ゴミ投資家シリーズでは、この本だけ入手がむずかしく(Amazon でもずっと中古品にバカ高い値段が付いていて)、読んでいませんでしたが、東京都立図書館に所蔵されているものを地元の図書館で借り出して読みました。これなら(時間はかかりますが)無料で読めます。
内容は、スワップとフューチャー(先物)とオプションの話です。スワップが約20ページ、フューチャーが約80ページ、オプションが約200ページということで、オプションの話が全体の 2/3 を占めています。
デリバティブの理論から実践までを扱うという意味で、珍しい本だといえましょう。
説明は、このシリーズの特徴として丁寧で、全体としてわかりやすいと思いました。
肝心な、ネットによる投資実践編ですが、最後のほうにちょびっと出てくるだけです。その意味では、表題に問題ありとも言えると思います。まあ、この本を読んでいきなり海外口座を開いてインターネット経由で海外市場でオプションの取引をするなどということは考えにくいですから、株式投資経験の豊富な人だけが読むべき本でしょう。
オプションについては、「人類が発明した最高のゲーム」だとしており、著者のスタンスは、やりたい人がやればいいということで、特に積極的に勧めるでもなく、「やるな」といさめるわけでもありません。
一読したあとでは、(少なくとも株式投資をする人は)こういう仕組みを知っておくべきだと思いますし、それを勉強するためにも絶好の本だと思います。が、いざ、自分でこういう投資をはじめるかと考えると、やっぱり引いてしまいます。プロならば、こういうのを扱うのは当然でしょうが、普通の個人投資家としては、どうなのでしょうか。
乙としては、勉強のためにこの本を読んだということです。
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