2009年08月05日

Blackrock のファンドの conversion charge

 HSBC 香港からの連絡については、以前のブログで書きました。
2009.7.26 http://otsu.seesaa.net/article/124274436.html
あまり頻繁にファンドの転換をすると、手数料が発生するという話です。
 念のため、運用会社の BlackRock にも尋ねてみましたが、乙は該当しないようでした。単純に頻度だけで決まるものではなく、そのたびに動く資金量にもよるとのことなので、乙のような少額の個人投資家は、まず該当しないということです。
ラベル:conversion charge
posted by 乙 at 06:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月26日

HSBC 香港からファンドの conversion charge の連絡

 HSBC 香港から手紙が来て、BLACKROCK GLOBAL FUNDS の conversion charge を上げるという話でした。
 非常に頻繁にファンドの転換を行うと、2% の転換料を徴収するというのです。
 乙のように、ファンドは基本的に買ったらそのままにしておくというのと違って、頻繁な転換をする人がいるのですね。
 普通は同じ運用会社の中のファンドは相互に転換できるようになっています。手数料はきわめて低額(あるいは無料)が普通です。ということは、債券中心のファンドと株式中心のファンドがあれば、株価が上がりそうだということになれば、債券中心ファンドから株式中心ファンドに資金を移動し、さもなければ逆方向に移動するというようなことも可能になってくるというわけです。
 「頻繁な転換」が、一体どれくらいの頻度なのか、興味があります。投資信託ですから、値決めは1日1回であり、デイトレードのようなことはできないわけですが、月数回とかの資金移動をしている人がいるのでしょうかね。
 この件も、メールで HSBC 香港に聞いてみました。
 すると、

>The conditions that classified as excessively frequent conversions should be
>by Funds Manager's discretion. In this connection, I am sorry that we
>are unable to provide the conditions, like limit line or frequency.

というわけで、銀行からは教えてもらえませんでした。
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posted by 乙 at 03:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月05日

ヘッジファンドの苦戦

 乙が見かけた新聞記事です。5月1日の日本経済新聞朝刊15面でした。元記事は(表題以外は)縦組みでしたが、横組み用に数字の表記を変えて引用します。
ヘッジファンド苦戦
日本対象の昨年度 残高1兆2000億円減

 株式を中心に日本の資産に投資するヘッジファンドが苦戦している。2007年度の運用成績は年度べースで過去最悪を大幅に更新した。成績悪化を嫌気した顧客の解約もかさみ、年度末の運用資産は一年前に比べ約1兆2千億円減ったもようだ。足元では資金流出に歯止めが掛かりつつあるが、本格的な資金流入に転じるには運用成績の安定が条件になる。
 調査会杜のユーリカヘッジ(シンガポール)が、日本の資産だけを組み込んだ約260本のヘッジファンドを集計した。投資対象の約9割が株式で、割安株を買い、割高株を空売りする「ロング・ショート」と呼ばれる運用方式が大半を占める。
 07年度の運用成績はマイナス8.6%となり、同杜が調査を始めた00年度以降では最悪だった。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の深刻化で、年度後半に株式相場が急落したことが響いた。サブプライムローン問題の余波で投資家のリスク回避姿勢も強まり、解約も相次いだ。ファンドに資金を貸し付けていた金融機関の資金引き揚げも起きたようだ。
 この結果、07年度末の運用資産は226億5千万jと一年前に比べ107億6千万j減った。年問の平均為替レート(1j=114円)で換算すると、約1兆2千億円減ったことになる。減少は二年連続だが、減少額は06年度に比べ1.5倍強に膨らんだ。
 株式市場ではヘッジファンドの解約に伴う換金売りが、昨年後半以降、株価の上値を抑えてきた。ただ、3月下旬以降の相場回復で「換金目的とみられる売りは止まった」(欧州系証券トレーダー)との指摘もある。安定運用志向が強い国内の年金基金はまだ日本株ヘッジファンド投資に及び腰だが、運用成績がプラス基調になれば再び投資に動く可能性もある。

 ロング・ショート戦略といいつつ、運用成績が -8.6% になったという点が気になりました。
 もしも、割安株を買う戦略に資金の半分を、割高株を売る戦略に資金の半分を割り当てれば、株価が上がろうと下がろうと、儲けが出るはずで、それがロング・ショート戦略の基本です。しかし、運用成績が現実にはマイナスになったということは、ロング・ショート戦略といっていても、資金を半々に割り当てているわけではなく、割安株を買うほうに多めに割り当てているということです。
 最後のパラグラフでも、同様のことが読み取れます。「ヘッジファンドの解約に伴う換金売りが、昨年後半以降、株価の上値を抑えてきた」ということは、「割安株を買う」ほうに大量の資金を割り当てているということです。
 ヘッジファンドは、インデックスほどには値下がりしていないからいいという考え方もあるでしょうが、しかし、一般論でいえば、ヘッジファンドはインデックス投資と違う戦略をとるからこそ、存在意義があるわけで、インデックス投資をするためにヘッジファンドが存在するわけではありません。投資家の立場でいえば、インデックス投資に資金の大部分をあてて、一部の資金でヘッジファンドに投資するのであって、だからこそ、ヘッジファンドはヘッジファンドらしく、独自の(それぞれのファンドごとの)戦略で市場に立ち向かっていくべきだと思います。
 今回の日経新聞の記事は、ヘッジファンドが、自分なりの戦略をうたっていても、実はその戦略だけを真正面に据えて中心的に投資しているわけではないことを明らかにしてくれたように思います。「なあんだ、そういうことなのか」という感じでした。
 ヘッジファンドといっても、大部分のファンドは大したことをしていないように思えます。
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posted by 乙 at 06:13| Comment(1) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月06日

アクティブ投信が市場平均に勝てるか?

 3月2日の日経新聞の記事が、いろいろと波紋を広げているようです。
http://takaamahara.blog85.fc2.com/blog-entry-158.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2008/03/post_3369.html
http://layup.blog88.fc2.com/blog-entry-201.html
 乙は、新聞記事に触発されて、「アクシア」を購入してもいいかななどと思いました。
2008.3.4 http://otsu.seesaa.net/article/88183895.html
 ゆうきさんは
http://fund.jugem.jp/?eid=621
で、この記事を批判し、
相場の上昇期はインデックス投信よりアクティブ型投信とのことだが、そもそもこの記事は生存バイアスを考慮していないようだ。もともと成績が良くなければ、長期間生き残ることが難しい。そういった生き残ったアクティブ投信とインデックス投信を比較すること自体、あまり意味を見出せない

としています。
 生存バイアスというのは、あるときに多数のアクティブ投信が一斉にスタートしたとして、競争の結果、成績の悪いものが淘汰され(償還され)、結果的に生き残ったものは成績がよかったものになるから、「現在」時点で8年前から運用されているアクティブ投信を持ってきて、「ほら、こんなに成績がいいですよ」といっても、それは偏った(成績のよかった)データを見ていることになるということです。
 ゆうきさんのこの考え方は正しいと思います。しかし、問題は、その先にあるように思います。
 このように8年間の成績が、なぜよかったのかということです。
 インデックス投資の考え方からすれば、どんなファンドマネージャーも、市場平均以上の成績を継続的に出すことはできないので、これは単なる偶然にすぎないということになります。個別株投資でも、偶然が重なって、結果的に大儲けすることは確率論的には必ずあるので、アクティブ投信の場合もそれと同様だということになります。この考え方では、バフェット流の投資術で大きく勝ったことも、単なる偶然に過ぎないということになります。
 一方、長期バリュー投資(そう呼んでいいかどうかわかりませんが)の考え方では、株式市場には効率的でないところもあるので、バリュー株(なぜか割安になっている株)を発掘し、それを長期に保有し、割安でなくなったら売るようにすれば、平均以上に勝つことができると考えています。バフェット流の投資術は、(どういう秘策があるのかわからないけれども)確かに理由があって、バフェットはそれなりの株式選択のノウハウ(目)を持っているのだということになります。
 さて、ここで、長期バリュー投資の考え方からすれば、生存バイアスは、あまり気にしなくていいことになります。ダメなファンドが消えていくのは当然であって、その結果生き残ったファンドにはそれなりの運用技術があるのだと考えます。初めから、インデックスファンド全体とアクティブファンド全体の成績を比べる必要はなく、個人投資家にとっては「優秀な=好成績を上げ続ける」アクティブファンドが見つけられればそれでよいと考えますから、生存バイアスがあっても問題にならないのです。
 逆にいえば、ゆうきさんは、インデックス投資の考え方で上記のような批判をしているということになります。
 こうして、ここから先は信念の問題になってきます。8年間継続して好成績を上げてきたファンドを買った場合、その翌年以降にも継続して好成績が期待できるのか、そんなことはないのかという問題です。インデックス運用を説く本には、10年間の成績トップ10のアクティブファンドが、次の10年でどうだったかを示していたりします。多くは好成績を上げられないという結果です。しかし、これを当然だと考えるのは、かなり勇気が要ります。だって、投資のプロが運用し、バリュー株が結果的に好成績を残してきたという事実もあるわけですから、10年間で好成績を上げたファンドには、何かがあるように思えます。単なる偶然とは思えないのです。まさか、次の10年でぽしゃってしまうとは考えにくいのです。
 インデックス投資と長期バリュー投資の二つの考え方は、相互に矛盾しており、両方とも正しいというのはありえないのですが、乙は、どうもそれぞれにもっともだと思えるフシがあります。ただし、過去の(日米の株式市場の)データから見ると、インデックス投資のほうがいいようで、アクティブ投資の理念はわかるものの、結局コスト負けしそうな気がします。
 信念の問題ですから、何ともいえませんが、乙は、8年間の好成績を上げてきたファンドを少額買って、数年先を見てみたいと思いました。乙のような素人投資家は、自分で経験してみないと、どうも納得できないのです。まあ、その時点で好成績を残していたとしても、インデックス投資の信奉者からは「そんなのは偶然だ」といわれてしまうでしょうが。
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posted by 乙 at 08:01| Comment(1) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月03日

インデックスファンドはインデックスに勝てない

 少し前の話ですが、
http://otsu.seesaa.net/article/87133805.html
に「しょんころすけ」さんからコメントがありました。
「AllAbout北川邦弘の資産運用のノウハウ」 の2007年11月12日の記事 「インデックスファンドは負けないというウソ」の中で、インデックスファンドが市場の指数に対し5年間でMSCI世界株の場合17%も負けているという記事を見てびっくりしてしまいました。また同じく2005年9月13日の記事「TOPIX連動型ETF配当の怪」ではETFでは配当が大口投資家に搾取されていると書いてあり(かなり前の記事なので今は こういうことはないのかもしれませんが・・)インデックス型のETFへの考えが揺らいでしまいました。

 「しょんころすけ」さんからは
2007.12.14 http://otsu.seesaa.net/article/72737982.html
にもコメントをいただいたことがあります。いつもお読みいただきありがとうございます。
 「AllAbout北川邦弘の資産運用のノウハウ」の2007年11月12日の記事「インデックスファンドは負けないというウソ」というのは、次のところにあります。
http://allabout.co.jp/finance/assetmanagement/closeup/CU20071112K/
 また、「2005年9月13日の記事「TOPIX連動型ETF配当の怪」」というのは、
http://allabout.co.jp/finance/assetmanagement/closeup/CU20050831A/
のことです。
 後者については、乙も驚き、ブログに書いたことがあります。
2006.11.19 http://otsu.seesaa.net/article/27800068.html
つまり、この話は本当だと思います。
 前者についても、これは一部は正しいと思います。つまり、インデックスファンドはインデックスに勝てないということです。考えてみればこれは当然で、インデックスファンドはインデックスを上回るリターンは望めません。むしろ、コストの分だけ確実に負けるのです。
 また、「TOPIX連動型ETF配当の怪」にあるように、目に見える運用コスト以外にも隠れたコストがありえます。それがどれくらいあるかは、きちんと計算してみなければなりません。
 では、MSCI 世界株の5年間でインデックスに比べて -17% というのはどう考えればいいでしょうか。
 ここは、北川氏の数字の扱い方に(意図的な?)間違いがあります。
 北川氏は、5年収益率で見たときに、インデックスファンドの平均が 115.43% で、インデックスが 132.87% であるときに、それを引き算して、-17.44% (つまりインデックスファンドのほうが大きく負けている)としています。これは変です。正しくは、次のような計算になります。
 5年収益率が北川氏の表の通りならば、インデックスファンドは、100 の資産が 215.43 に増えたのに対し、インデックスは、100 の資産が 232.87 に増えたのです。両者の比率を計算すると、
215.43/232.87=0.925
となります。インデックスファンドは 7.5% ほど成績が悪いに過ぎません。
 さらに、これを1年あたりに直すと、ざっと 1.5% 程度のマイナスですが、これは信託報酬(0.735%〜1.30725%)よりちょっと大きいだけです。つまり、信託報酬よりも少しだけ大きなコストがかかっているということになります。
 欧州株式も、正しくは、こういう計算をするべきで、北川氏のいうように -38% ではなく、
248.57/286.67=0.867
で、13% ほどのマイナスに過ぎません。5年収益率ですから1年あたりでは -2.8% ほどになります。
0.972×0.972×0.972×0.972×0.972=0.868
インデックスよりもかなりずれていますが、これは一つのファンドだけを取り上げたことによる偶然が働いていたり、そのファンドの特有の事情(運用の失敗)があったりする可能性があると見るべきでしょう。
 以上のように、北川氏の議論は、インデックスファンドのマイナス面を誇張しています。数字を正しく認識すれば、さほど驚くようなことではありません。
 インデックスファンドを購入する場合は、やはり、信託報酬の安いインデックスファンドを利用するしかないと思います。ETF ならば、インデックスファンド一般よりはコストが低いものが多いと思います。バンガードのインデックスファンドは、信託報酬(Expense Ratio) 0.2% などというのもあります。こういうのを利用するわけです。それでも、どうやってもインデックスには勝てないと思いますが、インデックスになるべく近い(大きくは外れない)運用ができると思います。
 インデックス投資の考え方では、インデックス投資に勝とうとするのではなく、インデックスから大きく負けないようにすることをねらいます。

 この件については、Mc.N さんのブログも参考になるかもしれません。
http://mcn.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_5075.html
posted by 乙 at 04:04| Comment(2) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月15日

なぜ、新興国のアクティブ・ファンドは成績がよいか

 すでに、昨日のブログ
2007.9.14 http://otsu.seesaa.net/article/55102773.html
で見たように、新興国のアクティブ・ファンドは成績がいい場合が多いのですが、問題は、なぜ、このような結果になるかということです。
 「さすがにプロだ」という説明で納得してしまってもいいのですが(それが一番幸せです)、そういう説明では、先進諸国のアクティブ・ファンドがインデックス・ファンドに勝てないことが説明できません。
 乙は、新興国の場合には、市場に非効率な部分があるためだと考えていました。
2007.8.18 http://otsu.seesaa.net/article/51767669.html
 しかし、最近、VMax さんのブログ
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/etf_12bd.html
を読み、この説明が事態を見事に言い当てているように思いました。
 VMax さんがいう「ベータ値が高い株に集中投資する」ことは、いわば、レバレッジを効かした投資を行っているようなものです。
 新興国は、一般に成績がいいときが多いと思いますが、そういう場合、アクティブ・ファンドの成績がさらによくなるということです。しかし、下げ相場は、逆に大変です。
 というわけで、こういうアクティブ・ファンドを持っている場合は、全体の成績が下がり始めたころに売るのが最適だということになります。もちろん、いつが最適か(本当に下がり始めたのかどうか)は非常に難しい問題で、それがきちんとわかれば誰も苦労はしないのですが、……。
 ですから、アクティブ・ファンドを保有していくときは、定期的な運用状況の確認が欠かせません。

 インデックス投資の考え方でいけば、それぞれの企業が活動し、利益を得ていくこと(その全体)が、すなわち投資家の利益の源泉と見るわけですが、これを敷衍すると、一般には(超長期で見れば)株価は上がっていくものだということになります。インデックス投資は、株価が超長期には上昇することを前提にして成り立つ考え方です。だとしたら、レバレッジを効かせることは、一般には有利になることが多く、逆風の吹くケースのほうが少ないと思われます。つまり、レバレッジ戦略は、通常のインデックス投資よりも有利なことになりそうだということになります。(もちろん、手数料が安ければの話ですが。)株式投資でいえば、信用買いをすればいいということです。このような超ハイリスクの投資は、長期にわたって行ってはいけません。いつかは大きくやられてしまうからです。しかし、比較的短期の場合は、「あり」ではないかと思うのです。今は、(そして過去数年も)新興国株が上昇した時期でした。その限りにおいて、アクティブ・ファンドも存在価値があったといえるように思います。
posted by 乙 at 05:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月30日

HSBC の運用するアクティブ・ファンドは成績優秀か(2)

 昨日に続いて、HSBC が運用するアクティブ・ファンドの成績を見てみましょう。
 今回は、数カ国の株式に投資するアクティブ・ファンドについて調べてみましょう。
 Regional Equities というところを見てみます。
 出てきたファンドのすべての Factsheet を見てみました。

△ HSBC Asia Ex Japan Equity Fund (Class AD)
 3年で +110.2% ベンチマークと同様
? HSBC Asia ex Japan Equity Smaller Companies Funds (Class AD)
 3年で +138.1% ベンチマークなし
? HSBC Asia FreeStyle Fund
 3年で +97.8% ベンチマークなし
? HSBC Asia Pacific ex Japan Equity High Dividend Fund
 運用開始から2年7ヵ月で +54.2% ベンチマークなし
? HSBC Asia Pacific ex Japan Equity High Dividend Fund(Cash)
 運用開始から2年7ヵ月で +62.2% ベンチマークなし
× HSBC Europe Ex UK Equity Fund (Class AD)
 3年で +66.9% ベンチマークは +85.2%
× HSBC GIF Euroland Equity
 3年で +88.7% ベンチマークは +92.9%
? HSBC GIF Pan-European Equity High Dividend Fund
 運用開始から2年9ヵ月で +73.7% ベンチマークなし
× HSBC Pan-European Equity Fund (Class PD)
 3年で +66.3% ベンチマークは +81.7%
× HSBC US Equity Fund (Class PD)
 3年で +31.4% ベンチマークは +39.3%

 欧米では軒並みベンチマークに負けています。
 アジア関係は、ベンチマークがないので、よくわかりません。しかし、なかなかの好成績のように思いますが、どうなんでしょう。アジア株全体が過去3年間調子よかったですから、単にその影響でしょうか。

 さて、昨日と今日の結果、さらに乙の購入したファンド
2007.8.18 http://otsu.seesaa.net/article/51767669.html
も合わせて考えると、HSBC のアクティブ・ファンドの特徴が見えてきます。新興国関連のアクティブ・ファンドは好成績だけれども、先進国ではインデックスに負けている(それが当然かも)ということです。
 このことから、アクティブ・ファンドを活用するなら新興国の株式で(逆に、先進国の株式投資はインデックス・ファンドか ETF を活用する)ということがいえるように思います。
posted by 乙 at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月29日

HSBC の運用するアクティブ・ファンドは成績優秀か(1)

 すでにブログで述べたように
2007.8.18 http://otsu.seesaa.net/article/51767669.html
乙が購入し保有している HSBC のアクティブ・ファンドの成績が優秀だ(インデックスを越えている)ということになると、乙が購入していないファンドの成績はどうなんだろうと、気になります。
 Single Market Equities(一つの市場の株式)に投資するファンドを調べてみると、以下の通りです。HSBC 香港のサイトで Factsheet を見るだけですぐにインデックス(ベンチマーク)と比べられました。
△ HSBC Chinese Equity Fund (Class AD)
 3年で +175.3% ベンチマークと同等
× HSBC Global Investment Funds - UK Equity
 3年で +45.9% ベンチマークの FTSE 指数は +68.2%
? HSBC Global Investment Funds - UK Freestyle
 2005.1 設定で、2007.6 現在で +41.8% ですが、ベンチマークはよくわかりません。
△ HSBC Japanese Equity Fund (Class PD)
 3年で +41.3% ベンチマークと同等

 というようなわけで、イギリスはあまり振るわない結果になりました。
 日本と中国はベンチマーク並みです。
 ただし、上の結果では、検討するファンドの数が少なくて、一般化はできません。もう少し多数のファンドについて調べてみたいところです。そのためには、いくつかの国に投資するタイプのファンドについて調べなければなりません。
 実は、これがかなりめんどうで、BRICs に投資するファンド
2007.8.20 http://otsu.seesaa.net/article/51992028.html
のところで述べたように、それぞれの国の投資割合を考慮したり、為替レートの変動を考慮したりする必要があります。
 しかし、一部のファンドについては、Factsheet のところでベンチマークが明示されていますから、それと比べるならば、比較的簡単に成績を調べることができそうです。
posted by 乙 at 07:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月07日

毎月分配型の投信は本当に不利か

 ブログ中にちょっと気になる記事を見つけました。
http://ginzafp.jugem.jp/?eid=142
ですが、毎月分配型の投信と分配をしない投信の10年後の成績を計算した結果を示しています。
 その結果は、リターンの低い債券型の場合、毎月分配型のほうが 1.66% ほど成績が悪いというものです。両者の違い、意外に小さいとは思いませんか。10年後の成績が全体として5割増の運用結果になっているのですから、1.66% なんて無視してもいい数字です。
 リターンが多い株式型では、かなりの差が出ることも示されていますので、一概に言ってはいけませんが、この記事は大変おもしろかったです。乙は一時グロソブを保有していましたが、当時、口座残高がそれなりに増えていくので、なぜこれがあしざまに言われるのか、不思議な気がしました。
 その後、いろいろ考えてグロソブは解約してしまいました。
2006.8.17 http://otsu.seesaa.net/article/22441509.html
それはそれでいいのですが、こんな計算のことを知っていれば、「毎月分配型」というだけで頭から否定的になる必要はないのかもしれません。
 それ以外の問題点もいろいろあるので、グロソブを「いいファンドだ」と主張するものではありませんが。
posted by 乙 at 04:20| Comment(3) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月30日

New Europe Properties Fund のサイト閉鎖

 乙が投資している New Europe Properties Fund
2006.8.3 http://otsu.seesaa.net/article/21854474.html
のサイト
http://www.neweuroproperties.com/
が突然閉鎖されました。メールで連絡しても返事がありません。
 実際には5月ころにおかしくなったのですが、一個人投資家には、その後、何の連絡もありません。
 この件については、
http://blog.livedoor.jp/m_hidaka/archives/50542400.html
で言及があります。
 プリンシプル・パートナーズのサイトも関連記事が削除されました。
http://principalpartners.blog55.fc2.com/blog-category-5.html
 ただし、検索エンジンのキャッシュには残っているので、以下にコピペしておきましょう。
New Europe Properties(ニューヨーロッパプロパティーズ)は、チェコやハンガリー、ポーランドといった市場経済化が急速に進む東欧諸国の収益不動産に投資する、東欧の不動産ファンド。いうなれば東欧のREIT(リート)。
2004年後半に運用開始以来、13〜15%で順調なリターンで推移している。
正確には、チェコ30%、ポーランド30%、スロバキア29%、ハンガリー6%、ブルガリア5%というポートフォリオになっている。
現在のファンド規模はEUR140Mなので、まだそれほど大きくはない。
2006年からは、安定推移するベースファンドを元に、2倍、3倍のレバレッジオプションが運用開始された。レバレッジ資金は欧州主要銀行から、それぞれ2年、3年FIXレートで調達する。
期待リターンはレバレッジ2倍オプションが19〜20%、3倍が24〜26%となろう。

現在EU経済圏はその規模を急速に拡大しており、世界経済に大きな影響を与え、EURは基軸通貨として、その地位を固めつつある。先進国の多い西ヨーロッパと旧共産圏の東ヨーロッパには、通過は統合されたとは言え、経済力や個人所得にはまだ大きな開きがあるが、それだけに今後の東欧の成長は、EU 経済が発展するにつれ、期待が大きい。
東欧では、オフィスやレジデンスの需要が過去20年間で最も活性化しているという。

最低投資額・・・EUR15,000、USD20,000、GBP10,000。
年間管理手数料・・・1%
パーフォマンスフィー・・・無し
ファンド設立・・・BVI(英領ヴァージン諸島)
ファンド本社・・・プラハ(チェコ)

配当受取型と再投資型がある。
投資は、ベース通貨がEURだが、通貨ヘッジでUSD、GBPでも投資可能。

手軽な金額から、安定した不動産ファンドに投資できることもあり、非常な人気を博している。

 このサイトだけでなく、あちこちのサイトで推奨されていたファンドだったのですが、……。
 さて、何が起こっているのでしょうか。
2006.8.3 http://otsu.seesaa.net/article/21854474.html
の記事のところに若干のコメントがありますし、乙に個別にメールをくださった方もいらっしゃるのですが、乙は何も知りません。
 普通に考えられるのは、ファンド会社の社長から社員までが夜逃げしたということではないかということです。
 ファンドの類では、正式な償還手続きを経ないで解散することはあり得ませんから、先方から何の連絡もなく、急にこちらから連絡がとれなくなる事態というのは、詐欺の線が濃くなります。
 外国人投資家は、こういうときに弱いです。
 少々の資金を取り返すために、わざわざプラハまで出向いて、調査し、さらには訴訟を起こすなどということは考えられません。言葉の壁も大きいです。訴訟を起こしたって、資金が返ってくるとは限りません。
 誰かが調査を行い、調査結果をみんなに知らせてくれるようなことを期待するのでしょうが、こういう可能性はかなり低いでしょう。他人のためにわざわざそんなことをしてくれる人がいるとは考えにくいです。
 ということで、最悪の場合、資金は全損になるだろうと思います。
 乙は、そういう事件に出くわす可能性はゼロではないと思っていましたが、自分の投資先の一つが現実にそうなってみると、はなはだ痛い話ではありました。
 とるべき手段は何もなく、単に待っているしかありません。残念な話です。
 書類上は、2006 年の運用成績について、その終了後半年以内に投資家に対する報告があるはずで、今がその時期ですが、それがないことをもって、会社と投資家の間の契約が守られていないことが明らかになるということになります。今のような状況では、報告が送られてくることはありえないようにも思いますが。
 1回でも決算報告書を送ってくれば、資金の運用状況など、いろいろ把握できるところですが、その前にこうなってしまってはいかんともしがたいです。
 とはいえ、こういうところに投資を決めてしまった乙の甘さが気になります。やはり、きっちりと3年以上継続しているファンドに投資するべきでした。
 目論見書を見ると、custodian trustee(保管受託者)がないと書いてあります。投資家が拠出した資金の保全はそもそもされておらず、運用会社が一方的に何でもできるようになっているのです。(しかし、これを重視すると、海外ファンドの多くは投資先として不適格になるようにも思います。)
 どうも高い授業料になったようです。
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posted by 乙 at 03:31| Comment(8) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月27日

証券監視委、全ファンドを検査対象に・行政処分勧告も

 日経新聞6月25日1面トップに大きく取り上げられていたニュースです。
 WWWでも一部を読むことができます。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070625AT2C2300T24062007.html
 証券取引等監視委員会は投資家から出資を募るファンドの運用業者すべてを9月から検査対象にする方針だ。特に一般投資家が出資するファンドには、リスク管理や出資勧誘の仕方などを包括的に検査し、投資家保護に反する行為の有無を点検。違反なら金融庁に処分を勧告する。存在感が高まっているファンドの実態をつかむとともに市場の信頼確保をめざす。
 9月の金融商品取引法施行で企業買収ファンド、ヘッジファンド、不動産ファンドなど様々なファンドが新たに業者規制の対象となる。個人など一般投資家の出資者数が50人以上なら金融庁に登録、49人以下なら届け出の義務が生じる。これを受けて検査をどうするかが焦点だった。

 これは、新聞記事の初めの部分(約2段分)だけです。
 レジャーホテルファンド HOPE α3,4,5,6 は、9月の金融商品取引法の施行にあわせて、その直前に解散が決まったのですが、
2007.6.26 http://otsu.seesaa.net/article/45923010.html
勘ぐれば、今のファンドの投資家に対する説明では、証券監視委員会の検査をくぐり抜けることはできないと運営会社が考えて強制的に今のファンドを解散してしまおうとしているように読めます。
 いや、運営会社からは「そうでない」と反論されるでしょう。それでけっこうです。乙の勘ぐりは単なる勘ぐりに過ぎません。
 何はともあれ、信憑性のない話も含めて、そういうプラス・マイナスの両方の意見を聞いた上で、自分の責任で判断するのが投資家というものです。
 乙は単にレジャーホテルファンドの投資を継続しないと判断したというだけのことです。
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2007年06月19日

ハイ・ウォータ・マーク式の高い手数料

 一部のファンドに見られるハイ・ウォータ・マーク(HWM)式の高い手数料(成功報酬)にいきどおる人が多いことは当然でしょう。
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_bfdd.html
 乙も基本的に同じように考えます。
 しかし、それで完全に割り切れるかというと、そうでもないような気がしている面もあります。
 上昇分の2割というのが手数料として高いかと考えたとき、通常のバイ・アンド・ホールド方式では、「高い」といえるのですが、そうでないもの(特殊な運用をするもの)は、どうなんでしょうか。ヘッジファンドなどでは投資家がそのようなことを期待して資金の一部を投入しているわけですが、それなりに資金が増えていってくれれば、上昇分の2割は手数料として決して多いとは思いません。
 上昇分の2割ということは、5%の利益がある場合にファンドの取り分は総額の1%、10%ならば2%であり、アクティブファンドの信託報酬と比べてみれば、そんなものでしょう。15%の利回りならば手数料は3%になりますが、投資家としては、年率12%であがってくれれば特に不満はないように思います。基準価額が上がっても下がっても固定的な信託報酬を徴収する一般のファンドよりもむしろ手数料がすっきりしているように感じます。
 実際、乙が投資しているものの中には、HWM式の手数料を取るところがいくつかありますが、それぞれがよい成績を上げているようで、こういうのは解約しにくいように感じています。
 きちんとベンチマークと比べるようなことをしないといけませんが、主観的には、HWM式の手数料は必ずしも高いとはいえない場合があるように感じています。
 ただし、HWM式の手数料を取るところは、同時に固定の比率の報酬も取るところが多いので、それを考慮すると「やはり高い」ということになると思います。
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2007年05月09日

バフェット氏の言葉

 ロイターからウォーレン・バフェット氏の話が届いています。
http://today.reuters.co.jp/news/articlenews.aspx?type=topNews&storyID=2007-05-07T125020Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-258491-1.xml
「大半の投資家、インデックスファンドの利用が賢明=バフェット氏」という題で、あの伝説の投資家がインデックス・ファンドを勧めていることに驚きます。
 個人投資家がバフェット氏のやり方を真似ることは困難だというのはわかります。大多数のプロも似たようなものでしょう。しかし、これを強調すると、バフェット氏は自分自身の存在理由(レゾン・デートル)をなくしてしまいます。
 「自分は依然として主要市場の株価指数をアウトパフォームできると考えている」というあたりはいかにもバフェット氏らしい言い方です。でも、この言い方は、言い換えると「自分はできるけれども、他人はできない」ということになり、かなりおこがましい表現なのではないでしょうか。バフェット氏が継続的に株価指数をアウトパフォームできるならば、他の人でもできる可能性があると考えるほうがいいと思います。
 インデックス投資の考え方からすると、バフェット氏は単に運がよかっただけだということになりそうですが、……。
 さて、真実はどちらでしょう。
 なお、ブログでは、すでに
http://randomwalker.blog19.fc2.com/blog-entry-477.html
http://haisyatosyosyanogame.10.dtiblog.com/blog-entry-177.html
でこの話題が紹介されています。
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2007年05月07日

ヘッジファンドと ETF

 以前、2007.4.9 投資信託の購入と解約
http://otsu.seesaa.net/article/38233723.html
に書いたようなことをもう少し詳しく書きます。
 乙は、個別株もやっていますが、どうもうまく行かないということで、現在は、主として ETF に投資するようにしています。
 投資信託の中の単純なバイ・アンド・ホールドのアクティブ・ファンドでは、普通にはインデックス・ファンドに勝てませんから、順次解約して ETF に切り替えつつあります。ETF は、インデックス運用ですから、たいていのアクティブ・ファンドよりも好成績であり、また手数料が安いので、投資家には好都合です。
 さて、ここで問題になるのがヘッジファンドです。これは、超アクティブ・ファンドと考えてもいいのではないでしょうか。いろいろな戦略があり、投資対象もさまざまですから、乙は、ETF をメインにしつつも、ヘッジファンドを一部組み込んでおくのもいいかなあと思っています。
 この話題に関連して、田中徹郎氏(銀座なみきFP事務所)は
http://ginzafp.jugem.jp/?eid=129
で、ヘッジファンドは、ETF の対極にある投資形態だとしています。ヘッジファンドは市場が効率的でないと考えて、歪みを利用して儲けようとし、ETF は、市場が効率的であると考え、その平均を追い求めるというわけです。乙は、なかなかおもしろい考察だと思いました。
 乙のように、両方に投資するのは、投資方針がふらついているといわれそうですが、まあ、分散投資の考え方からすれば、さまざまな金融商品に少しずつ投資するのは問題ないのではないでしょうか。どちらが正しいとか、どちらの考え方を信じるとかいうことではなく、清濁併せ飲んで、両方の可能性にそれぞれかけてみるということです。
 それにしては、浅川夏樹氏の記事
http://www.business-i.jp/news/for-page/asakawa/200703180001o.nwc
が気になります。この記事では、2月末の世界同時株安のときに、マネージド・フューチャーズのヘッジファンドはどうであったかを述べていますが、実際のところ惨憺たる成績だったとのことです。一部引用します。
マン・インベストメント社の旗艦ファンド AHL Diversified は、世界同時株安の週はマイナス8%の下落でした。同ファンドは600億ドルの運用規模ですから、運用の方向転換は簡単ではないと思います。他にも同じ手法のクアドリガ社の旗艦ファンド Super Fund は、2月、3月と続けてマイナス10%、2カ月のトータルでマイナス20%です。
これでは、ヘッジファンドの意味がありません。ヘッジファンドは、危険性をヘッジする、つまり、下げ相場でもそれなりの成績を出すことが求められているからです。株式と連動する成績だったりしたら、ヘッジファンドらしさはなくなってしまいます。
 山崎元氏の記事
https://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/investment/yamazaki/in05_report_yamazaki_20070302.html
も、同様に気になります。ヘッジファンドが、必ずしも運用がうまいわけではないということを論理的に説明しています。
 たとえば、Superfund 社を見てみましょうか。
http://www.superfund.jp/db/infoAwards.asp?x=1&Menu=0
(直接開けない場合、http://www.superfund.jp/→「スーパーファンドのご紹介」→「受賞歴とランキング」を見てください。)
でわかるように、スーパーファンドは数々の賞を受賞し、相当に大規模に事業展開をしています。過去の成績は立派なものだと思います。それでも、今後は、(手数料が高いために?)凡庸のファンド並みの成績しか残せないのでしょうか。ヘッジファンドに投資している人間は、みんなが夢を見ているのでしょうか。
 一方では、
http://blog.livedoor.jp/globalprice/archives/50763487.html
のように、ヘッジファンドにお金が集まりつつあるという現象もあります。
 乙は、ヘッジファンドが儲かるのかどうか、わかりません。とりあえずは数年間ようすを見るつもりでいます。ヘッジファンドの高い手数料も、それに見合った成績を残すならば肯定されると思っています。
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2007年04月13日

アクティブ・ファンドの成績がよくない理由

 さわかみファンドについては、昨日のブログ
2007.4.12 http://otsu.seesaa.net/article/38495244.html
も書きましたが、ロングオンリー(株をじっと持って値上がりをねらう戦略)のアクティブ・ファンドの例として取り上げてもいいでしょう。乙は、澤上篤人氏の考え方に共鳴します。しかし、さわかみファンドは、インデックスを上回る成績を上げることが少ないという現実があります。これについて考えてみましょう。
 株式市場では、1年に数回、優良株がぐっと値を下げることがありますが、さわかみファンドはそのときに以前から目を付けていた優良株を購入するという考え方をします。これ自体は、納得できる考え方です。
 では、なぜ、このような戦略をとっても結果としていい成績を上げることができないのでしょうか。
 ちょっと架空の例でシミュレーションしてみましょう。以下では、手数料抜きで考えてみます。
 あるとき、株価(指数)が 100 だったとします。この段階で、資金の全額をインデックス・ファンドに投資したとしましょう。その後、株価が 130 まで上がり、90 まで下げ、また 130 まで上がったとします。このファンドは、最終的に純資産が 130 になっており、資産が 30 増えたはずです。
 一方、さわかみファンドのような考え方をするファンドを考えてみましょう。株価が下がったときに買いを入れるわけですから、資金の全額を株式に投入することはありません。仮に、最初の段階で 80% を投入したとしましょう。そして、株価が(130 を経て)90 に下がったとき、タイミングよく手持ちの現金の半分を投入するとしましょう。(株価がここからさらに下がる可能性があり、そのときに積極的に買いを入れるためには、資金の半分を投入するのがせいぜいです。)最終的には、資金の 90% をこの株に投入したことになります。
 すると、このアクティブ・ファンドの最終的な純資産は、次のように計算されます。
 80% については、最終的に 130/100 倍になりますから、80×(130/100)=104 です。
 10% については、最終的に 130/90 倍になりますから、10×(130/90)=14.4 です。
 10% については、現金のままですから、10 で変わりません。
 以上の合計は 128.4 です。資産は 28.4 増えたに過ぎません。
 計算の結果、インデックス・ファンドのほうがいい成績になりました。
 乙は、意外に思いました。投資のタイミングが合えば、アクティブ・ファンドのほうが運用成績がいいはずだと思っていたからです。
 一般に、株価は長期的に見て上昇を続けるものと想定されます。したがって、上のシミュレーションは、かなり現実的なものだと思います。しかし、結果は、アクティブ・ファンドの成績はインデックス・ファンドを下回りました。
 アクティブ・ファンドでは、安値を拾おうとして現金を一部保有しています。結果的には、これがファンドの運用成績を引き下げているといえると思います。
 実際には、これに加えて、手数料の差(インデックス・ファンドのほうがアクティブ・ファンドよりも安い)が加わるのですから、ますますアクティブ・ファンドは不利だということになります。
 乙なりの結論では、株式ファンドは、手持ちの資金全額をリスクにさらすことによって、高いリターンが得られる可能性があるということになります。買いのチャンスをねらって現金で保有していると、せっかくの株価上昇のチャンスを逃してしまうことになるというわけです。
 今回の簡単なシミュレーションをしてみて、アクティブ・ファンドがインデックス・ファンドをなかなか上回れないということが自分なりに納得できました。
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2007年04月09日

投資信託の購入と解約

 乙がたどってきた投資遍歴を、投資信託を中心にちょっとだけ振り返ってみましょう。
 一番最初は、無謀にも、たまたま得た資金で東芝と松下の株を買ったのですが、今から思えば、これは、まあ一か八かの賭けでした。
 真面目に資産運用を考えはじめたのは、2004年の秋でした。そのときにいくつかの投資信託を銀行や証券会社で買いました。
 投資信託は、投資の初心者にむいていると思います。あまり勉強しなくても、大丈夫です。それなりに儲かる面があります。
 しかし、最近、乙は投資信託を解約する例が増えてきました。
 なぜでしょうか。
 大きな理由は、投資信託があまり儲からないと気が付いたからです。
 乙が経験している範囲でいいましょう。
 まず、個別株投資ですが、これが手数料が一番安いのです。投資信託でいう信託報酬はゼロです。銘柄によるリスクの大きさはありますが、うまく選べばパフォーマンスは抜群です。(たいていは、うまく選べないのが問題なのですが。)
 ETF は手数料が安いです。これに比べたら、投資信託は手数料が高いことは一目瞭然です。ETF はインデックス・ファンドのようなものです。投資信託には、インデックス型(パッシブ型)とアクティブ型とがありますが、日本では、いずれも ETF よりも手数料が高くなっています。
 乙はいくつかヘッジファンドに投資しています。これは、投資信託と違って、運用方法が多彩で、単なるバイ・アンド・ホールドでないところが魅力です。株や債券と違った値動きをするということです。これはこれで意味があると思います。ホントに手数料負けしない成績が出せるかどうかはわかりません。とりあえず、数年は待ってみようと考えています。
 これらに比べると、投資信託はどうも魅力に欠けます。手数料が高くて、それで負けてしまっています。特にアクティブ型が問題です。
 「投資信託の手数料は高い→長期投資してももうからない」ということは、ロバート・キヨサキ氏も
http://biz.yahoo.co.jp/column/company/ead/celebrated/person4/070117_person4.html
http://biz.yahoo.co.jp/column/company/ead/celebrated/person4/060512_person4.html
で述べていることです。
 また、
http://www.morningstar.co.jp/fund/anl_view/07_2q/0402.htm
でも「投資信託のコスト」という記事で、だんだんコストが上がってきていることを述べています。
 ところで、乙は HSBC 香港で Unit Trusts に投資しています。これも投資信託のようなものです。手数料は(ETF と比べて)結構高く、日本の投資信託と同様です。いや、むしろ日本の投資信託よりも高めかもしれません。申込手数料は 5.25% ですからねえ。では、なぜ、乙はこれを止めないのでしょうか。実は、運用成績を見てみると、それぞれがかなりいい結果を残しているのです。(ごく一部にダメなのもありますが。)なぜかはわかりませんが、HSBC が普通に売っている普通の Unit Trusts でも、ぐんぐんパフォーマンスが上がっていく例が多いように思います。手数料が若干高くても、それに見合った成果が出ているのです。今後もそうなるのかどうかはわかりませんが、乙の今までの経験で、香港の Unit Trusts は継続してもいいと思っています。
 逆にいうと、日本の投資信託は、不思議と運用成績が悪いように思います。なぜなんでしょうか。単なる偶然なんでしょうか。
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2007年04月03日

エー・エム・アイキャピタルの不動産ファンドの解約の話

 乙は、
2006.3.19 http://otsu.seesaa.net/article/15049950.html
で述べたとおり、エー・エム・アイ・キャピタルの不動産ファンドを2006年末で解約しました。
 3月30日の時点で、出資金+平成18年分の分配金(3.3%)が乙の銀行口座に入金されました。結果的に約2年弱の投資期間だったことになります。
 最終的な利回りは、乙が当初考えていたほど高くはなりませんでしたが、まあ、それはしかたがないでしょう。若干でもプラスになったことを喜ぶべきかと思います。
 この匿名組合の平成18年分の決算書を見てみると、15% ほど資本金が減っており、乙のように平成18年末の段階で解約した人がかなりいたことをうかがわせます。今後、いよいよこの匿名組合の運営は大変になりそうです。
 なお、不動産ファンドのホームページ
http://www.ami-capital.co.jp/02_amifand.html
には、いまだに、運用成績が平成16年度までしか掲載されていない点は、改善するべきでしょう。平成17年、18年の決算が済んでいるのですから。
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2007年01月30日

アクティブファンドのパフォーマンス

 日経新聞 2007.1.27「株主とは」欄にたいへん興味深い記事が掲載されていました。一部引用します。
 「カリブ海に浮かぶ常夏の島国、グレナダ。佐渡島の半分ほどの島には欧州有力ヘッジファンド、スーパーファンドの「電子頭脳」がある。24時間休みなく動き続けるコンピューターが株、債券、商品など 100 を超す世界の先物を監視。価格変動の傾向を読み取るや否や、即座に売り買いの指示を出す。取引は完全に自動化され、人間の意思が入り込む余地はない。
 自動投資は極東の島国、日本の株価指数先物にも及ぶ。「人間には恐怖や欲望などの感情がつきまとう。冷静さが求められる運用の世界で、ヒトはコンピュータに勝てない」。日本法人社長のマーカス・ビュッヘル(40)は断言する。感情なき売買に徹する電子頭脳の平均収益率は年 20% に達した。」
 いやはや驚きます。我々が株を買った売ったといっている相手は実はコンピュータだったんですね。アルゴリズムを忠実に実行するという意味では、コンピュータは人間の忠実なるしもべです。乙は、こういうのを相手にして(同等の機能を持たない)個人投資家が勝てるわけはないと思います。
 ではどうするか。
 ここで道は二つに分かれます。
 一つは、こういうコンピュータに運用を任せることです。乙は、資金の一部をスーパーファンドに振り向けていますが、
http://otsu.seesaa.net/article/20948293.html
確かに、年率 20% とまではいかなくとも、それに近い成績を上げるようです。(将来的にずっとその成績を上げ続けるかどうかはわかりませんが。)
 もう一つは、こういうコンピュータと競争しても勝てるわけはないとあきらめてしまうことで、つまり、インデックス・ファンド(パッシブ・ファンド)を購入することです。
 何とか勝とうという個人投資家の努力(自力で個別株を選んでそれに投資すること)は、きわめて厳しいのではないでしょうか。そういう作戦を乙は一概に否定するものではありませんが、このようなコンピュータに打ち勝つための努力というのはどんなものなのでしょうか。乙には、とうていこなしきれないと思います。そんな努力をするくらいなら、本業の仕事に打ち込む方が、人生を豊かに生きることができると信じます。
 というわけで、乙は、個別株投資には見切りを付けて、順次売却し、その分の資産を ETF あるいはインデックス・ファンドにだんだんシフトしていきたいと思います。日本株も、外国株も同じことだと思います。
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2006年12月06日

成功報酬制ではファンドの償還がされやすい?

http://www.doblog.com/weblog/myblog/31550/1493931#1493931
によると、次のようなことが書いてあります。
------------------------------------------------
 一方、「ハイウォーターマーク」と言って、ヘッジファンドを買ったそれぞれの投資家がその買ったときのNAV(ネット・アセット・ヴァリュー=基準価格)よりファンドのNAVが上に来ないとその投資家からはパフォーマンス・フィー(普通、儲けの2割)が取れない仕組みになっています。ヘッジファンド・マネージャーが投信や年金のマネージャーより絶対リターンでプラスを出すという事にピリピリしている理由はここにあります。
 するとファンドが大きく水面下に没した場合、「ドッコイショ」と苦労を重ねて、時間をかけて損を取り戻すのに何年もかかる見通しなら、その間、その顧客からはパフォーマンス・フィーが取れません。ヘッジファンド・マネージャーとしては「萎える」シナリオですね。
 それならいっそ廃業してお金を投資家に返してしまい、またイチからキレイにスタートを切った方が得だ、という考え方がヘッジファンド・コミュニティーには根強く存在します。
------------------------------------------------
 なるほど。そんなことがあるんですね。
 乙が投資しているファンドの中で、GSグローバル・マーケット・ストラテジー
http://otsu.seesaa.net/article/28065163.html
が成功報酬制(HWM)なのですが、最近、成績が良くありません。乙は、ブログに書いたように、今後に期待しつつ、しばらく様子見をしようと思っていましたが、ファンドが償還されてしまえば、そんなこともできません。ファンド償還というのは、投資家から見ると、ずいぶん卑怯なやり方です。だって、かつて達成した成績を基準に、その上昇分の21%を取っておいて、下がったからと言って償還されてしまっては、投資家はほとんど何も得られずに、ファンド会社がみんな持って行ってしまった形になります。投資家は踏んだり蹴ったりです。
 しかし、このやり方は、目論見書などに示された投資家との契約内容に抵触するわけではありません。
 乙は、償還のことはまったく考えていませんでしたが、こんなこともあるのだなあと考えてしまいました。
 ということは、やはり、成功報酬制のファンドでは、ある程度成績が下がったら、(そこからさらに下がるより前に)解約するほうがいいということになるのでしょう。しかし、もちろん、これから下がることがわかっていれば当然解約するのですが、下がるかどうかがわからないから判断しようがないのですよね。株の損切りと同じで、どうしたらいいか、よくわからない問題です。
ラベル:成功報酬制 償還
posted by 乙 at 06:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月01日

タイのクーデターと株価の動向

 9月19日に起こったタイのクーデターは、もうニュースとして知らない人はないでしょう。首相が外国にいる間に軍が首相府やテレビ局を占拠してしまったわけです。
 ところで、乙は、ファンドを通じてタイの株に投資しています。
http://otsu.seesaa.net/article/20603063.html
タイ株は、今回のクーデターでどういう影響を受けたでしょうか。
 8月末には、乙が HSBC GIF - Thai Equity (Class AD) に投資した1000ドルは、898ドルまで下がっていました。では、9月末ではどうだったか。920ドルになっていました。ごくわずかですが、この1ヶ月で上昇したことになります。毎日基準価額をチェックしているわけではありませんが、今回のクーデターの影響はなかったといっていいのではないでしょうか。
 ファンドが、クーデター直後に株の売却に動いて損失を回避したという可能性もありますが、ちょっと考えにくいと思います。大量の売りはそれこそ株の暴落を招きますし、ファンドの目的がタイ株への投資なのですから、それから一気に逃げ出すというのは、ファンドの目的に合いません。(このあたりは、今後の運用報告書を読めばわかります。)
 ファンドの動向については、
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/2006-09-20T185927Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-229098-1.html
が、こんな記事を載せています。「【香港 20日 ロイター】タイで19日発生したクーデターについて、海外ファンド勢の間では、タイ関連資産の投げ売りは始まっておらず、割安感が出れば押し目買いを入れる可能性がある、との声が多い。ただ、軍による政権運営が長期化するなど、政局の不透明感が強まった場合や、資本規制が導入された場合は、大量の売りが出る可能性があるという。20日のタイ市場は休場。海外のファンドマネジャーの間では、21日の同市場は下落して始まる公算が大きいが、下げは一時的ではないか、との見方が出ている。」
 ということで、今回のクーデターはタイの株価にあまり影響しなかったと思います。
 どのくらいの影響なのか、ちょっとタイ株の指数で見てみましょう。
http://excite.co.jp/News/economy/20060921140110/JAPAN-229233-1_story.html
によれば、「[バンコク 21日 ロイター]クーデター発生後初の取引となる21日のタイ株式市場は、急落して始まった。アナリストによると、クーデター発生を受け、株価指数に占めるウエートの大きいエネルギー会社や銀行の格付けが引き下げられることが懸念されているという。SET指数は、取引開始直後の0300GMT(日本時間正午)現在、前営業日(19日)終値比28.25ポイント(4.02%)安の674.31と、7月以来の安値をつけた。」とあります。急落とはいえ、たった4%でしかありません。
 クーデターが起これば、法律による保護がなくなりますから、自由な経済活動が制約され、人々も外出を控えるでしょう。外国人は国外に逃げ出すことも多いでしょう。結果的に経済が停滞し、それを予測して株価は下がるというのが普通の見方です。
 しかし、それほど悲観的である必要はありません。
 今回のクーデターは、一発も銃弾が飛び交うことはなく、むしろ、プミポン国王はクーデター賛成のようでしたし、市民もそれを歓迎する雰囲気が強かったようです。つまり、経済的なダメージはそれほど深刻ではなかったということです。
 株価に影響しないクーデターもあるんだという点で非常に興味深いものでした。(乙は、内心、株価がどれくらい下がったのだろうと戦々恐々だったのですが。)たった1000ドルで、いい経験をしました。
 もっとも、タイは、クーデターが頻発する国のようですから、カントリーリスクが大きいということは変わらないと思います。タイ株に多額の資金を投入しては危ないといえます。

 ところで、日本では、タイのクーデターがどういう影響を与えたでしょうか。
http://www.asahi.com/special/060921/TKY200609200168.html
には、「東証、大幅安 タイのクーデターで買い控え」という記事があります。一部引用します。
「20日の東京株式市場は、前日の米国株安などを受けて全面安となり、日経平均株価は一時250円を超す下げ幅となった。午前の終値は、日経平均が前日比177円78銭安い1万5696円50銭。東京証券取引所1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同22.37ポイント低い1569.61だった。
 米国景気が減速するとの見方が強まっていることに加え、タイでは前日夜にクーデターが発生。20日のアジア市場も軒並み下落したことで売りが広がった。クーデターについては、軍事衝突までは至っていないことから「今のところ市場への影響は限定的」(大手証券)との見方もあるものの、タイの混乱がアジア全域の経済停滞につながるとの懸念から、タイに進出している自動車メーカーの株は軒並み売られている。」
 ということで、この記事では東証が大幅安ということになっていますが、比率でいえば1%程度の下落で、そんなに「大幅」とはいえないと思います。これくらいの変動は当たり前にあるものです。
 http://stock22.seesaa.net/article/24035763.html
は、1991年のタイのクーデターに言及し、日本の株価に大きな影響はないと述べています。
続きを読む
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2006年09月29日

インデックスファンドとアクティブファンド

 株式投資には、直接個別の株を買うやり方の他に、株式投資のファンド(投資信託)を購入するやり方があります。ファンドには、インデックスファンドとアクティブファンドがあり、前者はパッシブファンドともいわれ、平均株価に投資する方法です。後者は、平均株価を上回ることを目指すファンドです。個別株を買うのは、アクティブファンドと同じような考え方に立っています。何とかして平均以上の成績を挙げようとすることと同じことですから、自分流アクティブ運用ということになります。
 個別株投資をちょっと除外して考えた場合、インデックスファンドとアクティブファンドのどちらを中心に考えるべきかという問題があります。これについては、過去の成績を見ると、明らかにインデックスファンドの勝ちで、インデックス運用のほうがアクティブ運用よりも成績がいいのですから、インデックスファンドに投資するのが正しい考え方です。
 乙は、このことをあまり考えずに、2006.4.2 の時点では
http://otsu.seesaa.net/article/15981395.html
インデックスファンドに投資しないと書いています。
 その後、乙は、いろいろな本を読み、考え方を変えてきました。
 こうすれば、株式投資がうまく行くという本もありますし、バリュー株のファンドはそれなりの成績(平均株価以上の成績)を残すことも多いので、アクティブ運用が全部ダメだともいえません。アクティブ運用を中心にしている人から見れば、アクティブ運用こそが投資の醍醐味であり、インデックス運用などはおもしろくも何ともないように見えるでしょう。パッシブ運用とアクティブ運用の考えの対立には大きいものがあります。個人投資家としても、どちらにつくのかを考えておかなければなりません。
 これについては、乙は、基本的にパッシブ運用(インデックスファンド)がよいだろうと考えています。
 さて、では、全部インデックスファンドにしてしまって、アクティブ運用は無視していいのでしょうか。そうではなさそうに思います。この点については、北村慶氏の著書
http://otsu.seesaa.net/article/22992172.html
が参考になると思います。
 メインはインデックスファンドにしつつも、一部アクティブファンドに投資してみてもおもしろいのではないでしょうか。また、個別株も同じ意味でおもしろいと思います。しかし、それは「一部」にしておくべきでしょう。個別株の場合は、いろいろ考えながら、自分で工夫する楽しみもあります。しかし、それが資産運用の大部分ということになるのは恐いものです。
 というわけで、当面は、大部分をインデックスファンド(実際は ETF)で運用し、一部アクティブファンドおよび個別株で運用するというあたりが妥当ではないかと考えています。
 オルタナティブ投資は、アクティブ運用と同様の考え方です。投資対象や投資方法が従来のものと違っているだけで、いろいろなやり方で資産を増やそうという考え方は似ています。ですから、これも資産の一部を振り向ける程度にしておくのが無難でしょう。
 こんなことを考えてみると、乙の保有資産では、インデックス運用部分がまだまだ少なく、今後はこちらのほうに重点的に投資していくことが望ましいということになります。
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2006年02月20日

浅井隆氏の国家破綻本と海外ファンド

 浅井隆氏などの国家破綻本では、なぜ海外ファンドをすすめるのでしょうか。
 ハイパーインフレが日本を襲ったら、円の価値が下がって、もうどうしようもなくなるから、外貨で運用するしかないという理屈はわかりますが、外貨の運用方法にもいろいろあります。
 日本にしがみつく気なら、外国為替証拠金取引(FX)などというものもあります。簡単にいえば、レバレッジを効かして円を外貨に両替して保持することができます。レバレッジ20倍ならば(そしてこれはFXではごく普通のケースですが)5万円で1万ドル(100万円相当)を買ったことに等しい効果がありますから、暴落とも言える極端な円安が起きれば、FXでそれこそ大儲けできると思います。ただし、同時にハイパーインフレが起これば、円を持っていたら影響を逃れるすべはないので、FXは無効になってしまうわけですが、それでも、現金や預貯金よりはずっとマシです。
 FXよりも安全なものとして、世界各国の国債は(特に先進国のそれは)選択肢の一つにしてもいいと思います。
 浅井隆(2005.3)『次にくる波---2007年から、いよいよ経済大変動がやってくる』PHP研究所 の p.292 によると、浅井氏が作った二つの会員組織「自分年金クラブ」と「ロイヤル資産クラブ」があるという話です。これらは、会員になると、マン社のファンドなどが買えるということです。
 ちなみに、http://www5d.biglobe.ne.jp/~cats_eye/topics_door63.html には、以下のような記事があります。「シンガポールにピータースブルグキャピタルという事務代理店があるのでご存知な方はそちらと連絡されたら良いだろう。日本人スタッフが常駐なので、日本語は勿論OK。総合的に判断すれば、第二海援隊グループの日本インベストメント・リサーチ(03-3291-7291)管轄のロイヤル資産クラブ会員になって確かな情報の基にアクションを起こされた方が結果として安くて安心だと思う。(各人の価値観にもよるが年会費は12万円と決して高くはない)」
 乙は、ピータースブルグキャピタル に連絡してみました。http://www.eguideglobal.com/sg/company.asp?company_id=48683 すると、ここは、第二海援隊グループであり、ロイヤル資産クラブ会員だけに取り次ぐので、まずは会員にならなければならないとのことでした。
 で、ロイヤル資産クラブですが、年会費12万円は、ゴミ投資家の乙としては、とうてい支払える額ではありません。自分年金クラブも、入会金5万円、年会費7万4千円と聞いては、尻込みしてしまいます。
 浅井氏の著書でも、このクラブに誘導しようとしているかのような印象があります。(いや、実際誘導しています。)これは、せっかくの浅井氏の主張に対して、マイナスに働きます。「浅井氏はそうやって会費を集めて自分がボロ儲けするために国家破綻本を書いているのだ」という詮索をされてもしかたがないと思います。
 マン社やクアドリガ社のファンドを購入するのであれば、年会費などを払わなくても、無料で、日本語によるサポートを受けながら、申し込めます。書類自体は英語で書かなければなりませんが(笑)。そういうサポートを無料提供するブローカー(仲介者)は複数あります。ネットで検索すれば簡単に名前・連絡先がわかります。なぜ無料でできるかといえば、それは、ファンドの購入が実際に行われれば、ファンド会社からブローカーにしかるべき手数料が支払われるからです。逆にいうと、ロイヤル資産クラブなどは、ファンド会社からの手数料の支払いを受けながら、投資家からも会費を受け取っていることになります。まさにボロ儲けですね。
 ロイヤル資産クラブなどは、ファンドの購入だけでなく、それ以外のサービスもしているでしょうから、それに価値を見いだす人は年会費を払って情報を得るのがいいでしょう。乙はゴミ投資家ですから、そういうクラブに支払う金はありません。インターネットで入手できる無料情報を活用して自分で自分の道を切り開こうと思っています。
posted by 乙 at 05:36| Comment(1) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月09日

ファンド・オブ・ファンズのメリット

 乙はファンド・オブ・ファンズにも手を出しています。
 始めてみてわかったのですが、ファンド・オブ・ファンズには、2種類があります。
 一つは、おまかせ型で、あるファンド・オブ・ファンズを購入すると、そのファンドマネージャーが適当なファンド(マザーファンド)に投資するということで、投資家は、そのファンドマネージャーの選択眼に手数料を払っていることになります。どのファンドにどれくらいの比率で投資するかはすべてファンドマネージャーにおまかせです。時期によって経済の波がありますから、少しずつ投資先のファンドの比率が変わっていく場合も多いようです。
 もう一つは、自己選択型で、あるファンド・オブ・ファンズを購入すると、そのファンドマネージャーが用意する数十個のファンド(いろいろな投信会社のいろいろなファンド)の中から、自分で「これとこれ」と選ぶことができます。あまり細かく指定するのも、お互い大変ですから、たとえば、一つのファンドは全投資金額の10%以上購入しなければならないというようなことになります。これだと、最大でも10個のファンドにしか投資できないわけですね。
 自己選択型のファンド・オブ・ファンズは、いくつかメリットがあるように思います。
 第1に、顧客が希望すれば、最低投資金額が高くて普通では買えないようなファンドにも投資することができることです。それに100%投資すれば、少額でも(最低投資金額以下でも)間接的にそのファンドに投資していることになるわけですが、そういうのはあまり意味がありません。ファンド・オブ・ファンズに払う手数料分がムダですし、分散投資にならないからです。
 第2に、ファンド間のスイッチングが無料でできることです。乙が購入しているファンド・オブ・ファンズでは、半年に1回、担当者(ファンド運用会社ではなく、ファンド販売会社の人)が連絡してきて「これからはこういうのがおすすめです」とアドバイスをくれます。もちろん、それにしたがってファンドをスイッチしてもいいですし、自分の好みに合わなければ今までのままでもいいですし、一部をスイッチするのでもいいわけです。こういうスイッチングは無料でできます。(スイッチングは、1年で10回までが無料で、それを過ぎると有料になります。)
 普通のファンドだと、別のものに乗り換える場合、今までのものを解約して新規に別のものを購入することになるわけで、手数料が相当に高くなります。同じ投信会社の中のファンド間のスイッチングは、もっと安い手数料でできる場合もありますが、それでも無料とはなりません。投資信託は、したがって、長期投資向けになってくるわけですが、ファンド・オブ・ファンズでファンド間のスイッチングが無料でできると、まさにターゲットを狙った投資が可能になり、また、それがまずいと思ったらさっと逃げることも可能になるわけです。
 第3に、相対的にパフォーマンスのいいファンドに投資できることです。ファンド会社は、もちろん、いいかげんにファンドを並べているわけではなく、それなりに選択しているわけです。仮に、充分調査した結果でなく、単に過去の実績がいいファンドを並べただけだとしても、顧客としては、大きなメリットがあります。だって、自分で個別のファンドを選ぼうとすると、各証券会社や各銀行で扱っているファンドが異なりますから、本来は、数百種類も数千種類も調べないといけないわけです。普通はそんなに手間をかけられないから、自分が取引している証券会社や銀行の提供するもの数十種類の中から選ぶことになります。選択の範囲はかなり狭いということになり、優れた実績を上げているファンドにめぐりあうことも少ないと思われます。しかし、ファンド・オブ・ファンズでは、そういう作業をファンド会社がやってくれますから、選ばれたファンドは、それぞれがおいしそうに思えます。(ホントにおいしいかどうかは、時間が経ってみなければわかりませんが。)
 第4に、ファンド・オブ・ファンズの選択眼に頼って自分でファンドを購入することもできます。乙は、担当者から推薦されたファンドを見て、なるほど、こういうのがあるんだなあと知ったこともあります。それに注目して探すと、何と、自分の取引している銀行で、そのファンドを販売しているではありませんか。乙は今まで見逃していたのです。(とにかく数百種類もあるファンドの中の1個ですからねえ。見逃してもしかたがないですねえ。)たぶん、近日中にそのファンドを買うことになりそうです。
 そんなわけで、乙は、ファンド・オブ・ファンズの中でも、自己選択型のファンドの場合、いくつかのメリットがあるように思います。
posted by 乙 at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月08日

ファンド・オブ・ファンズはハズレですか?

 乙が読んだ限り、吉本佳生(2005.5)『金融広告を読め──どれが当たりで、どれがハズレか』光文社 は、とてもまじめな本でおすすめです。
 その pp.377-393 および pp.460-461 でファンド・オブ・ファンズの問題点を述べています。もっとも、ファンド・オブ・ファンズが全部ダメだといっているわけではなく、その中のあるパターンがハズレだといっているわけです。
 ファンド・オブ・ファンズの手数料が(普通のファンドよりも)高くなっていることはその通りです。だって、元々のファンドの手数料に加えてファンド・オブ・ファンズの手数料が加わるのですから、どうしても手数料の二重取りになります。
 しかし、ファンド・オブ・ファンズが全部ハズレかというと、乙はそうでもない場合があるように思います。
 第1に、ファンド・オブ・ファンズは、それだけで分散投資になっているといえます。一つに投資すると、それが失敗したときのダメージが大きいですが、分散して投資することで、ダメージを小さくすることができるのではないでしょうか。一つのファンド自体が分散投資になっているわけですが、ファンド・オブ・ファンズは、それをいっそう進めたものになります。
 第2に、単独では投資最低金額が高くて申し込めないようなファンドであっても、ファンド・オブ・ファンズ経由ならば申し込むことが可能になります。
 日本の投資信託の最低投資金額は、たいてい1万円以上ですが、海外のそれは、もっと高いのが普通です。普通の投資信託は、米ドルで1000ドルくらいからでしょうか。個人向けのヘッジファンドなどの場合は、最低投資金額が米ドルで1万ドルから5万ドルくらいが多いように思います。すると、こういうファンドを10種類買おうとすると、数十万ドル以上が必要になり、なかなか手を出しにくい金額になります。
 しかし、ファンド・オブ・ファンズだと、これ自体で一つのファンドですから、たとえば1万ドルで、普通には買えないようなファンド10種類に投資ができることになります。
 この程度のメリットで高い手数料を払う意味があるかと聞かれると、乙は自信がないですが、投資家の立場からは、運用益が大きいファンドがいいファンドなのですから、ファンド・オブ・ファンズも選択肢の一つとして考えていいと思います。
 要は、長所も短所も理解した上で、投資家自身が判断すればいいということです。


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[タイトル] 金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか
[著者] 吉本 佳生
[種類] 新書
[発売日] 2005-05-17
[出版社] 光文..
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posted by 乙 at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする