アメリカの E*TRADE 証券での苦い経験をもう一つ書きましょう。
前回は、
http://otsu.seesaa.net/article/32620299.htmlで書いたように、a,b,c の3種類の債券を買おうとして、a,b,c,c と四つを購入してしまい、c を一つ売却して元に戻った(少し損失を出した)という経験でした。
その後、数日して、自分の口座をチェックしてみたところ、また仰天してしまいました。何と、a,b だけが入っており、c が売却されていたのです。
すぐに E*TRADE に連絡したところ、次のような返事でした。
Order 6 was placed by you on our website as well as order 5. Thank you for your inquiry but no adjustment is due to order 6.
つまり「あなたが2回売却操作した」というのです。ちなみに、order 1 から 4 は a,b,c,c と購入したことを指しています。今回、5 と 6 の2回の売り注文をしたというわけです。
乙は、非常に慎重にパソコンを操作したので、2回売却などというバカな操作は絶対していません。
その後、E*TRADE から再度メールがあり、
We have looked into order #6 and the client did not place this order. It was just an order to clear up a duplicate buy. It was for the cancel and re-bill.
ということでした。私の誤操作ではないということははっきりしましたが、この説明には、納得できません。
再度、事情を書いておきましょう。
a,b,c,c という状態になったときに、乙は Help Center 経由でメールで連絡しました。その内容は、「a,b,c,c を購入したことになっているが、元々、a,b,c と買いたかったのであって、c は一つ余計だ。キャンセルしてほしい。キャンセルできないならば、売却したい」ということでした。最後の部分は、英語では次のような書き方をしました。
Please cancel the fourth order.
Or, if it is not possible to cancel, I will sell it soon.
その後、アメリカまで電話して、直接担当者と相談し、キャンセルはできないことを確認し、売却しかないということを聞いたので、一つを自分の操作で売却したのでした。
乙が思うに、E*TRADE 証券による債券の売却は、いくつかのミスをしていると思います。
(1)顧客からのメールで、債券の売買をしてはいけない。
そもそも、顧客から債券を売却したいというメールがあっても、それだけで、証券会社は売却をしてはいけないと思います。普通の e-mail ではなく、(Help Center 経由での)個人認証を経た上でのメールですから、本人確認はされています。乙は「なりすまし」を心配しているのではありません。メールでの連絡で取引ができてしまうなら、ネット取引の大前提が崩れてしまうのです。証券会社は、顧客のネット取引での操作に従って購入・売却するというのが本来の姿勢です。メールで意思表示があったからといって証券会社が売却してしまうこと自体が問題です。
ネット取引の場合でも、2回操作する間違いを防ぐために、最後に「以上の条件で売却してもいいですか」と確認して、「確認」をクリックさせるべきですが、まあそれは別問題なので、ここでは触れません。
「売りたい」というメールがあった場合、まず証券会社がするべきは、顧客に WWW での売却の操作を説明し、自分で操作するように促すことです。顧客が本当に売却したいならば、自分で当然そうするでしょう。売却よりもはるかに複雑な購入手続きを自分でしているのですから、売却だって自分でできるのが当たり前です。
乙が書いたことは「I will sell it soon.」であって「Please sell it soon.」ではないのです。この文面では、乙が自分で操作するとしか読めないと思います。(by myself を入れれば完璧ですが。)
メールでも売買ができるというのは恐いです。WWW でも売買できて、メールでも売買できたら、指示が混乱しかねません。今回はその典型例です。
(2)顧客からのメールの意味を取り違えている。
乙からの連絡は、単に「c を売却したい」ではなかったのです。「a,b,c,c と買ってしまったので、c を一つキャンセルしたい、キャンセルが不可能ならば売りたい」というのが趣旨です。であれば、メールでの指示に従って E*TRADE 側で c を売却する場合、メールに書いてあった前提となる条件を確認するべきです。顧客のメールがいうように、本当にこの口座に a,b,c,c と入っているかということです。
確認すれば明らかなように、その時点では、口座に a,b,c しか入っていなかった(乙が自分で c を一つ売却した)のですから、メールに書いてあることと現状が一致していないわけです。だとすれば、顧客に状況を確認するべきです。そういう状況で c を一つ売るという操作をすることは信じがたい行動です。
(3)E*TRADE 社内の連絡が不十分である
乙は、電話で相談して、c を一つ売却するようにいわれました。ですから、それにしたがった操作をしたわけですが、その電話での担当者と、乙からのメールを読んだ人との連絡が不十分です。
電話での連絡でも、情報は社内で共有するべきで、コンピュータの個人別問い合わせ一覧のようなところにその内容を書いておくべきでしょう。
乙は、今回の一連の出来事を重視したいと思います。E*TRADE 証券のネット取引の仕組みは、こういうトラブルを招きやすいということです。
乙は、今まで、日本のさまざまな証券会社や銀行と HSBC 香港とでネット取引をしてきました。それらと比べると、アメリカの E*TRADE 証券は、いくつかの点で取引の仕組み・考え方が根本的に違っていると思います。
普通ならば、こういう会社とはもう取引したくないので、債券を全部売却して、現金を引き上げ、口座を閉じてしまうところです。今後もさまざまなトラブルが予想されるからです。しかし、それでは、あまりに悔しいので、もう一回 c を購入して、あとは償還を迎えるまでそのままにしておこうと思います。
乙は、E*TRADE の社長宛てに抗議の手紙(担当者の実名入り)を送ろうとも思ったのですが、そんなことをして、c の売却が間違いだったとなって、会社側の操作で c を購入されたりしたら、乙の操作とまた duplicate buy が起こりそうなので、止めておきます。
乙としては、ホントは、アメリカの E*TRADE 証券を株式投資の中心にして、アメリカ株や世界のマーケットに投資する ETF を購入したいと考えていたのですが、実のところ、もう恐くて、これ以上 E*TRADE と取引をしたくないと思っています。