乙のエンディングノートは、実はかなり長いものです。
それを毎年プリントして封をして……とするのは、かなり手間がかかります。しかも、どんどん記述内容が変わっていくので、更新しなければなりません。
そこで、ある時期から具体的に紙に書くことを止めました。そして、パソコンの中のファイル(これがエンディングノートの本体です)に書くだけにしました。これで、家族に渡すエンディングノートは簡単になりました。「死亡時はパソコンの中のどこそこのファイルを読みなさい」というだけでいいのです。これなら家族に渡すエンディングノートの更新も不要です。パソコンの中のファイル(本体)を適宜更新しておけば、最新版にしておくことができます。
しかし、その後、この方式も致命的な欠陥があると思うようになりました。乙は普段からパソコンを持ち歩くことが多く、しばしばクルマに積んで出かけます。ということは、万が一クルマの事故で乙が死亡するときは、パソコンも破壊されている可能性が高いことになります。「死亡時はパソコンの中のどこそこのファイルを読みなさい」と言われても、それが読めないのではお手上げなのです。
そこで、さらに形式を変え、エンディングノート本体をインターネットのとあるサイトにアップロードしておくことにしました。その文書にはパスワードを付けておき、普通には読めないようになっています。検索エンジンの検索対象にもならないし、誰もアクセスできないと思います(たぶん)。仮に読まれてしまっても、いちばん大切なパスワードが書いてありませんから、大丈夫だと思います。
その上で、家族に手渡す分のエンディングノートは、「http://〜〜〜を見なさい」という形式にしました。もちろん、アクセスに必要なパスワードは手書きでその紙に書いてあります。こうすると、家族に手渡す分のエンディングノートは1枚の紙で済みます。
エンディングノートが2年に1度の更新でも大丈夫というのは、実はこういう仕組みがあるからなのです。
乙自身は、1年に1回以上はエンディングノートを見直しています。勤務先が変わった場合などは、当然、見直し必至です。エンディングノートに間違った記述があると、迷惑をこうむるのは残された家族ですから、これは慎重にしています。