2024年04月08日

投資金額とリスクの取り方(株式の比率)

 このブログでは、乙の投資金額について書いたことはありません。比率だけは示しましたが、絶対額は書かないままにしてきました。
 しかし、乙の20年ほどの経験の中で、投資金額の多少によってリスクをどう考えるべきかが違っているような気分になりました。主観的なものですので、客観的な裏付けがあるわけではありません。
 投資先として、株式と債券がある場合、株式はハイリスク・ハイリターンであり、債券はローリスク・ローリターンです。これはいつでも成り立ちます。株式に投資すると、ハイリスクですから、株価の上昇にともなって投資資金が急増する場合もあるでしょうが、株価の大暴落があってすっからかんになる場合もあるかと思います。債券に投資すると、ローリスクですから、そういうことがなく、いつもわずかながらの投資資金の増加が見込まれます。
 そんなわけで、投資本などを読むと、株式と債券の比率をコントロールするとよいというようなことが書かれています。年齢によって比率をだんだん変えるのがよいというような記述もあったりします。若いうちは自分で働いて稼げるということで、リスクを取ってもいいので、株式投資の比率を高くし、歳を取ってきたら、自力で稼げなくなり、大暴落にあうと老後資金がなくなってしまうから、株式投資の比率を低くする(債券投資の比率を高める)という考え方です。
 乙の経験(というか感覚ですが)では、投資金額によってこのような考え方が違ってくるように思います。
 数百万円から数千万円を投資する場合、やはり、老後資金を失うことは歳を取った後で生活できないことに直結しますから、大きな問題になります。だから、株式に全力集中などということは、危なっかしくてやるべきではないと思います。しかし、投資資金が1億円から2億円を越えるようになってくると、ちょっと感覚が違ってきます。
 株式に集中投資して、債券をまったく持たない場合もあるかと思います。すると、1年で資金が半減するような暴落も経験することがありそうです。まれには資金が2割程度まで減ってしまうことがあるかもしれません。日本のバブル崩壊時には、4万円近くの株価が7千円を切るところまで暴落しました。2割以下になってしまったわけです。
 しかし、仮に2億円の資金を株式で運用している場合、株価が2割になってしまっても、4千万円が手元に残ります。これだけでは老後が心配だという人もいるでしょうが、年金をもらっているならば、毎年の定期収入が別にあることになりますから、年金以外に4千万円くらい資金があれば、何とか老後を食いつないでいくには十分ではないかと感じます。
 この感覚は、1億円ないし2億円くらい運用資金がないと成り立たないことになります。世の中の富豪と言われる人はそんな額をはるかに超える資金を持っているわけですから、そういう人は株式投資一択でいいのではないでしょうか。
 それにしても、大暴落は怖いので、一つの銘柄の株式に全資金をかけるようなことはするべきではないと思います。会社が破産して無一文になってしまう危険性があります。
 分散投資ということで、インデックス投資を心がけているような場合、たくさんの銘柄に資金が分散されますから、大暴落(つまりはすべての企業の株価下落)というのも起こる確率が低くなります。
 特に、海外の株式を視野に入れて世界の株式に分散投資している場合は、全世界の株価が一斉に大暴落という事件が起こる確率はさらに低くなります。
 ということで、投資金額がそれなりに多くなれば、全資金を株式に投資するという手もあるのではないでしょうか。株式はハイリスク・ハイリターンです。ということは、一般に株式で運用している方が資金が増加しやすいということです。たまに大暴落があるのですが、それを回避することは(特に素人には)不可能です。受け入れるしかありません。
 こんなことを考えていると、世の中のお金持ちがさらにお金持ちになっていくプロセスがわかってきます。お金持ちは、株式投資を通じてリスクが取れるので、自分の資金がさらに増えていくことが多いということになります。乙は、その入口が垣間見えたような気がしました。
 山崎元氏の“2世代運用”についての話も、そんな文脈でとらえられるかもしれません。
2022.1.27 http://otsu.seesaa.net/article/485375803.html
posted by 乙 at 03:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月27日

山崎元氏の“2世代運用”について

 乙は、DIAMOND ONLINE の記事で、山崎元氏の「「高齢者はリスクを下げろ」の定説に待った!親子“2世代運用”のススメ」というのを読みました。
https://diamond.jp/articles/-/294314
(2022.1.26)
 内容に大いに共感するものがあったので、少しだけコメントしておこうと思います。
世間では、高齢になったら株式のようなリスク資産を減らし、債券や預金のような安全な資産の比率を増やした方がいいと言われている。しかし、今回はこの定説に待ったをかける。そして、親と子どもが協同して親の資産の運用を行う「2世代運用」をおすすめしたい。

 乙は、70代になったら、年金をもらいながら、証券会社や銀行に置いてある資産を取り崩しつつ、生活していこうと考えています。
 そろそろ仕事を辞める時期になるので、つまりは資産を積み上げる時期は終わりますが、70代になった段階で、さて、積み上がった資産がいくらあるかが一番重要なポイントです。ブログでは、具体的な金額は書けませんが、すでに8桁電卓では計算できない状態に達しています。
 この資産を取り崩していくと、100歳まで生きるとしても大丈夫なようです。100歳といえば70歳から30年ですが、今までの生活を継続するくらいは十分可能です。
 株式はリスクが高いのはその通りですが、仮に、資産の半分が吹っ飛ぶことがあったとしても、だから何なのでしょう。資産の7〜8割が消えてしまっても、普段の生活を継続していくならば、特に問題ではないように思います。十分な資産があれば、ハイリスクな投資でも特に問題とは思いません。
 となると、預金や国債などに投資する意味はあまりないように思えます。乙の場合、高齢になったとしても、リスクを下げる必要はなく、高リスクな株で運用してもいいのではないかと考えています。そういう状態で、使いきれなかった資産は遺産として妻と息子に渡すということになります。
 しかし、そうなる前に、認知症の問題、運動機能の低下の問題などが起こることがありうるので、事前に妻や息子に十分な情報を伝えておく必要がありそうです。この点は、今まで乙の配慮が十分でなく、山崎氏の記事で乙が触発された部分です。
 今まで、いつ乙が(不慮の事故などで)死んでも資産が取り戻せるようにしてきました。各金融機関に分散している資産をどうやって取り戻すかは、大事なメモとして書いておき、乙が死んだ場合に読むようにといって厳封の上、妻と息子に手渡してあります。最低限、そのメモを見れば何とかなるようになっています。メモは定期的に更新しています。
 それだけでは足りないという警告だと思って山崎氏の記事を読みました。
 10年に1回くらいは家族会議を開いて、こういう話をしてもいいのかもしれませんね。子供に投資の話をして、どうやればいいかを伝えることは、自分の金融資産を伝えていくのと同様に、大事なことのように思えてきました。
 法定後見の制度は、今、重要な問題になってきており、特に、弁護士などの法定後見人が大した仕事もしないのに手数料を取ってしまう(しかもそういうことを家庭裁判所が後押しする)ような「事件」が各地で起きています。何としてもこんなことにしてはいけません。
posted by 乙 at 02:53| Comment(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月30日

NISAの恒久化

 乙が日経新聞を読んでいたら、金融庁が NISA の恒久化を検討しているという話が書いてありました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO00277900Z20C16A4NN1000/
(2016/4/29 23:50)
 乙も NISA を使っていますが、5年間しか使えないというのは大変使い勝手が悪く、なんとかならないものかと思っていました。「恒久化」の意味がはっきりしませんが、5年間と区切らずに、今後ずっとそうするというのであれば、大賛成です。
 そもそも、今は、5年間でもうけが出るように考えながら投資しなければならないわけですが、そんなことはきわめてむずかしいことです。
 恒久化は、国民の意識を投資に向けさせる効果があると思います。
 さらに、ジュニア NISA も同様に恒久化されれば、孫への贈与を考えてもいいかもしれません。まあ、何人もいる孫を公平に扱うとなると、それはそれで大変になりそうな気もします。4人×80万円=320万円を毎年投資に回すと考えると、当面は可能でも、乙が定年になった後までは続けられないように思います。
posted by 乙 at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月07日

2月末のポートフォリオ

 以前に、2010年8月末のポートフォリオを確認しました。
2010.9.9 http://otsu.seesaa.net/article/161931018.html
 半年後、どうなったでしょうか。
《2011.2》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
52.52%
15.41%
10.96%
9.64%
16.51%
債券定期
25.39%
5.45%
5.68%
7.54%
6.72%
不動産
4.99%
ヘッジ等
3.58%
預貯金
13.53%

 前回とあまり変わっていません。まあ、そんなものでしょう。この半年間にはアメリカ株に投資したと思いますが、いや、そんなことも数ヶ月程度で忘れてしまいます。
 乙の理想は、2010年8月末の記事に記したとおりです。

 理想と現実を比べると、今後、投資するべきところがわかります。
 少し預貯金を取り崩してアメリカの債券に投資しましょう。
posted by 乙 at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月04日

外貨建て投資と円建て投資の比率

 最近、外貨建て投資と円建て投資の比率について、考え直しました。
 5年ほど前には、乙は、こんなことを考えていました。
2006.2.5 15年の資産運用期間と円と外貨の比率
http://otsu.seesaa.net/article/12800956.html
 15年の運用期間を三つに区切り、それぞれ、外貨と円をどんなふうに投資するかを決めたものです。
 しかし、この方針は明らかにおかしいものです。
 そもそも、通貨を分散して投資するのが基本で、その点で外貨と円を適当な割合で保有すればいいのであって、それ以上のことをする必要はありません。
 5年ほど前には、円を外貨に両替して海外に送金するのが面倒だったということがあり、それなら、15年の最後の5年は国内で投資するものにしようと思っていました。これなら往復の両替が不要で、お金を使うことになったら、円から先に使おうなどという考えでした。
 しかし、今はこうは考えていません。
 まず、Interactive Brokers を使うことで、両替手数料や送金手数料はほとんど無視できます。したがって、乙のポートフォリオ全体のバランスを考えて投資していけばいいのであって、老年期を迎えたから国内資産を中心にするというのは変です。
 次に、ポートフォリオを年齢によって変えていく(年を取ったら債券を多くする)というのも変だと思います。寿命が来れば死ぬしかありませんが、その財産は子供が相続します。だとすると、高齢者でも何でもなくなるわけで、そう考えれば、いつも同じように投資していくことで何ら問題がありません。高齢者が株式の比率を高めにしていても、かまいません。株価が3割くらいまで落ち込んだ(7割減になった)としても、分散投資しておけば、総額でそんなに沈むわけでもないので、老後を生きていくには十分なように思います。
ラベル:外貨
posted by 乙 at 05:22| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月09日

8月末のポートフォリオ

 以前に、5月末のポートフォリオを確認しました。
2010.6.2 http://otsu.seesaa.net/article/151849981.html
 3ヵ月しか経っていませんが、再度、確認してみました。
 8月末の時点では、以下のようになっていました。
《2010.8》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
50.00%
13.36%
9.94%
9.47%
17.23%
債券定期
27.53%
6.38%
6.19%
8.36%
6.60%
不動産
4.88%
ヘッジ等
5.08%
預貯金
12.50%

 前回とあまり変わっていません。まあ、そんなものでしょう。
 さて、一方、乙の理想としては次のようなものを考えています。(以前とは微妙に違っています。)
《理想》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
50%
15%
10%
10%
15%
債券
30%
9%
6%
6%
9%
不動産
5%
ヘッジ等
5%
預貯金
10%

 両者を比べると、今後、投資するべきところがわかります。
 アメリカの債券と新興国の債券です。
 今後は、この方向で考えていきたいと思っています。
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2010年07月17日

資産配分ツール

 乙は、myINDEX というツールを使ったことがありました。
2010.4.30 http://otsu.seesaa.net/article/148244158.html
そのときは、エマージング債券がなくて、ちょっと困りました。
 最近、これがバージョンアップされて、「エマージング債(新興国債券)」が追加されたようです。
 少しだけ乙の現状にあってきました。
 あとは、ヘッジファンドなどを入れるところがあると完璧なのですが、……。
 あ、これはインデックス投資にはほど遠いですね。
 でも、ヘッジファンドのインデックスもあるという話ですし、……。
ラベル:myINDEX
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2010年06月02日

5月末のポートフォリオ

 久しぶりに、乙のポートフォリオを確認してみました。
 前回は、2009年10月にチェックしています。
2009.10.10 http://otsu.seesaa.net/article/129934742.html

2010.5 の現状
《2010.5》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
48.95%
15.02%
7.37%
8.80%
17.76%
債券定期
27.90%
6.53%
6.35%
8.32%
6.70%
不動産
5.07%
ヘッジ等
5.42%
預貯金
12.66%


 今回は、定期預金を債券とひとまとめにして「債券定期」として集計するようにしました。「預貯金」は普通預金や MRF のことです。
 7ヵ月経っても、ポートフォリオはあまり大きく変わっていません。
 この間、アメリカ株やヨーロッパ株を買い増したりしたはずなのですが、ヨーロッパ株の下落で、そういう努力もどこかにいってしまいました。
 このポートフォリオを見ると、ヨーロッパ株と日本株が比率が低いようですので、そのあたりを今後買い増していきたいと思います。
 しかし、時間がなくなってくると、こんなこともチェックできないのですね。
 ましてや、アクティブな投資などは、とうていできないものとあきらめざるを得ません。
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posted by 乙 at 04:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月12日

海外での投資の意義(6)まとめ

 過去数日間、ちょっと連載風に海外での投資の意義について書いてみました。今日はその議論をまとめてみます。
 海外での投資に積極的な人の考え方を四つに分けて、それぞれについて見てきました。
 第1に、海外には優れたファンド(ヘッジファンドを含む)があるという考え方ですが、乙はこれには否定的です。
2010.5.8 http://otsu.seesaa.net/article/149187943.html
 第2に、海外の方が投資コストが安いという考え方ですが、乙はこれには肯定的です。
2010.5.9 http://otsu.seesaa.net/article/149305526.html
 第3に、日本の財政破綻が心配で、資金を海外に逃がしておこうという考え方ですが、乙はこれにはかなり肯定的ですが、一方では疑問にも感じています。
2010.5.10 http://otsu.seesaa.net/article/149404372.html
 第4に、将来的に海外に住んだり、PT として生活しようという考え方ですが、乙はこれには肯定的です。乙自身がそのような行動を取る可能性もかなりありそうに感じています。
2010.5.11 http://otsu.seesaa.net/article/149498036.html

 これらのことから、海外居住を念頭に置く場合に海外口座が必要になる程度であって、純粋に投資として考えると、海外での投資はさほどメリットがあるわけでもないように思います。まあ趣味の領域でしょうか。
 トラブルも楽しむつもりくらいでないと、なかなか海外には出にくいと思います。
ラベル:海外投資
posted by 乙 at 05:24| Comment(12) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月11日

海外での投資の意義(5)海外居住を念頭に

 今日は、将来的に海外に住んだり、PT として生活しようという考え方について見てみましょう。
 この場合、海外の金融機関での口座開設は必須です。どうせ口座を開設するなら、そこで資産を運用しようと考えるのも自然です。
 そのようなことから、海外居住を念頭に置くなら、海外口座の利用は積極的に考えるべきでしょう。
 ただし、ここでの問題は、具体的にどこに住むのか、それが若いうちに決められるのかという問題です。退職後に PT を目指したり、海外に長期滞在を考える場合は、その時点で、環境・生活コスト・言語などを勘案してどこで暮らすのかを決めることになりますが、それはその時点での最善であって、若いときに決めても、数十年後に状況が一変するということはいくらでもあり得ることです。
 生活の場所が決まっていれば、それに対応した金融機関を選べばいいのですが、そうでない場合はどうしたらいいでしょうか。
 ここは乙も迷っているところです。
 ただし、海外の金融機関のサービスを調べてみると、国内の金融機関と違っているところもいろいろあります。たとえば、HSBC 香港に口座を持っていると、世界のどこにいても資金の引き出しがかなり自由にできる(ただし若干の手数料がかかりますが)ということがあります。日本の金融機関だと、クレジットカードを利用する場合はいいのですが、ATM から現金を引き出すような使い方はしにくいでしょう。普通に銀行口座に資金を入れたまま、マネーカードを持参して、国外の ATM からお金が引き出せるでしょうか。乙は使っていませんが、シティバンクはできるはずです。でも、その他の銀行は……。
 というわけで、居住国を決めないうちに、海外に資金を移動しておくことは「あり」だと思います。まあ、老後を迎えて、「いざ実行!」というときに資金を移動してもいいので、若いうちから海外に資金を移動する必要性はありません。このあたりは、必要か否かというよりも「趣味」の領域かもしれません。
 乙は、かなり前から海外の口座を利用して、その特性を心得ておく方が、いざ出国後にいろいろ(トラブルを?)経験することになるよりは、マシだと思っています。
 なお、海外居住や PT に関しては、税金の問題も大きい(税金を払わない生き方が可能になる)のですが、それに関しては、まだ十分に調査しているわけではないので、自分なりに語れるほどには知識がありません。これから勉強していくつもりです。
ラベル:海外居住 PT
posted by 乙 at 05:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月10日

海外での投資の意義(4)財政破綻と海外への資金逃避

 今日は、日本の財政破綻が心配で、資金を海外に逃がしておこうという考え方について見てみましょう。
 最近、大前研一氏の「ニュースの視点」
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1509.php
でも、日本の財政破綻が話題になっていました。
 40兆円程度の歳入しかないのに、100兆円近い歳出を考えるようでは、どう考えても財政が持つはずがありません。
 ちなみに、最近のニュースでは、2009年度の税収は29兆円程度だとのことです。
http://www.asahi.com/politics/update/0506/TKY201005060301.html
この調子では、歳入は40兆円にも届かないことになりそうです。
 そのために、大前氏によれば、自分の金融資産を守るために国民が取りうる手段は次の三つとしています。

 1.国際分散投資
 2.不動産投資など(金融商品以外のモノ)
 3.タンス預金

 大前氏は、タンス預金は「ハイパーインフレ」に無力だとしています。また、「国際分散投資」としては、日本の金融機関を通して海外に投資することを想定しているようで、したがって「預金封鎖」に対して無力であるとしています。
 しかし、資産を海外の金融機関に移動してしまえば、「預金封鎖」の対象にはなりません。ただし、国内の金融機関が預金封鎖という事態になれば、海外の金融機関に置いてある資金も、国内に現金として持ってくることができません。この点は注意が必要です。でも、いよいよというときは海外脱出という手があります。国内の金融の混乱が収まるまで、数年程度海外で暮らすのはいい経験かもしれません。

 というわけで、日本の財政破綻が心配で、資金を海外に逃がしておこうという考え方については、国内の証券会社などを通じた海外投資では無意味で、海外の証券会社・金融機関を通じた海外投資ならば「あり」だと思います。
 ただし、実際に預金封鎖があるかという点では、乙はあまり可能性は高くないだろうと思いますので、無理に資金を海外に送り出さなくても、かなりの程度大丈夫でしょう。
posted by 乙 at 04:34| Comment(5) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月09日

海外での投資の意義(3)投資コスト

 今日は、海外の方が投資コストが安いという考え方について見てみましょう。
 これについては、前回の記事
2010.5.8 http://otsu.seesaa.net/article/149187943.html
と矛盾するようですが、海外には、高コストなファンドもある一方、低コストのファンドもあるのです。そして、低コストのファンドを探せば、国内の証券会社を通じた投資よりもはるかに安い投資が可能になるわけです。
 安上がりの投資の典型は、ETF です。国内にもさまざまな ETF が上場されるようになってきましたが、海外の ETF は、実に強力(低コスト)です。バンガードの ETF などは、本当に驚くほどの低コストです。
 ただし、国内の SBI 証券や楽天証券などの証券会社経由で投資すると、手数料が高くなります。1回の購入で手数料が数十ドルもかかるなんて、信じられません。円からドルへの為替手数料も大変です。
 そういう意味では、Interactive Brokers を利用した投資は圧倒的な低コスト投資が可能です。
 詳しくは、カテゴリー Interactive Brokers にある各種記事をご覧ください。
 ただし、IB は、ある程度の資金がないと、かえって高コストになります。1年間に 120 ドルほど固定的にコストがかかります。1万ドルの資金では、年間 1.2% のコストがかかります。5万ドルの資金運用では 0.24%、10万ドルなら 0.12% というわけです。乙の感覚では、数万ドルでは不足気味でしょう。10万ドルを超えるくらいになると、低コストが実感できるかと思います。

 というわけで、海外の方が投資コストが安いという考え方は、うまく証券会社やファンドを選べばその通りだと思います。乙は、現在、この点を重視して海外(での)投資を行っています。
ラベル:海外投資 コスト
posted by 乙 at 05:29| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月08日

海外での投資の意義(2)海外ファンド

 今日は、海外には優れたファンド(ヘッジファンドを含む)があるという考え方について見てみましょう。
 乙が最初に海外口座を開設したとき、浅井隆氏の著作などにも影響されていましたし、海外で優れたファンドに投資すれば、年 10% くらいの利回りくらいは簡単に得られるものと考えていました。あわよくば、それ以上の成績もあり得ると考えていました。しかし、現実はそうではありませんでした。
 この面に関する乙の経験は、極めて乏しいものですが、いくつかの海外ファンドの経験があります。

[1] Forsyth Global Commodity Fund
2008.5.21 Forsyth Global Commodity Fund から決算書類が届きました
   http://otsu.seesaa.net/article/97417369.html
2007.10.29 Forsyth Global Commodity Fund の解約
   http://otsu.seesaa.net/article/63129141.html
2006.8.29 Forsyth Partners Ltd. --- Forsyth Global Commodity Fund
   http://otsu.seesaa.net/article/22954971.html

 結果的に1年ほどの運用でやめてしまいました。
 結果はプラスでしたが、どうということもない投資でした。

[2] superfund B USD SICAV
2009.9.20 スーパーファンドを見直してみると
   http://otsu.seesaa.net/article/128313345.html
2008.11.27 スーパーファンドは10月の成績がとてもよかった
   http://otsu.seesaa.net/article/110251569.html
2008.10.15 スーパーファンドの解約
   http://otsu.seesaa.net/article/108093853.html
2008.9.3 Superfund B USD SICAV
   http://otsu.seesaa.net/article/105933000.html
2006.7.18 Quadriga superfund B
   http://otsu.seesaa.net/article/20948293.html

 大変ハイリスクなファンドでした。乙は数年保有していたのですが、基準価格の上下がものすごいので、精神的安定のため、解約しました。結果的にはプラスでしたが、それはたまたまそうだったにすぎません。

[3] Ashmore Emerging Markets Liquid Investment Portfolio
2006.7.30 Ashmore Emerging Markets Liquid Investment Portfolio
   http://otsu.seesaa.net/article/21633614.html

 2006年1月から4年ほど継続しています。債券が中心の運用です。今のところ、10% ほどのプラスになっており、まあ、やめるほどのことはないかと思っています。

[4] Thames River High Income Fund
2008.10.22 Thames River High Income Fund の運用報告書
   http://otsu.seesaa.net/article/108429304.html
2006.7.22 Thames River High Income Fund
   http://otsu.seesaa.net/article/21181688.html

 これも、2006年1月から4年ほど継続しています。債券中心の運用です。今の段階で3割近くのプラスです。やめる必要は感じません。

[5] Nevsky Global Emerging Markets Fund
2009.10.14 Nevsky Global Emerging Markets Fund
   http://otsu.seesaa.net/article/130219994.html
2007.10.18 Thames River Global Emerging Markets Fund 再論
   http://otsu.seesaa.net/article/61200405.html
2006.7.24 Thames River Global Emerging Markets Fund
   http://otsu.seesaa.net/article/21300522.html

 これも、2006年1月から4年ほど継続しています。株式による運用です。今の段階で5割近くのプラスで、しばらく継続しようと思っています。

[6] Man AP 2XL USD-Class C Shares
2007.10.4 Man AP 2XL
   http://otsu.seesaa.net/article/58734981.html
2006.7.15 Man AP 2XL
   http://otsu.seesaa.net/article/20801211.html

 これは 2005 年9月からの運用ですが、いまだに 28% マイナスという痛手を負っています。

[7] AVIVA Global Investment Account
2007.9.20 AVIVA Global Investment Account の運用状況
   http://otsu.seesaa.net/article/56130703.html
2006.8.9 AVIVA Global Investment Account
   http://otsu.seesaa.net/article/22115815.html

 これは、2005年7月からの運用で、28%増という結果になっています。

[8] New Europe Properties Fund
2007.6.30 New Europe Properties Fund のサイト閉鎖
   http://otsu.seesaa.net/article/46246156.html
2006.8.3 New Europe Properties Fund
   http://otsu.seesaa.net/article/21854474.html

 これは、詐欺にあったようなもので、15,000 ユーロが蒸発したのは痛い記憶です。

 これらの結果を見ると、海外ファンドが優秀だとはいえないという結論に至ります。
 なのに、乙が継続しているのは、単なる惰性です。
 なぜ海外ファンドが問題か、なぜ多くの人はそれに気がつかないかという問題について考えてみましょう。
 第1に、上記の成績はすべて米ドル建てであって、円建ての成績で考えれば、悪くなってしまうということがあります。基本的に、米ドルの金利が高く、日本円の金利が低ければ、将来的には円高になります。つまり、米ドル建ての投資は、一見高金利に見えますが、為替レートを考慮すると、必ずしもそうではないのです。
 このことは、あまり明示的に語られることではないので、投資家が気をつけなければいけない点です。
 第2に、ファンド類はすべてサバイバル・バイアス(生存(者)バイアス)があるということです。次々設定されるファンド類の内、運用に失敗したものは償還されます。生き残ったものだけが継続されるので、ある時点で過去の運用成績を見渡すと、多くのファンドがすばらしいものに見えるという点です。
 第3に、過去において資産総額が小さいときに好成績を上げたファンドに注目が集まり、多額の資金が集まることがあります。この場合、決して好成績を上げられるわけではないのですが、過去のすばらしい実績を見ると、目がくらみそうです。このような例として、(乙が投資したわけではありませんが)「インパクトゴールドファンド」
2006.3.8 http://otsu.seesaa.net/article/14407348.html
等がありました。
 第4に、投資詐欺にぶつかることがあるという点です。上記 [8] が好例です。乙の場合は 1/8 の確率でぶつかったのですが、一度当たると損失はきわめて大きいものになります。
 第5に、手数料の高さがあります。海外ファンドでは、申込手数料 5%、信託報酬 2%、成功報酬(上昇分の)20%、などという例がたくさんあります。乙が投資をはじめたときは、そんなに高い手数料だとは感じなかったのですが、現在では、これは相当に高いと考えています。

 以上のようなことから、海外に行けば、優れたファンドがあるという考え方は、かなり危険であり、一般的には望ましくないと思います。
 乙の場合も、今保有しているファンド類を数年の内に解約するだろうと思います。ただ、一度購入してしまったものをどういうタイミングで解約するかはけっこう悩ましい問題です。そこに「惰性」の問題があります。

 まあ、乙が投資したのはヘッジファンドまがいであって、本物のヘッジファンドではないという批判は甘んじて受けましょう。100万ドル以上の資金がなければ、本格的なヘッジファンド投資はむずかしいものと思います。
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2010年05月07日

海外での投資の意義(1)

 乙が最初に海外で銀行口座を開いたのは、浅井隆氏などの著作の影響です。今となっては笑い話です。
 その後、あれこれ海外の証券会社などに口座を開設してきて、今もそういう海外の口座は保持しているのですが、これから、その意味について考えてみたいと思います。
 実は、2年ほど前にも同様の趣旨のブログ記事
2008.4.29 http://otsu.seesaa.net/article/94842748.html
を書いたことがあるのですが、今の段階で、改めて、乙の考え方をまとめておきたいと思いました。
 現在は、国内でも、海外に投資する環境が整ってきていると思いますが、それでも海外口座を利用しての投資に意味があるのかということです。
 海外での投資に積極的な人の考え方には、いくつかの立場があると思います。
 第1に、海外には優れたファンド(ヘッジファンドを含む)があるという考え方です。
 第2に、海外の方が投資コストが安いという考え方です。
 第3に、日本の財政破綻が心配で、資金を海外に逃がしておこうという考え方です。
 第4に、将来的に海外に住んだり、PT として生活しようという考え方です。
 それぞれについて、明日から順次、取り上げて考えてみたいと思います。

 今日は、時間がないので、ここまでで中断します。
ラベル:海外投資
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2010年04月30日

my資産配分

 乙がネットで見かけたツールです。「my資産配分」といいます。
 自分のポートフォリオを入力すると、リスク、リターン、シャープレシオを計算してくれます。
http://myindex.jp/user/myaa.php
 さっそく乙もやってみました。
 エマージング債券というカテゴリーがなかったのですが、とりあえず、先進国債券に含めておきました。
 過去20年の実績データ(1990年4月−2010年3月、円ベース)によると、乙のポートフォリオでは、
リターン:5.4% リスク:12.1% シャープレシオ:0.44
だそうです。
 まあ、こんなものかなといった感じです。
 過去20年というのは、使っていくうちに最新版に順次書き換えられるようです。つまり、計算時点からさかのぼって20年分をデータとして計算するということです。
 それにしても、こういうツールは便利です。
 自分のポートフォリオを入力して、どんなものか、考え直すいいきっかけになりそうです。
続きを読む
posted by 乙 at 06:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月10日

妻の資金の投資先

 乙は、妻の資金を預かって運用しているのですが、
2009.8.8 http://otsu.seesaa.net/article/125247422.html
最近、保有する投資信託を大きく変えました。
 上記記事に書いた投資信託はすべて売却し、その資金で現在は以下の投資信託を購入しています。
住信-STAM 新興国株式インデックス・オープン
231,933 円
33.7%
住信-STAM グローバル株式インデックス・オープン
198,331 円
28.8%
住信-STAM TOPIXインデックス・オープン
186,516 円
27.1%
住信-STAM グローバルREITインデックス・オープン
67,910 円
9.9%
現金残高
4,278 円
0.6%
合計
688,968 円
100%

 例によって、新興国の割合が高めです。ハイリスクであることは承知の上で、やや重めに配分しています。
 もともと80万円の資金を預かってはじめたのですが、まだ開始時点まで回復していません。80万円を基準にすれば 86.1% になってしまっています。リーマンショックからの回復はまだまだだということです。
 さらにじっと保有しておくつもりです。
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2009年10月30日

新興国株の割合

 グラフトン通りさんが、「 実質GDP成長率からみる先進国と途上国への株式投資配分」という記事をお書きです。
http://fortheopensociety.blog17.fc2.com/blog-entry-255.html
先進国のGDPがあまり成長せず、新興国のGDPが成長しているので、株式投資も新興国中心にしたらいいのではないかという考え方です。
 これは、カン・チュンドさんの提案
2008.12.29 http://otsu.seesaa.net/article/111858818.html
2007.11.28 http://otsu.seesaa.net/article/69520802.html
と同じ趣旨です。
 銀座なみきFP事務所さんのメールマガジンでも「【日本株を持つ意味】」
http://archive.mag2.com/0000141697/20091027143810000.html
で、いっこうに上昇しない日本株に投資するよりも、新興国株に投資したらいいのではないかと論じています。
 インデックス長期投資だからこそ、どこに投資するべきかを考える必要があるのかもしれません。
 このあたり、乙も迷っています。
 乙のポートフォリオ中では、新興国株の比率が目標よりも高い
2009.10.10 http://otsu.seesaa.net/article/129934742.html
のですが、それでもいいのかもしれません。
 その場合は、かなり安易ですが、「目標ポートフォリオ」の比率を変えて考えることになりそうです。
 目標=理想のポートフォリオ
2008.11.5 http://otsu.seesaa.net/article/109113190.html
を変更するという考え方です。
 まあ、ポートフォリオなんて、個人投資家の年齢や時代の趨勢に応じて少し変えたってかまわないと思っています。それを突き詰めていくとインデックス投資から離れていくのですが、……。
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2009年10月11日

今後の投資をどうするか

 昨日のように自分のポートフォリオを眺めてみて、今後の投資をどうするか、考えてしまいました。
 ポートフォリオでは、新興国株が多く、欧米の債券が少ないと思うので、新興国株を売って、欧米の債券を買うのがよさそうです。
 しかし、今はアメリカの金利がやや低いようで、債券を買う時期だとはいいにくいでしょう。
 10年米国債を見ると、
http://finance.yahoo.com/q/bc?s=^TNX&t=5y&l=on&z=m&q=l&c=
今の金利は 3.255% です。今年の初めの最低ラインからは上がっていますが、まだ不満な水準です。4% から 5% 以上はほしいところです。
 ヨーロッパでも似たようなものかもしれません。
 債券を買うのは、あと1年くらい先にしたいと思います。これは、ETF を通じた債券投資でも同じことだと思います。
 日本の債券は、超低金利が継続しているので、乙は元々投資を考えていませんでした。もう少し金利があがってきたら債券投資を考えてもよいという程度です。しかし、だんだん、たとえ低金利でも、日本の債券を考慮してもいいかなと思うようになりました。社債はリスクがあるので、当面は国債を想定しています。
 とはいえ、国債(個人投資家にとっては個人向け国債のことですが)の金利は決して高いものではなく、
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/kojinmuke/houdouhappyou/p210902.htm
によれば、個人向け国債の利率は、今年の9月時点の変動10年もので 0.53%、固定5年もので 0.60% です。これだったら、1000 万円までは定期預金のほうが利率が高いので、国債よりも定期預金にしておくほうがいいと思います。
 こんなことを考えてみると、資金をあまり株に振り向けるよりも、このあたりで定期預金にシフトしてもいいような気がしてきました。国内債券と定期預金を区別する必要はなさそうです。

関連記事:
2009.5.26 長期金利、日米欧で上昇
  http://otsu.seesaa.net/article/120228774.html
2009.6.1 新生銀行で 100 万円の定期預金
  http://otsu.seesaa.net/article/120590919.html
2009.9.25 SBJ銀行の円定期預金の利率
  http://otsu.seesaa.net/article/128785028.html
posted by 乙 at 05:18| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月10日

最近のポートフォリオ

 5月末の時点での乙のポートフォリオを掲載したことがありました。
2009.6.3 http://otsu.seesaa.net/article/120728919.html
 4ヵ月ほど経過して、最近のポートフォリオがどうなっているか、見てみましょう。
《2009.10》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
52.59%
15.81%
8.84%
8.65%
19.29%
債券
23.69%
6.94%
8.16%
0.69%
7.90%
不動産
2.44%
ヘッジ等
6.38%
預貯金
14.92%

 2009年5月と比べても、あまり変わっていません。
 この間、乙なりにはアメリカ株とヨーロッパ株(の ETF)を買っていたのですが、まだまだ購入金額が足りなかったようです。
 それにしても、新興国株の比率が高まりつつあります。
 新興国株は、もう少し減らしたほうがいいと考えているのですが、金融危機が解決したとでもいうのか、最近、新興国株が復調してきて、放っておくとどんどん伸びてしまうのです。ということは、新興国株投資をいくつかやめる必要があるということです。どんどん伸びているときは、そのままにしておけばさらに伸びそうな気がして、「やめる」という判断はしにくいものですが、理屈からいうと、そうするべきだということです。
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posted by 乙 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月01日

家計管理はあいまい?

 日経新聞9月26日(土)の日経 PLUS1 に掲載されていた記事で、ネット調査の結果が報告されていました。
 1,030 人ほどをネット調査で調べたそうですが、その結果、毎月の収入のうち、何にいくら使ったかをどの程度把握しているか聞くと、「完全に把握している」と答えた人は 20%。一方で「使い道がわかっている支出は5割未満」という“どんぶり勘定”の人も18%おり、うち3人に1人は使い道を把握している支出が「1割未満」だったとのことです。
 乙は、家計簿を付けているわけではなく、その意味では“どんぶり勘定”派に入ります。
 しかし、支出の何割を把握しているかという点では、そもそもきちんと記録していないので、何とも答えられません。あとから各種記録をたどれば、水道光熱費や電話代などの金額はわかりますし、クレジット・カードで買った場合も調べられるので、現金で払った分がわからないだけですから、7割くらいは追跡可能でしょう。
 それにしても、これは質問のしかたがまずい面もあるように思いました。「どの程度把握しているか」と質問して、その場で答えられる人は、もともときちんと記録している人です。“どんぶり勘定”派は、そもそも回答できません。ネット調査ですから、多数の人に質問することはできますが、一人ひとりの人は、パッと質問文を見て適当にクリックして回答する形式のはずですから、かなり適当な回答が混じってくるものと思います。
 日経にしては(いや日経だからこそ)変な調査をしたように思いました。
 日経の調査は、ときに、おかしいと感じるときがあります。
2008.3.2 http://otsu.seesaa.net/article/87896547.html
ひとくくりに「日経」としてしまってはいけないのかもしれませんが。
posted by 乙 at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月08日

妻の投資分の現在価格

 乙は妻の80万円を運用しています。
 そちらがどうなっているか、1年ほど前
2008.8.23 http://otsu.seesaa.net/article/105186996.html
と比較しながら見てみましょう。

HSBC ブラジルオープン 46,299 円→29,427 円
LM オーストラリア毎月分配型ファンド 124,627 円→101,431 円
エマージング・ソブリン・オープン 46,213 円→42,593 円
DIAMワールド・リート・インカム・オープン 94,084 円
→STAM グローバルREITインデックス・オープン 51,020 円
JPMF-JFアジア株・アクティブオープン 61,938 円→48,618 円
ソシエテ-SGロシア東欧株ファンド 39,297 円→17,223 円
三菱UFJチャイナオープン 88,241 円→76,622 円
SSGA 外国株式インデックス・オープン 45,308 円→30,436 円
ピクテ・ヨーロピアン 69,978 円→44,496 円
HSBCインド・オープン 135,132 円→103,356 円
MHAM 株式オープン 45,392 円→31,290 円
損保ジャパン−フォルティス・トルコ株式オープン 32,712 円→25,350 円
バンガード・スモールキャップ・インデックス 32,406 円→22,438 円
現金 4,435 円→3,774 円
合計=861,627 円→628,074 円

というわけで、見事に大きなマイナスです。すべての投信で全部マイナスというのは驚きます。昨年来の金融危機の影響の大きさがうかがわれます。
 もちろん、最悪期は脱したのですが、それでも、以前のところまでの回復ははるかに遠い状態です。

 さて、上の金額を、区分しながらカテゴリー別に集計すると、以下のようになります。
 SSGA 外国株式インデックス・オープン は、地域別に按分しました。

新興国株=48.2%
ヨーロッパ株=8.7%
アメリカ株=6.4%
日本株=5.0%
新興国債券=22.9%
REIT=8.1%
現金=0.6%
合計 100%

 いかにも偏っています。
 新興国株が多いのは、ハイリスク・ハイリターンをねらったものですが、結果的に(今の段階では)裏目に出て、見事に失敗しました。2008年秋の世界的急落を直接食らってしまいました。
 また、新興国債券も比率が高く、これまたよくないと思います。
 当面、ポートフォリオとしてどう補修・改善するかといえば、新興国債券を解約して、その分を先進国株に回すべきだろうと思います。また、新興国株をかなり解約して、こちらも先進国株に回すといいでしょう。
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posted by 乙 at 04:33| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月03日

最近のポートフォリオ

 半年ほど前に乙のポートフォリオを紹介したことがありました。
2008.11.5 http://otsu.seesaa.net/article/109113190.html
 荒波をくぐり抜けて、今はどうなっているでしょうか。
《2009.5》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
49.04%
14.39%
7.83%
8.47%
18.26%
債券
23.63%
8.17%
6.39%
0.57%
8.50%
不動産
2.61%
ヘッジ等
9.03%
預貯金
15.78%

 こうやって 2008 年10月と比べてみると、株式が占める割合が上昇し、債券が減っています。ヘッジファンドなどはかなり減っています。預貯金がやや多めなので、もっと投資せよということでしょうか。
 最近、新興国株がまた上がり始めたので、重みが増えています。売却したほうがいいのでしょうか。
 自分のポートフォリオは、いろいろなことを考えさせ、また反省を求めるものです。

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posted by 乙 at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月09日

忙しいときのインデックス投資と積立投資

 時間がないときは、ほったらかし投資であるインデックス投資が便利です。特に積立投資は便利だと思います。何も考えずに投資できます。一度セットしておけば、どんどん継続的に投資が繰り返されます。
 人は忙しいときがあるものです。定期的に行う各種金融商品の時価チェックができないときがあります。インデックス投資は、それでも何ら問題ありません。
 忙しいときは、FXなどは、まったく向いていません。目を離したすきにレートが大きく動くようなことがあると大変です。事前に損切りラインなどを決めておいて、そういう売買の指示を出しておけばいいのかもしれませんが、いつもそうやっていていいのか、よくわかりません。
 アクティブファンドは、FXに比べれば値動きが緩やかなことが多いですから、まあ、2〜3ヵ月に1回のチェックでもいいかもしれません。

 こんなことを考えていると、サラリーマンには毎月定額積立が一番いいように思えてきました。手間がかからないのです。手間もまたコストです。
 乙も、毎月定額積立を(ほんの一部ですが)継続しています。
2008.4.5 http://otsu.seesaa.net/article/92292888.html
 しかし、一方ではムダなコストをかけても良いという考え方もあります。つまり、「趣味」の領域に重なることもあるわけです。
 「投資」は「趣味」なのか。これまたきちんと答えることが難しい問題です。

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2009年05月05日

債券投資を行う立場、行わない立場

 債券投資については、いろいろと迷うところがあります。
 このあたりで、自分の考え方をまとめておきましょう。何に迷っているのかという点です。
 国内債券と外国債券で若干事情が違う面があるかもしれません。
 まず、債券投資を行うべきだという考え方です。

(1)債券は、株式の価格の変動と相関が低い(しばしば逆の動きをする)ので、ポートフォリオ全体のリスクを下げられる。
 株式だけではリスクが高すぎるという考え方です。特に、昨今の大暴落では、株式だけで投資していた人はかなり悲惨な目にあったことでしょう。

(2)シャープ・レシオが最も優れたポートフォリオを組む場合は、100%債券と100%株式の中間段階がベストになる。
 具体的な求め方は省略しますが、効率的フロンティア曲線に基づいた計算をします。
 分散投資の考え方では、国内債券も外国債券もポートフォリオに含める方がよいという考え方になると思います。

(3)年齢が高くなると、ハイリスクな投資はできないから、債券にシフトするべきだ。
 年齢ごとに株式と債券の比率を変えていくという考え方です。

 一方、債券投資を行ってはいけないという考え方もあります。

(A)債券のリターンは株式よりも低いので、株式に全力で投資するべきである。
 特に、インフレ(これからの日本であり得ます)を考えると、インフレに勝てるようにするためには債券ではダメで、株式が必要になります。

(B)今は日本の金利が低いので、債券投資しても資産の増加に結びつかない。
 もしも、債券の金利が高くなれば、そのときは投資してもよいという考え方です。
 海外の債券は(日本よりも)高金利だから、買ってもいいと考える人がいます。乙もそう考えていました。しかし、為替レートで調整されますので、海外債券も国内債券もあまり違わないと思います。

 いやはや、悩ましい問題です。

ラベル:債券投資
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2009年04月16日

「長期分散投資で目指す15年7%の運用利回り」は可能か

 自分のブログに掲げてきた「長期分散投資で目指す15年7%の運用利回り」ですが、これが達成できるかということについて、今の考えを述べておきます。
 実は、不可能です。
 したがって、そのうち、表題を若干変えようと思っています。
 不可能なのは、以下の2点です。

(1)2008年の株価の下落
 2008 年の後半の株価の下落はきわめて大幅でした。乙も大きな損失を抱えました。これを考慮すると、15年(ブログ開始から3年経っているので、実際には今からは12年)で当初の状態からの7%の利回りは達成できないと思います。
 投資には、価格変動リスクは確実にあるもので、価格の大幅な上昇もあり得ますが、大幅な下落もあります。そして、一度、大幅な下落に遭遇してしまった(下落が現実化してしまった)場合、その後の回復はむずかしくなります。
 乙の場合は、かなりの資金を投じた後に大幅下落が起こったので、これから7%程度の利回りが達成できたとしても、投資の当初からの成績を考えれば、はるかに及ばないことになりそうです。

(2)7%という目標が高すぎる
 「7%」という目標は、きちんと計算して決めたわけではありません。まあ、ざっとこれくらいは行くだろうと予測して投資をはじめたわけです。
 実際のところ、利回りは10%くらいは行くかもしれないと思っていました。だって、世の中には、毎年数十%の成績を挙げている海外のファンドがたくさんあるからです。それらを選んで分散投資しておけば、少なくとも10%くらいはいくような感じがしていました。
 しかし、なかなかうまくいかないこともあるかと思って、10%をうたうことなく、7%に抑えました。(適当な主観的な値です。)
 なぜ、こんな目標を掲げたのか、そして何が間違っていたのかを考えると、為替変動(円高)に行き当たります。
 海外のファンドには、10%くらいの利回りのものがかなりあります。しかし、それはドルベースの利回りなのです。円で考える場合は、為替レートを考慮しなければなりません。長期的に見て、日本は低金利で、アメリカは高金利ですから(今現在はアメリカの短期金利は超低金利になっていますが、これは一時的な現象です)、長期的には、円高傾向になります。どれくらいの円高になるかはわかりませんが、日米金利の差を考えると、年3%くらいでしょうか。
 すると、ドルで10%の利回りを享受したとしても、円で考えれば、7%程度になってしまいます。
 10%の利回りだって、ホントに達成できるかと考えてみると、無理なように思えてきました。
 アメリカの株価を見ても、調子のいい時を取れば、毎年10%以上の利回りになるようなことはあると思いますが、それが継続するとは限りません。ファンドの類で10%以上の利回りをあげているものがゴロゴロあるといったって、自分が購入したものがそうなるとは限りません。むしろ、過去の成績がよかったものがその実績を強調して宣伝するので、そういうものだと思いこむのですが、実際は、なかなかそういう成績はあげられません。

 そんなこんなで、7%はかなり高いハードルのように思えてきました。
 日本の低金利が続く限り、まあ3〜4%くらいが妥当な線のようです。逆にいえば、これから日本がインフレになったりすれば、金利も上がり、7%の利回りは十分可能でしょう。しかし、こう考えると、インフレ率を考慮しないで投資の目標を決めるなんて、ナンセンスですね。まあ将来のインフレ率を想定するなんてことはこれまた無謀だと思いますが。
 海外投資をすれば、10%は軽く行くと思っていた乙は甘かったです。これは、ここ数年の経験で、痛切に感じるようになってきました。
 これから先、日本の金利が上昇することもあるかとは思いますが、政策金利を1%上げるだけでも、企業はやっていけないかもしれません。ましてや、5%なんて、ほぼ考えられない事態です。(ただし、20〜30年の長期的には、日本の金利上昇は十分あり得ます。)
 日本株も、これからは高度成長などは望めませんから、数%程度の上昇でしょう。
 先進国株も同様だろうと思います。一見良さそうでも、為替レートの変動(円高)で、期待したほどの成績にはなりません。
 新興国株は、それらに比べれば、成長が期待されますから、投資するならここがいいでしょう。それにしても、新興国株はリスクがいよいよ高くなりますから、ここに集中投資することはできません。
 債券類は、日本では1〜2%程度が長く続きそうです。海外債券はもっと高金利ですが、それも為替レートの変動がありますから、日本並みと考えたほうがよさそうです。
 というようなわけで、今は、「7%」は無理だと考えています。
 そのうち、ブログの表題を若干変えます。

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2009年04月09日

ちょっと安く指値で注文するといいか?

 乙は、あまり意味を考えるでもなく、株や ETF それに為替などで、現在価格よりも少し安い金額で指値注文をしてきました。
2008.12.23 http://otsu.seesaa.net/article/111580235.html
たいていは約定するので、ちょっとだけもうかった気がしていました。だって、買おうと決心したときの価格よりも安い価格で買えるのですから、もうかった気持ちになるのは当然でしょう。
 しかし、考えてみると、こういう注文のしかたは、あまり意味がないようです。
 確かに、たいていは約定するのですが、たまに約定しないときがあります。それは、株価(為替レート)が注文時よりも継続的に上昇してしまうときです。これによって、得られるはずの利益(逸失利益? 機会費用?)が得られなかったことがわかるのですが、これがけっこう大きいことがあります。何回も小口でもうけたとしても、1回の安い指値注文がそれらを吹き飛ばしてしまうことがあります。
 最近は、為替でこれを経験しました。86円まで円高が進行するだろうと考え、90円くらいのときにもドルを購入することを控えていました。結果的に、100円までの円安になってしまい、ドルを購入するチャンスを見逃してしまいました。
 ということで、少し安い価格の指値が必ずしも有利ではないということを実感しました。
 ということは、つまりは、やや高い価格での指値注文でも損はしないことになりますし、成行注文でもいいということになります。どれでも同じことなのです。
 しかし、理屈としては、そうなることは理解できるのですが、実際のところ、成行注文にするべきかというと、まだそこまでの決心はつきません。これは、論理上の納得というよりも、感覚的なもののようです。
 ETF やインデックスファンドを購入する場合を考えると、あまり現在価格などにこだわらずに(策を弄せずに)、「適当に買う」ほうが精神衛生上もいいことなのかもしれません。

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2009年02月12日

長期投資の本質

 (株)銀座なみきFP事務所のメルマガ
http://archive.mag2.com/0000141697/20090210124408000.html
に出ていた話です。
 一部引用します。
 よく「長期投資は手間がかからないし、持っていることを忘れてしまえば気が楽だ」、このような安易な考えから長期投資を目指される方もいるようですが、このようなスタンスで長期投資を行うことが本当に正しいかどうか、是非一度以下のような観点もふまえて考え頂く必要があるのではないでしょうか。
 まずそもそも「持っていることを忘れてしまえるのか」という点です。
 さらに申し上げれば持っていること忘れるような人が、そもそも投資を始めるかという点です、人間の心はそれほど都合よくできているとは思えず、本人としてはいくら忘れようとしても、実はそのことが心の底で大きなわだかまりとなって、日常生活にかえって支障になってしまうということはないのでしょうか・・・
 あるいは「手間をかけず」という考えもいかがなものでしょうか。
 私は基本的に努力をせず、あるいは手間をかけずにお金を稼ぐことなどできないと思っています、それが仕事であれ、資産運用であれ、人間が織り成すこの社会で、そもそも手間をかけずにお金を稼ぐなどというおいしいお話があるとは私には思えません。
 私にはちまたでよく言われる長期投資は、長期投資の名を借りて安易に行う「放ったらかし投資」にみえてしかたありません。

 これは、長期投資の本質を問う興味深い話です。
 長期投資にもいくつかの立場があります。ウォーレン・バフェット流の考え方で、長期に渡って価値を生み出す企業を選別してその株に投資するのも一つの立場です。バリュー投資とでも呼べばいいでしょうか。
 もう一つがインデックス投資で、こちらは市場全体に投資する考え方です。こちらは基本的に「ほったらかし投資」になります。
 乙は、長期投資の基本は「ほったらかし投資」でいいと思っています。全部が全部それだけでいいとも思っていませんが、基本はそれでいいと思います。
 では「ほったらかし投資」は手間がかからないでしょうか。そんなことはありません。どのようなスタンスで臨むか、自分の現状を踏まえて、具体的にどんなポートフォリオにすればいいかなど、手間をかけていろいろと調べる必要があります。しかし、そういう手間をかけた後に、方針が確定したら、あとは(リバランスなどの処理は必要なものの)かけるべき手間は減ります。
 さて、上述の記事では、手間をかけて長期投資をしようとすすめていますが、では、どんな手間をどんなことに対してかけるのでしょうか。そこが明確に書かれていません。そして、最大の疑問は、そのかけた手間がそれに見合うだけのリターンをもたらすかどうかという点です。乙は、この点、かなり懐疑的です。
 ここから先は、FP事務所への批判に響いてしまうのですが、ご了承ください。乙は、FP事務所に有料で相談することは、投資開始初期や方針の変更の場合など、ときには必要なことですが、ずっと相談を続ける必要はないと思っています。投資家は勉強し続けなければならないのですが、そういう勉強の一部として有料相談があります。しかし、投資に関する知識が身に付いてくれば、そのような相談はしなくても大丈夫ではないでしょうか。上述の記事を読むと、「手間をかける=有料でFP事務所に相談する」と言っているように思えてくるのですが、これは乙のうがった見方でしょうか。

 さて、皆さんは「長期投資=インデックス投資=ほったらかし投資」でしょうか。それとも「長期投資=バリュー投資≠ほったらかし投資」でしょうか。

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2009年01月19日

投資するということ

 乙が読んでいるイーノ・ジュンイチさんのブログ「ファンドの海」で面白い問いかけがありました。
http://www.fund-no-umi.com/blog/2009/01/post-98e0.html
「友人に自営業で稼いでいる人がいて、彼いわく、投資なんかでお金を増やそうと思わないで、ちゃんと自分で働いてお金を稼ぐべきだ、と言われます。こういう人にどう反論すればいいのでしょうか?」
 イーノさんは、これに対して自分なりの回答を述べているのですが、乙が読んだとき、ずいぶんと違うなあと感じました。
 乙の考えでは次のようになると思います。
 自分で働いて稼ぐことが基本であり、それはそれで正しいのです。
 しかし、稼いだお金が全部使い切れず、余ってしまうことがあります。余ったお金はどうしたらいいのでしょうか。
 財布のままに入れておいても、財布がいっぱいで入りません。机の引き出しや金庫やタンスに入れておくこともできます。かなり大量に保管できます。
 しかし、一番普通なのは、銀行の自分の口座に入れておくことではないでしょうか。いくら多くても保管できます。すると、これはすでに「投資」(間接金融という形で)になってしまいます。
 お金が余った場合、それを現金で保有しなければ、全部投資になるのです。
 お金は、現金で保有しておくか、それ以外の形で保有していくかしかありませんが、現金以外はすべて「投資」ということです。
 現金をそのまま保有していることは、いつでも正しいわけではありません。一見すると、価値が変わらないままですが、世の中がインフレ傾向にあると(そして緩やかなインフレが一番多いわけですが)時間とともに価値が減じてしまいます。そうならないためには、お金自体が大きくなっていく必要があります。つまり、お金が増えるのが自然な話であって、増えないことはすなわち価値が減じるということであり、お金を正しく所有している態度ではありません。つまり、お金は増やすようにしておかないと勝手に減ってしまうのです。
 投資は、お金を増やすために行っていることではなく、お金の価値を保つようにすることです。結果的に、お金を増やすことになるのです。
 まとめると、働いてお金を稼ぐことは正しいけれど、お金が余ったら、自ずと投資することになっているのであって、お金を増やそうと思うかどうかは関係ないのです。

ラベル:投資
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2008年12月04日

若い人からの投資相談

 乙は、先日、ある若い人から投資をはじめたいという相談を持ちかけられました。
 今から5年くらい先を見越して、定期的に投資信託の積立を考えているとのことでした。今は、投資信託に関する本などを読み始めているそうです。
 具体的な計画を聞いてみると、5年くらい先に結婚を予定しているので、その資金を蓄えたい(結婚式、新婚旅行、さらには新居(賃貸マンション)の費用などを考慮している)ということです。
 どれくらいの額を考えているのか、尋ねてみたところ、毎月4万円を積み立てて、ボーナス時には10万くらいを積み立てて、400〜500万円程度にしたいというのです。
 乙は、その若い人に、投信の積立はしない方がよいとアドバイスしました。
 5年くらい先を見越して、結婚を考えてお金を貯めようとしていること自体は大変好ましいことです。ムダな支出を切り詰め貯金することは、何はさておき大事な一歩です。親元で暮らして賃貸マンションの費用を節約して貯金に回すことも大いにけっこうです。
 しかし、その手段はいろいろあるのであって、「投資信託の積立」がいいとは限りません。
 むしろ、投資信託は、内容(投資先)によって基準価額が大きく変動するものですから、5年先に400〜500万円になっている可能性もあるけれど、100〜200万円になっていることもあります。それでは、結婚の費用にはとうてい足りないでしょう。
 安定的に運用される投信もありますが、それは預貯金とさほど変わらない利回りです。
 低金利だから、何とか高利回りをねらいたいという若い人の気持ちはわかるのですが、投資は損をすることもあるという事実を考慮すると、5年先に具体的な支出予定がある場合に、投信の毎月積立は危険です。
 積立預金のようなものもあるし、銀行によっては定期預金の積立もあるし、場合によっては、勤務先などで住宅貯蓄のような制度があることもあるでしょう。だから、もう少しいろいろ調べて、どんな制度を利用するといいか、よく考えてから行動に移すべきだとアドバイスしておきました。それまで普通預金に置いておくだけでもまったくかまいません。
 投資期間が5年でなく、10年から20年(あるいは退職後までの30年やそれ以上)を考えるなら、投信の積立もいいと思いますが、5年程度先の使い道が決まっているようなお金を貯めるなら、普通の預貯金を考えたほうがいいでしょう。
 その若い人は、「では、口座のある銀行に行って相談してこようか」というので、乙は、行かないほうがいいと言っておきました。銀行にしてみれば、何も知らずに金だけ持って銀行窓口にやってきた人というのは、まさにネギをしょったカモです。銀行の窓口でどんなものをすすめられるか、わかったものではありません。乙は、まずは自力でいろいろ調べることをすすめておきました。積立をはじめるにしても、最初は各種勉強が大事です。
 乙は、ちょうど預金をしようと考えていたところだったので、
2008.11.25 http://otsu.seesaa.net/article/110155141.html
2008.12.1 http://otsu.seesaa.net/article/110488379.html
2008.12.2 http://otsu.seesaa.net/article/110549064.html
この話は非常に身近に受け止めました。
 若い人の場合、投資は、結婚して住宅も探して、その後から始めてもいいのではないかと思います。時間はたっぷりあるのですから。
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2008年11月28日

ドルコスト平均法

 乙がブログで見かけたのですが、日高誠さんによる記事
http://blog.livedoor.jp/m_hidaka/archives/51066194.html
はおもしろいと思います。
 だんだん上昇しているファンドと、いったん下がって、その後少し復活して元値に戻ったファンドがあったとき、ドルコスト平均法で積立投資をしていくと、後者のほうが成績がよくなるという話です。
 具体的な計算結果も出ていますので、間違いはないと思います。
 これはかなり意外な感じがします。
 ファンドは基準価額が上下するものですが、まさに基準価額の上下を活かして資産を積み上げていくには、ドルコスト平均法は優れた方法だと思います。
 理論的には、ドルコスト平均法は得でも損でもないのですが、普通の人の投資スタイルとしてはなかなかいいものを持っています。定期的に投資を続けるためには、この方法が望ましいと思います。
 乙は、ドルコスト平均法を採用しているわけではありません
2006.8.14 http://otsu.seesaa.net/article/22320551.html
が、現在は、それに準じた投資行動を取っています。
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2008年11月13日

韓国の通貨安と株安

 今、韓国が通貨安と株安でひどいことになっているようです。
豊島信彦(2008.11.4)「通貨危機懸念が消えない韓国」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20081030/175739/
あたりが参考になるでしょうか。
 大前研一氏の議論も参考になります。
大前研一(2008.9.26)「ニュースの視点 KON229 世界株式市場から国際金融の現状を分析〜特に注視すべき国はココだ。」
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1178.php
大前研一(2008.11.5)「「産業突然死」の時代と人生論 第159回:韓国の通貨危機、再び忍び寄る」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/159/
 大前氏は「アジアの中でも危険なのは、実態を伴わない韓国経済だ」と述べています。ウォン安が問題だとのことです。韓国経済は空洞化しており、実態経済が育っていないというわけです。
 なぜ、韓国の話を持ち出したのかというと、実は、乙があるところから韓国株に投資しないかと勧められたからです。
 ちょっと韓国の経済に関する記事を読んでみると、どうにもひどいという話があちこちに書かれています。上の記事はその典型例です。
 そんなわけで、韓国株への投資は、先送りにしようかなと思いました。
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2008年11月05日

最近のポートフォリオ

 乙は、自分のポートフォリオをあまり頻繁にチェックしませんが、最近の世界の大幅株安の結果、大きな変動がありましたので、現状を把握しようと思いました。
 1年ほど前は、
2007.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/60730510.html
にあるようなことでした。
 10月末時点で計算してみると、以下のようです。
《現実》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
41.1%
12.6%
5.6%
6.3%
16.6%
債券
28.3%
9.7%
7.0%
0.5%
11.1%
不動産
3.1%
ヘッジ等
14.6%
預貯金
13.0%


 この1年間で、いろいろなことがありました。アメリカ株・ヨーロッパ株を追加購入しましたが、その後、数ヶ月間は投資を休んでいました。むしろ、ヘッジファンドや新興国株などを一部解約しました。そこに世界株安が襲ってきました。
 その結果、上の表のようになりました。
 株価が大きく値を下げ、債券はそんなことがなかったので(ETF では少し下がりましたが)、結果的に債券の比率が上がってきました。勝手にリバランスがなされたようなものです。乙は新興国株の比率が異様に高かったのですが、今はさほどでもなくなりました。(実は、新興国株で大きな損失を出しているということなんですが、……(涙)。)
 今のところ、ポートフォリオは以下のようなものを目指そうと思います。
《理想》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
50%
20.0%
10.0%
10.0%
10.0%
債券
30%
10.0%
10.0%
0.0%
10.0%
不動産
5%
ヘッジ等
5%
預貯金
10%

以前のもの
2007.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/60730510.html
とは、多少変わっています。
 というわけで、理想と現実の差を考慮して、これからは日米欧の株を買おうと思います。
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2008年10月28日

投資活動を再開します

 乙は、しばらく投資活動を休んでいましたが、
2008.6.8 http://otsu.seesaa.net/article/99784901.html
投資を再開することにしました。
 まとまった出費の話が一段落したからです。
 で、周りを見渡してみると、この数ヶ月間で、状況は大きく変わっていました。
 乙の運用資産が大きく減ってしまったのですが、一方では、今は何でもバーゲンのように見えます。日本株もお買い得だし、アメリカ株も、ヨーロッパ株も、新興国株もよりどりみどりです。何に投資するべきか、迷います。
 円高はずしりと響きます。株安に加えて円高では、乙が海外に移した資産はぐっと目減りした計算になります。しかし、今さら嘆いても始まりません。むしろ、円高によって、これから投資する分(乙が受け取る給料の一部)が有利になったと考えたいと思います。せいぜい円高時にドルやユーロに両替しておきましょう。
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2008年08月31日

金利差と為替レート(3)

 昨日の記事
2008.8.30 http://otsu.seesaa.net/article/105715608.html
の続きです。

 ここのところ、金利差と為替レートの関連を考えていますが、この問題に関して、FX(外国為替証拠金取引)では、比較的話は簡単なようです。
 FX関連では、アメリカが高金利、日本が低金利の場合、為替レートは円高方向に動くとしています。
http://nikkeimoney.jp/gaika/school/old/kawase60.html
http://www.adpweb.com/eco/eco4.html
http://www.adpweb.com/eco/eco5.html

 為替ヘッジの話も、FXと同様です。
http://www.nomura-am.co.jp/basicknowledge/mame/15_kawase/index.html
http://www.nomura-am.co.jp/basicknowledge/mame/15_kawase/01.html
 金利差を考えると、円高だというわけです。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1091144.html
は先物の話ですが、同様です。

 以上見てきたように、金利差と為替レートをめぐっては、いくつかの立場から違った主張がなされています。相互に矛盾しているので、これらの清濁を合わせ飲むわけには行きません。
 しかしながら、両者の関係を一番スムーズに説明しているのは、FX、為替ヘッジ、先物の話です。理論的に一番はっきりしています。通貨間に金利差があれば、高金利の通貨は通貨安に、低金利の通貨は通貨高になるというものです。
 一部の人は、これと逆の主張をするのですが、
2008.8.29 http://otsu.seesaa.net/article/105661673.html
金利差があると、高金利国の通貨が買われ、その通貨が高くなるという考え方は、どうもおかしいと思います。たとえば、豪ドルが高金利である場合、単純に高金利を求めて豪ドルに資金が集中したら、豪ドルがさらに高くなって二重に儲かるということがあれば、単純明快な投資話であり、みんながそういう投資をするのではないでしょうか。なぜそうならないかと考えれば、豪ドルが(円に対して)安くなり、結果的に儲かるかどうかわからないからではないでしょうか。
 そして、FXにおけるスワップポイントにしても、先物の為替レートにしても、現に、高金利の通貨が通貨安になることを前提にして動いています。
 乙は、ことを単純化して考えれば、「通貨間に金利差があれば、高金利の通貨は通貨安に、低金利の通貨は通貨高になる」ということだと信じます。
 これで、とりあえず、乙なりの結論にたどり着いたように思います。
posted by 乙 at 03:23| Comment(3) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月30日

金利差と為替レート(2)

 昨日の記事
2008.8.29 http://otsu.seesaa.net/article/105661673.html
の続きです。
 ネットを見てみると、金利差と為替レートについて、過去の動きをフォローしたものもあります。
 たとえば、
http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/f0502dki2.pdf
では、「図表2、3 はそれぞれ名目、実質金利差と為替レート(前年比変化率)を重ねたグラフであるが、一見したところ金利格差の変動に対し、資産価格である為替レートが常に敏感に反応しているわけではないようである。つまり、他の変数と同じように、金利格差は為替レートを説明する可能性がある変数の中の一つに過ぎないことを物語っている。」と述べて、為替レートは金利差だけで決まるものではないので、もっと総合的に考えるようにいいます。
 類似の見方は、他にもあります。いくつか引用します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20060821/108327/
 「異なる国の通貨の相対的な力関係を探る外国為替市場では、2国間の金利差は非常に重要な要因ではあるが、必ずしも決定的な要因ではない。」

http://www.mof.go.jp/f-review/r19/r_19_108_123.pdf
 「金利差ではドル高などが説明できないことがある。」

http://www.fxprime.com/excite/bn_ykk/ykk_bn30.html
 「為替相場はさまざまな材料や思惑で動くため、そもそも、為替レートは金利だけで決まるものではないのです。」
 とうわけで、そもそも金利差と為替レートを単純に考えることがよくないのかもしれません。しかし、(科学的な)考え方の一つとして要素還元的に物事を見るならば、他の影響を無視して単純に金利差だけを取り出して為替レートとの関連を考えることはできるはずです。
 ちょっと気になる記事は
http://rich-ojisan.com/fx68.html
です。「内外金利差が為替の変動要因になると言っても、単純に金利の高い通貨が買われるのではなく、これから金利が上がっていくと予想される国の通貨が上昇し、これから金利が低下していくと予想される通貨が下落する傾向にあります。」ということで、両者の時間的なズレを指摘しています。
(以下、明日に続く)
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posted by 乙 at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月29日

金利差と為替レート(1)

 乙は、高橋洋一氏の『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』を読んだとき、
2008.8.19 http://otsu.seesaa.net/article/104970946.html
「金利が高くなると為替は円高になる」とあったことで、疑問に思いました。
 この件について、再度、考えてみました。
 WWWで検索すると、高橋氏と同じように「金利が高くなると為替は円高になる」という説がたくさん見つかります。代表的なものとして、以下の3つを挙げておきます。
http://moneykit.net/from/topics/topics57_01.html
http://session343.jp/main/knowledge/advance/02.html
http://www.business-i.jp/print/article/200704180013o.nwc
簡単にいえば、金利差があると、高金利国の通貨が買われ、その通貨が高くなるというわけです。
 その反対に、円が低金利になっているので、円安なのだという説もあります。
http://www.best-investor.com/fx/topics13.html
 これは、上述のものと同じ主張ととらえてもいいでしょう。
 どうも、このあたりが一種の合意事項のようです。

 乙が持っている藤巻健史氏の本も見てみました。
 『マネーはこう動く――知識ゼロでわかる実践・経済学』
2007.8.24 http://otsu.seesaa.net/article/52516511.html
では、p.140 で、円の金利は超超超低金利だから、超円安は当たり前で、超超超円安でないとおかしいと書いています。しかし、一方では、pp.143-144 で、金利差が開くと(ドルが高金利で円が低金利であれば)先物取引で将来のドルが安く買えるという話も出てきます。つまり円高に振れるということです。
 基本は、為替レートはわからないということのようです。
 同じく、『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』
2006.6.18 http://otsu.seesaa.net/article/19423811.html
では、第1章「為替のマーケット」の pp.29-36 で、先物取引で、ドルの金利が高く円の金利が安いならば、円高になることを説明する一方、p.56 では、日米の金利差が開くとドルの買い要因になる(だからドル高になる)という説明も出てきます。一見矛盾する説明がなされています。

 ん? 何だか、わからなくなってきました。
(以下、明日に続く)
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2008年08月26日

正規分布と損切り・利食い(2)

 昨日述べたようなわけで、
2008.8.25 http://otsu.seesaa.net/article/105303133.html
損切り・利食いは、損切りを大きなレベル(たとえば -20%)で、利食いは小さなレベル(たとえば +10%)で行えばいいという結論に達しました。
 ここでの問題は、仮に損切りを利食いの2倍の水準とした場合でも、[-20%, +10%] という場合と、[-10%, +5%] という場合があるということです。この問題について、考えてみましょう。
 正規分布表では、Z という標準得点に基づいて分布(面積)が決まっています。
 そこで、Z の値を少しずつ動かしながら、「Z の値以上の面積」と「Z の2倍以上の面積」を比べてみることにしました。
 結果は、以下の通りです。
ZZ確率Z*2確率Z比率Z*2比率
0.1
0.4602
0.4207
52.24%
47.76%
0.2
0.4207
0.3446
54.97%
45.03%
0.3
0.3821
0.2743
58.21%
41.79%
0.4
0.3446
0.2119
61.92%
38.08%
0.5
0.3085
0.1587
66.03%
33.97%
0.6
0.2743
0.1151
70.44%
29.56%
0.7
0.2420
0.0808
74.97%
25.03%
0.8
0.2119
0.0548
79.45%
20.55%
0.9
0.1841
0.0359
83.68%
16.32%
1.0
0.1587
0.0228
87.44%
12.56%
1.1
0.1357
0.0139
90.71%
9.29%
1.2
0.1151
0.0082
93.35%
6.65%
1.3
0.0968
0.0047
95.37%
4.63%
1.4
0.0808
0.0026
96.88%
3.12%
1.5
0.0668
0.0013
98.09%
1.91%
1.6
0.0548
0.0007
98.74%
1.26%
1.7
0.0446
0.0003
99.33%
0.67%
1.8
0.0359
0.0002
99.45%
0.55%
1.9
0.0287
0.0001
99.76%
0.24%
2.0
0.0228
0.0000
99.87%
0.13%

 Z が 0.1 のような分布の中心に非常に近いところでは、「Z の値以上の面積」と「Z の2倍以上の面積」がほとんど同じ値になってしまいます。株式でいえば、1% 上がったら利食い、2% 下がったら損切りというようなものです。こうすると、両者の起こる確率がだいたい同じになります(厳密にいえば前者の方が後者よりも少し確率が大きいですが)から、全体として損をすることになります。逆にいえば、2% 上がったら利食い、1% 下がったら損切りとすれば、(手数料を無視すれば)儲かると思います。
 Z が分布の中心から離れていくと、「Z の値以上の面積」と「Z の2倍以上の面積」の差が大きくなっていきます。Z=0.6 のところで、「Z の値以上の面積」と「Z の2倍以上の面積」が約2倍違ってきますので、このあたりが境界線です。これよりも Z が大きい場合は、「Z の値以上の面積」が「Z の2倍以上の面積」よりも2倍以上大きくなりますから、儲けが出ることになります。驚いたことに、上の表からわかるように、Z が大きくなればなるほど、両者の面積の差が大きくなります。
 ということは、損切り・利食い水準を [-20%, +10%] とするよりは、 [-40%, +20%] とするほうがよいということです。
 ただし、このような大きな幅で損切り・利食い水準を決めると、そのようなレベルに達しないことが多くなり、損切りも利食いもしない(できない)状態、すなわち保有したままになることが増えます。Z=1.0 のところでも、「Z の値以上の面積」が 0.1587、「Z の2倍以上の面積」が 0.0228 ですから、合計しても 0.1815 にしかならず、85% は保有したままということで、儲けにつながらないわけです。損切り・利食いの水準を決める場合は、このことも勘案しながら、妥当な水準を決定しなければなりません。これはなかなかの難問です。
 ついでにいえば、株価の変動の程度(標準偏差)を求めることも難しい問題です。個別の銘柄ごとに相当に違ってきますし、期間をどれくらい取るかでも変わってきますから、けっこう大変です。

 ともあれ、株の売買において、損切り・利食いのレベルをどう設定すればいいかについて、乙なりの結論が出ました。
 株価がランダムに(その確率が正規分布を描くように)変動するものと仮定した場合の話です。
 一つは、+2% で利食い、-1% で損切りというようにごくごくわずかの差で手仕舞いする方針です。両者の起こる確率はだいたい似たようなものですから、利食い水準を損切り水準よりも高めに設定することで確実に儲けることができます。もっとも、これは非常に頻繁に株の売買を行うことにつながりますから、手数料がかなり多額になることが予想され、本当に儲けられるかどうか、よくわかりません。これはデイトレードの論理(の一つ)でしょう。
 もう一つは、+10% で利食い、-20% で損切りというような、大きな差で手仕舞いする方針です。後者が起こる確率は前者の半分よりもやや小さいですから、これも儲けることができます。ただし、この場合、標準偏差を考慮して、利食い水準を標準偏差の6割よりも大きい水準に設定し、損切り水準をその2倍とするのがいいということになります。
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2008年08月25日

正規分布と損切り・利食い(1)

 乙は、株の売買における損切り・利食いのレベルをどうするかについて、以前、シミュレーションで結論を出したことがありました。
2007.9.16 http://otsu.seesaa.net/article/55103375.html
 これに基づいて、第三者の考え方を間違いだと述べたこともあります。
2008.8.13 http://otsu.seesaa.net/article/104660595.html
 最近、シミュレーション自体は妥当なものであっても、その解析的説明が十分でないと考えるようになりました。そこで、今日は、再度、この問題を考えてみました。
2007.9.16 http://otsu.seesaa.net/article/55103375.html
では、次のように述べています。
 このことを納得するためには、正規分布の形を考える必要があります。いわゆる釣り鐘型ということですね。平均値(分布の中心)付近では出現確率の違いが小さいけれど、平均値から外れると出現確率の違いが大きくなる形のことです。これによって、騰落率0%のとき、3対7になるというわけです。

 この説明は、正規分布曲線の縦方向の「高さ」に着目して説明しています。しかし、確率の問題ですから、平均値(分布の中心)からある程度離れたところから先の「面積」で説明しなければなりません。
 「10% の損切り」が起こる確率というのは、-10% よりもマイナス側の面積であると考えます。「20% の利食い」が起こる確率は、+20% よりもプラス側の面積です。
 もちろん、利食いと損切りが10%対20%がいいのか、5%対10%がいいのかという問題も解決したいところです。

 さて、正規分布表
http://www.biwako.shiga-u.ac.jp/sensei/mnaka/ut/normdisttab.html
http://www.koka.ac.jp/morigiwa/sjs/standard_normal_distribution.htm
では、Z という標準得点が基準になって面積が表になっています。+10% とか、-20% というのを標準得点に換算しなければなりませんが、これは、データの標準偏差がわかれば、それで割り算することで Z に変換できます。
 えいやっとばかり、10% を Z=0.6 と仮定してみましょう。20% は Z=1.2 となります。標準偏差が 16.67% 程度と仮定していることになります。
 Z=-1.2 よりも左側の面積は、Z=1.2 よりも右側の面積と一致します。
 Z=1.2 よりも右側の面積は 1-0.8849=0.1151 になります。
 Z=0.6 よりも右側の面積は 1-0.7257=0.2743 になります。
 両者の面積の比率を求めると、
 1.2 以上の面積=0.1151/(0.1151+0.2743)=0.2956
 0.6 以上の面積=0.2743/(0.1151+0.2743)=0.7044
となり、両者は3対7の比率で起こることになります。標準偏差が 16.67% 程度の場合、損切り -20%、利食い +10% とすれば、前者が3割、後者が7割の確率で起こりますから、わずかながら儲けが出ることになります。
 以前の乙のシミュレーションは、このあたりのことを求めていたのではないかと思われます。
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2008年08月23日

妻の80万円の運用

 乙は、妻の資金を預かって、投資信託で運用しています。
 初めは、2005年10月で、資金は50万円だったのですが、
2006.5.1 http://otsu.seesaa.net/article/17248232.html
2007.4.26 http://otsu.seesaa.net/article/40055206.html
その後、30万円の追加がありました。
2007.8.23 http://otsu.seesaa.net/article/52391498.html
 その後、どうなっているか、7月末の段階で見てみましょう。

HSBC ブラジルオープン 46,299 円
LM オーストラリア毎月分配型ファンド 124,627 円
エマージング・ソブリン・オープン 46,213 円
DIAMワールド・リート・インカム・オープン 94,084 円
JPMF-JFアジア株・アクティブオープン 61,938 円
ソシエテ-SGロシア東欧株ファンド 39,297 円
三菱UFJチャイナオープン 88,241 円
SSGA 外国株式インデックス・オープン 45,308 円
ピクテ・ヨーロピアン 69,978 円
HSBCインド・オープン 135,132 円
MHAM 株式オープン 45,392 円
損保ジャパン−フォルティス・トルコ株式オープン 32,712 円
バンガード・スモールキャップ・インデックス 32,406 円
現金 4,435 円
合計=861,627 円

というわけで、最近の不調にもめげず、かろうじてプラスを維持しています。
 これらは積立をしているわけではないので、ただ単純に買って、じっとホールドしているだけですが、当初の50万円については、買った時期がよかったのでしょう。追加の30万円は、調子のいい(上げ相場の)ときでしたので、期待が大きく膨らんだのですが、その後の下落相場では、大きな損失をこうむってしまいました。
 それでもトータルすればプラスというのはけっこうすごいことです。
 上のようなポートフォリオを見ると、新興国に大きく偏っていることがわかります。乙がシーゲルの「成長の罠」
2008.4.7 http://otsu.seesaa.net/article/92505039.html
などを意識していない時期に買ったものですので、偏ったままです。
 では、この段階で一部の投資信託を売って、リバランスするべきか。これはなかなかむずかしいです。もともと、アセットアロケーションなどはまったく考えずに妻の資金を運用しはじめましたから、今さらリバランスするとなると、ほとんどの投信を売って、全面的な再投資にするしかありません。それも有力な方法ですが、投信は乗り換えるときに手数料がかかる場合が多いですから、運用成績はマイナスになりがちです。決心はどうしても鈍りがちになります。
 やっぱり、しばらくはじっと我慢していようかなと思います。
ラベル:投資信託
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2008年08月10日

資産管理方法(続)

 乙は、自分流で資産管理をしています。その方法については、すでにブログに書きました。
2007.11.24 http://otsu.seesaa.net/article/68477179.html
2007.11.23 http://otsu.seesaa.net/article/68476443.html
 その後、乙は木田知廣氏の資産管理ワークシート
2008.8.9 http://otsu.seesaa.net/article/104437941.html
を知りましたが、乙のオーダーメイドのオリジナルな管理方法は、万人向けのワークシートよりはるかに便利であると思います。(ただし、言うまでもなく、「乙にとっては」という限定つきです。)
 どういう点で便利なのか、木田知廣氏の資産管理ワークシートと比較して、書いておきましょう。

(1)以前の計算結果の保存は、テキストファイルなので、簡単で安全で長期保存が可能
 単純テキストファイルは基本的なファイル形式ですから、これが使えなくなることはないでしょう。30年は必ず持ちます(そう信じます)。
 30年後、OSが Windows でなくなっても、キーボードがなくなっても、パソコンが使われなくなっても、必ずコンバージョンプログラムが提供されるでしょう。30年前(パソコンがなかった時代)にすでにテキストファイルという形式が存在し、そのころ乙が書いたものが今でもそのまま生き残っています。(実際、たまに参照します。)
 ですから、情報をテキストファイルで保存しておけば、たいていは死ぬまで保存できます。
 資産一覧の30年分(360回分)を一つのファイルに収納しても、テキストファイルは容量が小さいですから、ラクラク入ってしまいます。そして、短時間に必要な情報を取り出すことができます。

(2)資産の種類は自分で自由に決められる
 オリジナルソフトですから、好きな区分のしかたが可能です。
 ただし、バランスファンドやファンド・オブ・ファンズの記入法は、やはり難しいです。乙は、バランスファンドは購入していませんし、ファンド・オブ・ファンズの場合は、それぞれを元資産ごとに分割して記入するようにしています。

(3)投資先地域の種類も自由に決められる
 これも、オリジナルソフトですから、好きな区分のしかたが可能です。
 ただし、こちらも、世界分散ファンドなどの扱いがちょっと難しいです。乙は、記録紙には「世界株」のように書いておき、プログラム中でそれを読み込んだ場合に、適当な配分比率でアメリカ、ヨーロッパ、新興国に分割してそれぞれに加算するようにしています。
 数年に1回は、この「配分比率」を見直す必要があるかもしれません。

 オーダーメイドのオリジナルな管理方法が使える人は使えばいいし、使えない人は自分で工夫するしかありません。その場合、万人向けのワークシートも選択肢の一つでしょう。

 ソフトの話を洋服にたとえましょうか。
 手間のかからない既製服だって、けっこういいのがあるし、体格が極端でなければ、たいていはそれで間に合うものです。一方では、自分で手縫いしながら服を作る人もいるわけです。どちらがいいかは、人さまざまです。自分に手縫いの技術があれば、自分にピッタリのものを自分で作ることができますが、なければ、他人に作ってもらうか、既製服にするかしかありません。他人に作ってもらう注文服は、一般に高価になります。既製服なら安いです。ただし、その既製服が本当に自分にピッタリかというと、若干問題があります。
 木田知廣氏の資産管理ワークシートは、まさに既製服であり、万人向けを目指しますが、乙の資産管理の方法は手縫いの服であり、自分専用、個人向けなのです。両者は、目指すところが違っていて当然です。
ラベル:資産管理
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2008年08月09日

木田知廣氏の資産管理ワークシート

 乙は、以前のブログ
2008.8.4 http://otsu.seesaa.net/article/104139445.html
で、木田知廣(2007.11)『これなら買える! 投資信託』ダイヤモンド社 を取り上げました。
 そうしたら、著者の木田氏からメールをいただき、資産管理ワークシートが(当該著書に書かれているものから)改訂されていることを知りました。
 乙は、木田氏から改訂版のワークシートをいただきましたが、それを見て、やっぱり自分には使えないなあと感じました。まあ、乙はもともと Excel を使っていないのですが、……(笑)。
 木田氏の資産管理ワークシートは
https://g203.secure.ne.jp/~g203105/kanri_dl.htm
からダウンロードできますので、必要な方はアクセスしてみてください。乙はアクセスしていないので、WWW からダウンロードできるものが、当該著書に掲載されているものと同じものなのか、改訂版なのか、わかりません。
 さて、乙が改訂版を起動してみて、いくつか問題があるように思ったところをメモしておきます。

(1)計算日が今回と前回の二つある(二つしかない)
 為替レート、日経平均株価、金価格に関して、前回の数値は、果たしてどういう意味があるのか、わかりません。(参考)と書かれているので、なくてもいいようですが、初めからないほうが自然なように思います。
 そういうのが用意されているなら、クリック一発で「今回」の数値が「前回」に移動できるといいかもしれません。まあコピペで移動しても大した手間ではなさそうですが。
 さて、前回以前のものはどうするのでしょうか。これははっきりとは書かれていません。

(2)以前の計算結果の保存
 乙は、毎月1回自分の資産残高を計算していますが、計算結果は長期にわたって保存しています。たぶん死ぬまで保存を続けるでしょう。何年前はどうだったなどと、後から振り返ることも多いからです。30年分くらいは保存しておきたいと思います。
 では、木田氏のワークシートは以前の計算結果はどうするのでしょうか。たぶん、一番いいのは、シートをそっくりコピーして、別のシートを開いて、そこにペーストしておくことでしょう。
 毎月1回ワークシートに記入する場合は、毎月シートが1枚ずつ増えていくことになります。
 30年で360枚になりますが、さて、Excel では、シートは(一つのブック中に)何枚まで入るのでしょうか。何年何月分と指定して、さっとそのシートに移動できるものでしょうか。複数のファイルに分かれて格納されたりすると、検索が不便なように思いますが、この辺のハンドリングはどうなっているのでしょうか。
 さらにいうと、今から30年後、Excel は使われているでしょうか。まあ、他のソフトが使われるようになっていても、Excel からの移行がたぶん保証されているとは思いますが、心配ではあります。(こういう心配があって、Multiplan も、Lotus 1-2-3 も、使わないままに過ごしてきたわけですが。)

(3)資産の種類は株式、債券、その他(それに現金)しかない
 一般的には、この分類でいいと思いますが、「その他」を区分して、不動産(REIT)、商品、金(ゴールド)、ヘッジファンドなどを分けて管理したいという人もいるでしょう。
 なお、バランスファンドを利用する人は、どう記入するべきか、かなりむずかしいように思います。(「その他」なのでしょうか。「その他」でいいのでしょうか。)

(4)投資先は海外と国内の二つしかない
 投資先の地域別ですが、海外は、先進国と新興国とに分けて管理したいとか、乙のように、アメリカとヨーロッパと新興国に3分したいという人もいるでしょう。
 もっとも、分けて管理すると、広く世界各国のインデックスに投資するファンドをどう扱うべきかという問題が発生します。(3)と似たような問題です。

 このように考えてくると、やっぱり、万人に適した資産管理ワークシートというのは無理があるように思います。オーダーメイドで自分に適したものを作るのが一番いいと思います。

 なお、木田氏のブログもあります。興味のある方はどうぞ。
http://www.money-college.org/blog/user/stayhungry/
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2008年07月28日

ホンダは4―6月期に純利益が過去最高

 日本経済新聞7月26日朝刊1面に記事が出ていました。
 NIKKEI NET でも、その一部が読めます。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080725AT2D2501G25072008.html
 他でも同様の記事を見ることができます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080725-00000973-san-bus_all
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080725/biz0807251925014-n1.htm
 利益が出るのはいいことです。ホンダにはぜひがんばってもらいたいところです。
 ところで、乙がこの記事で注目したのは、ホンダの純利益を押し上げたのは、実は新興国での販売が好調だったからだということでした。
 世界のさまざまなところに投資をしていると、それぞれの国のことが気になります。新興国の経済成長には期待するところが大です。しかし、ホンダに投資していれば、間接的に新興国に投資していたことになります。
 乙は、新興国の株に投資している割合が高いので、これを今後下げようと考えていますが、なぜ、新興国投資がよくないかを考える上での一つのポイントがここにあります。
 つまり、新興国の経済成長の果実は、必ずしも新興国の企業群が享受するだけではなく、先進国の企業群が享受する部分もかなり大きいのではないかということです。中国のように、外資の導入に積極的なところでは、多くの外国企業が進出しています。中国経済が発展しているのはその通りで、北京や上海に行けば、それが実感できます。しかし、だからといって、中国株に投資していいかというと、それはまた別の問題です。中国株は、基本的に、中国企業に投資することです。中国の経済発展の成果が先進国の企業に流れる分と、本来の中国企業に流れる部分で、どちらがどれくらい大きいのでしょうか。乙はよくわかりません。もしかして、先進国の企業に流れる部分が大きいとすれば、中国株に投資することは必ずしもいい戦略ではないことになります。
 新興国への株式投資には、たえずこのような側面があるように思います。つまり、新興国の経済発展を見て、単純にその国に投資すればいいと考えるのは、スジが違うということです。
 今まで、乙はあまりこのことを重視していませんでした。今回の新聞記事で、もう少しこういう見方をしないと世界経済の動きが理解できないように思えてきました。
 世界経済のグローバル化が進み、各国の株式市場が連動するようになってきたということは、こういうことなのですね。
ラベル:ホンダ 新興国
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2008年06月28日

ヘッジファンドを勧める立場

 ヘッジファンドは、運用サイドの利益が大きいとしたら、運用サイドが投資家に盛んに宣伝するのは(自分たちの儲けに直結しますから)当然です。
 浅井隆氏のように、直接運用サイドにいないようでも、自分の関係する海外ファンドに誘導しよう(そして手数料で儲けよう)としている人たちは、運用サイドと同じで、自分たちが儲ければそれでいいということになります。浅川夏樹氏の場合も、(個人投資家ではありますが、同時に)kaigaitoushi.com に誘導するという意味では、同様の立場かもしれません。
 では、投資家の立場でヘッジファンドを勧めるのはどんな立場なのでしょうか。こういう人は少ないと思います。乙は、単純な個人投資家の立場ですが、一般にヘッジファンドはオススメできません。しかし、一方では、自分のポートフォリオの中に一部組み入れたままで、解約していません。これはどういうことかというと、好成績を(ずっと)上げ続けているからなのです。せっかく好成績を上げているファンドを解約するというのは、なかなかできません。
 ヘッジファンド全体をながめると、好成績を上げるものもあるし、そうでないものもあるということです。そこで、自分の投資したヘッジファンドが好成績を上げたとしても、それはたまたまであって、破綻したヘッジファンドは、話題にならないということになります。そういうとき、結果として好成績を上げたものだけが生き残る(そうでないものは市場から退出する)ことになるので、結果的には、うまく運用されていうように見えてしまいます。(サバイバーのバイアスと呼ばれています。)
 そういう目で乙の過去の経験をながめれば、破綻してしまった(?)New Europe Properties
2007.6.30 http://otsu.seesaa.net/article/46246156.html
のような例もあったし、全然おもしろくもない元本保証型のファンド
2006.7.9 http://otsu.seesaa.net/article/20493021.html
もあります。それらはやはり話題にもなりません。(これら二つをヘッジファンドに分類していいかというとやや問題ですが。)そういうものも含めた全体で見ると、(ヘッジファンドを含む)海外投資はうまく行っていないといってもいいのかもしれません。
 しかし、個人投資家としては、そういうのを直視せず、語らず、好成績を上げたものについて自慢話をする傾向がありますから、競馬や競輪と同じく、実際は儲からないものでも、何か儲かるような錯覚におちいるのかもしれません。実際に儲かることが(たまに)あるということが事情を複雑にしています。
posted by 乙 at 05:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月27日

ヘッジファンドはインデックス投資に勝るか

 モンチさんの記事
http://m0nch1.blog.shinobi.jp/Entry/326/
で知りました。ヘッジファンドはインデックス投資に勝るというのです。
http://seekingalpha.com/article/67847-hedge-fund-index-performance-vs-the-s-p-500
に詳しい説明が載っています。
 モンチさんのまとめによれば、「ヘッジファンドのインデックスとS&P500のパフォーマンス比較をみてみます。」「簡単にまとめると、マーケットニュートラル以外は、すべてS&P500よりリターンが良かった」ということです。
 これはどういうことでしょうか。
 こういう数字を見ると「だったら、インデックス投資を止めて、ヘッジファンドに乗り換えよう」と思う人が出てくるかもしれません。その意味では、元々の英語版の記事がミスリーディングであると思います。
 ヘッジファンドのインデックスというのは、どうやって計算したのでしょうか。途中で償還されたヘッジファンドは加えてあるのでしょうか、ないのでしょうか。加えてなければ(たとえば、「現在運用されているすべてのヘッジファンドで、○年以上の実績があるもの」というようにピックアップすると)生き残ったものだけの平均ということで、パフォーマンスは高めに出てきます。
 次に、それぞれのグラフで違った運用期間で比較していますが、これは正しい態度でしょうか。seekingalpha のサイトの6枚のグラフを見てみると、
1枚目=2004.10-2008.5
2枚目=2003.6-2008.5
3枚目=2001.12-2007.12
4枚目=2001.12-2008.2
5枚目=2001.12-2008.2
6枚目=2001.12-2008.2
ということで、それぞれの期間が違っています。しかし、見た目は左右の長さが揃っているようなグラフになっています。これはずいぶん恣意的に見えます。どこから比較を開始するかでもけっこう違って見えてくるものです。何だか、いろいろな期間でグラフを作ってみて、一番よさそうに見えるグラフを記事に載せることにしたような感じがします。
 というわけで、乙は、元の英語版の記事がかなり疑わしいと思います。
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2008年06月23日

生活防衛資金はどの程度が適切なのかという問題

 masa さんが「生活防衛資金はどの程度が適切なのかという問題」について論じています。
http://moneyfreedom.blog21.fc2.com/blog-entry-350.html
 乙の場合を考えてみました。
 実際のところ、生活防衛資金は、ほとんど確保してありません。
 なぜならば、定期的に給料をもらう立場だからです。乙は公務員ではありませんが、仕事を続けていれば、給料が払われないことはないだろうと思っています。ですから、生活防衛資金は考えなくてもいいのです。
 普段の生活では、(生活費などの)支出が収入を大きく下回っていますから、投資しないでいると、普通預金口座の中にだんだんお金が貯まっていく感覚です。
 自宅は持ち家で、住宅ローンは全部返済してしまいましたし、他に借金はありません。
 万が一の病気や事故? まあその確率は低いでしょう。
 勤務先の倒産? 業種から考えて、その確率はかなり低いでしょう。乙の勤務先は、業界の中では財政的にかなり有利な立場にありますから、この業界で倒産が相次いでも(実際、少子化の影響でこれから倒産が相次ぐと思っていますが)、かなりの程度生き残るだろうと考えています。
 乙がリストラされる? ありえない話ではありませんが、今の勤務先にもヘッドハンティングされて異動してきたわけで、今後15年(乙の勤務予定)くらいはリストラはないだろうと思います。
 本当に困りそうなときは、投資している資金を取り崩せばいいわけで、国内で投資している資金もありますから、取り崩すのは簡単です。海外で投資している分を取り崩すときは、手間と時間がかかるでしょうが、たいていは国内の資金だけで何とかなるように思います。
 さらに奥の手があります。乙の妻は働いて給与所得がある立場ですから、乙が無収入になっても、いざとなれば妻に養ってもらえばいいのです。

 もしかして、暴落が心配な人もいるかもしれません。
 masa さんのブログには「2000万運用していて30%下落したとき・・途中で損切りできても(例えば20%で)、400万ヤラレマス! かなりデカイのではないでしょうか?」というコメントが書かれていますが、乙は、それくらいの損失は気にしません。実際、もっと大きな損失を経験しました。今年はじめの株安+円高のときなんて、海外投資分の損失は一体いくらになったのでしょうか。しかし、実は計算もしていません。そんなことを気にしていては投資はできません。投資は儲けるときも損するときもあるもので、それがリスクであり、またリターンの源泉なのです。
 というわけで、乙の生活全般を考えると、生活防衛資金はゼロでもいいと思っています。
 もちろん、これは自分の生活を考えたときの話であり、多くの人に当てはまる話ではありません。投資家は、それぞれが自分の生活や投資のスタンスを考えておくべきです。
ラベル:生活防衛資金
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2008年06月20日

ヘッジファンド全体をながめてみると……

 ヘッジファンドの運用方針は、それぞれでまったくちがいます。そういう場合に、全体をまとめて「ヘッジファンドは……」と一般的な考え方を適用していいのでしょうか。ここも乙がわからないところです。
 レバレッジをかけたハイリスクなアプローチのヘッジファンドもあれば、ローリスクなアプローチを採用する(と称する)ヘッジファンドもあります。両者を一緒くたにして「だからヘッジファンドは……」と述べることは正しい態度ではないと思います。
 ヘッジファンド全体をながめると、手数料が高いと思います。運用サイドからの見方では、一般的な投資信託やミューチュアルファンドを運用する場合に必要な資金量に比べれば、ヘッジファンドはその数分の一程度の資金でも運用が可能なようです。それだけ手数料が高いというわけです。これは運用サイドに有利に働きます。ということは、そのまま投資家には不利だということになります。
 ところが、投資家サイドでながめてみると、ヘッジファンド全体に投資しているわけではなく、一部のヘッジファンドに投資しているわけで、事情がちがいます。現実に高い運用成績を残しているヘッジファンドの場合、それを解約していいかといわれると、判断が鈍ります。
 もっとも、アクティブファンドの場合も事情が似ており、どのアクティブファンドを選ぶかという点で、投資家に選択眼があるとは仮定できません。自分が投資しているアクティブファンドが好成績を上げたからといってそのファンドマネージャーが優秀だとは必ずしも言えません。しかし、人はしばしばそういう誤解をします。
 ヘッジファンドも同様かもしれません。
 それぞれのヘッジファンドが「自分のところは、これこれのアプローチを取っていて、……」と宣伝しています。あまり投資方針を詳しく説明しないというのも、秘密主義めかして投資家を誘っているだけで、実は、そういう優れたアプローチなどというものは存在しないのかもしれません。インデックス投資の考え方では、「優れたアプローチは存在しない」はずです。
 ヘッジファンドは、全体としては(通常のファンドと比べて)ハイリスクのはずです。だから、成績は大きくばらつきます。結果的に好成績を収めるヘッジファンドもたくさんある一方では、破綻するものもまたたくさんあるはずです。ヘッジファンド全体に投資することが不可能だとすると、一部のヘッジファンドに投資することになりますが、そのヘッジファンドが今後どうなるか、推定することはきわめてむずかしいと思います。だって、事前にそれがわかれば、投資するかしないか、もっと簡単に判断できるはずです。だとすると、個別のヘッジファンド投資は、やはりあたるかもしないけれどあたらないかもしれないと考えるのがいいように思います。
 何だか、今回の話は結論がないような話になりました。
posted by 乙 at 04:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月17日

ヘッジファンドのレバレッジ戦略

 ヘッジファンドが単純にレバレッジをかける投資をしているだけだとすると、どういうことになるか、考えてみましょう。この場合、すばらしい成功を収める場合もあるし、破綻することもあるということになります。
 現実のヘッジファンド業界を見ていると、どうもこれに近いように思えます。
 この場合、投資家の立場から、自分が保有するファンドの成績を追いかけているだけでは、本質がつかめないことになります。あるところまで好成績を収めているようなケースでも、その後突然破綻してしまうようなことがあり得るからです。
 試しに保有してみるという戦略は、ハイリスク投資において、結果的にうまく行くこともあるという事実からすると、(仮にうまく行ったとしても)本当にファンドの運用がうまく行われたということにはならないと考えられます。さらに、この傾向が将来も継続するということも、安易に期待してはいけないでしょう。
 こんなふうに考えてくると、ヘッジファンド否定論(橘玲氏や山崎元氏)になってきます。
 乙は、疑問がある場合でも、飛び込んで、そのファンドを保有してみて、うまく行けばそれでよし、ダメだったらそこで手を引けばいいと考えてきましたが、それでいいかどうか、検討するべきかと思います。
 うまく行ったときに「うまく行ったのはそれなりに理由があったからだ」と考えるのか、「単なる偶然だったが、たまたまうまく行ったのだ」と考えるのか、これも難しい問題です。どうも前者のように考える人が多いし、人はそう信じたがるもののように思いますが、後者の考え方も否定できません。
 しかし、「単なるたまたま」が連続するのは変ですから、一貫していい成績を上げ続けているようなファンドを見ると、「何かがあるに違いない」と考えたくなるのは当然です。
posted by 乙 at 04:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月15日

インデックス投資から考えるヘッジファンド

 インデックス投資の考え方からヘッジファンドをながめてみましょう。
 平均的にはアクティブファンドがインデックスファンドを下回るということは、誰も株式市場を出し抜けないということです。ならば、ヘッジファンドが市場を出し抜けると考えることは間違いということになります。
 強いヘッジファンド教が間違い
2008.6.11 http://otsu.seesaa.net/article/100134698.html
というのはこういうことです。
 ヘッジファンドが株式などの「空売り」という手段を活かすことができるとしても、そもそもいつどういう場合に「空売り」していいのかという問題があります。単純なアクティブファンドの運用すらインデックス運用を上回ることがむずかしいということは、プロでも株式の銘柄や売買のタイミングを見極めることがむずかしいとうことを意味しています。その場合、なぜ「空売り」が有利なのでしょうか。空売りの場合は銘柄とタイミングがわかると仮定することは論理的な説明ではありません。
 マーケットニュートラルの技法はどうでしょうか。割高な株を空売りし、同時に割安な株を買い持ちするというわけです。売買対象の一方がインデックスの場合もあります。普通のアクティブファンドは、割安株を保有し、割高になったら売るというアプローチをとります。それがうまく行かない(インデックス投資を上回れない)ということがほぼ証明されているときに、反対方向の取引を組み入れたからといって好成績を収めることができるでしょうか。いえいえ、そんなことはやはりありえないと思います。
 しかし、弱いヘッジファンド教の考え方ならば、空売りは「あり」だということになります。市場のわずかなすきをねらってマーケットニュートラルの手法で投資した場合、インデックスを上回るリターンがなくても、インデックスと異なる値動きになるのは当然ですから、それはそれで意味があることになります。
 最近読んだ山崎元氏の「ホンネの投資教室」
https://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/investment/yamazaki/in05_report_yamazaki_20080606.html
で、新たにトレーディング手法が開発されても、その有効性が3〜4年もすると半減してしまうということなども興味深い話でした。長期的に有効な(インデックス投資に優る)手法はないとしても、短期的には有効だということがあるわけで、それをねらうヘッジファンドは意味がある投資先かもしれません。(うまく行くという保証はないわけですが。)

 ヘッジファンドの否定論者は、だいたいインデックス投資の考え方を基準にして否定しているようです。たとえば、成功報酬制で手数料が高い、アクティブに運用しても市場を出し抜けるわけがない、レバレッジを効かしたハイリスクな投資をしていて危険だ……といった意見です。
 しかし、そもそも運用方針(仕組みや考え方)が違うものを、別の立場から否定できるのでしょうか。乙にはここがよくわかりません。
 インデックスファンド教も宗教の一つですから、その立場の人がいることは理解できますし、乙も、その考え方に近いのですが、必ずしもインデックスファンド教に入信して完全に信じ切っているわけではありません。
posted by 乙 at 05:33| Comment(3) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月13日

ヘッジファンドの仕組みの多様性

 乙は、ヘッジファンド投資を宗教のようなものだとして記事を書きました。
2008.6.11 http://otsu.seesaa.net/article/100134698.html
 一方で、今まで何冊かヘッジファンドに関する本を読んでみました。
ファンド研究会(編)(2007.6)『今日から始める!個人向けヘッジファンド入門』ダイヤモンド社
2007.8.26 http://otsu.seesaa.net/article/52749524.html
ジェームズ・オーウェン(2002.9)『ヘッジファンド投資入門』ダイヤモンド社
2006.10.2 http://otsu.seesaa.net/article/24753422.html
ジョゼフ・G・ニコラス(2000.6)『ヘッジファンドのすべて』東洋経済新報社
2006.9.8 http://otsu.seesaa.net/article/23429261.html
三上芳宏・四塚利樹(2000.3)『ヘッジファンド・テクノロジー』東洋経済新報社
2006.9.6 http://otsu.seesaa.net/article/23327188.html
今井澂・大井幸子(2005.12)『ヘッジファンドで増やす時代』東洋経済新報社
2006.8.24 http://otsu.seesaa.net/article/22727990.html
リチャード・ホロデック、上中淳行(1999.9)『スマートインベスターのためのオフショア投資とヘッジファンド──心構えから、設立、運用まで──』ダイヤモンド社
2006.8.22 http://otsu.seesaa.net/article/22643229.html
 その結果、ヘッジファンドは、通常の株式ファンドや債券ファンドといろいろな面で大きく異なることを知りました。独自の戦略を持っている場合も多いようです。
 とにかく、ヘッジファンドとひとくくりにしてはいけないくらい、多様性に満ちた世界です。ヘッジファンドといっても、必ずしもすべてがレバレッジが高いというわけではなく、リスクが小さくなるような運用をねらうヘッジファンドもあります。
 ヘッジファンドの多様性を考慮すると、個々のヘッジファンドについて、その特徴を理解し、自分の投資先に加えていいかどうかを判断するべきで、あまりひとしなみに判断するのは良くないように思います。
 もちろん、言い換えれば、そういう理解ができないままにヘッジファンド投資を行うのは大きな問題です。
 さて、では、ヘッジファンドの戦略が理解できたとして、ヘッジファンド投資を今後も続けるべきでしょうか。乙には正解がわかりません。
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2008年06月11日

ヘッジファンドも一つの宗教か

 ヘッジファンド(海外ファンド)に投資することは是か非か。
 乙は、実はこの問題に関して回答を持っていません。実際は、ヘッジファンドに投資しているので、どちらかといえば「是」という考え方です。
2007.5.7 http://otsu.seesaa.net/article/41009406.html
 最近読んだ本では、橘玲氏の否定論がありました。
2008.5.29 http://otsu.seesaa.net/article/98372824.html
 また、山崎元氏などもヘッジファンド否定論者です。
2006.2.23 http://otsu.seesaa.net/article/13635228.html
 ちょっと前に見かけた DIAMOND ONLINE の記事
http://diamond.jp/series/yamazaki_econo/10022/
でも、山崎元氏は、ヘッジファンドは、運用成績が下がれば、すぐ償還してしまうということを挙げ、顧客は単なるカモだとしています。
 また、水瀬ケンイチ氏が引用している日経ヴェリタスの記事
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-713.html
によれば、ヘッジファンドはFPのアンケートでもっとも避けたい金融商品となっています。
 つまり、ヘッジファンド否定論者が大半だということになります。
 これに対して、ヘッジファンド擁護論は、あまり見あたりません。
http://archive.mag2.com/0000121186/20080418210000000.html
などは、そんな簡単に否定するべきでもないとしている例で、まれな擁護論の一つと言えるでしょう。
 以前、「株式投資は宗教か?」ということを考えました。
2008.3.26 http://otsu.seesaa.net/article/90971338.html
藤沢数希氏による「短期売買デイ・トレーディング教」、「長期投資ファンダメンタル教」、「インデックス・ファンド教」という宗派があるという考え方に対するコメントです。
 ヘッジファンドにも、もしかしたらヘッジファンド教という宗教があるのかもしれません。「ヘッジファンドは投資先として意味があるから、そこに投資しよう」という考え方のことを、ここでは宗教になぞらえて「ヘッジファンド教」と呼ぶことにします。ヘッジファンド教は投資家の信念ですから、他人からはなかなか変えられません。

 さて、乙の見方では、ヘッジファンド教にも、強弱の2種類があるようです。
 強いヘッジファンド教は、ヘッジファンドこそが最大のリターンを挙げるから、ここに(集中して)投資するのがベストだという考え方です。浅井隆氏をはじめとする国家破綻論者がすすめる海外投資は、多くの場合、ヘッジファンドです。
 しかし、乙は、このような強いヘッジファンド教は間違いだろうと思います。ヘッジファンドは万能ではなく、特に魔法の手法を持っているわけではないということです。ヘッジファンドだって、苦戦するのです。
2008.5.5 http://otsu.seesaa.net/article/95685999.html
 弱いヘッジファンド教は、ヘッジファンドのリターンを長期的に見れば株式のインデックスに負けるけれども、株式インデックスとの相関係数は低い(しばしばマイナス=逆相関だ)と見る見方です。もし、これが成り立つならば、債券投資と同じ理由でヘッジファンドへの投資が成立します。債券投資は、株式投資よりもリターンが低いけれども、株式との相関が低い(しばしばマイナスになる)ことによって、分散投資の一手段として(つまり株と同時に保有するようにして)資金の一部を投資する意味があるということです。ヘッジファンドも、この点で、株式のインデックス投資をする一方で、一部の資金をヘッジファンドに割り当てるという考え方があります。これが弱いヘッジファンド教です。
 最近は、アメリカの大学(の資産運用部門)やカルパースなどの年金基金が運用資金の一部をヘッジファンドに割り当てているなどという話を耳にします。これは、このような効果を考えてのことでしょう。
 このような弱いヘッジファンド教に関しては、明らかに間違いだともいえないように思っています。乙は、この意味でのヘッジファンド投資はありうると考えています。
 ただし、それぞれのヘッジファンドの投資方針による違いはきわめて大きいので、一般論としてヘッジファンド投資がすすめられるものではありません。
posted by 乙 at 04:19| Comment(3) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

投資行動をしばらく休みます。

 乙は、ちょっと事情があって、投資行動を減速させることになりました。
 あまり詳しく書くと差し障りがあるので、事情は伏せますが、近いうち(数ヶ月先?)に、それなりの額のお金を使いそうになってきたのです。これは、乙と妻の老後の生活を守るよりも重要なことだと考えています。
 最近の乙の投資行動は、Interactive Brokers で淡々と(アメリカ株とヨーロッパ株の)ETF を買うだけなのですが、それを中断しようと思います。こうするだけで、給与を自動振り込みで受け取っている普通預金口座の中にお金が貯まっていきますから、それだけで、もしかしたら予定している支出額をカバーするかもしれません。
 しかし、それだけでは不足するかもしれません。その場合は、投資している資金の一部を取り崩すことになりそうです。乙の場合は、海外で投資している割合が高いので、円に替えて日本に送金することになるのですが、まあ、それもいい経験かなと思っています。
 乙のポートフォリオを見ると、特に、新興国投資の割合が高すぎること、ヘッジファンドその他の比率が高いことなど、問題点がいろいろありますので、この機会に、自分の望む方向にポートフォリオを調整するのもありかなと思っています。
 もっとも、何を解約(売却)するか、悩ましい問題ではありますが、出口戦略も投資の重要な一側面と考えれば、こういうことに悩むのもいい経験になるでしょう。今回の話は、15年先の支出予定がぐっと早まった(かつ、少しずつ使う予定がまとめて使うことになった)ようなものです。
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2008年06月05日

日本株も有望かも

 乙は、日本の債券も投資先として意味があると考えるようになってきました。(まだ買っていませんが。)
2008.6.1 http://otsu.seesaa.net/article/98767533.html
 それを言い出したら、日本株だって投資先として有望かもしれません。
 まあ、日本という国の経済状況、その政府のあり方や考え方、今後の政策などを考えると、あまり「買い」ではないように思います。
2008.1.14 http://otsu.seesaa.net/article/78351629.html
しかし、インデックス投資の考え方からすると、変な国でも、少しは買っておく必要があります。
 乙の場合、日本株がポートフォリオ中に占める割合が低いので、これをやや高めてもいいというくらいの意味になります。
ラベル:日本株
posted by 乙 at 04:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月02日

投資信託のリスク

 日経新聞6月1日朝刊13面には、シャープレシオの解説などがあって、「投資入門」という題にふさわしい内容になっていました。
 ところで、今後の投資方針を決めたり、いろいろ考えたりする際に、人はリターンは意識しますが、リスク(ブレの大きさ)は意識しにくいと思います。
 今後の(例えば1年後の)リターンは、そのときになってみればわかります。そのときに自分の資産が(例えば1年前と比べて)増えているかどうかですから、誰でも意識せざるを得ません。
 それに比べると、リスクは意識しにくいと思います。ある時点で資産が増えているか減っているかではなく、そこまでの過程で資産総額が増えたり減ったりしたかどうかがリスクです。したがって、リスクは直接意識できるものではありません。リターンは、その場でその時点で高いか低いかすぐわかるのに対し、リスクは、たえず過去の成績を計算しなければ、高いか低いか、わかりません。つまり、リターンは現実的・即物的であるのに対して、リスクは抽象的であり、過去の記録に基づいて計算して初めてわかるものなのです。
 リスクを意識しないと、つまりはリターンだけに目がいってしまうわけで、投資家としてはこれは危険なことこの上なしです。
 さて、リスクは、過去に目を向けないと見えないものですが、一方、過去何年間を見るかによって変わってきます。
 日経新聞に載っていた日本株の投資信託のリスクとリターンのグラフは、だいぶずれているようなので、モーニングスターのサイトで調べた結果を示しましょう。各投信ごとにリターンとσ(リスク)とシャープレシオを示します。日経新聞に載っていた七つのファンドに、参考までに、トピックス・インデックス・オープン(野村)を付け加えました。
投資信託1年3年5年
アクティブバリューオープンリターン
-16.2%
14.5%
21.6%
σ(リスク)
23.43
23.72
23.93
シャープレシオ
-0.71
0.61
0.90
ミュータントリターン
-22.5%
3.8%
22.8%
σ(リスク)
14.83
22.26
26.95
シャープレシオ
-1.56
0.16
0.84
さわかみファンドリターン
-19.9%
4.8%
12.8%
σ(リスク)
15.29
15.58
16.21
シャープレシオ
-1.34
0.29
0.78
ダイワバリュー株オープンリターン
-22.0%
7.7%
13.0%
σ(リスク)
16.52
19.69
18.71
シャープレシオ
-1.37
0.38
0.69
トピックスインデックスオープンリターン
-19.2%
7.1%
11.9%
σ(リスク)
15.81
17.76
17.11
シャープレシオ
-1.25
0.39
0.69
ノムラ日本株戦略ファンドリターン
-19.4%
6.7%
12.0%
σ(リスク)
16.95
18.66
17.75
シャープレシオ
-1.18
0.34
0.67
フィデリティ日本成長株ファンドリターン
-16.8%
6.6%
13.5%
σ(リスク)
16.63
19.08
20.57
シャープレシオ
-1.05
0.33
0.65
デジタル情報通信革命リターン
-20.6%
1.5%
7.0%
σ(リスク)
16.11
20.01
20.15
シャープレシオ
-1.32
0.06
0.34

 こうしてみると、それぞれのファンドは、リスクの値が1年でも5年でもあまり大きくは変わらないことがわかります。
 そして、シャープレシオが大きいのがいいファンドとすれば、5年のところで見て、アクティブバリューオープンが1位、ミュータントが2位、さわかみファンドが3位ということになります。
 乙は、最近、アクティブバリューオープンを少額だけ買いましたが、
2008.5.16 http://otsu.seesaa.net/article/96869587.html
どうせ買うなら、こういうファンドがよさそうです。(もっとも、買うと決めた時点ではこういう対照表を作成したわけではないのですが。)1年でも3年でも5年でもトピックス・インデックス・オープンを凌駕する成績を残しています。
posted by 乙 at 09:20| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月01日

7%の利回り

 振り返って考えてみると、乙が投資をはじめるに当たって7%の利回りを考えたとき、
2006.1.29 http://otsu.seesaa.net/article/12436639.html
それはそんなにむずかしいことではないと思いました。なぜならば、世界中を見渡すと毎年 10% くらいのリターンがある金融商品がゴロゴロあるからです。そういうものに投資していけば、7%くらいのリターンは簡単に実現できるものと考えてしまいました。
 しかし、現在は、そういう考え方はしていません。日本の低金利とアメリカの高金利が継続すれば、円とドルの為替レートの変動で円高・ドル安になり、ドル建てで 10% のリターンがあっても、日本で生活する限り(円ベースで考えれば)、大したリターンではないということなのです。
 最近の円高で、このような為替レートの動きが実感できました。1ドルが95円台までなってしまったのは行き過ぎかもしれませんが、長期的な円高はこんな形でやってくると思われます。
 そういえば、数年前でしたか、日本の国債を海外の投資家に買ってもらおうと、政府が外国に働きかけたといったことがありました。乙は、ごくわずかの利率の国債の購入を働きかけるなんて、ばからしいと思いましたし、海外の投資家が日本の国債に投資するはずはないと思いましたが、それもまた間違った考え方で、円高になることが予想されるならば、表面的には雀の涙のリターンだとしても、実はけっこう儲かるといえます。
 最近は、アメリカの金利が下がってきましたので、日本との金利差が小さくなりました。ということは円高傾向もややゆるむでしょうか。為替レートは金利だけで決まるわけではありませんが、それにしてもこういう点にも注意したいものです。
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posted by 乙 at 05:32| Comment(3) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月30日

日本国債の低金利の影響

 以前のブログで債券投資を再度考え直したいということを書きました。
2008.5.23 http://otsu.seesaa.net/article/97628420.html
 その後、考えてみると、日本国債の低金利は、個人単位で見たときの資産運用の低金利に直結していることがわかります。今は、ゼロ金利ではなくなりましたが、まだまだ 0.5% 程度では、なしに近い状態です。外国と比べると、とにかく低い金利です。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20080527/159158/graph0529.gif
 となると、乙の掲げた目標7%というのは実現困難なものなのかもしれないと思うようになってきました。
 まあ、日本の低金利がいつまでも続くとは思いませんが、それにしても十年一昔ということばがあって、10年も続けば「昔からそうだった」と考えるようになってしまいます。
 これからこのまま15年も日本の低金利が続くことだって、十分にあり得ます。そのときは、毎年7%の利回りを実現するなんてことは不可能でしょう。
 このようなことから、投資戦略を改めて考え直す必要があると思うようになってきました。
 日本国債も、低金利だからといって毛嫌いせずに、一部取り入れてはどうかと思います。
 ブログは、「書きながら考える」メディアだと思います。さらにいろいろ考えながら、考えたことをブログに書き、それに基づいてさらに考えるようにしていきたいと思っています。
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ラベル:日本国債 低金利
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2008年05月23日

債券投資を考える

 ここのところ、投資環境が大きく変わってきてしまい、いろいろと悩むことが多くなっています。
 4月から5月にかけては、ETF 経由でアメリカ株(VTI)とヨーロッパ株(VGK)に追加投資しました。
 その考え方については、すでに4月にブログに書きました。
2008.4.11 http://otsu.seesaa.net/article/92965916.html
2008.4.27 http://otsu.seesaa.net/article/94828090.html
 アメリカの金利が下がってきたので、乙は債券に投資する気分になれず、株式に投資しました。
 しかし、立ち戻って考えてみると、これは正しい態度ではないと思います。
 アメリカと日本で金利差があったとしても、(アメリカが高金利で日本が低金利だとしても)アメリカの債券に投資することが必ずしも有利であるとは限りません。理論的には、為替レートの調整で、その金利差は吸収されてしまいます。だから、アメリカが低金利になったからといって、債券投資をしなくていいというわけではありません。
 というわけで、債券投資も適当な割合で行うようにするべきだということになります。
 さて、そうすると、実は、日本国債への投資も考えなければならないということになります。乙は、日本国債への投資は控えてきたのですが、その理由は、何といっても低金利にありました。こんな雀の涙のような金利では、全然資産が増えていきません。だから日本国債は選択肢から外してしまいました。しかし、それは、正しい態度ではありません。外国の債券に投資しても、結局は日本の国債に投資したのと同様でしょう。表面的には高金利に見えても、為替レートまで考慮すれば、単純にそうとはいえません。
 ということで、どうも、乙の投資方針やポートフォリオを根本的に考え直したほうがいいかもしれないと思い始めました。
 まあ、即実行というわけでもありませんから、順次、考えていけばいいということになりますが。
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2008年05月06日

騰落率(損益率)の計算法

 乙は、騰落率を計算しないようにしています。
2008.2.14 http://otsu.seesaa.net/article/83933945.html
 なぜ計算しないかというと、一番の理由は、その計算法がわからないことです。
 皆さんは、きちんと計算しているのでしょうか。
 たとえば、日経マネーの個人投資家アンケート
2008.3.2 http://otsu.seesaa.net/article/87896547.html
などで、ある特定の期間の運用実績を聞かれたりするわけですが、きちんと答えられるものでしょうか。
 ある年の1月1日に1万円を投資したとします。12月31日の時価を求めれば、
(12月31日の時価)÷(1月1日の投資額)
という計算で1年間の騰落率を求めることができます。
 では、日経マネーの個人投資家アンケートのように、「07年2月1日〜08年1月31日の運用実績は?」と尋ねられたらどうするのでしょうか。このようなアンケートに正確に答えるためには、毎月1回、1日か末日に時価を求めておかなければなりません。これを1年12回継続していないと、任意の時点で過去1年間の騰落率を答えることができません。
 さて、騰落率を求めるときは、もう一つ別の問題があります。1年の途中で金融商品の売買を行った場合の計算法です。
 1月1日に1万円を何かに投資し、7月1日にさらに1万円を投資し、12月31日を迎えたら、時価3万円になっていたとします。この場合、騰落率はどう計算するのでしょうか。
 1月1日に投資した1万円の他に現金1万円を持っていたと考えるのでしょうか。すると、2万円が3万円になったわけですから、5割増ということになります。しかし、サラリーマンのように毎月の収入を投資に向けている場合は、1月1日には1万円しか投資に回せなかったのであって、1万円の現金が別途あったわけではありません。
 そうすると、2万円を二つに分けて考えることになります。
 1月1日の1万円が7月1日に1.5万円になっていたとしましょう。すると、1万円は半年で5割増になります。1.5万円がさらに2割増で1.8万円になります。途中で追加した1万円が2割増で1.2万円になります。合わせて3万円です。このとき、騰落率はどう計算するのでしょうか。1.5×1.2=1.8 で8割増とするのでしょうか。この考え方は、騰落率は投資金額によらないということが前提になっています。投資信託などは、たぶん、この考え方で騰落率を計算していると思います。
 しかし、前半は1万円だけ運用し、後半は2.5万円を運用しているわけで、前半は投資実績としては軽く扱い、後半は金額が大きい分だけ重みをかけて実績を計算するべきではないでしょうか。
 仮に、年度当初に2万円持っていたとしましょう。前半に2万円投資して、3万円に増やし、1万円を現金化して、後半は2万円を2.4万円に増やしたら、年度末には合計で3.4万円になります。一方、前半に1万円投資して1.5万円に増やし、そこで1万円を追加投資すると、年度末には3万円になります。二つのケースを比べると、前者のほうが優れています。したがって、投資金額を考慮して騰落率を計算するときは、単に半年間の実績をかけ算する(1.5×1.2=1.8)だけではダメで、それぞれの時期で投資した金額の多少を考慮するべきだということになります。
 1月1日の1万円が年末に1.8万円になり、7月1日の1万円が年末に1.2万円になったとすると、後者は半年の投資ですが1年に引き延ばして考えるのでしょうか。すると、投資期間が1年ありますから、1.2×1.2=1.44 倍になったことになります。こう考えると、1月1日からの1万円の 80% 増と、7月1日からの1万円の 44% 増で、(同じ金額なので足して2で割って)騰落率は 62% 増ということになるのでしょうか。
 こんなことを考えていくと、投資金額が一定で、途中で増えたり減ったりしない場合は、騰落率の計算が簡単だけれども、追加投資していく場合(さらには資金を取り崩していく場合)は、けっこう面倒な計算になりそうです。実際は、日数で日割り計算しなければならないでしょうし、短期間の投資を1年分に換算するのもちとめんどうです。その上、投資金額は時価評価した上で重みを考えなければなりません。
 そんなことを考えると、2月1日現在で過去1年間の騰落率は? などと尋ねられても、簡単に算出できるものではないように思います。
 投資信託の場合は、口数で計算する(追加投資金額をその時点の基準価額で割る)という手があります。追加資金があった場合、それを口数に換算して以前からのものに加えてしまうということです。でも、これは、上で考えたようなことをあてはめると、資金額が一定のままと仮定して計算していることと同じことになり、本当にこれでいいのか、疑問に思いました。(まあ、それに代わる計算法があるわけではないのですけれども。)
 個人の資産運用では、投資信託みたいに口数に変換して計算している人もいないでしょうね。

 正しい騰落率の計算法をご存じの方がいらしたら、コメント欄でお教えください。
ラベル:騰落率 損益率
posted by 乙 at 05:10| Comment(7) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月29日

なぜ海外で投資をするのか

 乙は、最近はもっぱら Interactive Brokers で ETF を買っています。
 海外の証券会社を利用しているわけですが、周りを見渡してみると、国内の金融機関経由で海外投資(海外への投資)をしている人は多いのですが、海外の金融機関経由で海外投資をしている人は少ないようです。
 この点について、PALCOM さんは
http://palcomhk.blog79.fc2.com/blog-entry-200.html
で、「言葉や法律の差という大きなデメリットを負ってまで海外証券会社に口座を開設する必要性は少ない」と述べています。
 しかし、乙は、海外証券口座には、それなりのメリットがあるように感じています。
 第1に、豊富な選択肢です。アメリカ市場では、ETF が充実していて、ほとんど何でも揃う状況です。楽天証券などのネット証券経由による海外 ETF の品ぞろえを見ると、まだまだの感が否めません。なぜ全面的に扱わないのでしょうか。
 第2に、手数料の安さです。これは Interactive Brokers だけに当てはまるのかもしれませんが、驚きの手数料です。国内のネット証券経由の海外 ETF では、手数料がずいぶん高いと思われます。直接的な購入手数料の他に、両替手数料もかかります。
 第3に、投資文化の差です。アメリカでは、バンガード社のようなものが現れ、非常に低コストのインデックスファンドを始め、一般に受け入れられていきました。日本では、そういう骨のある会社が現れません。
 証券会社にしても、日本ではどちらかというと高コスト指向で、何かというと手数料を取るようになっており、結果的に顧客の損失が多くなるようにできているように思えます。せっかくのバンガード社のファンドにしても、マネックス証券で購入すると、アメリカではかからない手数料がかかります。英語の説明書を翻訳する手間賃なのでしょうか。これは、証券会社の問題ではないかもしれません。日本で販売する以上、日本語で目論見書を用意するべきだという考え方があるのでしょう。きっと金融庁あたりが規制しているのでしょう。
 金融商品取引法にしても、余計な規制であり、日本の投資家をバカにするようなものです。75 歳を過ぎたら、家族同伴で金融機関の担当者の説明を聞かないと投資信託が買えないなんて、ばかげています。
 そもそも、日本で海外 ETF を購入すること自体がおかしな話で、本来は、各種 ETF が東証に上場していなければなりません。これなら日本人でもすぐに買うことができます。なぜそうなっていないのでしょうか。
 こんなことを考えると、問題は、日本社会のあり方そのものなのかもしれません。
 その他に、乙は、老後に海外で生活することも考慮に入れていますので、その場合は、国内の証券会社経由で日本円で資産を持っているよりは、海外の証券会社経由で外貨で資産を持っているほうがずっと便利です。
 PALCOM さんの指摘する言葉や法律の問題はあるように思います。しかし、海外旅行でなく、海外生活を楽しむというのは、まさに言葉と法律を乗り越えるところに意味があるのではないでしょうか。このデメリットがどれくらい大きいかが問題です。

 また、馬橋雅典さんは
http://mabasi.blog103.fc2.com/blog-entry-6.html
で、海外口座の問題点として次の2点を述べています。
1. 口座を開いた証券会社が破綻したときの対策
2. 私が死亡や痴呆化したときの家族への継承
 これらも確かにそれぞれ問題です。
 1. については、安心できる証券会社と取引するということしかいえません。破綻に際して保険でカバーされるようになっているとかいうことも考慮するべきでしょう。
 2. については、乙は詳細なエンディングノートを残すことで、家族への継承は可能だと考えています
2008.2.10 http://otsu.seesaa.net/article/83238257.html
2008.2.9 http://otsu.seesaa.net/article/83093468.html
2008.2.8 http://otsu.seesaa.net/article/82931951.html
2008.2.7 http://otsu.seesaa.net/article/82754174.html
が、これは家族の(英語力を含めた)能力の問題も関係するので、何ともいえない部分があります。

 乙は、一応、以前のブログ
2006.2.5 http://otsu.seesaa.net/article/12800956.html
で書いたように、数年先には、円による投資も心がけようと思っています。老後も日本にとどまるかもしれませんので、どちらになってもいいようにしておくべきかと思います。
posted by 乙 at 05:00| Comment(7) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月12日

「みんなのアセットアロケーション」と比較

 かえるさんのアンケート結果がブログで報告されています。
http://kaeru.orio.jp/blog/2008/04/_2_7.html
278 人のアセットアロケーションの合計値(平均値)だそうです。
 乙は、このアンケートには回答しなかった(乙の分類とずれているので、回答しにくかったように思いました)のですが、結果が出ましたので、乙の場合と比較してみました。かえるさんの結果に合わせて数値を加工しました。
種類アンケート
日本株
6.17
26.48
先進国株
19.99
31.33
エマージング株
29.44
11.37
日本債券
0.19
5.92
先進国債券
14.66
17.26
エマージング債券
10.68
1.44
日本REIT
0  
1.59
世界REIT
3.48
2.64
コモディティ
0  
1.97
その他
15.39
0  

 乙は平均値よりもかなり偏った運用をしていることがわかります。自分自身でも、エマージング株が多すぎると思っていますので、今後、ここを何とか減らすようにしないといけません。乙の場合、シーゲル氏のいう「成長の罠」
2008.4.7 http://otsu.seesaa.net/article/92505039.html
にはまってしまった結果です。
posted by 乙 at 06:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月26日

株式投資は宗教か?

 ちょっと前に、藤沢数希さんのブログに気になる記事がありました。「株式投資は宗教なのか?」というものです。
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51223934.html
 株式投資にも大きく分けて三つの宗派があるようだとして、「短期売買デイ・トレーディング教」、「長期投資ファンダメンタル教」、「インデックス・ファンド教」をあげています。
 それぞれが宗教だという見方がおもしろいと思いました。各自の信念がきちんとあって、自分の信じる方向に努力し、布教も行うというわけです。
 乙は、デイ・トレードはしませんが、残りの二つに関していえば、インデックス・ファンド教を中心にしつつも、長期投資ファンダメンタル教も少し信じているといったところでしょうか。
 藤沢氏は、最後に自分を無神論者としています。これらの三つの宗教のどれにも与しないというわけです。では、一体どういう考え方をしているのか、それがぜひ知りたいものです。
 藤沢氏は、『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』
2007.2.9 http://otsu.seesaa.net/article/33258724.html
という本をお書きですが、これはインデックス投資の本です。多くの人にはインデックス投資が向いているとして勧めているわけですが、自分自身は必ずしもそうでもないというところをもう少し説明してほしかったと思いました。
 上記の記事に触発されたブログの記事もおもしろいものです。
(1)http://blog.livedoor.jp/eurodollari/archives/50210218.html
では、もう一つ宗派があると述べています。何なのか、気になる発言です。
(2)http://natoiuk.wordpress.com/2008/02/20/%e6%8a%95%e8%b3%87%e3%81%99%e3%82%8b%e5%89%8d%e3%81%ab%e8%aa%ad%e3%82%80%e6%9c%ac/
では、会計士は概してファンダメンタル教に近いと述べています。ただし、日本株ではこの考え方はおすすめではないとのことです。ご本人はハイブリッド教としています。
(3)http://blogs.yahoo.co.jp/rakuaaaa/32886277.html
では、全部やったけれどどれも今ひとつとしています。
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ラベル:株式投資 宗教
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2008年03月16日

危機感駆動型の日本

 乙は、竹中正治氏による NBonline の記事を読みました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080310/149475/
日本は、危機感をあおるようなネガティブなニュースが多いのに対して、アメリカはそうでもないという話です。これが経済ニュースだけでなく、日常生活の中にも見られるという指摘です。
 一種の日米文化論でもあり、大変興味を持ちました。
 乙の経験でも、「危機感」にあおられたことがありました。そもそも最初に乙が海外に銀行口座を開設したのだって、破綻本を読んだりして、日本の先行きに危機感を持ったためでした。今となっては、笑い話ですが、当時は真剣に悩んだものです。
 結果的に、海外口座はそれなりに活用しているので、当時の判断が間違っていたとは思いませんが、それはたまたまそうであったというだけで、実は危ない橋を渡っていたのかもしれません。まあ、乙の視野が広がったように思いますし、香港に遊びに行くついでに銀行で手続きをしたりすることもありましたから、
2007.9.21 http://otsu.seesaa.net/article/56386470.html
それなりに海外口座を楽しんできたように思いますし、これからも海外口座を活用する意思は変わりません。

 ところで、最近のサブプライム・ローン問題および世界同時株安も、日本では危機感を持つ人が多そうです。乙も、基本的にそう思っています。
2008.1.14 http://otsu.seesaa.net/article/78351629.html
欧米の動きを見ていると、当局がそれなりに対応しているように見えますが、日本は何をやっているのか、まことに心許ないと思います。
 しかし、これも、もしかしたら「危機感の持ちすぎ」なのかもしれません。今のところは様子見ですが、もう少し先に日本経済が持ち直してくれば、それから資金を日本に差し向けてもいいように思っています。ただし、乙の場合、一度海外に出て行った資金は、15年後の消費の時期まで、日本に返ってくることはないと思っています。
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2008年02月14日

乙の資産運用の実際の騰落率はどれくらいか

 実は、乙は実際の騰落率についてはまったく気にしていません。(ですから、計算していません。)
 毎月1回、月末ころに自分の資産を洗い直しています。
2007.11.23 http://otsu.seesaa.net/article/68476443.html
 また、個々の金融商品の投資結果については、すべて記録しています。
2007.11.24 http://otsu.seesaa.net/article/68477179.html
ですから、資産総額はわかります。しかし、1ヵ月で騰落率がどうなったかなどはまったく無視しています。
 乙は毎月の給料の一部を投資に回しています(そして、その金額は毎月の生活に応じて変動します)から、それを考慮すると、全体の騰落率を算出するのが大変になります。
 ただし、毎年末にその時点での資産総額を見直しており、このときは一種の騰落率を考慮しているといえないこともありません。
 これは資産運用を15年計画としてはじめたからです。
 そもそも投資を本格的にはじめることになった3年前に大まかな計算をしました。その時点で乙の資産がいくらあるのか確認し、これから毎年いくら投資に回せるかということと、利回りを何%にするかをいろいろ変えて15年間の資産増加のようすをシミュレーションし、15年後の最終目標(総資産)としてどれくらいを考えればいいかを考えました。そして、それを考慮して、毎年の投資に向ける金額と、目標利回り(7%)を設定しました。
 毎年の年末は、その計算通りに資産が増えているかどうかを確認するわけです。
 1年目(2006年末)は、実績が目標の 13.8% 増でした。
 2年目(2007年末)は、実績が目標の 20.0% 増でした。
 15年計画は着実に進んでいます。最近は、円高と世界同時株安で四苦八苦ですが、それでも、目標値はクリアーしています。
 しかし、乙の資産運用がうまくいっているとは限りません。実は、給料の中から投資に回す金額が当初の予定よりも多めになっているようなのです。このあたり、きちんと計算していないのが乙の流儀で、かなりいいかげんです。2007 年に購入した個々の金融商品は記録があるのですが、その資金の出所が、他のものを解約した資金なのか、給料の一部なのかが記録されていません。
 2008 年からは、もう少しきちんと記録しようと思っています。
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ラベル:騰落率
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2007年11月28日

新興国投資の比率はどうあるべきか

 乙は、新興国の株式に投資する割合が高めです。
2007.10.15 http://otsu.seesaa.net/article/60730510.html
そのため、中国株を売却したりしました。
2007.10.23 http://otsu.seesaa.net/article/62004596.html
 また、運用成績のよくない新興国株式ファンドを売却しようと考えて、各種の検討をしてみましたが、どれも好成績ですので、切るに切れない状態です。
 さて、そんなとき、カン・チュンドさんのブログを見かけました。
http://tohshi.blog61.fc2.com/blog-entry-405.html
 世界の株式市場の時価総額を見ると、新興国の比率がだんだん上がってきていることを指摘し、将来はさらに高くなる可能性があるというわけで、先進国:新興国を 50:50 で投資することもありだとしています。
 この記事については、道産子さんのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/aki10292002/8343476.html
でも参照されています。
 全部の資金を新興国の株に投じるのは極端ですが、(GDP比率や株式時価総額の比率と比べて)やや新興国株の比率が高くても、それだけで問題だとはならないような気がしてきました。まあ、適切な比率はどうやっても決められないものでしょうが。
ラベル:新興国投資
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2007年11月24日

資産管理方法(2)

 さて、昨日述べたように、
http://otsu.seesaa.net/article/68476443.html
乙は現在95種類の金融資産を保有しているわけですが、それぞれの時価などをどう記録しているのか、そのあたりを書いておきましょう。
 実は、乙はエクセルを使いこなせないのです。したがって、エディタで単純なテキストファイルに記録しています。実際は金融商品の種別ごとにファイルを分けている(投資信託、日本株、中国株、海外分、妻の運用分、……)ので、数個に分けて記録しています。ファイルの中の1行に、株の銘柄やファンドの名前、購入年月日、購入金額、購入した金融機関名などを記録しています。そして、毎月1回、時価をチェックして、その金額を日付とともにファイルに書き込みます。1行が順次長くなっていくイメージです。
 このファイルは単純なテキストファイルですから、「これこれの時期に売却予定」とか、「これこれに乗り換えよう」とか、自由にメモを添え書きしておくことができます。
 金融商品を売却することがあると、その分の行はファイルを別扱いにしています。単に記録を消すのではなく、最終的にプラスになったかマイナスになったを含めて記録して保存しておきます。
 時価をチェックするときは、WWW であちこちのサイトを見ることになり、だいたい1回あたり1時間半ほどかかります。こういうとき、独立系のファンドは、それぞれのサイトを見ることになり、そのたびに、ユーザーIDとパスワードを打ち込んだりしますから、けっこう大変です。証券会社経由にしておけば、ある程度まとめてチェックできますから、そのほうが楽です。
 このようにして、金融商品ごとの時価の変動が記録されますが、それとともに、毎月1回、それぞれの最新の時価をまとめて別のファイル「保有資産」に書いています。上述のファイルが金融商品ごとであるのに対して、「保有資産」のファイルは1ヵ月ごとに更新する一覧表のようなものです。最新版はファイルの先頭に追加するようにし、以前のものも記録のためにファイルの後ろのほうに保存しています。
 こうして、ファイルに記録した各種金融商品の時価ですが、これを合計しなければなりません。
 乙は、しばらく、手作業で(つまり電卓を使って)計算していました。まあ、これで特に不便はありません。しかし、数ヶ月前に、いろいろ分類を変えながら合計していくと、2種類の合計が一致しないというトラブルに遭遇しました。乙がぼけてきたのでしょうか、合計を求める計算がうまくできなくなってきたのですね。
 2回計算して、2回とも不一致になってしまったので、この時点で、手計算は無理だと判断しました。
 乙が保有する95種類の金融商品ですが、それぞれ通貨が違うのですから、合計するだけでもかなり大変なんです。
 そこで、毎月追加して記録している「保有資産」ファイルの銘柄(ファンド名)欄の隣に、金融商品の種別を書き込むことにし、また、時価欄は、数値の後ろに「円、USD、HKD、EUR、CAD」を必ず付けて書くことにしました。そして、そのファイルを読み込み、金融商品の種別ごとに合計するプログラムを用意し、これを走らせると、乙のポートフォリオが一発で計算できるようにしました。
 これは、ホントに簡単なプログラムで、為替レートなどはプログラム中に直接指定するようにしています。いかにも間に合わせ的プログラムです。しかし、これで、毎月1回のチェックが格段に楽になりました。
 その後、基本的にこれで乙のポートフォリオを確認しつつ、次の投資先を考えるようなことをしています。「リバランス」というとかっこいいですが、そんな大げさなことではなく、資産の比率を眺めて、もう少しこの辺の比率を高めようとか考えているということです。
 乙の感覚としては、このやり方であれば、200-300 種類になっても特に問題ではないように思います。ただし、合計を求めるのは簡単でも、その基になる個々の金融商品の時価をチェックする部分は、手間がかかりますから、数百種類が上限かなと感じています。毎月1個ずつ金融商品が増えても、1年で12種類、15年で180種類ですから、乙の場合、最終的な段階までこのやり方でいけると考えています。
 というわけで、エディタと、テキストファイルと、自作プログラムによる資産管理というのが乙の流儀なのでした。
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ラベル:資産管理
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2007年11月23日

資産管理方法(1)

 乙のブログ
http://otsu.seesaa.net/article/67005816.html
に藤原さんから質問がありました。「乙さんは資産管理はどんな形でされていますか?かなりの数のファンドや株式を保有されていると思いますので手計算されているわけでは無いですよね?私もファンドの数が40を超え手計算では追いつかなくなってきました。エクセルは使いこなせないし、アセットアロケーションを一目で分かるようにしたいのですが・・・ちょっと困っています。差し支えなければお教えください。」
 実は、乙はあまり優れた方法を採用しているわけではないのです。
 まず、乙の資産の種類を確認することにしましょう。単純に銘柄数を数えることにします。
 次のようです。

(1)預貯金・MRF
 金融機関ごとに数えますが、通貨の種類が違うものを分けて数えると19種類になります。

(2)投資信託(ファンド)
※ただし ETF をのぞきます。
 国内5種類で、海外は27種類です。

(3)株・ETF
 41種類です。

(4)外貨建て債券
 4種類です。

(5)その他
 4種類です。

以上を合計すると、現在保有する金融商品の銘柄数は95種類になります。
 最近、中国株をかなり整理したので、100 種類を下回りました。
 まあ、こんなものでしょう。
 今後は、さらに種類が増えるものと思います。現在、ETF でいろいろ買いたいものがあるし、同一商品に追加投資するよりも、(同じ分類であっても)別の銘柄にしたいと考えていますので、保有する銘柄数が増えることはあっても、減ることはなかなかなさそうに思います。
 で、資産管理ですが、管理といっても、特に行うべきことはありません。毎月1回、それぞれの時価を求めて一覧表にし、資産の種類ごとに合計額を出して、今後の投資の方向を確認するだけです。
 それでも、95種類の時価を求めるだけでもかなりの手間がかかります。これが 200-300 種類になったら(さらにはそれ以上になったら)どうしたものでしょうか。
 実際、ここのところ毎月異なる ETF を購入していますので、将来的にはそうなるはずです。

ラベル:資産管理
posted by 乙 at 05:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月06日

長期投資における税金の影響

 長期投資を考える場合、税金はどれくらい関係してくるのでしょうか。
 一つのファンドを購入して、2年くらいで乗り換えていくのと、10年くらいで乗り換えていくのとでは、影響が違ってきます。乗り換えするたびに、利益が出ますから、その中から税金を支払わなければなりません。短い期間で乗り換えると不利になることは当然ですが、その影響はどれくらいなのでしょうか。
 ちょっとこれを計算してみましょう。
 初期資産 10000 円でスタートしましょう。税率が 20%、利回りが毎年 5%、2年ごとに乗り換えるとしましょう。
 1年目の資産額は、10,000×1.05=10,500 円です。
 2年目の資産額は、10,500×1.05=11,025 円から、上昇分 1,025 円の2割を引かれて、10,820 円になります。
 3年目の資産額は、10,820×1.05=11,361 円です。
 4年目の資産額は、11,361×1.05=11,929 円から、上昇分(11,929-10,820)=1,109 円の2割を引かれて、11,707 円になります。
 これを繰り返して30年経つと、32,614 円になります。
 乗り換え期間の間隔にかかわらず、30年後の解約の時点で税金がかかると考えます。
 まず、税率が 20% として、利回りと乗り換えまでの期間(間隔)をいろいろ変化させて30年後の資産額を計算してみました。
間隔
利回り
5%
6%
7%
8%
9%
10%
1年
32,434
40,817
51,276
64,306
80,509
100,627
2年
32,614
41,139
51,820
65,184
81,882
102,717
3年
32,792
41,456
52,354
66,045
83,227
104,766
4年
32,944
41,726
52,806
66,774
84,365
106,494
5年
33,140
42,074
53,391
67,716
85,833
108,726
10年
33,961
43,521
55,803
71,571
91,804
117,745
15年
34,713
44,827
57,947
74,952
96,969
125,443
20年
34,912
45,155
58,457
75,713
98,068
126,990
30年
36,576
47,948
62,898
82,501
108,141
141,595

同様に、税率が 10% として、計算してみました。
間隔
利回り
5%
6%
7%
8%
9%
10%
1年
37,453
48,442
62,517
80,509
103,460
132,677
2年
37,569
48,654
62,884
81,116
104,432
134,192
3年
37,682
48,861
63,240
81,703
105,369
135,648
4年
37,778
49,034
63,538
82,193
106,147
136,852
5年
37,901
49,257
63,919
82,817
107,137
138,382
10年
38,404
50,157
65,438
85,276
110,989
144,264
15年
38,850
50,936
66,726
87,317
114,125
148,959
20年
38,962
51,120
67,012
87,745
114,743
149,829
30年
39,897
52,691
69,510
91,564
120,409
158,045

 利回りが高い場合、あるいは税率が高い場合は、間隔の長短によって30年後の資産額がかなり変わってきます。
 このことを言い換えると、バイ・アンド・ホールド戦略をとるときは、ひたすら30年間保有するべきであって、数年ごとに乗り換えているとそのたびに税金を取られて大きく増えないといえます。
 利回りが低い場合、あるいは税率が低い場合は、間隔が短くてもさほど運用成績が悪化することはないので、どんどん乗り換えてもいいのかもしれません。(ただし、実際は、販売手数料がかかったりするので、どんどん乗り換えると損をします。ノーロードの投信ならこの問題はありませんが。)
 正直いうと、乙が事前に予想していたよりも、税金の影響は小さかったように思います。
 何といっても利回りごとの結果の違いの差が大きいです。30年といえば、複利効果がかなり働きますから、利回りが高ければ、大きく資産が増やせるということがわかります。
 また、ずっとファンドを保有し続けようとしていたところ、運用会社の都合で早期償還されてしまうような場合は、予想以上に投資家は損失を被っているといえそうです。

 税金が 10% というのは、今後続くとも思えないので、20% を覚悟するべきでしょう。となれば、何はともあれ、一度ファンドを買ったら、短期間で乗り換えなどせずに、ひたすら保有し続ける態度が必要ですね。
 今日は、当然の結論でした。
ラベル:長期投資 税金
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2007年10月15日

最近のポートフォリオ

 過去にもブログで述べたことですが、
2007.5.11 http://otsu.seesaa.net/article/41413879.html
乙のポートフォリオを調べると、欧米の株が少ないと思われました。そこで、この数ヶ月間は、アメリカ株とヨーロッパ株の ETF を集中的に買ってきました。その結果、乙の資産配分はどうなったでしょうか。
《理想》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
50%
20.0%
10.0%
10.0%
10.0%
債券
20%
7.0%
7.0%
0.0%
6.0%
不動産
15%
ヘッジ等
15%

《5月》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
54.0%
3.3%
2.2%
14.6%
33.9%
債券
15.6%
7.2%
0.6%
0.0%
7.8%
不動産
10.1%
ヘッジ等
20.3%

《10月》合計アメリカヨーロッパ日本新興国
株式
63.7%
12.9%
6.9%
7.3%
36.6%
債券
14.1%
4.1%
0.5%
0.0%
9.5%
不動産
4.0%
ヘッジ等
18.2%

 これを見ると、なかなか思うようなポートフォリオになっていません。
 欧米株を買い増したので、ここの割合が高まったのはいいのですが、まだまだ不足しています。
 ヨーロッパの債券も全然買っていませんので、何とかしなければなりません。
 この5ヵ月で新興国株の割合が高くなっているのは、この間に新興国の株価が上昇したことの現れです。全然追加投資せず、一部の投資信託は解約したのですが、どんどん増えていってしまうのですね。
 新興国債券も同様の傾向です。
 この際、新興国株を対象にした海外ファンドのいくつかを解約することを考えましょうか。しかし、いずれも好成績であるとともに、まだ購入してから大した年月が経っていないので、ファンドを解約する時期ではないように思えます。中には、数年以内の解約だと解約手数料を取るファンドもあったりしますので、単純にさっさと解約すればいいというわけでもありません。
 今後の追加投資も、どうすればいいか、悩ましい問題ですが、《理想》を目指すならば、欧米株とヨーロッパ債券、それに不動産を中心に考えていきたいと思います。
 もっとも、《理想》の考え方をちょっといじるというようなことがあってもいいかもしれません。
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2007年10月02日

セゾン投信で未成年口座が作れる

 乙は Gabbiano さんのブログ
http://www.lagazuoi.com/gabbiano/archives/2007/10/post_260.html
で知ったのですが、10月1日からセゾン投信で未成年者の口座が作れるとのことです。
 これはちょっとしたニュースでした。
 乙の息子たちは、もう成人してしまったのですが、そのうち孫が生まれる可能性があります。
 そのとき、誕生祝いとして、おじいちゃんから若干の金額をプレゼントしようと思っています。
 で、これをどうするか。まさに長期運用するべきだと思います。ざっと20年。孫が成人したら、自分で自由に使うことができます。それまで楽しみに取っておく(ほったらかす)のです。20年の長期投資です。しかも、成人するまで20年間にわたって「投資教育」をすることができます。もしかすると、投資の話は孫がいやがるかもしれませんが、お金の話の延長なのですから、中学生か高校生くらいできっと乗ってくると思います。
 というわけで、どこかに口座を作り、20年運用しようと思っていました。
 イー・トレード証券が候補かなと思っていましたが、そこでは、親権者も口座を持っていなければなりません。乙の息子に余計な負担をかけてしまいます。
 一方、セゾン投信は、そういう制限がありません。現住所などをきちんと登録しておかなければならないため、引越の時などに、若干の手続きが増えますが、大した問題ではありません。
 セゾン投信といえば、セゾンバンガードグローバルバランスファンドがあります。単独でポンと申し込むには本当に簡単で、しかも世界の資産に分散投資ができ、ほったらかしにするにはとてもよさそうです。
 孫には、贈与税がかからないような 100 万円のプレゼントでもいいですし、あえて 111 万円をプレゼントして、若干の税金を税務署に納めて、きちんと孫の名義のお金であることを税務署に認めさせる手もあります。
 100万円が20年でどこまで増えるでしょうか。仮に 7% の運用ができれば、20年で4倍の 400 万円になりますから、かなり使いでがありそうです。その頃の日本ではインフレが進行しているのでしょうか。もしかすると、国家財政が破綻しているのでしょうか。
 もしも、今のままの経済情勢が続くと仮定して、20 歳のときの 400 万円をそのままさらに預けっぱなしにすると、(7% の運用が継続すれば)孫が 60 歳のときには 6400 万円にもなります。退職金を加えれば、老後の準備にもなる金額です。
 生まれたときの 100 万円のプレゼントが老後の生活資金になるなんて、なんてすばらしいのでしょう。
 長期投資といっても、乙は残り少ない時間しかないのですが、孫なら、十分時間があるのですね。本当の長期投資は赤ん坊のときから墓場に入るまで、一生継続するものなのでしょうね。もしかして、人の一生を越えて、子々孫々に代々伝えていくものなんでしょうか。
 う〜ん、考えているうちにワクワクしてきました。
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2007年09月01日

アクティブ・ファンドとインデックス・ファンド

 乙は、かなりの比率で投資信託(ファンド)を購入していますので、アクティブ・ファンドとインデックス・ファンドの比較には大きな興味と関心があります。
 過去にも、何回か、この話題について、ブログに書きました。
2007.4.13 http://otsu.seesaa.net/article/38584050.html
2007.1.30 http://otsu.seesaa.net/article/32378034.html
2006.9.29 http://otsu.seesaa.net/article/24594222.html
2006.4.2 http://otsu.seesaa.net/article/15981395.html
 これについて、今の段階での乙の考え方を書いておこうと思います。
 第1に、インデックス・ファンドを資産運用の中心にするということです。
 資産のかなりの部分は、日米欧の株式に長期投資するつもりですが、その場合、コストを考えるとインデックス・ファンド(実際には ETF)が一番いいと思います。
 アクティブ・ファンドは、長期になればなるほどコストが響いてきて、いい成績は上げられないように思います。
 インデックス・ファンドは、買ったら15年(以上)ほっとくつもりです。もしかすると、定期的な基準価格のチェックすら不要かもしれません。(チェックしていると、売りたくなってしまうときがあるかもしれません。)
 第2に、アクティブ・ファンドにも投資するということです。
 日米欧の先進国では、わざわざアクティブ・ファンドを購入する意味はないように思いますが、新興国では、インデックス・ファンドを上回る成績を上げる場合も十分あるように思います。そもそも、インデックスが整備されていないようなマーケットもあるでしょう。そういう場合、インデックス・ファンドはあり得ませんが、アクティブ・ファンドはあり得ます。
 新興国の ETF があれば、それも投資対象としていいと思いますが、アクティブ・ファンドもまた別の魅力があります。
 ただし、長期にアクティブ・ファンドで運用することは避けます。アクティブ・ファンドに投資するときは、月1回程度は運用状況を確認し、成績が悪い(悪くなった)ようならさっさと解約するようなことをしないといけません。結果的に、成績がよければ、15年以上継続することもあるかもしれませんが、まずそんなことは珍しいと思います。
 ファンドの解約のタイミングを事前に決めておくことは非常に困難ですが、運用成績が株式指標と比べて下がってきた場合や、そもそも当該国の経済状況が悪くなってきたときなどが考えられます。基準価格が下がってきたことで解約してもいいと思います。
 第3に、ヘッジファンドは、超アクティブ・ファンドと位置づけ、一部の資金を投入するということです。
 本当にヘッジファンドが優れた投資対象かどうか、疑問がありますが、アクティブ・ファンド一般と同様に、運用報告書に気をつけていれば、中にはおもしろい成績を示すものもありそうに思います。普通の株式ファンドとは基準価格の上昇/下降の相関性が低いところが魅力なんですから、必ずしもハイリターンを狙わず、そこそこのリターンで満足するべきですし、そう考えれば、資金の一部を投入する意味はありそうに思います。

 なお、乙は、HSBC 香港でいくつかのアクティブ・ファンドを購入していますが、それは、そのような方針が望ましいと考えた上での積極的な判断ではなく、当時、HSBC 香港では ETF が購入できなかったし、インデックス・ファンドは(現在でも同様ですが)まったく扱っていないため、やむを得ずアクティブ・ファンドを購入したのでした。
 ですから、ファンドの購入後、適当な年数が経って、成績がはっきりしてきた時点で、成績が悪ければ解約しようと思っていました。
 最近、購入したファンドの成績を確認してみたところ、アクティブ・ファンドなのに意外に成績がいいので、ちょっと幅を広げて HSBC の運用するファンドを調べてみたというわけです。そして、乙が保有するアクティブ・ファンドについて、解約はしないでおこうと考えたのでした。
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2007年08月23日

妻の30万円の追加投資

 乙は、妻から50万円を預かって、投資信託で運用してきました。
2007.4.26 http://otsu.seesaa.net/article/40055206.html
2006.5.1 http://otsu.seesaa.net/article/17248232.html
 8月初めになって、妻が30万円を追加投資すると言ってきました。何といっても、それまでの成績がよかったからでしょう。妻の現金な性格がよくわかります(笑)。
 2005年10月に引き受けた50万円がどうなったかを見てみると、(7月段階で)次の通りでした。

 新生銀行 LM オーストラリア毎月分配型ファンド¥122,959
 みずほ銀行 DIAMワールド・リート・インカム・オープン¥133,346
 イートレード証券 JPMF-JFアジア株・アクティブオープン¥86,595
 楽天証券 三菱UFJチャイナオープン¥131,028
 楽天証券 ピクテ・ヨーロピアン¥83,650
 楽天証券 HSBCインド・オープン¥177,606
 楽天証券 DKA・株式オープン¥63,957
 現金¥3,654
合計=802,795 円

 約2年で6割増なんですから、それは預貯金よりも効率がいいと考えて当然です。
 さて、今回の30万円をどこに振り向けるといいでしょうか。今までに運用してきた投資信託を少しずつ買い増してもいいのですが、それよりは分散投資を心がけようと思いました。そこで、5万円ずつ6種類の投資信託を新規に買うことにしました。
 乙が口座を持っている証券会社や銀行などの投資信託をいろいろ調べ、以下のようなものを購入しました。

新生銀行 エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)¥50,000
申込み手数料 2.1% 信託報酬 1.6485% 信託財産留保額 0.5%
新生銀行 HSBC ブラジルオープン¥50,000
申込み手数料 3.15% 信託報酬 1.995%
ジョインベスト証券 損保ジャパン−フォルティス・トルコ株式オープン¥50,740
    ノーロード 信託報酬 1.995% 信託財産留保額 0.3%
イートレード証券 ソシエテ-SGロシア東欧株ファンド¥55,212
申込み手数料1.05% 信託報酬 0.92925% 信託財産留保額 0.3%
マネックス証券 バンガード・スモールキャップ・インデックス・ファンド¥40,480
ノーロード 口座管理手数料 0.63% エクスペンス・レシオ 0.23%
楽天証券 ステート・ストリート外国株式インデックス・オープン¥57,032
    ノーロード 信託報酬 0.9975%

 これらの合計は 303,464 円で、現金の預かり金(今までの分配金など)もほぼゼロに近づけたことになります。
 2年前に任された50万円で、日本株、中国株、インド株、アジア株、ヨーロッパ株、オーストラリア債券、リートの投資信託を購入しているので、それ以外のカテゴリから探して、新興国債券、ブラジル株、トルコ株、ロシア東欧株、アメリカ株、それに外国株のインデックス・ファンドを選びました。
 これで、アメリカ、ヨーロッパ、日本の先進国株、BRICs を中心とした新興国株、先進国と新興国の債券、リートなどに分散することができました。
 インデックス・ファンドは二つだけにしました。どっちみち数年間の投資期間を考えているということでは、アクティブ・ファンドを買ってもいいと判断しました。15年も投資を続ける場合だと、コストが大きく響いてきますが、数年間では、アクティブ・ファンドであってもさほどコストは問題ではありません。リスクが高めなものが高いリターンも期待できるので、それをいくつか積極的に購入したわけです。
 乙としては、これらの投資信託がどうなっていくのか、勉強のつもりで見守っていきたいと思いました。
 なお、日本の銀行・証券会社経由で投資したのは、妻の意向を受け入れたためです。乙は、どうせ外国の株に投資するのだから、外国の証券会社経由で購入してもいいと思っていますが、家内は、いざというとき(乙が死んだとき)現金が取り戻せなくなるのが恐いということで、国内の金融機関経由で投資することを強く主張しました。
 乙は、まあ、ここは出資者の意向を受け入れるのがいいかなと思った次第です。
 買ったとたんに(サブプライムローン問題の影響で)それぞれの投資信託が大幅に値下がりしたので、妻には申し訳ないですが、まあ2年保有すれば何とかなると思っています。
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ラベル:投資信託
posted by 乙 at 04:46| Comment(5) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月29日

最近の円安

 最近の円安は大変なものでした。昨日あたりは一服しましたかね。122 円台まで円高になりました。
 1週間ほど前に Interactive Brokers に送金したときは、1ドル 124 円台でした。これではドルに両替するのもためらわれるなあと思ったので、123.5 円で両替をするよう、指示し、そしてずっと(といっても数日間ですが)待ちました。すると、この値段でドルが買えたんです。
 その後、もっと円高になったのですが、最高のタイミングで売買するなんてことはまず不可能です。適当なところで満足しなければなりません。
 円をドルに両替するときは、そのときのレートよりも数十銭程度円高のレートを指定して「GTC」(Good Till Cancel)で申し込んで、しばらく待ってみるのがいいように思います。
 うまく買えればそれでいいですし、買えずに円安が進んだら、その時点でもう少し円安のレートに切り替えることになるでしょう。いいかげんな方法ですが、為替レートの予測なんて、とてもではないけれど乙にとって不可能に近いものですし、その中で少しでもマシな両替をしようというちょっとした試みです。(よく考えてみれば、ちっともマシではないのですけれど、……。)
 これからどうするか、考えてみるまでもありません。円高になれば、その時点でさらに円をドルに両替すればいいわけですし、円安になれば、すでに両替・投資した分が含み益を稼いだと考えてにんまりしていればいいだけです。自分に都合のいい解釈ですが。
 淡々と両替して投資するという態度が必要なのではないかと思っています。
 とはいいつつも、為替レートは、どうしても気になってしまうんですよね。
 そういえば、最近の円安は異常だという発言もありましたっけ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-26576120070625?rpc=131
 しかし、一方では、日経新聞6月27日夕刊が報じたように(以下のところでさわりだけが読めます)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070627AT2D2700127062007.html
海外企業による円建て外債の発行が急増していて、それが「円を外貨に替えて運用する円借り(円キャリー)取引と同様の外為取引が生じ、円安の一因となっている。」というのでは、この円安は簡単には解消しないかもしれません。
ラベル:円安 為替レート
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2007年05月12日

新興国の株式の割合を下げるには

 乙は、自分のポートフォリオを計算し、新興国の株式の割合が全運用資産の3割以上を占め、比率が高すぎることを知りました。
2007.5.11 http://otsu.seesaa.net/article/41413879.html
 さて、新興国の株式の割合を下げるには、どのあたりを売ればいいのでしょうか。
 次の段階として新興国別の株の割合を算出してみましょう。ざっと以下のようです。

・39% エマージング諸国
・21% 中国
・13% ロシア東欧
・11% アジア
・ 8% インド
・ 4% 香港
・ 4% 中南米
計100%

 このうち、「エマージング諸国」というのは、さまざまな国々がその中に入っているファンドや ETF を指します。BRICs 4ヵ国に投資するファンドなどもここに含まれます。「アジア」は、アジア各国ごとを対象にしたファンドの合計です。
 「エマージング諸国」というのは、もともとファンド自体が分散投資しているわけですから、これだけでも十分です。
 当面、これを見た感じでは、中国やロシア東欧、それにアジアを減らすのがいいように思います。
 乙は、中国の個別株を買って持っていますので、それを全部売却すると中国の比率がぐっと下がります。そろそろ中国株の売り時かもしれません。また、新興国の株に投資するアクティブ・ファンドもいくつか持っていますので、これも売ったほうがよさそうです。
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2007年05月11日

アセットアロケーション

 乙は、あまりアセットアロケーションを考えず、おもしろそうなところに分散投資を心がけてきました。
 しかし、それでは資産を無用のリスクにさらすことになるように思います。
 また、今後の投資の方針を考える上でも、この際、アセットアロケーションを考え、かつ現実のポートフォリオを把握し、両者の違いをなくすようにするべきだと思います。
 そこで、最近、思い立って、乙の場合を計算してみました。
 まず、(乙が考える)乙にとって望ましいアセットアロケーションの一例です。
 投資対象別では、株式50%・債券20%・不動産15%・ヘッジファンド等15% くらいが適当でしょう。
 不動産やヘッジファンドを組み込んでいるところは、従来のアセットアロケーションと少し違うところでしょうか。
 次に、株式の地域別配分ですが、アメリカ40%、ヨーロッパ20%、日本20%、新興国20% くらいでいかがでしょう。株式の時価総額や GDP の大きさを基準にすると、アメリカに重点をおいてもいいでしょう。新興国の比率が GDP の大きさに比べて高めなのですが、これは乙の好みの反映です。新興国のほうが先進国よりも成長率が高い場合が多く、リスクは高いけれども、それなりのリターンが期待できそうです。
 この話は、VMax さんの意見
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_096c.html
に近いかもしれません。
 最後に、債券の地域別配分ですが、アメリカ、ヨーロッパ、新興国を同じくらいにし、日本はゼロとしましょう。日本の国債は利率が低すぎてお話にならないし、格付けが上がったといっても、まだまだ総合的には格付けも低いし、投資先としての魅力はないものと思います。
 さて、これらを総合すると、以下の表のようなアセットアロケーションができあがります。

《理想》 合計 アメリカ ヨーロッパ 日本 新興国
株式    50%   20.0%   10.0%  10.0%  10.0%
債券    20%   7.0%   7.0%  0.0%  6.0%
不動産   15%
ヘッジ等  15%

 この表を全体として眺めると、まあまあのような気がします。こんなのを当面の理想と考えることにしましょう。
 さて、現実はどうでしょうか。乙が投資している各種の金融商品の時価を求め、通貨単位をそろえ、多くの国々に投資するファンドは、それぞれの国の投資比率で按分し、各種資産ごとに合計して算出したのが以下の表です。

《現実》 合計 アメリカ ヨーロッパ 日本 新興国
株式   54.0%   3.3%   2.2%  14.6%  33.9%
債券   15.6%   7.2%   0.6%  0.0%  7.8%
不動産  10.1%
ヘッジ等 20.3%

 《理想》と《現実》を比べると、乙の今後の投資方針がわかります。
 新興国の株を総資産の24%ほど売り、日本株を5%ほど売って、アメリカ株17%とヨーロッパ株8%、ヨーロッパ債券6%に振り向けるべきだということになります。(細かいパーセンテージのズレは気にしないことにしましょう。)さらに、ヘッジファンドを5%ほど売って不動産に振り向ける必要があります。
 実際のところ、乙は毎月の給料の一部を投資に回していますが、それではもっぱらアメリカ株、ヨーロッパ株を買おうと思います。
 《現実》の表を見ると、乙の場合、結果的にずいぶん新興国の株に集中投資してしまいました。これには二つの理由がありそうに思います。
 一つは、新興国の株が大幅に上昇しそうに見えて、ついつい買いすぎてしまったということです。
 もう一つは、新興国の株は、実際大幅に上昇したので、はじめはそんなに比率が高くなかったのに、自然にどんどん比率が高まったということです。
 すぐにこれだけの調整をすることはむずかしいと思いますが、今後は、この方向でコントロールしていこうと思います。1年くらいのうちに《理想》に近づけたいと思います。
 こういう作業をリバランスというのでしょうね。いや、乙の場合ははじめからバランスなんて考えていなかったからそう呼ぶのはおこがましいですかね。
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2007年05月10日

北朝鮮の債券が密かな人気商品に?

 NBonline の5月8日付のニュースです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070507/124220/
によれば、北朝鮮の債券が密かな人気商品になっているとのこと。
 驚きました。
 北朝鮮なんて、いつ崩壊してもおかしくない国で(と乙は思っています)、ここに投資するのはきわめて危険です。
 だからこそ、もしもうまく償還を迎えることができれば、大きな儲けになるのは理解できますし、投資家としては、そういう機会をすかさずキャッチするのも「あり」でしょう。
 しかし、日本人としては、どうにもひっかかります。
 北朝鮮といえば、日本人をはじめとする拉致問題を引き起こした国です。乙は、北朝鮮の国自体、政府自体、指導者自身を信じることができません。北朝鮮の債券を購入することで自分の資金が北朝鮮に流れます。北朝鮮の国や政府や指導者がその資金を使っていろいろ行うわけですが、それがテポドンなどのミサイル開発や核兵器開発に使われるとしたら、とてもじゃないけれども、資金の使い道が間違っているとしか思えません。
 仮に北朝鮮が投資先として有望であったとしても、乙は、北朝鮮に投資すること自体をしないと思います。

 余談ですが、新興国を対象にしたファンドなどを買うとき、どの国の株を何%くらい入れるかは、ファンドマネージャーの考え方いかんによります。北朝鮮を組み入れるという判断をするファンドマネージャーがいたら、そのファンドへの投資を通じて間接的に北朝鮮に投資することになります。そう考えると、幅広く新興国を組み入れるファンドに投資するスタイルは考え直してもいいかもしれません。個別の国ごとに自分で投資することにすれば、自分の資金がどの国に流れるかを自分で直接コントロールできます。投資として考えると最適なやり方ではないでしょうが、(たとえわずかでも)こうして金融市場を通じて自分の考えを表明することも大事なことのように思います。
 ブログ記事にも
http://blogs.yahoo.co.jp/tero19632001/1446588/45514632.html
http://blogs.yahoo.co.jp/akira062363/47629337.html
http://blog.livedoor.jp/enkori/archives/50596637.html
http://blog.imediapartners.jp/oomura/2007/03/post_d62d.html
http://kuyou.exblog.jp/5233230/
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=teconomy&nid=2826837
のように書かれていました。
 元々は、朝鮮日報 2007.3.12 の記事
http://www.chosunonline.com/article/20070312000045
が発端のようです。
ラベル:北朝鮮 債券
posted by 乙 at 04:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月05日

日本円の資産運用は不必要

 乙は、いろいろな試行錯誤と遍歴の結果、アメリカ市場の ETF にたどり着いてから、もっぱらこちらに投資するようになりました。アメリカ市場の ETF 経由で世界の株式と REIT に簡単に分散投資できますから、とても便利です。まだ実行に移していませんが、債券投資も ETF 経由で可能です。
 アメリカでの ETF の購入は、すべてドル建てですから、日本円をドルに両替してアメリカに送金することになります。
 さて、ここで問題になるのが、日本円の運用方法です。
 手持ち資金を全額ドルに替えてしまっては、日本で生活できなくなりますから論外です。海外に投資すると、国内に戻すとき手間と時間がかかるので、資金の一部(生活費+α)は日本円で持っていなければなりません。その場合、預貯金という形が当然です。
 では、日本国内で日本円のまま投資することをどう考えたらいいのでしょうか。資産運用の一部は国内で円建てで行うべきでしょうか。
 アメリカの ETF のすばらしさを知ってしまうと、日本での投資が全般にばからしく思えてしまいます。
 この問題について、乙なりに考えてみました。
 いうまでもなく、すぐに使う(可能性がある)お金なら預貯金の形が一番です。
 「投資」は、余裕資金で長期に渡って継続的に行うべきことだと思います。数年ないし10年、できたら15年さらにはそれ以上のスパンで考えたいものです。乙は老後のことを考えて投資しています。今、投資に回している資金は、これから15年以上使わなくていいものです。
 日本円にせよ、外貨にせよ、どうせ長期にわたって使わないということでは同じことです。
 だとすると、日本円による投資は一切考えなくてもいいということになりそうです。つまり、投資は全部海外で行うと決断してしまってもいいのかもしれません。日本円は、当面の生活費+α程度を預貯金で持っていて、それで全部というスタイルです。
 日本円による資産運用はしないとした場合に、何か不都合はあるでしょうか。
 考えてみると、不都合は何もないように思います。
 子供の結婚やマンションの購入でお金が必要になるとか? こういうことは、親が資金を援助しなくたって、子供が自分で行うべきことです。援助するとしても、ほんの一部で十分であり、それは「生活費+α」の中に含めて考えます。
 自宅が地震で倒壊したりして、緊急にお金が必要になるとか? そういう場合は、激甚災害ということで、地方自治体や政府が緊急の援助をしてくれるでしょうし、周りの人(親戚など)が何とかしてくれるでしょう。そんな、いつあるかわからないものに備えて、すぐお金が引き出せるようにしておくべきだなんていう話はないと思います。それでは投資なんかやってられません。
 乙やその家族が大病して、入院手術代などが相当にかかるとか? そういう場合は、海外から資金を引き揚げたって間に合うでしょう。
 クルマを買い替えるとか? しばらく先にまとまったお金(日本円)が必要になる場合は、海外送金をストップするだけでいいのです。乙は給料をもらう身分ですから、海外に送金しなければ、自然と日本円が貯まります。
 円高になったときに、海外で外貨建ての投資をしていると大きな損失が出るとか? それはあり得ますが、逆に日本円で資産を持っていれば円安のときに損失が出るわけで、この問題は何ともいえません。そもそも、日本は成熟経済ですから、そんなに大きな為替変動はないだろう(せいぜい2倍程度だろう)と思っています。
2006.6.19 http://otsu.seesaa.net/article/19489254.html
 こんなことをあれこれ考えていると、日本国内で日本円投資を考えている人たちは、なぜそのようなことをしているのか、疑問になってきました。一番身近な通貨だから何となく(確たる根拠なく)円投資をしているだけではないでしょうか。
 分散投資の一部として日本株に投資する必要性は認めます。しかし、それにしたって、アメリカの ETF で行うことが可能です。つまり、日本株に投資する手段は国内で日本円で行うとは限らないということです。
 乙なりの当面の結論は、投資は全部海外で行ってもよく、日本円で持っているのは当面の生活費+αだけで十分だということです。過激な結論にたどり着きました。

 なお、VMax さんが、ホームバイアスという記事をお書きです
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_41bc.html
が、これは理由もなく自国資産の割合を高めてしまうことなので、今回の乙の議論と関連します。
ラベル:資産運用 日本円
posted by 乙 at 17:27| Comment(7) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月27日

現在保有する ETF

 今、乙がアメリカ市場の ETF で保有しているのは、以下の8種類です。

SPY(アメリカ株)
2007.3.16 http://otsu.seesaa.net/article/36066514.html
EFA(非アメリカ株)
2007.3.17 http://otsu.seesaa.net/article/36151025.html
ADRE(新興国株)
2007.3.18 http://otsu.seesaa.net/article/36239471.html
RWR(アメリカREIT)
2007.3.22 http://otsu.seesaa.net/article/36543331.html
RWX(非アメリカREIT)
2007.3.22 http://otsu.seesaa.net/article/36543331.html
QQQQ(アメリカ株)
2007.4.17 http://otsu.seesaa.net/article/38986799.html
VGK(ヨーロッパ株)
2007.4.21 http://otsu.seesaa.net/article/39528875.html
VWO(新興国株)
2007.4.25 http://otsu.seesaa.net/article/39977369.html

 こうして並べてみると、バランスが見えてきます。債券の ETF がないなどということもわかります。これからはこういうのも買ってみましょう。
 こんなふうにいろいろな ETF を買うことで、お互いのバランスを適当に調整することができます。
 ところで、EFA を買うことは、アメリカ以外のいろんな国の株をそれなりの比率で買っていることに相当します。これは、たぶん理論的にはベストな方法でしょうが、いかにもおもしろくありません。ヨーロッパ株と日本株に分けて買うと、自分なりの好みに合わせた運用ができます。理論的には必ずしも正しくない(最高のパフォーマンスを上げることができない)方法ですが、そうやって少しだけ比率を変えて、自分流に運用してもいいのではないでしょうか。投資家として、少しだけ「予想があたった、はずれた」と楽しむわけです。
 乙は、これらの ETF を、全部、Firstrade 証券を通じて買いました。Firstrade の口座は、このまま15年以上放っておくつもりです。たまにアクセスして、口座残高だけは確認しますけれど。
 こんなふうに並べると、次にどんなのを買うといいかが見えてきます。ときどき投資方針を考えてみるのも必要なことだと思います。
 もっとも、乙の投資先は ETF だけではなく、株や投資信託などのさまざまな金融商品に分散投資していますので、本当はそれらの全体を考えないといけません。ポートフォリオを洗い出すという作業です。
 これをはじめるとけっこう時間がかかりそうなので、連休中にでも計算してみましょう。まあ資産の棚卸しのようなものでしょうか。
posted by 乙 at 05:58| Comment(0) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月26日

妻の50万円のその後

 乙は、妻から50万円を預かって、投資をしています。
 1年前のブログ
2006.5.1 http://otsu.seesaa.net/article/17248232.html
でそのあたりの事情を書きました。
 その後、1年たってどうなったかを書きましょう。
 途中で、貯まった分配金で投資信託を買い増ししましたから、当初の購入額とは違っています。

(1)LM オーストラリア毎月分配型ファンド 117,390円
(2)DIAMワールド・リート・インカム・オープン 145,461円
(3)JPMF-JFアジア株・アクティブオープン 68,979円
(4)三菱UFJチャイナオープン 97,260円
(5)ピクテ・ヨーロピアン 80,090円
(6)HSBCインド・オープン 146,100円
(7)DKA・株式オープン 62,438円
 現金 2,304円
合計=720,022円

 2005年10月の50万円は、2006年4月の段階で 588,394円になっていましたが、2007年4月の段階では 720,022円まで増えたことになります。
 個々に見ると、日本株が振るわないことがわかります。しかし、それよりも、全体として1年半で 44% 増という結果を見るべきです。50万円しかなかったので、七つの投資信託にしましたが、それだけでもけっこう運用ができるものだと思います。
 あと1.5年ないし2.5年で当初の予定運用期間に達します。その段階でこれらの投資信託は全部解約してもいいと思っています。(一度解約しないと、乙が上昇分の2割という手数料をもらえないのです。)
続きを読む
ラベル:投資信託
posted by 乙 at 05:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月23日

投資先の分散と通貨の分散

 乙がずっと誤解していたことを書いておきましょう。
 自分の資産は、いろいろなところのいろいろなものに分散して投資するべきだと思います。分散投資の考え方ですね。
 それとともに、通貨も分散するべきです。円だけで資産を持っていると、今後極端な円安が起こったりしたときに大打撃があるからです。世界の通貨事情を考えると、主要通貨といえば米ドルとユーロということになるでしょう。ですから、米ドル投資、ユーロ投資も考えるべきだということになります。
 乙の誤解というのは、上の二つをそのまま受け止めており、投資先も分散させるべき(世界中のあれこれに投資するべき)だし、通貨も分散させるべき(円だけでなく米ドルやユーロでも投資するべき)だと考えていたことです。しかし、これは少し違うと思います。
 仮に、フランスの株を考えましょう。当然ユーロで取引されています。日本円をユーロに替え、ユーロでフランス株を買うというのが(日本に住む日本人にとっての)通貨の分散です。同時に投資先も分散することになります。
 さて、フランス株に投資するファンドを日本の証券会社で円建てで買ったとします。このファンドは円建てですから(日本人の目で見ると)通貨は分散していないことになります。しかし、事実上ユーロ建ての資産を持っていることと同じことです。この場合、ユーロ高、円安が起こったら、このファンドの基準価額はどうなるでしょうか。当然、大きく上昇するはずです。つまり、通貨を分散させなくとも、投資先を分散させるだけで通貨を分散させたことと同じ効果があったことになります。
 こう考えると、資産を運用する通貨として、円の他に米ドルやユーロもそれぞれある程度の割合で保有するべきだという話は不必要になります。外貨が円に両替できなくなるような非常事態が起これば別ですが、まずそんなことにはならないでしょう。それは日本の輸出入が止まることと同じことですから、そうなれば日本は死にます。
 資産の全部を日本円のままにしておいても、海外への分散投資で間接的に通貨の分散も行っていることになります。
 一方、債券の場合は、事情がちょっと違います。フランスが円建ての国債を発行したとしましょうか。(そんなことは不必要だし、フランスがするわけはないと思いますが。)すると、その金利は、フランス国内の(ユーロの)金利ではなく、日本の(円の)金利になります。円建て債券ならば円の金利になるのです。いわゆるサムライ債ということです。このことから、債券の場合は、何に投資するかということ以上にどの通貨で投資するかということが重要になってきます。債券は一種の借金証書ですから、どの通貨で借金したか(利息はどの通貨で支払うか)ということが大事なわけです。
 前述のように、株式や不動産など、現物に対応した資産価値のあるものは、どの通貨で購入するかはあまり関係なく、「そのもの」があればそれで十分です。株式も、現存する企業の一部のことだと考えられますし、REIT も、不動産の一部だと言えます。
 以上のことから、次のような考え方になります。
(1)株式や不動産など、それ自体が価値を持つ場合は、投資するときどの通貨にするかはほとんど関係ない。
(2)債券に投資する場合は、どの通貨で投資するかが重要である。
 乙の誤解というのは、この2点を明確に区別していなかったことにあります。
 株式や不動産で投資する場合は、あまり通貨にこだわる必要はありません。通貨は何でもいいのです。どの国の何に投資するかが大事です。しかし、債券投資のときは通貨が大事であり、どの通貨で投資するかを考え、通貨の分散を考えるべきです。
 このことから、たとえば、ヨーロッパ株に投資する場合、アメリカでドル建てで投資できれば(実際できますが)それで十分であって、わざわざヨーロッパの証券会社に口座を開設してユーロ建てで投資する必要はありません。(やってもいいですが。)
 しかし、債券は別で、ユーロ建ての債券を購入する意味があります。また、ユーロで投資することが重要だというのは、債券の場合だということがいえるように思います。ユーロ建ての債券を日本で購入するものとしては、ユーロ MMF やユーロ BST を買うことなどがあります。
http://otsu.seesaa.net/article/31935728.html
 投資信託を通じて債券に投資することも、もちろん選択肢の一つです(手数料がかかりますが)。これだと、ユーロ建てかどうかなどと気にする必要がありません。
 いうまでもなく、日本での投資と海外での投資という違いは、投資先の分散や通貨の分散とはまた別ですし、日本人の投資と外国人の投資も別の話です。これらと上の話をごっちゃにしてはいけません。日本人にとっては、日本の証券会社でヨーロッパの株を買うことと、アメリカの証券会社でヨーロッパの株を買うことは別のことです。
 海外投資といった場合、(日本人が行うのですが)海外「で」投資する場合と、海外「に」投資する場合の両方の意味が混在しているように感じます。両者はきちんと区別して考える必要があります。
posted by 乙 at 05:23| Comment(3) | TrackBack(1) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月19日

オフショア投資はマイナーでしょうか

 http://www.kaigaigyousha.com/riyuu.htm を見ると、オフショア投資がマイナーな理由が書かれています。
 このHPの管理人の個人の意見だとのことですが、乙は、大変おもしろいと思いました。
 そこでは、オフショア投資がメジャーになっては困る人がいるということで、4種類の人たちを挙げています。(以下、一部省略しながらの引用です。)
(1)税務当局
海外資産の補足は難しいので課税が困難になるでしょう。

(2)国内の投信関係業者
規制の厳しい国内ではヘッジファンドのような自由なファンドを組成しにくく、認可も下りにくいです。

(3)郵便局や銀行
安全で元金保証が売りですが、利息はほとんどつきません。例えば海外には元金150%保証ファンドなどがあることが一般に知られたら預ける人が激減するでしょう。

(4)既に海外投資をしている富裕層と呼ばれる人たち
情報を遮蔽して既得権益を守りたいのかもしれません。
あるいはオフショアを利用して脱税してきた人もいるのかもしれません。
(以上、引用です。)
 これに加えて、「(オフショア金融商品の)業者は宣伝・営業することが認められていません。表向きは消費者保護という事かもしれませんが、実際は国内業者の保護としか感じられないのは自分だけではないでしょう。」と書いています。
 乙は、この意見に対して、三つのコメントを述べたいと思います。
 第1に、オフショア投資はすでにマイナーではないと思います。多くの個人投資家がすでに実践していることです。理由はさまざまでしょうが、国内の株や債券、不動産(それらに基づく投資信託)とはちがったおもしろい金融商品が多数あります。個人投資家にとって、有力な選択肢だと思っています。乙のポートフォリオを考えれば、すでにオフショア投資はかなりの重みがありますから、少なくとも、乙個人にとってはオフショア投資がマイナーではなくなっています。
 第2に、オフショア投資について機関投資家がどう考えているかを知りたいということです。確かに、オフショア投資の運用金額は、まだまだ相対的には低いかもしれません。だからマイナーだというわけです。それは、オフショア投資をしているのが個人投資家ばかりで、機関投資家が本格的に乗り出していないからでしょう。それはなぜなんでしょうか。機関投資家がオフショア投資を危険だと考えていて乗り出せない(乗り出さない)のか、それとも、機関投資家が多額の資金を持っているために、税務当局などに目を付けられていて、やりたくてもやれないのか、オフショア投資は、表面的にハイリターンのように見えるけれども、何かと手数料がかかって、実際はそうでもないと考えているのか、はたまた何か他の理由があるのでしょうか。このあたり、機関投資家のホンネを聞いてみたいものです。(ちなみに欧米の機関投資家はすでに乗り出しています。)
 第3に、乙がオフショア投資を行っている人間の一人として考えた場合でも、オフショア投資がメジャーになって何も困らないと思います。乙は、富裕層ではなく、単なるゴミ投資家なので、本当の富裕層の考え方を知りませんが、既得権益は何もないと考えています。乙は脱税もしていませんが、すでに脱税している人から見ると、メジャーになることは過去の悪事の露出につながりますから、知られたくないのでしょうかね。
 乙は、上記の(4)の人たちの考え方を代弁することはできませんが、乙の知らない何かいい話があるのでしょうか。ぜひ知りたいものです。
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2006年08月15日

乙の投資スタイル(3)最初の出会いから投資の判断に到るまで

 乙が、今、投資しようと思っている金融商品は、数種類あります。
 広告やウェブサイト、メルマガなどを見ていると、いかにもおいしそうな話が見つかります。セミナーなどに参加することもあります。そういう話はメモに残します。乙はゴミ投資家で、投資に回せるお金がそうたくさんはありませんので、そのうち投資しようと考えます。普段から数種類の商品がメモしてあります。
 メモを見ながら、時たま WWW で検索して各種サイトをのぞいてみたり、いろいろ他人の評判を聞いたりしています。時には、販売(仲介)業者に問い合わせることもします。目論見書を一読するにしても、海外の場合は英語ですから、そんなに簡単に読み切れません。こんなことをしながら、金融商品は、いきなり購入するのでなく、数ヶ月考えてから投資するといいと思います。これは、特に高額のもの・海外のものに当てはまります。「今すぐ買わなければならない」ような金融商品は絶対にありません。それは販売側のいうことであり、投資家としては、急がずにゆっくり考えることです。乙には本業の仕事もありますから、毎日金融商品ばかり調べているわけにもいきませんが、気になるものはメモしておいて、土日など、時間の余裕があるときにそれについて調べたりすればいいのです。
 こうして、乙は、メモ(投資予定一覧)を見ながら、ときおり調べて考えるというスタイルを用いています。そして、今までに購入したものを見ながら、投資先のバランスを考えたりして、次の購入にふさわしいものを選びます。
 決心が付いたら、いざ購入に進みます。実際は、お金がなくて、購入できないこともあります。しかし、それはただ待てばいいのです。乙はサラリーマンですから、給与という定期収入があります。また、他の投資が償還されることもあるし、臨時収入があったりもします。そういうときに、メモを見て、そこまでで一番ふさわしいと思った金融商品に投資します。
 しかし、検討した結果、最終的に投資しないと判断する金融商品もあります。このブログでは、その一部を取り上げて、乙がなぜ投資しないと判断したかを書いてきました。必ずしも、悪徳商品だと主張するものではありません。そのときの乙の考えでは、投資するのは不要だと考えただけです。
 投資決定に時間がかかり、申込の締切を過ぎたりして投資時期を逃してしまっても、それは失敗でも何でもありません。もしも本当にいい商品ならば、また投資できる機会が回ってくるものです。そういう機会が回ってこなかったら、縁がなかったんだとあきらめて、別の商品を探せばいいのです。「これしかない」というような金融商品はありません。これがダメなら別のがあるさ。この考え方でいきましょう。モットーは、あわてず、あせらずです。
 乙の実例では、最初に金融商品の説明を受けてから、最終的に投資(購入)の決心をするまで、最長のケースで8ヶ月かかった例もあります。
 購入のタイミングは無視しています。結果としてのパフォーマンスに影響するのは事実ですが、購入時にはその後のことは予想できません。長期投資を基本と考えれば、購入タイミングが数ヶ月くらい早くても遅くても、何も差がないようなものです。
 乙は、自分がこんな投資スタイルを取っていることを、最近意識するようになってきました。
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2006年08月14日

乙の投資スタイル(2)ドルコスト平均法は採用しない

 乙の投資スタイルとして、追加投資をしない
http://otsu.seesaa.net/article/22281508.html
ということは、ドルコスト平均法は採用しないということを意味します。また、毎月積立のような金融商品は購入しないということになります。
 なぜか。
 第1に、ドルコスト平均法では、資金の効率が悪くなるということです。
 たとえば、手元に100万円があって、それを投資する場合であれば、何も10ヶ月に分割して10万円ずつ投資するという必要はありません。株への投資を考える場合、バイ・アンド・ホールドを原則にするならば、一般に株価が上昇していく時期に投資するべきで、そうでない時期には休むべきです。(株価が上がろうが下がろうが、超長期にわたってずっと保持し続けるという考え方は、それはそれとしてもちろん有効ですが、ここでは、そうでない例を考えています。)ドルコスト平均法は、株価が下落する(ことがある)時期には有効な考え方ですが、上昇する時期には不利な考え方です。株に投資すると決めた時点で、今後は株価が上昇すると見込んでいるでしょうから、最初に全額を投資するべきです。10ヶ月に分割して10万円ずつ投資するということは、遊んでいるお金を抱えていることと同じで、運用としては効率が悪い方法です。最初の月などは、90万円を寝かせておくことになります。
 ファンドの場合でも話は同じです。基準価額が上昇することを前提に購入するべきです。
 今後、価格が上昇するか下降するかわからない(変動することは確実だ)という場合は、ドルコスト平均法もそれなりに意味があるかと思いますが、乙だったら、そういう場合は投資しないでしょう。
 第2に、ドルコスト平均法は、同じ投資先への集中投資になり、分散投資という原則に反します。
 もしも採用するときは、本当にわずかの金額で始めるべきでしょう。しかし、そんなにわずかの金額を継続的に投資することにどれだけ意味があるのか、疑問に思います。それよりは、そのときどきのダイナミックな運用を心がけたいと思います。
 第3に、海外ファンドの場合に当てはまりますが、少額の両替・送金はコストが高いということがあります。
 毎月の定期収入の一部を少しずつ両替して海外に送金すると、送金額が少なくなり、コストの比率がかなり大きくなります。乙は、両替・送金のコストを下げるために、FXを利用して両替・送金していますが、
http://otsu.seesaa.net/article/19814060.html
1回の両替単位は、1万米ドル、1万ユーロになりますから、毎月両替すると1年で1500万円程度になります。隔月の送金でも 700-800 万円になります。乙の給料ではそれは無理です。というわけで、海外ファンドでは、ドルコスト平均法は採用しないことになります。

 というようなわけで、いくつかの理由から、乙は(自分の投資に関して)ドルコスト平均法は採用しないことにしました。
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2006年08月13日

乙の投資スタイル(1)追加投資をしない

 乙はいろいろな金融商品に分散投資していますから、それを一通り解説するだけで何ヶ月もかかってしまいます。ところで、それらを一覧すると、乙の特徴がわかります。それは、同じ金融商品を同じ金融機関で2回購入したことはないということです。(株は別です。)
 なぜか。
 二つの理由があります。
 一つは、乙が分散投資を心がけたからです。同じ商品を2回購入するくらいなら、別の商品を探すようにしてきました。その結果、必然的にこうなったというわけです。
 もう一つは、乙が、すべての金融商品をそれぞれ分けて、自分の購入した金融商品の騰落率をきちんと把握したいと思ったからです。同じ金融商品を2回以上購入すると、購入単価・購入時期とも把握しにくくなります。そういうのはきらいなのです。
 なお、乙が妻の50万円の運用を請け負っている
http://otsu.seesaa.net/article/17248232.html
という事情もこの投資スタイルに影響を与えています。
 騰落率の把握は、投資信託の場合の手数料の明確化とも関連します。投資信託では、手数料の高低によって運用成績がかなり変わってきます。したがって、手数料には敏感にならなければなりません。たった 1% の信託報酬でも、10年も続ければ 10% が運用資産から引き算されるのですから、影響が大きいのです。同じ商品を何回も購入していては、手数料がどれくらいかかっているか、意識しにくくなってしまい、よくないと考えます。
 同じ金融商品を2回買う場合は、買う金融機関を変えるようにしています。HSBC インドオープンは、その例です。
http://otsu.seesaa.net/article/15832140.html
 乙のスタイルでは、したがって、保有する金融商品の種類が多くなり、管理が大変になるわけですが、まあこれはしかたがありません。今のところ、月1回のペースで、全部の投資先の運用状況(時価)を確認して記録しています。

 ただし、今後は、同じ金融商品を2度購入することがあると思います。追加投資ということになるわけです。ある程度経験を積むことで、それまでの運用成績がわかりますし、独立系のファンドでは、どんな報告書をどれくらいの頻度で送ってくるかなどを通して、顧客対応のようすなどもわかりますので、「いい」ところに追加資金を回すようにするのがいいと(単純ですが)思います。
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2006年08月11日

乙が運用する外貨の比率

 乙が外貨で運用している分を通貨別に集計してみると、
米ドル     68.4%
香港ドル    11.7%
ユーロ     11.6%
カナダドル   4.6%
南アフリカランド 3.6%
となります。
 自分の保有する資産に関して、通貨の配分をどう考えるべきかは何ともいいがたい問題です。
 浅川夏樹氏によると、
http://blog.business-i.jp/asakawa/2006/07/post_f01a.html
国際通貨基金(IMF)が発表した2006年3月現在の世界各国の外貨準備の構成比率は、米ドル66.3%、ユーロ24.8%、ポンド4.0%、円3.4%、その他1.5%という比率だそうですから、このあたりが目安になりそうです。
 これと比べると、乙の保有資産では、ユーロが少ないように思いますので、今後はユーロによる投資を増やそうと思います。
 香港ドルが多いのは、乙が中国株に投資しているからです。自分でわかってやっていることですから、多すぎるということではなく、これはこれでいいと思います。
 昨日のブログで述べたように、
http://otsu.seesaa.net/article/22159344.html
乙は保有資産の中で外国債券が少な目です。したがって、これから通貨配分を考えてユーロの比率を増やそうとすれば、ユーロで外国債券を購入するのがいいということになります。たとえば、ドイツかフランスあたりの国債を買うのがよさそうです。
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2006年08月10日

乙のポートフォリオ

 昨日までの段階で、現在の乙の投資先について、一通りの解説が終わりました。
 この時点で、乙のポートフォリオがどうなっているかを示しましょう。例によってワンルームマンションは無視しています。2006年7月末の段階です。

単位は%   円  外貨  合計
──────────────────
預貯金    9.0   0.6   9.6
ファンド  11.6  45.1  56.7
 (日本株)   1.6   0.0   1.6
 (外国株)   3.8  19.5  23.3
 (外国債券)  0.7   8.3   9.0
 (外国不動産) 0.9   7.1   8.0
 (外国商品)  0.0  10.2  10.2
 (その他)   4.6   0.0   4.6
株式    14.4   5.7  20.1
債券     0.0   1.9   1.9
不動産    7.5   0.0   7.5
その他    4.2   0.0   4.2
──────────────────
合計    46.7  53.3  100.0%

 海外での運用はすべて外貨建てですが、国内の運用は円建てと外貨建てがあります。上の表では、運用先の所在地としての国内・海外の区分でなく、円・外貨の区分にしましたが、外貨建て運用の大部分は海外での運用です。
 ただし、上の表では、日本株のETFは(ファンドではなく)国内の株に入れてあります。ランド・バンキングは不動産でなくファンド(の中の外国不動産)に含めました。
 円での運用額よりも外貨のほうが多くなっているのは、最近の傾向です。今は、国内の投資で償還されたものは海外で運用するようにしていますので、
http://otsu.seesaa.net/article/12800956.html
今後ともこの傾向が続くでしょう。

 上の表を、投資対象の伝統的な分類に従ってまとめ直せば、次のようになります。
預貯金  9.6%
日本株  16.0%
外国株  29.0%
外国債券 10.9%
不動産  15.5%
その他  19.0%
 日本の債券がゼロなのは、日本の金利が低いためです。外国債券も少な目です。外国株はやや多めで、その他 19% もやや多めかもしれません。マネージド・フューチャーズなどのオルタナティブ投資が多いということを意味しており、全体に、ハイリスク・ハイリターンを志向するポートフォリオになっていると思います。
 乙の場合、必ずしも、事前にアセット・アロケーションを考えていたわけではありません。
 おもしろそうな金融商品を探し求めて購入していたら、結果的にこんな比率になりました。
 なお、マルキール氏
http://otsu.seesaa.net/article/21985368.html
が勧めている年齢別比率で、乙の実年齢に比較的近い50代半ばの投資家のところを見ると、株式 45%、債券 37.5%、不動産 12.5%、現金 5% とあります。これを基準に比べてみると、乙は債券が少なすぎ、「その他」が多すぎることになります。しかし、わかってやっていることですから、まあいいでしょう。
続きを読む
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2006年06月19日

円高と円安

 乙は、資産の一部を外貨(主として米ドル)で運用しています。しかし、日本で生活している人間としては、最終的には円に替えて消費することになります。
 外貨による資産運用のことになると、為替リスクがよく問題になります。ここでは、それに対する乙の考え方を示します。
 今、1ドル120円前後ですね。しかし、しばらくすると、円とドルの為替レートが動いてしまいます。今から15年後、為替レートはどれくらいになっているでしょうか。
 1985年のプラザ合意のころ、1ドルは 235 円でした。それが1年後には1ドル 120 円くらいまで円高が進みました。では、15年後には、もっと大幅に動いてしまうのでしょうか。乙はそうでもないと思います。アメリカで生活してみると(あるいは旅行でもいいですが)、お店で買い物をしたりするときの生活実感(物価水準)として1ドル 100 円くらいではないでしょうか。プラザ合意後の円高は、本来あるべき水準になっただけのように思います。つまり、それ以前が円安にすぎたのです。ざっと考えて、為替レートは20年で2倍くらい動くものだということになります。
 ところで、過去最高の円高は1995年4月19日につけた79円75銭です。そのあとの円安は1998年8月11日の147円64銭です。この両者は過去約10年間の高値と安値でもあり、高値と安値の間で2倍程度の変動はあり得るということです。
 では、15年後の為替レートを具体的にどれくらいの幅で推定すればいいでしょうか。乙はざっと2倍だろうと予想します。円安に振れれば1ドル 240 円くらいだろうし、円高に振れれば1ドル 60 円くらいだろうと思います。3倍だと、それぞれ 360 円、40 円になりますが、日米での生活実感から考えて、これはかなり不合理なレートのように感じます。
 ついでですが、為替レートには、マイナスの値ということはあり得ませんから、為替レートの変動は足し算・引き算(プラスマイナス60円など)で考えるべきではなく、かけ算(何倍とか、何分の一とか)で考えるべきです。特に大幅な変動を考える場合はかけ算にしないといけません。
 さて、1万ドルを運用しようと思うと、まずは120万円を用意して、それをドルに両替します。その後、円安になって1ドル 240 円になると、1万ドルは 240 万円になりますから、日本で生活するものにとってはめでたしめでたしで、この点では特に問題にはなりません。円高になって1ドル 60 円になると、1万ドルは60万円にしかなりませんので、非常に大きな損失になると考えられます。
 しかし、1万ドルがそのままであるわけではなく、それを運用しています。乙は、15年にわたって7%で運用することを目指しています。すると、単純計算によれば、元本は15年後に 1.07**15=2.76 倍になってしまうのです。1万ドルは 27,600 ドルになっています。ですから、円高でレートが1ドル 60 円になっているとしても、27,600×60=1,656,000 円に相当し、120万円の元本から考えれば38%増なんです。つまり、15年で2倍くらいの円高は、そんなに困るものではないということになります。
 今後、円高になると、円で給料をもらっている人としては、もらう給料の価値が上がるわけで(世界中から安い値段で物資が買えますから)、ある意味で嬉しい話です。乙の場合でも、今、ドルで運用している金額よりも、これから(円で)もらう給料のほうがはるかに多いわけですから、その意味からも円高は悪いことではありません。
 というわけで、外貨での運用は、(特に長期的視野から見れば)為替レートの上下を心配してもしかたがないように思います。つまり、外貨での運用は、為替レートの変動が大きいという意味では確かにハイリスクですが、15年後を見据えてみれば、そんなに大きな問題ではないということです。
 もちろん、世界戦争とか、アメリカの財政破綻とか、関東大震災や原発の大事故とかの大きな事件があって、為替レートが通常と大きく異なるようなことになれば、ここでの話はあてはまりませんが、そんなことを考えてもしかたがないですからねえ。まあ今の世の中が15年後もそのまま続いていると考えておくのが常識的な見方でしょう。
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2006年05月01日

妻の50万円の運用

 今回は、具体的な金額を含めた話を書きましょう。
 このブログでは、いろいろ個別の金融商品について書いてきましたが、2005年10月に乙がいくつかまとめて購入していることに気づいた人がいるかもしれません。
 実は、このとき、乙の妻が50万円を乙に預けて、3〜4年くらい適当に運用してほしいということになりました。そして、乙は運用資金の上昇額の2割という「成功報酬」をもらうことになりました。
 元々、妻は預貯金一本槍の人間でしたので、「これからは貯蓄よりも投資だ」と乙が何回も言い含めて、何とか一歩を踏み出させたのです。妻としては「パーになってもいいつもりで」50万円を出したようです。
 50万円の運用といえば、ほぼ投資信託しかありません。
 乙は、さっそく自分の取引している証券会社と銀行の投資信託をあれこれ調べて、次の7種類の投資信託を購入しました。(金額は各種手数料・消費税込みです。)

(1)外国債券   100,000円 LM オーストラリア毎月分配型ファンド
http://otsu.seesaa.net/article/16876491.html
(2)REIT(世界) 100,000円 DIAMワールド・リート・インカム・オープン
http://otsu.seesaa.net/article/14666447.html
(3)アジア株    48,433円 JPMF-JFアジア株・アクティブオープン
http://otsu.seesaa.net/article/17180574.html
(4)中国株     47,055円 三菱UFJチャイナオープン
http://otsu.seesaa.net/article/16709943.html
(5)ヨーロッパ株  52,249円 ピクテ・ヨーロピアンオープン
http://otsu.seesaa.net/article/17090586.html
(6)インド株    96,473円 HSBCインド・オープン
http://otsu.seesaa.net/article/15832140.html
(7)日本株     55,790円 DKA・株式オープン
http://otsu.seesaa.net/article/16481240.html

 これは、2005年10月段階で乙が50万円を運用するとすればこうするという答案を書いたようなものです。
 一応、分散投資を考えながら、ハイリターンをねらうために世界の株を中心にし、外国の不動産や債券にもいくぶんかは配分し、特に大きなリターンがねらえる(と思った)インド株にやや重点的に資金を配分したものになっています。
 ポートフォリオとしては外国の株が半分を占めるので、あまり一般的ではありませんが、資産を積極的に増やすためには、ハイリスク・ハイリターンでなければなりません。
 結果はどうなったか。
 2006年4月28日段階ですが、次のような結果です。

(1)LM オーストラリア毎月分配型ファンド 99,282円
(2)DIAMワールド・リート・インカム・オープン 109,937円
(3)JPMF-JFアジア株・アクティブオープン 58,011円 + 分配金1,372円
(4)三菱UFJチャイナオープン 62,645円
(5)ピクテ・ヨーロピアン 61,730円
(6)HSBCインド・オープン 123,288円 + 分配金1,620円
(7)DKA・株式オープン 70,509円
合計=588,394円

 それぞれが投資信託ですから、申込手数料がかかっているケースが多く、その分いわばマイナス数%からスタートしたことになります。
 今の段階で、まだ7ヶ月しか経っていませんが、元本に対して合計で 18% ほど上昇しています。この調子でいけば、1年で3割のリターンとなりますが、さて、ホントにそうなるでしょうか。少なくとも、日本円の定期預金(2005年10月当時は年0.03%)よりは大きなリターンになると思われます。
 乙から妻には、毎月1回50万円の資産がどうなったかという運用レポートを書いています。乙は、報酬として上昇分の2割をもらうと、現段階で1万7千円ほどの小遣いを稼いだ計算になります。(厳密にいえば、税金が引かれますが。)まあ、それは大したことではありませんが、乙としては、こういうことで、妻を実地教育しているつもりです。投資の意味が妻にも少しはわかってもらえたかもしれません。
 なお、いうまでもありませんが、上のアセットアロケーションは50万円だからこういう答案を書いたのであって、500万円ならば、単純にこれらを10倍した金額をそれぞれに投資するわけにはいきません。5000万円ならば、もっとずっと違ったものになります。
続きを読む
ラベル:投資信託
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2006年03月13日

自分の死後とブログの執筆方針

 乙は、15年計画で資産運用を考えています。http://otsu.seesaa.net/article/12436639.html
 しかし、途中で、乙が事故か病気で突然死んでしまうかもしれません。
 その場合、妻か子供かが乙の身辺を整理することになりますが、資産運用の話はどうしたらいいか、迷います。
 素人が、国内外のいろいろなところに分散投資されているものを引き継いで、うまく運用していけるものでしょうか。乙は長期投資を考えていますから、短期的にどうこうする必要はなく、しばらくほっといてようすを見るのでもいいのですが、少なくとも、妻と子供には、乙の資産運用を引き継いで、何とかしてもらわなければなりません。まあ各種契約を全部解約して、現金を妻と子供で分けて、あとは各自で考えるというのでもいいですが、やはりそれではせっかく乙がいろいろ工夫してきたことが全部ムダになるような気がしてもったいないと思います。できたら、投資を継続して、必要になったら少しずつ現金化するようにするのが望ましいと思います。そのためには、資産運用の知識・方針を持つことが必要です。
 そこで、このブログに資産運用・投資に関わる話をいろいろ書いておき、乙が死んだときには、妻と子供にこのブログを一読してもらうというのはどうかと考えました。
 自分の死後に、個別の金融商品に関して具体的にどうこうしろと書き残すのはなかなかむずかしいし、それを書いた後で時間が経ったら、書いたことは必ずしも望ましいことではなくなってしまいます。ですから、今の乙にできることは、それぞれの金融商品を購入する(そして現在継続する)にあたって、何をどう考えたかを記録しておくことです。また、解約しようと思ったものについても、なぜ解約を考えたかを書きとめます。さらに、申し込もうと思って結局申し込まなかったものについても、その理由を書いておきます。それらを読めば、今後の処置についても自ずと判断できるでしょう。書いてある内容は「投資に関してこれが正しい」という考え方ではなく、乙が個人的に考えてきたことであり、残された家族はこれに必ずしも従う必要はないということになります。
 あまり長くなっては(家族が読むのに時間がかかるので)いけませんが、それにしても、毎日、乙川乙彦が考えたこと、感じたことを書きとめたものがこのブログですから、それを一読すれば(できれば)乙の考え方が全部伝わるように思うのです。
 そんなわけで、このブログは、乙の残された妻と子供のために、妻と子供を教育するつもりで、資産運用に必要なことをまとめて書き残すことにしました。
 このようなことから、このブログは、次のような方針で書くことになります。
(1) ウソや創作は一切書かない。
 妻と子供にウソはつけません。すべて乙が自分で経験してきたことを書きとめます。
(2) 投資金額の絶対値(つまり運用中の資産の総額)はどこにも書かない。
 妻と子供のために書くにしても、ブログは公開の場でもありますから、他人も読めます。資産の総額によって、投資の考え方も変わってくるので、投資の考え方を正確に理解するためには、運用資産の総額を知ることも必要なことです。しかし、これは乙にとって最大の秘密情報になります。また、時に応じて変化していきます。したがって、(ブログをあちこち読めばある程度は推測できるでしょうが)自らは書かないようにします。
(3) 乙の本名は完全に伏せる。
 これも大きな秘密です。ブログの運営会社(seesaa)はもちろん知っているわけですが。
 乙の本名を知らせるのは、妻と子供の範囲だけにします。乙が、乙のブログはここ http://otsu.seesaa.net/ だと家族に伝えればいいのです。
 したがって、妻と子供から、第三者にこのブログの宣伝をしてはいけないし、乙がこういうことをしていることを言ってもいけないということになります。
(4) 会社名・商品名などは、伏せ字は使わず、差し障りのない範囲で実名主義で行く。
 ウソは書かない方針ですから、伏せ字にするのは、ウソをつくのと同様で、避けるべきことになります。
 ただし、個人名は基本的に伏せることにします。相手のプライバシーがありますから、当然です。
 本の場合は著者名が公表されていますので、実名主義でも何ら問題ありません。また、会社名・商品名も公表されており、WWW 上で各種情報が得られるようになっているのが普通です。したがって、それを伏せる必要がありません。
 この結果、検索エンジンなどでブログの記事を探して来てくれる人がいるかもしれません。そういう人にも何らかの意味で役立つかもしれません。
(5) 詐欺と思われるようなケースでも、そう断定して書くことはしない。
 先方から乙の行為が名誉毀損・営業妨害だなどと言われる(訴えられる)こともありうるので、その対策として、この方針で行きます。したがって、「乙は、投資家として判断して、この商品には投資しない」ということを書くにとどめます。
 自分が投資しない商品は、安心できないもの、リターンが大きくないもの、類似の他の金融商品に投資した方が望ましいもの、などになります。
 もっとも、最低投資金額が大きすぎて、投資したくても、投資するべきお金がなくて投資できないケースがたくさんあるわけですが、それは書いても意味がありません。
posted by 乙 at 05:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月05日

15年の資産運用期間と円と外貨の比率

 乙は、すでに書いたように(http://otsu.seesaa.net/article/12436639.html)15年の資産運用を考えています。
 この期間で、外貨建てと円建ての運用をどうするか、いろいろ考えてみました。なお、ここで外貨建てというのは、海外での資産運用ということとは別です。実際は、多くは重なってきますが。国内で外貨で運用するものがありますが、これは外貨建てと考えます。海外で円で運用するものもありそうですが、乙はこういうものには手を出さないことにします。海外でドル建てで日本株に投資する場合は、外貨建ての運用と考えます。
 2005年は、乙にとっての投資元年で、わからないながらもいろいろなものに手を出してみました。その結果、2005年末には、乙の外貨建ての資産と円建ての資産がだいたい半々になりました。最初から意図していたわけではありません。たまたまこうなったということです。
 そこで、これから15年のことを考えました。そんな先のことを考えてもしかたがないような気もしますが、大事件が何もなく平穏無事に過ぎたとした場合は考えておいてもいいでしょう。その結果、特に根拠があるわけではありませんが、次のようにしたらいいのではないかと思いました。
 まず、通常の収入の一部を投資に振り向ける場合ですが、今後15年を5年ずつ3期に区切り、最初の5年(2006-2010年)は、すべて外貨建てで投資しようと思います。次の5年(2011-2015年)は、外貨と円とで半々にします。最後の5年(2016-2020年)は円で投資します。
 また、2005年に円建てで投資したものが2006-2010年に満期(償還)を迎えた場合、それを外貨に両替して海外で運用することにします。2011-2015年に満期を迎えたものは外貨と円で半々になるようにしますが、外貨を円に両替することはしないようにします。2016年以降に満期を迎えたもの(および満期が来なかったもの)はそれぞれの通貨で投資します。
 なぜこうすることを考えたか。
 第1の理由として、海外での投資は、何かとコストがかかり、短期では割に合わないことが多いように思うからです。たとえば、投資信託の申込手数料は、日本国内よりも海外の方が高いように思います。国内では、高くても 3.15% で、たいていはそれ以下でしょう。しかし、海外では 5% くらいのものがザラにあります。申込手数料が高いということはその分長期投資に向くということであり、短期で解約しては損になります。また、外貨も最終的には円で使うことを考えると、海外での運用には少なくとも往復の為替手数料がかかりますから、これによっても、海外のほうが国内よりもコスト高となります。それを考えると、海外投資はなるべく長期投資にする(両替はなるべくしない)必要があります。短期投資は国内で行った方がいいわけですから、最後の5年は(新規投資分は)国内で円建てで投資することになります。
 第2の理由として、日本の財政破綻の懸念があります。今の調子で国の借金が増えていくならば、いつかは日本の財政が破綻します。起こりうるのは、ハイパーインフレ、超円安、株価暴落、国債暴落、大不況、失業の蔓延、……です。預金封鎖があるかもしれません。問題はいつそれが起こるかですが、国債発行の増大のようすなどを見ていると、あと5〜10年程度で起こるように思います。少しくらい「構造改革」しても、10年を超えて国の財政が「もつ」ことはないように思います。だとしたら、それまでになるべく円建て資産を海外の外貨建て資産に移した方がいいということになります。乙は5年程度で資産のかなりの部分を海外に移すつもりでいます。しかし、政府の努力(あるいは奇策)で財政破綻は起こらないかもしれません。外貨は、どうせ最終的には円に替えて使うことになるのですから、それでも大きな損失にならないようにするためには、大部分を海外に移動するのでなく、「ある部分」にとどめるのがよいと思います。それを何%などと比率で決めるのでなく、投資時期で決めようと思います。結果的には保有通貨の比率が変わっていくわけです。
 だいたいのイメージとしては、2010年までは円が増えずに外貨が増える時期です。2015年までは、外貨も増えるけれど円も増えます。2020年までは外貨は増えずに円が増えます。
 2020年以降は、退職して、年金生活に入りますから、収入を投資に振り向けることはなくなり、資産運用で生じるリターン分を生活費に充てることになります。それとともに、外貨と円のそれぞれの資産を適当に取り崩しながら使っていくことになるでしょう。その場合、円資産を先に取り崩すでしょうから、年取って死ぬころには外貨建ての資産だけが残っているようなことになるかもしれません。子供への遺産は外貨の方がいい(手軽に使うわけにはいかないから)と思います。
 こうなるといいのですが、一時の夢・計画倒れで終わるのでしょうか。
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posted by 乙 at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月29日

投資の目標

 投資には目標が必要だといわれます。何のために投資するかということと絡みます。
 そもそもこのブログにいろいろ書き始める前に、それを書いておくべきでした。
 乙は、15年後を目標にしています。そうです。乙の退職の予定日です。その日を目指して、その後の老後を安心して迎えられるように、15年かけていわば個人年金を作ろうとしています。
 そして、その15年間に利回り7%で資産を運用したいと考えています。これが目標利回りです。
 乙はゴミ投資家で、今ある資産はわずかですが、これから毎年の収入の一部を投資に回し、7%で運用し続けることができれば、15年後はめでたくハッピーリタイアメントを迎えます。その後、資産を5%で運用すると、運用益だけでそこそこの生活ができるようになるはずです。この運用益は一生続きますから、年金(国民年金、厚生年金、共済年金)が破綻しても、まあ食うには困らないはずです(少なくとも計算上は)。
 7%の運用というのは、目標として高すぎるでしょうか。乙はそうは思いません。実は、10%を目標にして運用したいのですが、ハイリスク・ハイリターンの投資を考えると、10%以上になることもあるけれど、マイナスになることもあるでしょう。また、中にはミドルリスク・ミドルリターンのものもあるということが考えられます。ということで、平均すれば7%程度ではないかと考えています。
 乙は、期待利回りが7%未満のものでも、投資しようと思います。全体の平均が7%ですから、一部に低い利回りのものがあってもかまいません。その部分で着実にリターンがあれば、それはそれでいいことです。しかし、期待利回りが3%程度だったら……う〜ん、たぶん投資しません。最低でも5%くらいはほしいところです。何といっても「期待利回り」であって、結果としてそうなったのとはわけが違いますから、初めから低い利回りのものには投資しないようにするべきです。
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posted by 乙 at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする