそういうふうに思っているでしょう。
しかし、こればかりは、そうなってみなければわかりません。未公開株が上場しても、鳴かず飛ばずということもあるでしょうし。
ここは運用会社の目を信じたいところなのですが、それにしても、このファンドは、未公開株以外の占める割合が大きいので、全体として劇的な伸びは期待できないでしょうね。
IとUは未公開株の比率がもっと高かったのかな?現金部分を増やしているのは、
解約が始まったときに、肝心の未公開株まで売却しなくてもよいように、と購入前には、説明されていたような記憶がありますが…。
前シリーズは最優秀ファンド賞を受賞したりもしていましたね。
このファンドは日本株(未公開ではない)も結構含まれているので、半年後のマーケットの地合によっても、値段は随分変わりそうですが…。しかしこれを5年も持ち続けるのは、正直苦しいですよね。解約開始時期よりも更に下がるかも知れないし…。
はい、そうでした。このファンドの購入時に見た記憶があります。
>現金部分を増やしているのは、解約が始まったときに、肝心の未公開株まで売却しなくてもよいように、と購入前には、説明されていたような記憶がありますが…。
乙は、この説明は聞いていません。
まあ、解約は設定してから3年後からなのですから、それまでは現金部分なんてほとんどなくても問題はないように思います。この説明は説明になっていません。
>前シリーズは最優秀ファンド賞を受賞したりもしていましたね。
あ、そうでしたか。それは知りませんでした。
もっとも、賞といったって、(こういう言い方は相当に失礼な言い方ですが)仲間内で適当に(順番に? まさか!)回しているようなものですからほとんど意味はないと思います。
ファンドは、賞を取るより、基準価額が上がってなんぼなんですから。
>しかしこれを5年も持ち続けるのは、正直苦しいですよね。
ホントにそうですね。
乙としては、今のような投資先のままでは、おもしろくない(継続的に保有していたくない)ということがいいたかったわけです。
いよいよ解約できる日になりましたね。
乙さんは、オンラインセミナーをご覧になりましたか?
Eトレ証券のお知らせに案内が来ているので、もしお時間があったら、見てみてください。
もしご覧になったら、感想を教えてください。
ファンドマネージャーは、TUと同様の成績を目標にしていると説明していましたが、乙さんはどう思われますか?