http://takaamahara.blog85.fc2.com/blog-entry-158.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2008/03/post_3369.html
http://layup.blog88.fc2.com/blog-entry-201.html
乙は、新聞記事に触発されて、「アクシア」を購入してもいいかななどと思いました。
2008.3.4 http://otsu.seesaa.net/article/88183895.html
ゆうきさんは
http://fund.jugem.jp/?eid=621
で、この記事を批判し、
相場の上昇期はインデックス投信よりアクティブ型投信とのことだが、そもそもこの記事は生存バイアスを考慮していないようだ。もともと成績が良くなければ、長期間生き残ることが難しい。そういった生き残ったアクティブ投信とインデックス投信を比較すること自体、あまり意味を見出せない
としています。
生存バイアスというのは、あるときに多数のアクティブ投信が一斉にスタートしたとして、競争の結果、成績の悪いものが淘汰され(償還され)、結果的に生き残ったものは成績がよかったものになるから、「現在」時点で8年前から運用されているアクティブ投信を持ってきて、「ほら、こんなに成績がいいですよ」といっても、それは偏った(成績のよかった)データを見ていることになるということです。
ゆうきさんのこの考え方は正しいと思います。しかし、問題は、その先にあるように思います。
このように8年間の成績が、なぜよかったのかということです。
インデックス投資の考え方からすれば、どんなファンドマネージャーも、市場平均以上の成績を継続的に出すことはできないので、これは単なる偶然にすぎないということになります。個別株投資でも、偶然が重なって、結果的に大儲けすることは確率論的には必ずあるので、アクティブ投信の場合もそれと同様だということになります。この考え方では、バフェット流の投資術で大きく勝ったことも、単なる偶然に過ぎないということになります。
一方、長期バリュー投資(そう呼んでいいかどうかわかりませんが)の考え方では、株式市場には効率的でないところもあるので、バリュー株(なぜか割安になっている株)を発掘し、それを長期に保有し、割安でなくなったら売るようにすれば、平均以上に勝つことができると考えています。バフェット流の投資術は、(どういう秘策があるのかわからないけれども)確かに理由があって、バフェットはそれなりの株式選択のノウハウ(目)を持っているのだということになります。
さて、ここで、長期バリュー投資の考え方からすれば、生存バイアスは、あまり気にしなくていいことになります。ダメなファンドが消えていくのは当然であって、その結果生き残ったファンドにはそれなりの運用技術があるのだと考えます。初めから、インデックスファンド全体とアクティブファンド全体の成績を比べる必要はなく、個人投資家にとっては「優秀な=好成績を上げ続ける」アクティブファンドが見つけられればそれでよいと考えますから、生存バイアスがあっても問題にならないのです。
逆にいえば、ゆうきさんは、インデックス投資の考え方で上記のような批判をしているということになります。
こうして、ここから先は信念の問題になってきます。8年間継続して好成績を上げてきたファンドを買った場合、その翌年以降にも継続して好成績が期待できるのか、そんなことはないのかという問題です。インデックス運用を説く本には、10年間の成績トップ10のアクティブファンドが、次の10年でどうだったかを示していたりします。多くは好成績を上げられないという結果です。しかし、これを当然だと考えるのは、かなり勇気が要ります。だって、投資のプロが運用し、バリュー株が結果的に好成績を残してきたという事実もあるわけですから、10年間で好成績を上げたファンドには、何かがあるように思えます。単なる偶然とは思えないのです。まさか、次の10年でぽしゃってしまうとは考えにくいのです。
インデックス投資と長期バリュー投資の二つの考え方は、相互に矛盾しており、両方とも正しいというのはありえないのですが、乙は、どうもそれぞれにもっともだと思えるフシがあります。ただし、過去の(日米の株式市場の)データから見ると、インデックス投資のほうがいいようで、アクティブ投資の理念はわかるものの、結局コスト負けしそうな気がします。
信念の問題ですから、何ともいえませんが、乙は、8年間の好成績を上げてきたファンドを少額買って、数年先を見てみたいと思いました。乙のような素人投資家は、自分で経験してみないと、どうも納得できないのです。まあ、その時点で好成績を残していたとしても、インデックス投資の信奉者からは「そんなのは偶然だ」といわれてしまうでしょうが。
2008.5.16 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/96869587.html
に書きました。よろしければご参照ください。
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