2017年01月04日

年金制度と働く年齢

 乙が気になった記事があります。橘玲氏の公式サイト Stairway to Heaven の記事です。
http://www.tachibana-akira.com/2016/12/7429
 その中に、リンダ・グラットン、アンドリュー・スコットの『ライフシフト』
https://www.amazon.co.jp/LIFE-SHIFT-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95-%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%88-%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%80-%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%B3/dp/4492533877/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1482890160&sr=8-1
の引用(要約引用?)があります。
毎年所得の10%を貯蓄して(けっこう大変だ)、老後の生活資金を最終所得の50%確保しようとするなら(かなりギリギリの生活だ)、平均寿命85歳でも70代前半まで働きつづけなくてはならない。平均寿命が100歳になれば条件はさらに厳しく、80代まで働きつづけるか、それが無理なら引退時の所得の30%という貧困生活に耐えるしかない。

 自分で貯蓄しようと、国なりなんなりが強制的に徴収して積み立てようと、話は同じです。
 というわけで、日本のような高齢化社会では、相当な年齢まで働き続ける必要があるということです。今の年金制度は、そうなっていません。60歳ないし65歳から年金が支給されるような制度です。これでは、100歳までの長生きが多数いるような社会は維持できません。
 年金制度をどうするかは、今の日本の最大の課題かもしれません。今の制度は維持できないということです。ではどうするべきか。乙にはアイディアがありません。
 ともかく、働けるだけ働いたほうがよさそうです。
 その上で、投資を継続しておき、日本がどうなろうとも、生き抜いていけるようにしておくしかありません。
ラベル:年金 高齢化
posted by 乙 at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月21日

中国からの日本企業の撤退は大変だ

 チャイナリスクにはいろいろあるのですね。

 乙が読んだダイヤモンドオンラインの記事ですが、日本企業は中国からの撤退を視野に入れているという話があります。
http://diamond.jp/articles/-/41991?page=2
 中国の主要都市で開催される「撤退、債権回収」をテーマにした講演会には、現地法人の責任者など多くの日本人駐在員が詰めかける。今夏、某邦銀の上海支店が主催したセミナーは史上最多の180人を集め、当日現場は会場の増設に追われた。
 また、在中の日本人駐在員の間では、「某家電メーカーは、中国工場の3拠点を閉鎖したそうだ」「某飲料メーカーは、駐在員を50人から5人に減らしたらしい」といった、さまざまな縮小・撤退のうわさ話が飛び交っている。

 それはそうでしょう。昨年の反日デモのことを考えたら、ある意味で当然のことです。日系企業がデモ隊によって襲撃されるなんて、理不尽なことこの上なしです。

 一方では、村尾龍雄氏の執筆した「昔の勤務先や人民解放軍の在籍年数分も払う?!」というのがありました。
http://diamond.jp/articles/-/41923
 日本企業が中国から撤退しようとすると、従業員に対して、膨大な経済的保証をしなければならないという話です。昔の勤務先の在籍年数分も払わなければならないそうです。きわめて不合理ですが、中国ではこんなことがまかりとおるのですね。
 乙は驚きました。
 こういう制度で、よく国家が運営していけるなあと思いました。
 すでに中国に進出してしまった日本企業は、こんなチャイナリスクを織り込み済みだったのでしょうか。
 進むも地獄、引くも地獄という状態になっていないでしょうか。
posted by 乙 at 05:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月25日

菅総理は東日本大震災で何をするべきだったのか

 乙が JBPress で見かけた記事で、冨澤暉(2011.4.22)「東日本大震災に見る「独裁・統率」の欠如千載 一遇のチャンスを棒に振った菅直人首相」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5891
というものがありました。
 お見事。
 まさに、東日本大震災で菅総理が何をするべきだったのか、ズバリと指摘していました。
 乙は、この記事を読んで、何が胸の中にモヤモヤとして残っているのか、自覚することができました。
 まるで、優秀なお医者さんに、自分のカラダの不具合や不調をズバリ指摘されたかのような感覚です。
 こういう災害時は「独裁者」を目指しましょう、菅総理。

 ちなみに、民主党議員の田中慶秋氏の発言も見てみましょう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5918
 「組織論無き草の根総理、東電に責任転嫁の政府」という記事です。
 何と、田中慶秋氏もわかっているではありませんか。
 こういう民主党議員も抱えながら、菅総理は何をやっているのでしょうか。
 う〜ん。
posted by 乙 at 04:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月22日

震災からの復興

 山崎元氏がダイヤモンド・オンラインで「東日本大震災復興構想会議は要らない」
http://diamond.jp/articles/-/11971
と述べています。ごもっともです。
 「ダメ会社の会議に似ている」という指摘は新鮮でした。
 乙は、新聞などの報道を見ていて、何か違和感を感じていたのですが、それが何なのか、ズバリと指摘されてしまいました。
 最後にあるアンケートでも、「質問1 東日本大震災復興構想会議の存在意義について、あなたの意見は?」に対して「不要である」が87%となっています。まあ、この記事を読んだ後では記事の主張に影響されてしまうとは思いますが、多くの人の考える方向は似たようなものだといえるでしょう。
 佐藤正久ブログ
http://east.tegelog.jp/index.php?itemid=9040
には、震災復興関連の諸会議の図が掲載されています。何と会議が多いことでしょう。あきれてものがいえません。これらを立ち上げたのは、そう、我らが菅総理です。

 今回の原発関連の災害は「人災」というよりは「菅災」だという主張は説得力があります。
 ちなみに、現在、検索エンジンで "菅災" を検索すると、24,500 件見つかります。最近、急増しているようです。
 乙が調べた限りでは、飯山一郎氏が言い出しっぺのようです。
http://grnba.com/iiyama/more20.html#ws03195
ここにある3月19日の記事が最も古く、
http://www.asyura2.com/11/senkyo110/msg/307.html
http://1tamachan.blog31.fc2.com/blog-entry-1388.html
http://blogs.yahoo.co.jp/mvbzx0147/28286555.html
など、それを引用する記事がたくさんみつかります。
posted by 乙 at 06:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月19日

国会議員の歳費と50万円の減額

 乙は、最近知ったのですが、
http://blogs.yahoo.co.jp/ken_media912/33109780.html
によれば、「平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による災害からの復旧復興に資するための国会議員の歳費の月額の減額特例に関する法律」というのができたそうです。国会議員の歳費を4月から9月まで50万円減額し、被災者と苦難を分かち合おうという趣旨です。
 けっこうなことです。
 ちょっとネット内の記事を読んでみました。
http://unkar.org/r/seiji/1209818698
では、こんなことが書いてあります。
年間一億円を上回る議員特権!!
通信滞在費があるのに、なぜ議員宿舎や無料パスが必要なのか?!議員年金など必要か?

■議員歳費
月132万8,000円=年間1,593万6,000円
期末手当(ボーナス) 年間635万4,480円

■通信滞在費(文書通信交通滞在費)
月100万円=年間1,200万円

■議員宿舎(例:新築赤坂議員宿舎)
民間相場50万円−9万円(家賃)=41万円 41万円×12ヶ月=492万円
敷金ゼロ、礼金ゼロ、駐車場2万円

■議員年金
勤続10年で年間412万円を支給
10年以上になると段階的に上がり、勤続50年では700万円以上
税金によって7割もの補助が出る

■公設秘書給与(現行3人)
・公設第一秘書(1,200万円)
・公設第二秘書(1,000万円)
・政策秘書(880万円)

■政党助成金
政党に入るが、議員一人当たり年間約2,400万円

■その他の特権
JR年間パス…在来線に乗り放題。新幹線はグリーン車
航空券…月4往復タダ
国内出張…宿泊費込みで日当19,200円
海外視察…1人170万円を限度に支度金支給

 すごいものです。こういう話を聞くと、月額50万円なんて何と少額なことかと思えてきます。

http://www.j-cast.com/kaisha/2011/02/23088748.html
のように、アメリカと比べて日本の国会議員の報酬は決して高くないと主張する人もいます。

 何を基準にするかで話の印象は大きく変わってきます。

 政治家は、もらうお金に見合うことをやっているのでしょうか。
posted by 乙 at 05:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月01日

名古屋市議会の議長選出

 先日の名古屋市議会議員の選挙
2011.3.16 http://otsu.seesaa.net/article/190877025.html
の結果、名古屋市議会が大きく変わろうとしています。
 ダイヤモンド・オンラインで相川俊英(2011.3.30)「「一年生議員」がいきなり議長就任」
http://diamond.jp/articles/-/11667
を読みました。
 「一年生議員」がいきなり議長就任ということは、すごい話です。単に「減税日本」が最大会派というだけではありません。市議の選挙(多数決)で議長を選ぶということは、市議会の多くの人がこれでいいと判断したということです。
 名古屋市議会は変わろうとしています。
 これからどうするのか、どうなるのか、要注目です。
posted by 乙 at 03:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月31日

電気料金の値上げの一種としてのピークロード・プライシング

 この夏は暑い夏になりそうです。
 東京電力管内では計画停電などが予定されているからです。
 これに関しては、電気料金値上げや電力消費税を導入するべきだという議論があり、
2011.3.17 http://otsu.seesaa.net/article/191049323.html
また、電気料金の値上げは基本料金で行うほうがよいというアイディアもありました。
2011.3.23 http://otsu.seesaa.net/article/192040976.html
 鈴木亘(2011.3.28)「市場メカニズムを活用すべき電力不足対策」
http://synodos.livedoor.biz/archives/1720131.html
は、電気料金に関してピークロード・プライシングを提案しています。使用量のピーク時の電気料金を上げようという提案です。 まずは「企業に対して、季節別・時間別・業種別のピークロード・プライシングをはじめることが現実的である。」として「これにより、ピーク時とオフピーク時の料金差は10倍以上となる」と述べていますから、企業の電気料金に対して相当な大差を付けようという話です。
 このくらい差が大きくなると、企業としては何とか対策を考えるでしょう。真夏の午後を休みにして、深夜早朝の勤務を増やすなどというのでもいいかもしれません。どうするかは各企業が考えるべきことです。
 電車の運賃なども、混雑時の割増料金でピークの混雑率を下げようという話がありますが、今回のようなことでは、夏の暑い時期の日中の割増料金などが登場するのでしょう。冷房の効いた車内で快適に移動するためにはそれなりの料金を払わなければならないわけです。
 個人も、夜間電力と昼間電力で数倍違ってくれば、自宅の電気料金を下げるべく努力をするのではないでしょうか。
 鈴木氏の議論は、こういうことを通して、効率の悪いゾンビ企業に退場してもらおうというところまで考えてある点で興味深いものです。こういうアイディアも至急検討されるべきでしょう。
 鈴木氏は「さらに、夏場の対策として、政府が安易な計画停電や総量規制の導入を口にした背景にも、東京電力や経済産業省の官僚たちの隠れた意図や暗躍があるように思われる。」と述べていますが、もしもこういうことがあるなら、ピークロード・プライシングが検討されることはありません。
 それにしても、計画停電は、われわれがいかに電気に頼っているかを見事に知らしめました。これも「東京電力や経済産業省の官僚たちの隠れた意図」かもしれませんね。

 福島の原発事故の対応として、当面はこの夏の電力不足をどうするかが大問題ですが、実は、その先、数年先とかそれ以上を見越して、首都圏の(東北地方も同様でしょうが)電力供給はどうあるべきかというより根本的な問題があると思われます。原子力に頼るのか否かというのもそのような大問題の一つでしょう。
 乙は、電気使用量が増えることは、そこに住む人たちそれぞれの判断の結果であり、我々がそういう生活を(数十年にわたって)選んできたという意味で、十分な電力が生活に必要なことであり、今後もその傾向は変わらないのではないかと思います。ですから、数年先まで見越しても、原発に頼らざるを得ないでしょう。原発のこれからの新規設置は困難を極めるでしょうが、そちらを向くしかないように思っています。
 原発反対を主張するのは簡単ですが、では、原発を作らないことによる電力不足をどうするのでしょうか。他の手段による発電量を増やすか、電力の消費を押さえるかしかありません。前者でいえば、太陽光発電などかなりのコストがかかりますから、電気料金を値上げすることになりそうです。後者も、電気料金を値上げすることで実現するしかなさそうです。
 このようなことを考えると、電力供給をどう考えようと、長期的に見て電気料金は上げざるを得ないと思います。
 ピークロード・プライシングはその一つの手段ということになりそうです。

 なお、ゆうきさんのブログ「ホンネの資産運用セミナー」
http://genuinvest.net/?eid=1516
では、以下のような批判があるとのことです。
非効率で不公平な計画停電をやめて電気料金の値上げで対応すべきという話が出る一方、電気料金の値上げは被災者への負担になる、そもそも事故を起こした東電にこれ以上払いたくない、という批判も出ている。

 被災者の負担は別に手当てするべきで、被災者を料金値上げの対象外にするのは複雑な手続きが必要です。別途しかるべき支援策を考えることにして、電気料金は例外にする必要はないと思います。また、事故を起こした東電に、これ以上払いたくないという気持ちは理解できますが、実際にそうすることは無理です。東電から電気を買わない限り生活ができません。現代では電気ゼロでは十分な生活ができないし、自家発電などしても、結局コストが高く付きます。東電以外から電気を買うこともできません。料金値上げの話は、事故を起こしたこととは別に、これからの電力の供給をどうするかという問題です。
 重要なことは、電気料金の値上げ分が東電のふところに入るのでなく、被災地の復興支援なり何なりに回せるようなしくみを作ることです。それこそ国会議員たちの仕事ではないでしょうか。

参考記事:
http://www.shinoby.net/2011/03/post-2366.html
posted by 乙 at 04:50| Comment(14) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月29日

新しい土地での生活

 ちょっと前に、津波の被害を受けた人たちが町を捨てて他の地方に移住する可能性もあることを述べました。
2011.3.26 http://otsu.seesaa.net/article/192536783.html
しかし、これは被災者たちにはなかなか受け入れがたい話です。
 それに関連して、いろいろ思うところがあります。
 被災者の方々は、引越の経験が少ないのではないかということです。だから、よその土地に行って住むことを嫌うのです。いや、そういうのが嫌いだから、ずっと前から、自分の生まれ育った土地に住んでいるのかもしれません。
 乙は、大学に入るときに故郷を離れて東京に住みました。両親から離れてひとり暮らしでした。親から仕送りはもらっていましたが、一応独立生計でした。ある意味で大きな不安がありましたが、やってみればそれはそれでおもしろいものでした。就職も、妻との出会いも、乙が東京に住んでいなければ、ありえない話でした。東京は、そのようなよそからの出身者が集まってくる都市なのです。若い人を集める力があるということです。逆に、東京には東京出身者が少ないものです。三代以上続く「江戸っ子」なんて、ほとんどいません。
 乙は、あるとき、中学校の同窓会に出たことがありました。数十年ぶりに会った元のクラスメイトと話をしてみて感じたのですが、地元に住んでいる人がかなりの割合でいたのでした。まあ、それも一つの選択肢ですし、他人がその判断をどうこういうことがおかしいのはわかっていますが、話をしながらことばの端々にずいぶんと内向き思考だなあと感じたことを思い出します。そういう内向き思考だから故郷を離れてよその土地で暮らすことは選択肢に入らないのでしょう。(言い過ぎでしょうか。)
 自分の知らない土地に出向いて、そこで働き、生計を立てる。それはそれで意味のあることだと思います。
 若い人には、ぜひチャレンジしてほしいと思います。(こんなことをいわなくても、事実上そうなりつつあり、だから若い人が外に出て行って地方の小さい村が限界集落になったりするわけですが。)
 地方の、しかも非都市部にいくと、住民の高齢化率が非常に高いことに気づきます。住んでいる人の半数以上が65歳以上などという集落もざらにあります。今回の被災者がどうだったのか、詳しくは知りませんが、東北地方の海岸部であれば、おそらく高齢者がかなり多いだろうと思われます。
 歳をとれば、どうしても融通が利かなくなります。それまでの生活習慣を変えることは大変です。引越も、できればしないで済ませたいでしょう。実際、引越をするとそれが高齢者のストレスになる例もあります。ということは、元の場所で元の暮らしを取り戻したいと考える人が多数になります。
 人間は、さまざまな違った考えを持ちますが、性別・年齢・住所(出身地)によって大きく異なります。裏返すと、性別・年齢・住所(出身地)が同じ人は似たような考え方をするものです。
 今回の被災者に、東北地方沿岸部の高齢者が多いとしたら(そしてたぶんそうですが)、被災者の声を集めれば、元の町に住みたいという声が圧倒的でしょう。でも、本当にそれでいいか、個人的な感情とは別に、大所高所から考えてみる必要がありそうです。

 ところで、もしも、東京が直下型地震で壊滅的被害を受けたら、乙はどうするか。死んでしまえば話は簡単ですが、生き残った場合はその後を考えなければなりません。東京に残って復興に力を尽くすのも一つの生き方ですが、さっさと東京に見切りを付けて、早期リタイヤを前提に(勤務先の被害も相当でしょう)、他の地方に逃げ出すかもしれません。いっそのこと外国に行くかもしれません。
 何と非国民的な発想なのでしょう。
 でも、個人としては一つの判断として十分あり得る話だと思っています。
ラベル:引越
posted by 乙 at 04:53| Comment(6) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月26日

震災復興計画はむずかしい

 今回の東北関東大震災からの復興計画の話はあまりニュースになりません。15兆円だとか20兆円だとか、お金の話ばかりが話題になりますが、具体的にどんな町を作るのかという点が見えてきません。
 大規模な津波が今後もあることを前提にすると、基本計画として、いくつかの選択肢があります。
第1案:大津波を防ぐ巨大な堤防を作り、元のままに町を復興する。
第2案:被災地を捨てて、海岸線からやや離れた高台にみんなが集団移住する。
第3案:元の居住地を一切捨てて、国内のどこかに集団移住する。
第4案:それぞれの被災者が国内の諸都市に分散居住する。
 一体どれがいいのでしょうか。
 被災者たちの希望を勘案すると第1案でしょうか。先祖たちの築き上げてきたこの土地で、みんなで仲良く暮らしたいということです。しかし、将来来るであろう15メートル程度の津波を防ぐために巨大堤防を作るだけでもかなりのお金がかかりそうです。1箇所数千億円くらいでしょうか。そこに住む人たちの人口から考えると、(ムダとまではいえないけれど)もったいない気分になります。しかも、残念ながら今回の地震と津波でかなりの人口が失われたことを考えると、一緒に住むべき「みんな」はもういない場合があるのではないでしょうか。町ごとに被災状況が異なるので、一概には言えませんが……。元のままに復興することが現実的なのかどうか、考える余地がありそうです。
 釜石市の堤防は 1300 億円かけて作られていたとのことです。
http://www.bionet.jp/2011/03/konnahazudeha/
それでも今回の津波には役に立たなかったというのが現実です。
 第2案は、津波で流された町を見捨てるということでもあり、そういう判断はしにくいものですが、一度津波が来た場所は、これからも津波が来る場所なのですから、土地の利用価値はないと考えれば、選択肢の一つになりうると思います。しかし、何もないところに新しいコミュニティを作るというのは、それなりの苦労があります。ライフラインを整備するところから始めることになり、ダムによる水没予定地の集落が移住するような話に近くなります。でも、新しい土地にも地権者がいるわけですから、簡単に話が進むとも思いません。また、今回の地震・津波による被害を受けていない人たちもいるわけで、そういう人たちとの関係をどうするかという問題もあります。
 第3案は、あまり現実的だとは思いませんが、これからの少子高齢化・人口減少社会を考慮すれば、いっそのこと被災地を見限ってしまうということもありえます。第2案と比べれば、引越先が遠くなるだけです。国内の過疎地などを活かせば、集団移住を歓迎して受け入れてくれる場所もありそうです。しかし、それでは町の産業構造など一切が大きく変化するので、人々がどうやって暮らしていくかという問題があり、住民の抵抗が大きいかもしれません。
 第4案は、けっこう現実的です。日本社会全体としては、かなり低コストだろうと思います。もっとも、個々人にとっては、収入の道をどうするのか、悩ましいと思います。友人・知人と別れて、どこかに住むとしても、回りは知らない人ばかりということで大変です。受け入れる側にしてみれば、家も土地も財産も一切を流された人たちを受け入れるということですから、あたかもホームレスの人たちが転入してくるように受けとめられるかもしれません。しかし、今の日本で新たな差別問題が発生するとは思えません。今の日本では空き住戸がたくさんあるわけですから、分散居住でよければ、住むところは何とでもなると思います。時間が経てば、それぞれの被災者たちも自立の道を歩むものと思います。
 ただし、行政の立場からは、町がなくなるような第4案は考えられていないと思います。こういうのは「復興」でも何でもありません。
 今まで、自然災害にあうと、元の生活を再建することが復興と考えられてきました。しかし、被害の程度や復興の費用、これからのあるべき姿を考慮すると、あえて復興しないことも選択肢にしていいのではないでしょうか。

 余談ですが、第2案から第4案で今までの居住地を放棄したとしても、その後、海岸部の低地に住み着く人たちが出てきそうです。土地が安いし、100 年後にはまた津波がくるとしても、そのころには自分は死んでしまっていると考えれば、あえて海岸線沿いの低地に住む人がいても不思議ではありません。
 こんなことを考えると、もしかして、第0案として、今までのような(大津波に流されてしまうような)町を復興することもありかもしれません。津波が来たら水没する(その場合はひたすら高台などに逃げる)ことを前提にする居住方法です。大津波はめったに来ないのですから、そのときはそのときと覚悟を決めるならば、これもまた低コストな方法でしょう。
 考えてみると、被災者の人たちにとって、何が一番いいのかはむずかしい問題のように思いました。
 この話は、被災地から遠方にいて、現場の被害の状況をわかっていない人間の思い付きに過ぎません。

参考記事:
http://genuinvest.net/?eid=1507
ラベル:復興 震災 移住 堤防
posted by 乙 at 04:59| Comment(7) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月25日

東京電力の電力消費量

 計画停電の実施に関連した情報公開の一種でしょうが、東京電力が電力消費量のグラフを公開しています。
http://www.tepco.co.jp/forecast/index-j.html
 わかりやすいグラフで、ほぼリアルタイム(30分ほどの遅れ)で見ることができ、たいへんすばらしいと思います。
 昨年の電力資料量も表示されますが、最近は、計画停電によってピークがだいぶ低くなっています。人々の節電意識も影響しているでしょう。
 ところで、時間単位で見たとき、電力消費量は時間によってあまり変わらないように見えます。最低の3時ころで 2,500 万kW であるのに対し、ピークは、前年の相当日で夕方 4,800 万kW です。午前3時といえば、乙の自宅だったら、ほぼ何も使っていない時です(冷蔵庫くらいでしょう)が、東京電力の管内ではピーク時の半分ほど電力を使っているのです。
 深夜の時間帯にどこで電気を使っているのでしょうか。個人宅では、深夜電力を使った湯沸かし器くらいしかないように感じられます。町を見渡すと、夜間の照明や街路灯、信号機、交通機関などが電気を使っています。各種の自動販売機もけっこう電気を使いそうです。コンビニやテレビ局など24時間活動している企業がたくさんあるのでしょうか。
 それにしても深夜に電気をたくさん使っているのですね。乙は知りませんでした。ピークとボトムが大きく違っていて、もっと山型がはっきり現れるものと思っていました。個人宅では、朝や夕方にエアコンをつけたり食事の準備をしたりするので、厳密にいえばM型になるように思いますが。
 東京電力が深夜電力を使うように利用者を誘導していることの影響でしょうか。このこと自体は好ましいことだと思います。
posted by 乙 at 05:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月24日

「消費の自粛」という第4の災害

 日経ビジネスオンラインで見かけた記事で、内藤耕「サービス業を破綻から救え」(2011.3.23)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110322/219080/
があります。
 このタイトルよりも「「消費の自粛」という第4の災害」という副題のほうがインパクトがありそうです。
 地震、津波、原発という三つの災害に続く第4の災害が「消費の自粛」だという趣旨で、具体例はこの記事をお読みください。確かに、この記事のようなことだと自粛も「災害」のように思えてきます。
 乙の回りでも、地震後にはさまざまなパーティーや懇親会付きの会合などがキャンセルされました。3月は送別会などのパーティーがたくさんある月ですが、それらがなくなって、個人的には支出が減り、懐が温かくなったような気分です。(その分、寄付が多くなったともいえます。)
 伝え聞いた話では、某大学では、卒業予定学生が企画・主催し、教員も参加する卒業パーティーを、複数の教員が「開催されても欠席する」と伝えて、実質的にやめさせてしまったというようなこともあるようです。
 この間の交通の便、計画停電の不安、さらには余震や原発の影響などを考えれば、パーティーの中止はしかたがなかった面もあると思います。
 首都圏の大学で卒業式を取り止めた例もいくつかありますが、4月の入学式はどうするのでしょうか。9月ころにも(留年した学生などの少人数の)卒業式があったりします。9月だと、ほぼ確実に計画停電の影響などがあるはずですから、卒業式を行わないということもあり得ます。しかし、一方では、そのころまでには行方不明者もはっきりします(行方不明になって3ヵ月経つと死亡と推定されます)から、祝賀の式典を行ってもいいのではないでしょうか。さらに先の話ですが、来年3月には次の学年の卒業式があるはずです。3月11日に卒業式が予定されている場合でも、1年前を思いやって祝典は取り止めようというのは変な判断のように思います。
 被災者にとっては、1年後でも、まだまだ復興への道のりは遠く、苦労は続いていると思いますが、しかし、日本全体としては1年経てば雰囲気はだいぶ変わると思います。
 結局、いつかは元に戻るしかないわけで、問題はいつそのような判断をするかということだと思います。このあたりの判断はむずかしいものがあります。今は自粛ムードが高まっていますが、どれくらいの期間でこれが消えていくのでしょうか。
 地震や津波による直接の被害にあわなかった人は、むしろ積極的にお金を使うことも重要かもしれません。第4の災害を引き起こさないためにも。
posted by 乙 at 03:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月23日

電気料金の値上げは基本料金で?

 ダイヤモンド・オンラインで、野口悠紀雄氏が電気料金の値上げは基本料金で行うとよいと論じています。
http://diamond.jp/articles/-/11554/
 今回の地震と原発の事故を機に、節電などとともに、電気料金の値上げを主張する人はいろいろいますが、
2011.3.17 http://otsu.seesaa.net/article/191049323.html
基本料金の値上げというのは、ずいぶんと説得力のあるアイディアだと思いました。しかも、40A 以上の場合は5倍程度とのことです。具体的な数字が入っているので、検討しやすいと思います。
 これくらいの値上げだと、かなりインパクトがあります。
 乙の自宅の契約は 10kVA で、100A に該当します。これでも、寒い冬などではブレーカーが落ちる経験をしました。
 最近、やたらと電気を使うクセのある息子が自宅を出て行ったので、今なら 40A でも大丈夫かもしれませんが、妻が寒がりなので、やっぱり 40A では生活が成り立たないかもしれません。
 東京電力のサイト
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/menu/home/home02-j.html
によれば、6kVA 以上の契約は従量電灯Cという契約で、基本料金は 1kVA(10A 相当です) あたり 273 円です。したがって、10kVA の基本料金は 2,730 円です。5倍になれば、これが 13,650 円になります。電気をまったく使わなくても毎月これだけかかるわけです。乙の自宅では冬に電力使用量がピークを迎えます。1ヵ月あたりざっと3万円くらいです。エアコンを使わない時期で 12,000 円くらいでしょうか。それを基準にすると、数割〜2倍程度の電力料金アップになります。
 さて、もしもこうなったら、妻とともに考え込みそうです。

 そういえば、半世紀も前の乙が子供だったころは、電気の契約量が 5A だったことを思い出します。昔は、そういう生活だったのですね。電気を使うものといえば、照明(電灯)がほぼすべてで、テレビも冷蔵庫も洗濯機も電子レンジも炊飯器もなく、もちろんエアコンもなかったのです。電気を使うものがないのが普通の生活だったのですが、今はそんなことが考えられなくなりました。そういう生活に戻れと言われても戻れないでしょう。
 避難所生活をしている人などで、停電が続いている人たちは、さぞや苦労をしているのだろうと思います。
posted by 乙 at 07:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月19日

さまざまな義援金

 東北関東大震災に関連して、乙の職場でもさまざまなレベルで募金・義援金集めが行われています。自分の気持ちを表すいい機会です。
 それとは別に、各種ポイントが寄付に使えます。
 乙は、マネックスポイントを寄付しました。どうせマネックス証券は今後使いませんし。
2010.2.22 http://otsu.seesaa.net/article/141855227.html
 ネットで確認してみると、3月末まで有効のポイントもあったりして、全ポイント(といっても大したことはありませんが)を義援金に回すことができました。
 一人あたりはわずかであっても、みんなが集まれば大きな力になります。
 ポイント類はムダにしないように、寄付に回すのが一番です。
ラベル:義援金 ポイント
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2011年03月18日

円高が進む

 16日のニューヨーク市場で、円高が進み、1ドルが76円台まで急伸したとのことです。実に急激な円高です。
 日経新聞は特報を出し、「リスクを取りにくくなった国内の投資家が海外投資に尻込みするとの見方や、日本の企業や投資家が海外の資産を売って国内に戻すとの思惑が先行。ヘッジファンドなどの投機筋が積極的に円買いを進めているという。」と書いています。
 思惑だけでこんなにも円相場が変動するのでしょうか。
 こんなことで、乙が昨年11月に注文しておいた1ドル80円でのドル買いが約定しました。4ヵ月ぶりの約定です。
 個人投資家としては、せっかくの円高ですから、ここでドルを買うべきではないかと思います。(さらに円高が進んで大損をくらうことも考えられますが。)ドル建て投資の絶好期です。
ラベル:円高
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2011年03月17日

東北関東大震災に関連して電気料金値上げや電力消費税は

 今回の東北関東大震災(「東北地方太平洋沖地震」が正式名称ですが、どうもしっくりきません)については、さまざまな問題があります。その中で、おやっと思ったのは、電気料金値上げあるいは電力消費税の考え方が示されたことです。
http://agora-web.jp/archives/1279213.html
http://agora-web.jp/archives/1281101.html
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51804805.html
http://ameblo.jp/englandyy/entry-10830185694.html
 電気は生活必需品ですから、消費を控えるほどの料金にするとなると、2倍から3倍にする必要がありそうです。理屈の上ではあり得る話であり、おもしろいアイディアだと思いますが、そういう制度が導入されるためには多くの人の合意が必要です。その部分で拒否反応を示す人が多いように思います。つまり、このアイディアは政治的に不可能でしょう。

 それに関連して「無利子国債」のアイディアを唱える人もいます。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20110315/263826/?P=3
 これに関しては、乙は賛成しません。
2010.3.5 http://otsu.seesaa.net/article/142788317.html
それよりは、みんなで負担する電気料金値上げや電力消費税のほうがマシです。

 なお、山崎元氏は「10兆円規模の特別復興国債」を提案しています。
http://diamond.jp/articles/-/11512
こちらのほうが現実的でもっともなアイディアのように思います。
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2011年03月16日

名古屋の市議会議員選挙

 ここのところ、地震・津波・原発のニュースで持ちきりで、名古屋の市議会議員選挙の結果はニュースにもならないようです。
 結果は、河村たかし市長の率いる「減税日本」が28議席で第一党というものでした。とはいえ、定数75議席からすると半分には達しなかったことになります。
 民主党は、11議席しか取れず、さんざんな目にあっています。自民党19議席、公明党12議席を下回ったのですから、相当なものです。
 さて、「減税日本」が第一党とはいえ、過半数には達しないという結果では、名古屋市で本当に住民税の減税が実現するのか、わからないように思います。
 名古屋市には、借金が多いという話もあります。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5554
こんな状態で減税していいのでしょうか。
 まあ、議員報酬半減はすばらしいと思いますが。
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2011年03月10日

武富士創業家が怨嗟の的?

 乙はダイヤモンドオンラインで読んだのですが、最高裁判決で巨額還付金を得た武富士創業家が怨嗟の的になっているという話です。
http://diamond.jp/articles/-/11287
 何だか、勘違いしている人がたくさんいるような気がします。
 まず、2000 億円が還付されたことをどう考えるかですが、これは還付が当然で、そうしなければ、日本は法律が機能せず、お役所が勝手に何でも課税できる国だということが世界中にばれてしまいます。日本の将来を非常に暗くするものになったでしょう。今回、最高裁は法律に則って常識的な判断をしたと思います。
 というわけで、2000 億円は武井俊樹氏に還付されて当然の話です。このお金は個人の所有物です。したがって、この資金に関して個人に請求するというのは、会社に対して請求するべきものを個人に求めているということで、勘違いとしかいいようがありません。個人に対して請求できると考える人は、仮に今回の訴訟で武井俊樹氏が敗訴して、1330 億円の追徴課税がそのままになった場合でも、武井俊樹氏に請求するべきです。だって両者はまったく別の事件ではないですか。2000 億円があるから請求する、ないなら請求しないというのはスジが通りません。今回の訴訟の決着がどう付こうと、それとは別に訴訟を起こすべきです(でした)。
 そもそも、武富士の過払い金問題だって、相当におかしい話です。当時のグレーゾーン金利で借りた人が、返済を終えたあとで、利息はもっと安かったはずだとして訴訟しているわけで、こんなことを認めたら(実は裁判所がすでに認めてしまっているわけですが)「契約」が根本的に成り立たなくなってしまうではないですか。本人同士が納得して「契約」したものをあとから取り消すことができるという判断は、非常に慎重にやらなければなりません。世の中の秩序をひっくり返してしまいます。
 結果的に、サラ金業界が取りつぶしになり、借金したい人が正規に借りることができなくなりつつあります。これは良い悪いの問題ではなく、ルールが変わればそれに応じてみんなの判断基準・行動基準が変わるということです。
 こんなあたりからも、日本の閉塞感がいよいよ大きくなっていきそうです。
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2011年03月04日

中国の深刻な環境汚染

 乙は日経ビジネスオンラインで読みました。
 北村豊氏の書いた記事ですが、中国の深刻な環境汚染をレポートしています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110222/218546/
 もちろん、環境汚染はよくないことで、安全な食糧が入手できるようでないと、豊かな生活はできません。中国の現状は、その反対です。環境汚染問題も問題ですが、それを正していこうとすること自体ができないというわけで、社会のあり方としてこれでいいのかというより大きな問題を提起しています。
 共産党1党支配の悪い面がもろに出ています。
 こういう問題の解決は簡単ではないでしょう。
 中国が経済的に発展すれば、環境汚染はさらに深刻な問題になることが予想されます。どうしたらいいのか、乙はわかりませんが、中国の将来に疑問を感じました。
ラベル:中国 環境汚染
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2011年02月24日

公務員が極端に少ない市=サンディ・スプリングス

 乙が日経新聞2月22日朝刊1面で見かけた記事ですが、米国のサンディスプリングス市は市役所に勤務する公務員がわずか6人で、仕事の大部分は民間に委ねているそうです。
 非常にコストが安いということで、地方自治体のあり方の一つかもしれません。
http://ch-dambeaul.jugem.jp/?eid=121
は、ちょっと昔の記事ですが、なぜこうなったかを解説しています。
 これはとてもおもしろい話です。
 考えてみると、市町村レベルでは、たくさんの公務員を雇っておく必要はないということになります。これで安上がりの運営ができて、市民に対するサービスが低下しなければ、それでよいという割り切った考え方も可能でしょう。
 今、地方にいくと、活力がなくなっている都市がたくさんあります。主要産業が役場と農協と郵便局というところです。働く人がいないから工場もできないし、売り上げがないからお店が維持できないということで、市の中心部が空洞化しています。りっぱな役場の建物を維持するだけでも大変でしょうし、公務員がそれぞれ自分のやるべきことを考えるのも大変です。だからこそ、そもそも公務員を減らして、安上がりに運営するという手が現実味を帯びてくるわけです。
 日経新聞では、兵庫県の加西市も同様にしたいという市長の声が紹介されていました。市職員の年収が平均 800 万円で、全国の民間のほぼ2倍だそうです。名古屋市長選で河村たかし氏が主張したのも、鹿児島県阿久根市の前市長の竹原信一氏が主張したのも、こういう現実があるからです。これを何とかしたいというのは理解できます。
 オリバー・W・ポーター(2009.8)『自治体を民間が運営する都市―米国サンディ・スプリングスの衝撃』時事通信出版局 という本もあるようなので、近いうちに読んでみたいと思いました。


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2011年02月23日

赤字国債発行が否決されると

 日本の政治がうまく機能していません。
 平成23年度予算案が国会を通るのでしょうか。もしかしたら通るかもしれません。しかし、それと直接関連するいくつかの法案が通るかというと、今の状況ではなかなかむずかしいところです。
 特に心配なのは、赤字国債の発行に関わる公債特例法案です。これに関して、乙はいくつかのブログ記事で国債の発行が否決されるほうがいいかもしれないという話を読みました。
http://agora-web.jp/archives/1250147.html(池田信夫氏)
http://news.livedoor.com/article/detail/5355475/(久保田博幸氏)
http://iiaoki.jugem.jp/?eid=3904(ゴロー氏)
http://miyajima.ne.jp/index.php?UID=1298101468(宮島理氏)
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51219215.html(大西宏氏)
 大西氏の記事は、大阪府の橋下知事のツイートを掲載しています。
 極端な話かもしれませんが、公債特例法案が否決されることで、ぬるま湯的な日本の現状が一挙に危機モードになるかもしれず、それはそれで意味のある事件になるようにも思います。
 税収のある範囲で政府支出をまかなうというのはきわめて当然のことなのですが、今の日本はそういう当然のことが当然でなくなっており、例外の異常事態が通常になっているのです。
 公債特例法案の否決によって、日本国民が赤字国債のことをよく知るようになるだけでも十分意味があります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110222/t10014220531000.html
によれば、「政府が予算案を大幅に見直さないかぎり成立は極めて困難な情勢となりました。」とあります。
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2011年02月21日

ワタミの渡邉美樹氏、都知事選に出馬

 ワタミの渡邉美樹氏が都知事選に出馬する話は、すでにニュースで流れています。
 先日、ワタミ株式会社の封筒で「ワタミ株式会社株主の皆様へ」という手紙が送られてきました。乙はワタミの株主なのです。
 開封すると、渡邉美樹氏からの手紙が入っており、都知事選に立候補したことの案内でした。「私に投票を」などとは書いてありません。(表向きは)この手紙が選挙運動でないという位置づけなのでしょう。外食だけでなく、教育、農業、医療、介護などさまざまな分野で実績を上げてきたことを述べ、「人々が笑顔で暮らせる多くの幸福モデル」をさらに追求するため、都政に挑戦するということが書いてありました。
 一読して、好印象を持ちました。(社長としての)企業の経営と、都知事としての都政の舵取りは、似た面があると思います。渡邉氏には、その企業経営の力を都政で発揮してほしいものだと思いました。
 なお、渡邉氏はワタミの代表取締役を辞任し、「非常勤取締役最高顧問」になったとのことです。

 最近は、ワタミの株価も順調に上がっているようで、何よりです。
 株主優待券を利用しながらワタミの関連の店によく行きますが、安くておいしいので、この面でも満足しています。

参考記事:
http://news.livedoor.com/article/detail/5348840/
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2011年02月15日

普天間基地移設問題と鳩山由起夫前首相

 乙は琉球新報で見かけました。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-173438-storytopic-3.html
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-173440-storytopic-3.html
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-173443-storytopic-3.html
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-173444-storytopic-3.html
 鳩山由紀夫前首相の発言です。一部引用しておきます。
鳩山由紀夫前首相は12日までに琉球新報などとのインタビューに応じ、米軍普天間飛行場の移設交渉の全容を初めて語った。「県外移設」に具体的な見通しがなかったことを認めた。「県外」断念の理由とした在沖米海兵隊の「抑止力」については「辺野古しか残らなくなった時に理屈付けしなければならず、『抑止力』という言葉を使った。方便といわれれば方便だった」と述べ、「県内」回帰ありきの「後付け」の説明だったことを明らかにした。

 ええっ?? 「抑止力」が方便だったのですか?
 これって相当にひどい話です。何も考えもせず「最低でも県外」などと言ってしまったのですか。そして、「抑止力」が何であるかを理解しようともせず「方便で」発言してしまうのですか。これは、総理大臣のすることでしょうか。
 乙は「抑止力」と聞いたときに、「一体何それ?」という感覚でした。
2010.5.20 http://otsu.seesaa.net/article/150451785.html
から一部引用しておきます。
 そのあたり、「抑止力」というひとことによる説明では、納得できません。
 鳩山総理はこの間「抑止力」に関して何を学んだのか、国民にわかりやすく説明してほしいと思います。そして、アメリカ軍が沖縄に居続けることが必要だという議論を展開するべきです。専門家による説明が聞きたいのではなく、素人(鳩山総理のことです)の考えでいいから、何をもってそのような判断を下したのかを説明するべきです。それがリーダーシップということでしょう。

今、当時の事情が明らかになって、乙はいよいよあきれました。

 今の民主党(菅総理)の迷走ぶりは、いろいろなところであきれられていると思いますが、鳩山氏が首相のころからこんな状態だったのですね。ああなさけない。
posted by 乙 at 05:09| Comment(6) | TrackBack(1) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月02日

公務員は異動拒否ができる?

 乙は、読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110125-OYT1T00275.htm
で知りました。
 一部引用します。
 神奈川県横須賀市役所で8か月以上も人事異動に応じずに前の職場に居座り、停職1か月の処分を受けた男性主任(40)が再び元の職場に現れてトラブルとなった問題で、市人事課は24日午後、記者会見し、引き続き異動に応じるよう主任を説得する考えを示した。
 しかし、主任が応じるかどうかは不明で、市人事課では「市民から見れば不愉快な点もあると思うが、市は地方公務員法や司法判断に基づいて処分するしかない」と話し、対応に苦慮している。

 不思議な話もあるものです。
 公務員ならば、市長から異動を命じられればそれに従うしかないように思うのですが、それが通らないというのはどういうことでしょうか。
 まさか、行政職の人に教育職の仕事をせよというわけではないでしょう。
 異動した人が前の職場に現れても、それは他の人たちの仕事のじゃまになるだけで、むしろ迷惑であることは明らかです。
 こういう公務員に給料を払っていていいのでしょうか。
 こんな勘違い公務員がいるということ自体、「公務員改革」が必要だという証拠(のひとつ)になりそうです。
ラベル:公務員 異動
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2011年01月21日

ネット転送、著作権侵害

 最高裁の判決が出ました。国内のテレビ番組を海外でも視聴できるようにする「まねきTV」を運営する永野商店が公衆送信権を侵害しているという判断です。
 あちこちのニュースで見ることができます。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3EAE2E1828DE3EAE2E3E0E2E3E39180EAE2E2E2
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110118/ent11011816160079-n1.htm
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00191441.html
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2011011902000016.html
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011011801000549.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011011800761
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/television/485676/
http://bizex.goo.ne.jp/news/jiji-110118X160/
http://sh.explore.ne.jp/yorozu/71493_1.html

 今の段階では、事実を報道するだけの記事が多いようですが、ちょっとその周辺まで書いてある場合もあります。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110119ddm041040169000c.html
では、こう書いています。
ただし、判決は個人同士による番組転送まで違法としているわけではない。海外在住者が日本にいる家族や知人に送信用の機器を預けるなどすれば、現地で日本の番組を見ることは可能だという。

 これを考慮すると、個人が行えばOKで、業者が(金をもらって)行うとアウトというのでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110118
では、この判決をおかしいとしています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110119-00000077-zdn_n-inet
では、1審、2審の判決と比べる形で今回の最高裁の判決を示していますが、乙が常識的に(素人として)読む限り、1審、2審の判決のほうがスジが通っているように思います。
 というわけで、乙は今回の判決をおかしいと思いますが、問題は、こういう判決が与える今後の影響です。
 まず、今回の直接の当事者である永野商店はこのサービスをやめるでしょう。類似の事業を行っている業者は30社ほどあるという話ですが、これらも同様の判断をするでしょう。
 その結果、海外に赴任する(あるいは居住する)個人は、日本のテレビが簡単に見られなくなります。日本国内の個人(たとえば家族)に依頼することができる人はいいですが、技術的な側面を含めて、個人が対応するのはむずかしい場合が多いのではないかと思います。
 こうして、テレビ局は自らの首を絞めることになります。テレビが見られなくなったら大変だと思っている人も、実はなくても何も困らないではないかということに気がつくのです。テレビを見る時間を、DVD や新聞やネットを見る時間に振り向けるようになります。テレビが見られなくなって一番困るのはテレビ局自身でしょう。
 現在、テレビ放送を行っている民放もNHKも、電波だからこそ広い地域に放送を届けられるのであって、いわばそのように多くの人に見てもらうことを使命としている存在です。みんなが見なくなったら、放送の意味はありません。テレビ局は「送りっ放し」をしているだけで、見てもらってなんぼの世界なのです。なのに、個人的努力で(お金を出して)テレビ放送を見ようとしている人を排除しようというのです。この感覚のズレは何なのでしょう。
 これから放送と通信は融合していくと考えられています。端的にいえば、放送局は、ネットに接続する動画サイトの一つに過ぎなくなるわけです。ネット時代にどうやってビジネスを構築していくか、放送局の対応が注目されます。ビデオオンデマンドなどはその典型でしょう。NHKなどは、関連子会社で過去のドラマを DVD 化して販売していますが、そういうのはなくなっていくのです。音楽業界では CD の売り上げがどんどん落ちていて、ピークの 1/3 まで下がったという話です。ネット配信がそれを補っているわけです。テレビ放送も同様の道を歩むものと思われます。
 そういう大きな展望を考えれば、今回のような1対1で送信しているようなケースは放送局の権利を侵害しているものでも何でもなく、「公衆」に「送信」しているのでもないと考えるべきです。
 海外在住者でテレビを見たいという強い要望があることをテレビ局はどう考えているのでしょうか。
 まねきTVのサイト
http://www.manekitv.com/service/index.html
によれば、入会金1万円(税込み 10,500 円)と月額料金 4,800 円(税込み 5,040 円)を払わなければいけないわけです。それを払ってもいいという人がたくさんいるわけですから、たとえば、テレビ局が自分たちでそういうしくみを作り、お金を取ればいいのです。大変なビジネスチャンスがころがっていたのです。自分たちでそういうことを行わず、業者が始めるとそれを訴訟という手段で叩く。これは一体何なのでしょうか。
 テレビ局は、訴訟で仲介業者を叩くのでなく、まずは、低額料金で世界中から日本のテレビ番組が見られるようにして、結果的にまねきTVのようなものが市場で負けて退陣するように仕向ければいいのです。
 放送用に作った番組をネットに流すことは法律でできないですって? だからこそ、議員を動かして、日本のそういう時代遅れのしくみを変えさせることが優先されるべきです。ネットに流すことは有線放送だと考えればいいのです。
 今までは、電波を利用しているので、テレビ放送は国単位で行われていました。しかし、今後は電波を使わないことで国境を越えることになるのです。日本のテレビ番組は諸外国に確実に売れます。日本語のままでも大丈夫です。日本人の海外在住者だけでなく、外国人も日本語を学びつつ日本のテレビ番組を見たいと思っています。
 テレビ局やその業界人は、こんな訴訟に関わっているよりも、もっと他にやるべきことがあるのではありませんか。
 こんなことを考えていると、海外進出をためらう産業は単に政治力で生きながらえているだけではないかと思えてきます。テレビ放送しかり、農業しかりです。あ、公務員もそういう「産業」の一つかもしれません。

 乙は、15年後くらいには海外で暮らしている可能性がありますが、そのころには、こんなくだらない問題は解決済みで、海外に住みながら日本のテレビ放送を自由に楽しめるようになっているでしょうね。デジタル放送でありながら、世界中に配信できないとしたら、一体何のためにデジタル化したのかということですよ。

参考記事:
http://agora-web.jp/archives/1201793.html
http://agora-web.jp/archives/1202683.html
http://blog.dandoweb.com/?eid=115444
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51605322.html
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2011年01月17日

原子力発電所を建設してアジアに住む

 アゴラで、山口巌氏が、ユニークなアイディアを書いています。
http://agora-web.jp/archives/1196171.html
 優しく、敬老精神に富み、若年層の労働力の豊かな、インドネシア、フィリッピン、ベトナム、マレーシアに相手国政府と協議の上、老人村を建設してはどうだろうか。
 こう言った国では、年間、100万円程度で衣、食、住が賄え、日本よりも遥かに高い生活レベルが維持出来る様に思える。
 そして、今後需要が増大する、原子力発電所と連携させるのも可能では無いか。原子力発電所に隣接する敷地に日本村を併せ建設し、日本の老人を受け入れて貰うのである。
 原子力発電所の建設費用を10年間の老人受け入れで返済して貰うのだ。原子力発電所の建設コストが5,000億円とすれば;
5,000億円÷@100万円÷10年=5万人と成り、原発を建設する事で日本の老人5万人を10年間面倒見て貰える試算である。機能しない行政や、既得権者に貪られてる税がゼロに成る訳である。

 とてもユニークなアイディアです。
 ただし、乙は、原子力発電所の建設と日本人の老人村の建設を結びつけて議論している点が納得できませんでした。それぞれが 5,000 億円かどうかは別として、それぞれにお金を介在させれば、別の事業ということができます。特に原発は日本が建設しなくてもいいと思います。
 現在は、物々交換の時代ではなく、市場を通して貨幣とものを交換している時代になっています。現在、物々交換が適しているようには思えません。
 原子力発電所の建設費用は、いくらなのか、よくわかりません。直接の建設費が 5,000 億円としても、10年で取り壊すわけではないでしょう。もっと長く使うのが当たり前です。また、耐用年数をむかえて原子力発電所を取り壊すことになったら、放射性廃棄物の処理費用がどれくらいかかるのか、何ともいえないでしょう。
 一方、老人村の建設も悩ましいところです。年間 100 万円程度で衣食住がまかなえるとしても、それは、すでに建物がある(それを借りる賃貸費を含めて計算する)場合ではないでしょうか。5万人分の住宅建設費がどこかからもってこられるでしょうか。出資者を見つける必要があります。
 また、老人村が建設されたとして、10年後に取り壊しということにはならないでしょう。住宅はもっとずっと長く使えるものです。とすると、メンテナンスしつつ、20年〜50年くらいのスパンで計画を考えておかなければなりません。さて、日本も、居住国も、経済状況がそんな長期にわたって同じようだとは思えません。アジア各国の経済発達も大きいと思います。となると、年間 100 万円の生活費というのも変わってくるでしょう。
 というわけで、二つの事業のいずれも、実現がむずかしそうです。そういう2種類をリンクさせる計画なのですから、実現はきわめて困難だと思います。
posted by 乙 at 05:58| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月15日

マンションの駐車場

 乙は
http://cfpnumata.blog130.fc2.com/blog-entry-93.html
で見かけたのですが、最近はマンションの駐車場に空きが出ているとのことです。駐車場収入が減るので大変だという話です。
 乙は、以前都内でマンションに住んでいましたが、そこは、大規模マンションで、駐車場は満杯状態でした。住戸数の約2割の駐車場だったと記憶しています。マンションの駐車場の利用者は抽選で決め、その後は申込順にしたのですが、空き待ちリストは相当に長いもので、20年くらい経たないと順番が回って来ないので、クルマを持っている人はマンションの周辺の駐車場を利用していたものです。マンション内の駐車場の方が安くて近くて便利なので、いつも、駐車場待ちの人からは、駐車場料金を値上げするように要望が出されていました。少なくとも、周辺の相場並みに払ってもらいたいということです。
 今や、時代も変わったのでしょうか。
もっとも、ネットで乙が住んでいたマンションの売り物件情報を見てみると、駐車場は満杯のようで、空きなしとなっています。駐車場の比率が2割といえば、非常に少ないほうでしょう。
 駐車場が広すぎる場合は、そこをどう活用するかは管理組合なり何なりで議論して、住民の多数の利益になるような利用方法を考えていきたいものです。
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2011年01月10日

こんな日本になったらいいな

 橘玲氏が「こんな日本になったらいいな」ということで、記事をお書きです。
http://www.tachibana-akira.com/2011/01/1888/
 リバタリアニズムの立場で日本の姿を見直すと、あれもいらない、これもいらない、ということになります。民間にできることは民間にやらせるというだけで、政府の姿は劇的に変わります。結果的に、きわめて小さな政府になります。税金も安くなるはずです。公務員は激減しますが、そういう人たちは、新しくできる民間企業で働くことで、単純に「失業」ということにはなりません。
 これは一つの理想郷のように思います。
 小さな政府にするということは、安上がりな政府にするということです。こういう社会が実現して喜ぶのは、富裕層でしょう。今は多額の税金を取られて、見返りはわずかしかない(人並みですが)状態です。一方、低所得層は、あまり税金を取られずに、人並みのサービスが受けられます。大きな政府になればなるほど、富裕層から低所得層への所得の移転が多くなると考えられます。小さな政府はその反対です。
 さて、日本人がこんなリバタリアニズムの貫徹した社会を志向するでしょうか。
 日本人の多数は、こんな日本に賛成するとも思えないのですが、乙は、今後の日本の進むべきあり方の一つを示しているように思いました。
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2011年01月09日

3世代連結の家計防衛

 日経新聞1月8日朝刊1面の「三度目の奇跡」欄の記事を読みました。
 介護福祉士の夫婦が夫側の両親と同居している話です。夫婦ともに介護福祉士ということでは、どう考えても高給取りにはほど遠いでしょう。月の手取りが夫婦合わせて39万円というのは、そんなものかと思います。それでも二人の子供がいます。そういう生活が可能なのは、親と同居しているからです。月々3万円を親に渡しているとのことですが、夫婦それぞれの実家に子供たちの面倒を交互に見てもらうことで何とかやりくりしているということです。
 日本では、現在、夫婦と子供二人という核家族が崩れはじめています。核家族という形態は、男性が一人で働いても十分な収入が得られて、妻が専業主婦でも大丈夫なようになっていたからこそ成立した家族形態です。今のように非正規職が一般化したりして、収入が十分でなくなれば、一人で家庭を支えることは不可能になり、それに応じた家族形態になるのは当然です。
 というわけで、どちらかというと低所得層の若い夫婦とその子供、それに(場合によっては退職後の)祖父母の世代という3世代家族が増えつつあるというのが現状でしょう。乙の周辺でも、そういう例をいくつか見かけるようになってきました。

 さて、話は変わって乙の未婚の次男の話です。今は乙と同居しており3人家族です。次男はすでに大学を卒業して定職についていますが、さほどの収入ではなく、ワーキングプアに近いといっていいでしょう。将来的にも、年功序列的に収入が上がることはさほど望めません。次男には、そろそろ結婚も視野に入れてつきあっている女性がいます。しかし、経済的に結婚がむずかしいと考えているようです。その女性も働いていますが、こちらもさほど高い収入ではなく、子育てに追われることになれば、仕事を続けることがむずかしいかもしれません。となれば、次男一人の収入では生活が成り立たない可能性もあります。
 乙は、次男に親と同居することも選択肢の一つに入れてみてはどうかと提案しました。今住んでいる家は、夫婦と(大きくなった)息子2人を前提に作ったもので、4人で十分住める広さがあります。台所や風呂は一つしかありませんが、トイレと洗面台は二つずつあります。冷蔵庫もどういうわけか二つあります(笑)。長男は、すでに結婚して別居していますので、その部屋が空いています。だったら、そこに次男の嫁が入っても十分暮らしていけそうです。
 都内でアパートを借りるとしても、二人が住むためには、それなりの家賃がかかるでしょう。二人の低所得を考えると、生活が成り立つのかどうか、心配です。今はそれぞれが親と同居しているから何とかなっていますが、二人で独立して住むとなれば、家賃以外の水光熱費や電話代、ネット代などもそれなりにかかります。
 さらに大きな問題は、子供が生まれた場合です。核家族では、子供を保育園に入れることになりますが(そして乙は二人の息子をそうして育ててきましたが)、待機児童がたくさんいるのが現状です。うまく保育園に入れるかどうか、わかりません。保育園に入っても、その後、けっこう大変です。乙の経験でもそうでした。子供が伝染性の病気になったりしたときなど、乙と妻で交替に休みを取ったりしてしのいできました。
 一方、親と同居していれば、近くに若干の人手があるのと同じことになります。いざというときはやや安心です。絶対安心とはいえませんが、……。
 生活費は、みんなで一緒に住むほど安くなります。2人よりも4人、さらに子供が生まれて6人で一緒に住むと、コストはいっそう安くなります。子供が大きくなってからの6人暮らしは、今の家ではさすがに大変なように思いますが、それまでの10年ないし15年くらいでも、みんなで支え合って生活するのも悪くないと思います。そのころには、乙は退職して海外生活になる可能性もあります。とすれば、今の家を次男が使えば、家賃ゼロでずっと住み続けられます。
 次男は、何とか家を出たいと考えているようです。自分のことですから自分で決めればいいのですが、親との同居も(嫁側が納得してくれれば)さほど悪くないように思うのですが、どうなのでしょうかね。
ラベル:同居 親子
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2011年01月07日

若者が搾取される理由

 藤沢数希氏が「若者が搾取される理由」を書いています。
http://agora-web.jp/archives/1164595.html
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51784390.html
 若者が選挙に行かないことが問題だという話です。
 これについては、乙も同感で、過去に同趣旨の記事を書いています。
2010.6.6 http://otsu.seesaa.net/article/152367907.html
2009.12.23 http://otsu.seesaa.net/article/136084374.html
 上記の藤沢氏の記事では、総務省による「第22回参議院議員通常選挙における年齢別投票状況」のグラフ
http://www.soumu.go.jp/main_content/000096493.pdf
を示していますが、大変ショッキングなグラフになっています。若者の人口が少ないことに加えて、投票率が低いのでは若者の声が国会に届きません。
 これに対して、小黒一正氏は「世代間公平基本法を制定し、世代間格差改善を」と主張しています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101220/217640/
 また、おなじ小黒氏によるちょっと前の記事ですが、
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101007/216538/
では、「世代別選挙区」や「子どもに1票を」という考え方などを紹介しています。
 これくらいしないと、どうしようもないのかもしれません。少なくとも若者の声を活かすことはきわめてむずかしいといえます。
 とはいえ、乙は、そこまで心配しなくてもいいのかもしれないとも感じています。
 一つには、選挙は、他人から強制される義務ではなく、自主的に行くものであり、権利ですから、各自の選択(の積み重ね)がこういう結果になっているということなのです。
 もう一つには、加齢と投票率の関係があります。上記の総務省のグラフ
http://www.soumu.go.jp/main_content/000096493.pdf
には、前回(平成19年)の投票率も(表の右端に)記載されています。その数値と今回(平成22年)の数値を比べると、あまり変わっていないのです。
 もう少し古い資料があればさらにいいのですが、探しても見つかりません。(徹底して調べればあるのかもしれませんが。)
http://www.pref.toyama.jp/sections/0500/sa-nenre.htm
には、富山県の例が(ごく一部ですが)出ています。
 さて、3年経っても、年齢別投票率が大きく変わらないというところがミソです。
 これを言い替えると、3年後には、有権者は3歳年を取っていますが、それは3年前のその年齢の人の投票率に一致するということです。つまり、年齢を重ねると投票率が上がっていくということです。だんだん選挙に目覚めていくとでもいえばいいのでしょうか。
 それにしても、高投票率になるまでには、何十年もかかって、自分が年を取ってしまうのですから、若い人の声が国会に届かないことには変わりがありません。これが望ましくないことは当然のことです。

 世代間の格差は、自分の選択だとしても、選挙区間の格差は、制度としてそう決められているのであり、また現実にそれにしたがって選挙が実施されているのですから、世代別格差以上に深刻で、喫緊の課題だといえます。参議院のように選挙区間で5倍の格差があるなんて、信じがたいことです。近代国家にあるまじき不公平・不平等な制度です。これを放置している国会議員は、それだけでも国政に関わる資格が疑われるようなものです。国会議員は「自分は、正当な選挙で選ばれたのではなく、自分がここにいてはいけないのかもしれない」などとは考えないのでしょうね。
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2011年01月06日

加賀屋が台湾に進出

 乙は、テレビ東京の「ガイアの夜明け」1月4日放送分「ニッポンの“反転攻勢” 〜世界を席巻する“和”の主役たち〜」
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview110104.html
を見ました。
 日本一のおもてなしを信条とする伝統の旅館「加賀屋」
http://www.kagaya.co.jp/index.php
が台湾に進出です。日本では、今や、大企業でなくても、どんどん海外に進出していく時代になっているのですね。ある意味で頼もしく感じました。
 それにしても、台湾人女性の客室係の「教育」は大変なようです。番組では、日本人の教育係が日本語で指示して台湾人客室係から理解されていたようだったし、日本語が話せる客(台湾人でも!)には客室係が日本語で応対するという方針のようですから、はじめから日本語能力のある人を大量に集めたはずです。となると、給料は一般の台湾人よりも高くなります。
 テレビで見た限りでは、それなりの容姿の若い女性を採用しているようでした。(メイクの影響もあるとは思いますが)平均的な台湾人女性よりはずっときれいです。となると、これまたコスト高です。給料を高くしないと容姿のすぐれた人は採用できません。
 そして、彼女らを3ヵ月くらい客室係として仕込むわけです。着物の着方や座り方から始まって、畳の上での歩き方、食事の出し方など、日本流のもてなしのすべてです。この間も彼女らに給料が支払われるのでしょうか。たぶんそうなんでしょうね。さもないと彼女らが生活していけないですからね。
 一番問題になるのは、研修期間が終わって、その段階で辞めてしまわれることです。加賀屋にとって大変な損失です。それを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。客室係と加賀屋とは、どういう契約形態になっているのか、乙は気になりました。研修期間中は給料を安くしておくのでしょうか。ま、外国への進出のノウハウの一種ですから、テレビ番組の中でそれを明示してしまうことはできなくてもしかたがありませんが。

 番組を見たあと、乙は、台湾に行ったら加賀屋に泊まってみたいと思いました。あ、富裕層でないから背伸びのしすぎでしょうか。

参考記事:
http://www.kagaya.co.jp/information/detail.php?id=143
http://www.kagaya.com.tw/(中国語繁体字)
http://blog.goo.ne.jp/beijing-japanese/e/54788cc2250aec0914065a360cb2270c
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2011年01月04日

地球温暖化の問題

 乙は JBPress で池田信夫氏の記事を読みました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5153
池田氏は「地球温暖化は、科学の問題である以前に、まず経済問題である。温暖化を防止するコストがそのメリットに見合わない場合は、対策を取らない方がよい。」と述べています。この発想は妥当です。
 この根拠として、池田氏は「長期プロジェクトの効果を評価する時は、毎年3%ぐらいの割引率を使うのが普通である。これによれば、100年後に京都議定書の完全実施によって被害が防止される効果を1兆ドルとすると、その割引現在価値は約500億ドルで、対策のコスト1兆ドルを大きく下回る。」とも述べています。
 きわめて腑に落ちる考え方です。というか、もともと地球温暖化を心配する人たちは、割引率さえ考えずに主張していたのかと驚きます。
 地球温暖化については、乙は以前から疑わしいと思っていました。
2009.12.9 http://otsu.seesaa.net/article/135098110.html
今回は、経済の面からも問題ありとわかったということです。
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2010年12月28日

増税の前にやるべきこと

 中川秀直氏のブログで「再び、財政再建打順論について」
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10748072116.html
というのがありました。
 増税というと、普通は消費税のことをまず考えそうですが、話はそれに限定されません。
 中川氏によると増税の前にやるべきことが四つあるという話です。
1番=物価上昇率が0%になったら引き締めに転ずるデフレターゲットの金融政策をやめること
2番=不要な政府資産を売却すること
3番=公務員人件費など歳出削減
4番=年金など制度改革
5番=増税
 なるほど、わかりやすい主張です。もっともな話です。
 いずれも今の政権には実現できそうもありません。
 日本国の借金は膨大ですから、いずれ増税は避けられないとしても、その前に、やるべきことをきちんとやってからにしてもらいたいものです。
 とはいえ、中川秀直氏も自民党の国会議員であり、内閣官房長官などを歴任した方ですから、そのときにこういうことをやっておいてくれてもよかったのではありませんか。
 そうすれば、自民党が下野することもなかったように思いますが、……(いや、それは、まあ、やってみなければ何ともわかりませんが……)。
 主張はスジが通っていますが、自分たちが政権の側にいたときにそれを実行できなかったわけで、実はとてもむずかしいことなのだと思います。
 上述の5点の順序は正しいものとしても、それを実行するために自民党に勝たせてほしいといわれてもそうは簡単にいきません。長年できなかったことなのですから、政権を取ったからといってそれが実行できるとも思いません。継続的な努力で地道に改革していくしかなさそうです。
ラベル:増税
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2010年12月12日

日本の法人税と租税特別措置

 乙は、池田信夫氏の記事を読んで、驚きました。
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2010/12/post-263.php
 日本の法人税率が高くて企業が海外に逃げていくと思っていましたが、実は、租税特別措置が多くて、実効税率はそんなに高くないというのです。
 租税特別措置が 648 種類もあると聞くと、いやはや、大変なことだと思います。
 もちろん、一つ一つは、業界団体の陳情から国会審議を経て決められたものでしょうが、それにしても、こういうしくみが全体として日本のあり方に歪みをもたらしているわけですね。
 いっそバッサリできればいいのでしょうが、今の民主党政権にはその力がないので、数年(もしかして数十年?)先を期待するしかないでしょう。
 日本をどうしたらいいか、あちこちでさまざまな処方箋が書かれているのに、何一つ解決されていないままです。こうやって日本が沈んでいくのを見ているのはつらいものです。
 国民のできることは選挙で投票することだけなんでしょうか。数年先に総選挙があるにしても、そのとき、自分の選挙区に信頼して投票できる政治家がいるのでしょうかねえ。ホント、悲観的になってきました。
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2010年12月10日

大卒者の就職難

 大卒者の就職難については、社会的に関心が寄せられています。「氷河期」再来です。
 これに関して、12月7日の日経新聞夕刊3面「十字路」欄に、竹内淳一郎氏がコメントしていました。
 就職戦線にはさらにハードルがある。第1は外国人(留学生)。事業の国際展開を急ぐ企業は人材のグローバル化を進めている。第2は高齢者。社会的な要請もあるが、賃金が下がるほか、雇用期間も最大5年と割り切れる。第3は主婦層。夫の所得目減りを補う観点から労働市場へ参入している。配偶者控除廃止となれば、さらに増えるだろう。

 というわけで、大卒者の就職に関しては、明るい未来はなさそうです。
 今は、整理解雇が実質的に禁止されていますから、大卒者を採用するということは40年にも及ぶ雇用保証をするということで、新卒採用には慎重にならざるを得ません。結果的に、新卒や非正規雇用にしわ寄せが来ているというのは事実です。
 では、どうするか。
 竹内氏は正社員の賃金引き下げや、過剰労働の改善を提案し、これによって雇用の場を提供するとしていますが、さて、日本の社会はそういう痛みに耐えられるでしょうか。
 高齢者については、以前、ブログ記事でも書きましたが
2010.7.21 http://otsu.seesaa.net/article/156959618.html
 雇用期間が限定されている点が雇用者側のメリットだという視点はおもしろいと思いました。
 さらに、労働市場においては外国人と主婦も無視できない問題です。
 大卒者の就職難を通して、日本社会がよく見えてきます。

 さて、日本の将来はどうあるべきなのでしょうか。
ラベル:大卒 就職難
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2010年12月09日

中国の一人っ子政策と軍隊

 中国では一人っ子政策がとられています(最近は少しゆるんでいるようですが)。
 でも、その結果、軍隊に行く人がいなくなり、朝鮮半島有事の際にも中国軍が出動できないかもしれないなどという話まであるようです。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1206&f=national_1206_115.shtml
 一人っ子政策を導入するときは、もちろん、こんなことまで考慮していたでしょうが、乙は、両者が結びつかなかったので、このニュースを知って、驚きました。
 中国も、これからのさらなる少子化によって何かと変わっていく予感がします。
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2010年11月27日

民主党内閣がやったこと、やらなかったこと

 日経新聞11月25日夕刊6面に「変わりゆく民主公約」という記事がありました。
 2009 年の衆議院選挙のときのマニフェストを取り上げ、それがその後どうなったかを一覧表にしたものです。
 公約の検証ということですが、こういうことも新聞の大事な役目でしょう。過去を振り返り、未来のあり方を考える上では、ときどきこんなことをしておかないといけません。
 ざっと見ると、以下のようなことになっていました。

・分野
衆院選マニフェスト→現状

という順番で実現度が低いものから高いものの順に書きます。

・外交安保
在日米軍基地のあり方を見直し→普天間基地移設問題は自民政権時の案に逆戻り
中国などアジア諸国との信頼関係構築→尖閣諸島巡り対中関係が緊迫
・税・社会保障
配偶者控除、扶養控除の廃止→政府税調は意欲も、党に慎重論
消費税を財源とする「最低保障年金」(月額7万円以上)を創設(13年までに法改正)→消費税論議を棚上げ
ガソリン税などの暫定税率の廃止→10年度は廃止断念、11年度も党に慎重論
11年度から月2万6000円の子ども手当支給→11年度の満額支給は断念
・政治・行政改革
国家公務員の総人件費2割削減→10年度は人事院勧告通り給与 1.5% 下げ
衆議院定数の80削減→参議院選挙でも約束するが議論停滞
天下り団体の公益法人は原則廃止→09年度国家公務員 462 人が公益法人に再就職
法改正の3年後に企業団体献金を廃止→自粛見直し、受け取り再開を表明
政府に国会議員を 100 人配置→関連法案の成立見通し立たず
・国交・農水
八ツ場ダムの中止→中止方針を事実上撤回し、再検証
高速道路の原則無料化(12年度から 1.3 兆円)→11年度要求は 1500 億円どまり
農業の戸別所得補償(11年度から1兆円)→11年度は約 8000 億円要求
公共事業費を 1.3 兆円削減→10年度に約 1.3 兆円削減。ただし10年度補正予算で公共事業費積み増し
・教育
10年度から公立高校の無償化→10年度から無償化実現

 こうやって並べてみると、見事なものです。高校の教育費無償化は実現したものの、それ以外は軒並み達成できていません。まるでほとんど何もやっていないかのように見えます。
 これでは、前回の衆議院選挙の結果を踏みにじっているとしか言いようがありません。
 各党がそれぞれの政策を掲げて「日本をこうします」と約束し、選挙で多数の支持を得た党が国民の信任を得たとしてその政策の実現を目指していくのが民主主義の世の中(今の日本)のあり方です。しかし、民主党が約束したことがほとんど何も実現できていないかのように見えます。あまりに見事すぎて声も出ません。
 このまま次の衆議院選挙を迎えれば、民主党の大敗は間違いなしです。だって、「やる」といったことがやられていないのですから、そういう約束をした党が「次にこうやります」と言ったって、それを信じる人はいないでしょう。民主党は「何もできない党」でしかありません。
 民主党が公約を守らないことだけが問題ではありません。
 こういうことになったことで、国民の政治不信をいよいよ増幅させてしまったことがさらに大問題なのです。
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2010年11月25日

スカイマークが欧州路線に就航

 乙がおもしろく思ったことがあります。
 日本の格安航空会社・スカイマークが国際線を飛ばすというニュースがありました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101119/217186/
 おもしろいのが、新たに開設するのがアジア路線ではなく、欧州路線だというところです。
 日本航空や全日空に対抗して利益を上げていく方が、エア・アジアなどの格安航空会社の競争が厳しいアジア地域でがんばるよりもよいという現実的な経営判断の結果です。
 JAL も ANA も見下されたものです。スカイマークに対抗しようと思っても、今までのいきさつ上、そう簡単には行かないようです。それを見越してスカイマークが進出してきているわけです。
 しかも、800 人以上を収容できる機体に 394 人用の座席を設けるという話ですから、スカイマーク便はビジネスクラスやファーストクラスが中心になると思われます。スカイマークがこういう構想を立てているのもけっこうなことです。単なる格安航空とひと味違います。
 スカイマークの戦略は興味深いものです。こういう発想に将来性を感じます。
 とはいえ、これが顧客に受け入れられるかどうかは別問題です。事前の綿密な市場調査などにより、これでやっていけると判断したのでしょうが、本当に大丈夫かどうかはもう少し時間が経ってみないとわかりません。
 客の側からすれば、外国に安全に飛んでいければいいのであって、何も日本の航空会社である必要はありません。(ただし、客室乗務員は日本語が完全にできる日本人である方が安心感があります。)本当に日本の空が自由化されるならば、アジアのLCCが日本と欧州を結ぶ路線を開設してもいいはずです。そうなれば、スカイマークとはまた違った旅のスタイルができるのではないでしょうか。
 最近は、アジアのLCCで働く日本人客室乗務員も増えつつあるという話を聞きます。
 客室乗務員については、高い運賃を払って日本人客室乗務員がたくさんいる便に乗るか、安い運賃で日本人客室乗務員がいない(したがって英語で意思を伝えるしかない)便を選ぶか、悩ましい選択があります。客の英語能力の程度と運賃の差額の大小によって判断も分かれるでしょう。
 何にせよ、多様な旅行プランが可能なのはいいことです。そのような状況が実現すれば、客の選択によっておのずと最適な旅行ができるようになるはずです。

関連記事:
http://www.shinoby.net/2010/11/post-2257.html
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2010年11月23日

日本の技術が中国へ流出

 乙は DIAMOND ONLINE で読んだのですが、
http://diamond.jp/articles/-/10139
本来はNHK「追跡! AtoZ」取材班の執筆によるものです。「技術立国・ニッポンに赤信号? リストラされた日本人技術者が作る「高品質のメイド・イン・チャイナ」」という題名の記事ですが、驚きの技術流出が描かれていました。乙が驚いたことは二つありました。
 第1に、50代のリストラされた日本人技術者が中国に行って、現地の企業の指導にあたっているという話です。日本の中では、リストラされた中高年技術者を新たに雇ってくれるところがないというのはその通りでしょう。技術者の側からすれば、食っていくためには働く必要があるし、そうなれば、中国でもどこでも働ければいいというのは理解できます。ただし、こうして、中国企業が日本の技術を盗み(ちょっと言い過ぎました。「導入し」くらいが穏当な表現でしょう)、それを利用して日本企業を打ち負かしていくのは、何ともやりきれない気がします。
 こうして、ハイアールなどの中国企業は日本人向けの高品質の製品を安く大量に作って日本に輸出してくるのですから、迎え撃つ日本企業は非常に厳しいことになります。
 とはいえ、中国企業の「技術開発力」も、一皮むけば、そこには日本人ありということですから、大したことないのかもしれません。しかし、こういう経営戦略を作り、実行し、成果を上げていく経営者のセンスはなかなかのものであり、あなどれないように思いました。
 そして第2に、求職者の選考方法ですが、面接ではなく、レポートによる試験ということで、1週間以内に、ヒット商品を生むノウハウをまとめて提出するよう言われたとのことです。乙は、さらにうなってしまいました。実は日本人技術者さえも不要なのです。中国企業は無料で技術者からノウハウを手に入れることができるのです。
 まあ、レポートだけでうまくいくとは限りませんから、たぶん中国企業は日本人技術者を採用するだろうと思います。しかし、契約期間は1年ごとの更新制だそうですから、中国企業としては、しばらく技術者を使ってみて、その人のもつノウハウを充分吸収し尽くしたと思ったら、その時点で技術者を放り出せばいいというわけです。これでは、技術者側としては、いくら給料が高くても、安心して働くことはできません。いや、それでも、国内に仕事がなければ、中国に行くしかないという現状が嘆かわしいわけです。

 日本企業の海外流出に加えて、技術者の海外流出も無視できない状態になっています。
 日本人投資家たちも、すでに日本企業だけが投資先でないと考えるようになってきています。資金も海外に流出しているというわけです。
 この傾向が続くとき、日本に残るものは一体何だろうということになります。
 日本の未来は、ますます暗いものにならざるを得ないように思えてきました。
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2010年11月21日

全国のラブホテルが存続の危機

 乙は、週刊ダイヤモンドの記事
http://diamond.jp/articles/-/10125
で知りました。
 2011年1月に施行される風俗営業法の改正で、全国のラブホテル(最近はレジャーホテルともいいますが)が存続の危機に晒されているというのです。
 東京都の渋谷警察署によれば、「(前略)徹底して摘発するから、半数は廃業に追い込まれると思いますよ」ということだそうです。
 こうして、産業が一つつぶされるのかもしれません。
 支払ったグレーゾーン金利分を事後的に取り戻せるという裁判所の判断でサラ金業界もつぶれたし、強度偽装事件のせいで建築基準法が改正され、建築業界は青息吐息です。
 ラブホテル業界も似たようなことになるかもしれません。
 警察としては、法律に従って取り締まるしかないわけです。
 問題は、法律を作る側、つまり国会議員です。この人たちの判断で、日本の不況がさらにひどくなりそうです。
ラベル:ラブホテル
posted by 乙 at 04:48| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月17日

香港からのエアメールは安い

 乙は、香港で投資していることもあって、たまに香港から郵便が(airmail で)届きます。
 先日、ふと気になって料金を見てみると、$03.00 というスタンプが押してありました。
 香港ドルで3ドルということですね。現在、1香港ドルは10円くらいですから、つまり、30円で香港から日本へ航空便が送れることになります。
 日本から香港へ航空便を送ると、定形郵便 25g までで 90 円かかります。
 この郵便料金の差は何なんでしょう。
 為替レートが円安ということはなく、むしろ、円高です。(香港ドルは米ドルとペッグしています。)
 日本郵便が(香港より)非効率的なのかもしれません。
 こんなのは大した問題ではなさそうですが、香港と日本でビジネスを行うことを考えると、このようなコストの差が影響することもあるでしょう。日本国内の企業が海外(特にアジア)に出ていくことの裏に、こんなこともあるのかと考えさせられました。
 日本は、法人税が高いとか、航空運賃が高いとか、高速道路が高いとか、人件費が高いとか、いろいろ問題がありますが、そんなにいわれない場合でも、けっこういろいろな面で外国と「格差」があるのかもしれません。日本人は、日本国内に住む限り、そんなことは知らないままで生活していることになるわけですが。
 香港から届いた1通の郵便で考えたことを記しました。
posted by 乙 at 05:28| Comment(8) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月13日

食糧危機は心配いらない

 乙がネットで見かけた記事ですが、川島 博之「食糧危機がまだ心配? 4つのリスクは杞憂に過ぎない」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4791
というものがあります。
 食糧危機は心配いらないという趣旨です。
 乙も、この見方に賛成します。
 「食糧安保」などという考え方をする人もいますが、石油のほぼ全量を輸入に頼っている国(日本)が食糧だけ何とかしてもどうしようもありません。
 TPP
2010.11.10 http://otsu.seesaa.net/article/168884793.html
に関しても、「日本の農業を破壊するのか!」などとヒステリックに叫ぶ人の気がしれません。むしろ、政治家にこう考える人が多いことが気になります。
 政治家には、日本がどうあるべきかを長期的視野で考える人があまりいないようで、残念に思います。
 そういう政治家を選んでいる国民の責任もありますが、そんなことを考えていると、一票の価値が不平等で、都市部が軽く扱われ、農村部が重視されていることがそもそもの原因なのかもしれないと思えてきました。
 急がば回れで、このあたりから改革しないと、日本はどうしようもなくなるのではないでしょうか。
ラベル:食糧危機 TPP
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2010年11月04日

電子ブックに対する中国の脅威

 ダイヤモンドオンラインの記事です。
http://diamond.jp/articles/-/9852
「日本のベストセラーも海賊版で読み放題になる恐れ――脅威の電子書籍ビジネスモデルが中国で増殖中」というセンセーショナルなタイトルが付けられています。
 これを読んで、乙は衝撃を受けました。
 もともと、中国は著作権をはじめとする知的財産権に甘い国です。こういう国だからこそ海賊版が大流行です。そこに日本で出版された書籍が大量に持ち込まれると、大変な事態になります。
 インターネットが全世界をつなぐようになった時代では、憲法や法律で「国内の規制」を行っても、それだけではあまり意味がないのかもしれません。
 とんだところから変革の火の粉が飛んできそうな勢いです。
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2010年11月03日

ある会社の変遷を見て

 乙が子供の頃、関東地方のあるところに住んでいました。
 乙の父親は、ある自動車関連の会社で労働者として働いていました。工場があったのです。家は会社のすぐそばにあって、2階からは会社の中が塀越しに見えました。そういえば、自宅に風呂がなく、乙の家族は、会社の風呂を(無料で)使っていました。社員の家族は会社の風呂に入れた時代だったのですね。乙が高校生だったとき、夏休みにその会社でアルバイトをしたこともありましたが、夏のプールも会社のものを使っていました。そんな時代だったのです。
 1960 年代、その会社では、乙の家から見えるところに女子寮を何棟も建てました。中卒の若い女性たちが大量に住んで、近くの定時制高校に通っていました。会社側は、彼女らを定時制高校に通わせることで、少なくとも3年は安定的な労働力として確保でき、彼女らも働きながら高卒の資格が取れ、お互いに好都合だったのでしょう。乙がいた家には、日曜日になると、若い女性たちのにぎやかな声が聞こえてくるときも多かったです。
 それから数十年の時が流れました。
 乙が実家に帰ったときに、その会社を見ると、塀はなくなっており、女子寮はすべて撤廃され、工場もほぼ全部なくなっており、その跡地には「研究所」なるものができていました。「研究所」は、ガラス張りのしゃれた建物で、やや汚れの目立つ「工場」とはまるで違っていました。会社の敷地内は緑にあふれ、ゆったりした空間に建物が配置されています。「工場」時代は、たくさんの人が働いており、敷地のあちこちを有効活用して、さまざまな物(建物を含む)が置かれていたりしました。「研究所」時代は、ゴチャゴチャしたものは全部取り払われて、雰囲気が大きく変わりました。
 時の流れは大きいものです。もう大量の労働者はいらなくなってしまったのです。昔の中卒の労働者の代わりは新興国の労働者がつとめているのでしょうか。もしかすると、ロボットがその代役をしているのかもしれません。工場自体も、国内に置くよりはアジアに作ったほうがいいのでしょう。その会社では、国内の働き口としては「研究職」くらいしかいらないのです。働く人の人数もめっきり減りました。
 さらに最近は、その研究所さえもいらなくなっているようで、人が働いている気配がありません。もしかして研究所が廃止されてしまったのでしょうか。働く人間として、研究職すら不要になってきたのでしょうか。
 こんなことで、ある会社の過去50年ほどの変遷を見てみると、産業構造の大きなうねりが感じられます。
 とりあえず、実家のそばの一社だけを取り上げましたが、近くにある会社(工場)なども同様の傾向にあります。昔は、いろいろな会社(工場)がこの地域に進出してきて、町は大いににぎわったものでしたが、……。
 統計で浮かび上がる全国的な姿も重要ですが、個人の目で見てきた特定の会社の変遷もまた興味深いものがあります。
 こんな日本です。
 今、大学卒も高校卒も、就職難になっています。
 乙の実家のそばの会社を見ても、「人材は不要」というのが見てとれます。本当に優秀な人を一握りだけ採用すれば、それで十分なのでしょう。
 この会社だけが働く場ではないので、新しいところに人材が流れていくのでしょうが、それにしても、地方で就職するのはいよいよむずかしくなっているのではないかと感じます。
 乙は、たまに実家近くに行くだけですので、その周辺をよく知っているわけではありませんが、市街地のお店がつぶれたりしていくのを見ると(その跡地で何年も新しい店の開店がなかったりしますが)、「地方の変化」を感じざるを得ません。
 今回は、ちょっと昔話ふうに乙の見聞きしたことを書き綴ってみました。
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2010年11月02日

若い人のクルマ離れ

 乙は、ひょんなことから「ニコッとタウン」というサイト
http://www.nicotto.jp/
を知りました。60万人の仮想都市だそうです。
 その中にはブログもあります。
http://www.nicotto.jp/blog/
そこで、乙がおもしろいと思ったのは、それぞれのカテゴリーで書かれたブログ記事の数です。「一般カテゴリ」を見ると、次のようになっていました。
件数
カテゴリ
7,116,678
日記
36,817
10代
4,179
20代
10,888
30代以上
112,442
ニュース
124,358
グルメ
60,391
レシピ
99,622
ファッション
52,786
美容/健康
80,511
ペット/動物
149,395
恋愛
45,595
仕事
3,651
アルバイト
121,853
学校
57,726
勉強
85,259
テレビ
78,410
映画
101,543
音楽
80,591
マンガ
51,448
アニメ
60,944
お笑い
44,868
ゲーム
114,853
占い
115,244
人生
22,587
家庭
41,186
友人
15,327
子育て
53,024
ショッピング
102,851
スポーツ
114,730
レジャー/旅行
93,044
小説/詩
47,895
自作小説
13,911
アート/デザイン
15,222
パソコン/インターネット
6,648
車・バイク
63,785
その他

 何と、「車・バイク」はたった6千件しかありません。他には10万件程度の記事が書かれているカテゴリーがたくさんあるのにです。
 年齢別の区分が「10代、20代、30代以上」の三つしかないことからもうかがえるように、ここのサイトの利用者は圧倒的多数が若者であると思われます。(一般に、ブログの類は若者が書くケースが圧倒的に多いわけですが。)
 若者は「車・バイク」に興味を示さないことがこんなことからもうかがえます。
 クルマが売れなくなるのも当然です。
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2010年10月22日

市議会議員になる方法

 ダイヤモンドオンラインに佐藤大吾氏の記事
http://diamond.jp/articles/-/9799
が掲載されました。
 「市議会議員選挙は「広き門」。難関ベスト3市区町村でも立候補さえすれば当選確率50%以上!」と語っています。
 「議員定数と立候補者数を調べたところ、平均倍率はなんと、1.21倍でした。つまり、立候補した人の1.21人に1人が当選した計算です。当選確率にして82.6%。」などと聞くと、就職試験の百倍とかの競争率よりも通りやすいと考えたくなります。
 しかし、ことはそう簡単ではありません。
 ランダムで起こる事象については、確率論が適用されますが、選挙では、それぞれの候補者にはそれぞれの支持者がいるのであって、ランダムではありません。むしろ、地方の議会であればあるほど、議員と支持者の関係が強くなっているものです。そんなところに、1.21 倍だからといって、立候補しても、当選するはずがありません。ポコッと立候補しても、0.21 倍の中に入ってしまって、落選確実なのです。選挙では当選の倍率でものを考えることは間違っていると思います。
 別の言葉で言い替えれば、地方で当選倍率が低いのは、立候補してもどうせ当選できないとあきらめている人が大半なので、立候補者が少なくなるということです。その意味で、当選しやすさは、単に倍率だけの問題ではなく、支持者をどう獲得していくかという大問題と直結しています。
 「若い人がもっと立候補するのがいい」という記事の趣旨には賛成ですが、「倍率が低ければ、当選しやすいから、立候補しようよ」という趣旨には賛成できません。ひとことでいえば、あまりに安易なように思いました。
 ではどうするか。どうすればいいか。これについては、乙は解決策を持っていません。
 選挙で代表者が選ばれる仕組みでは、結局、選挙する側の質(意識、意見、考え方などのもろもろ)によって当選者の質が決まるということでしょう。良いも悪いもありません。そういうものなのです。
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2010年10月09日

大型店の規制と地域社会

 池田信夫氏のコラムで「大型店の規制強化で利益を得るのは誰か」
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2010/10/post-232.php
というものがありました。
 結論からいえば、郊外にある大型ショッピングセンターを規制しても、地元の商店街が復活するわけではなく、単に既存のスーパーマーケットを儲けさせるだけだということです。
 地方都市の中心部に広がるシャッター商店街は、それはそれはひどいものです。乙は、都内に住んでいるので、そういったことには普段まったく気がつかないのですが、たまに用事で地方にいってみると、昔とはようすが全然違っていることに驚きます。
 今年の夏も、山形県のとある町に行ってきましたが、中心部は「商店街」と呼べるものはなく、メインストリートといっても役場や公民館をのぞくと、一体何があるんだろうという感じでした。
 しかし、中心部から数キロ離れたところ(田んぼの真ん中ですが)には、イオンの大型ショッピングセンターがあり、その巨大さに圧倒されました。駐車場は 1,000 台分もあります。
 実際、行ってみると、施設内には老若男女が集まっており、大変な賑わいぶりでした。施設の一部にはシネマコンプレックスがあり、若いカップルなどが大挙して押し寄せていました。レストランも何種類もあり、町の中心部では何を食べようか、食べられるものがなくて迷ってしまうほどの貧弱さであるのに比べ、ここは自分の好みに合わせて何でも選べるようになっていました。
 これでは、町の中心部の商店街はたちうちできません。
 池田氏は「昔ながらの小売業が衰退した原因はモータリゼーションと人口減少なので、規制によって商店街を守ることはできない。」と喝破していますが、乙はまさにその一端を間近に見てしまったように感じました。
 地方の「都市」は変わってしまったのです。
 それとともに「日本」も変わったのかもしれません。
 大店法のようなものを作って、一体どうしようというのでしょうか。
 池田信夫氏の記事は、日本のあり方を再考させるものです。どうしたら住みやすい日本ができるのか、政治家には慎重に判断してもらいたいものです。
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2010年10月08日

尖閣諸島の問題(2)

 尖閣諸島の問題については、乙も日本人の一人として関心を持たないわけにはいきません。
 以前にも、ちょっとだけブログ記事を書いたことがありました。
2010.9.30 http://otsu.seesaa.net/article/164189566.html
この問題については、さまざまな人がさまざまな意見を述べていますが、その中で、乙が非常に腑に落ちる思いをした記事があります。
 大前研一氏の記事「「尖閣問題」の歴史を知らない民主党の罪」です。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20101006/247616/
 この記事を読むと、民主党の対応の問題点が明らかになってきます。
 中国との歴史的認識のずれはあるものの、それを棚上げにして、実際にどうするべきだったかについても大前氏の意見が書かれており、なるほど、問題を大きくしたのは民主党の一連の発言だったのだということがわかります。
 上記記事を読んで、頭がすっきりした感覚になりました。そういうことだったのかと納得しました。
 多くの人に読んでもらいたい記事だと思います。
 大前氏が正しいと言っているわけではありません。どんな立場であれ、この記事を読む価値があると思うということです。
 これからも大前氏の発言に期待したいと思います。
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2010年10月02日

保証人にはなりにくい

 乙は、他人の保証人にはならないことにしています。
 自分の子供に対しては保証人になりますが、それだけです。
 ずっと前の話ですが、よく知っている外国人(若い人でした)がアパートを借りるために乙に保証人になってくれといってきました。
 いろいろ迷う部分もあったのですが、結果的に断りました。
 その外国人がアパートの家賃を踏み倒して帰国するくらいのことだったら、その分(数十万円?)を払うことは大したことないのですが、場合によってはもっと大きな事故を引き起こすことだってあるのです。たとえば水漏れ事故です。集合住宅で階下の家に影響が出ると、数百万円くらいの損害になることはよくあることではないでしょうか。
 さらに、乙が考えたもので、外国人の保証人になる場合の一番の問題は、その外国人が何らかの事情で死亡したときです。アパートにある一切の財産は保証人が片付けなければなりません。捨てていいかどうかという判断もむずかしいです。母国にいる家族と連絡を取って、遺体の引き取りなどの対応をしなければなりません。これは大変な負担です。
 自分の子供、家族、親族であれば、そんなことがふりかかってきても、まあしかたがない(やるしかない)と思いますが、かなり親しい外国人であっても、親戚でなければ、そこまでの責任は負えません。
 乙に保証人を頼んできた外国人には、そんなことを話し、残念ながら保証人にはなれないと、言い渡しました。乙の言葉はまるで相手を信用していないかのようで、きっと冷たく響いたことでしょう。
 元はといえば、日本の保証人制度が悪いと思います。特に外国人の場合ですが、身寄りがいない高齢者なども同様です。日本では、アパートを借りるときや就職するときなど、節目節目で保証人が要求されます。あまり安易に保証人を引き受けて、こちらに請求書が回ってくるのは困ります。かといって、外国人などはそういう保証人になってくれるような人を探すのがこれまた困難です。
 日本の現状を考えると、保証人制度をやめて、保険でまかなうようにするしかないのではないかと思います。
 アパートへの入居でいえば、水漏れ事故まで補償する損害保険(火災保険の形になることが多いかも)でかなりの程度はカバーされそうです。死亡についても生命保険でかなりまかなえる可能性があります。
 そういえば、この件に関連して、「保証人ビジネス」があるというダイヤモンド・オンラインの(NHK「追跡! A to Z」の)記事
http://diamond.jp/articles/-/9569
がありました。しかし、こちらも問題点が山積しています。
ラベル:保証人
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2010年09月30日

尖閣諸島の問題

 尖閣諸島における中国人船長の逮捕と釈放については、多くのブログで日本政府の対応に関して批判が強く、さまざまな記事が書かれており、乙も基本的に同感です。
 さて、bobby さんのブログで「普天間基地を尖閣諸島へ」
http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=2716
というのがあり、「米国政府が「虎穴に入る」度胸があれば、という前提ではありますが」と断った上で、普天間基地問題と尖閣諸島問題の両方を一気に解決する方法として、米軍の普天間基地を尖閣諸島に移設する案を提案しておられます。
 それは無理だろうと思いながら、どんな考え方がなされているのか、ちょっと検索エンジンで検索してみると、それは不可能という声がいろいろあることがわかりました。いずれもQ&Aサイトですが、以下のようなものがあります。
http://okwave.jp/qa/q5752183.html
http://okwave.jp/qa/q6192887.html
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1340086608
http://questionbox.jp.msn.com/qa6206355.html
 まあ、ちょっと思いつくようなことは、誰かが先に思いついていて、検討の結果、案として残らなくなるようです。
 そんなものでしょう。
 でも、思考実験としてはおもしろいと思いました。
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2010年09月07日

菅直人総理の「1に雇用、2に雇用、3に雇用」

 乙がテレビを見ていたら、菅直人総理が民主党代表選挙の演説の一部として「1に雇用、2に雇用、3に雇用」と叫んでいるのを耳にしました。
 これについては、池田信夫氏からもっともな批判が出ています。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51475571.html
「雇用を生み出せば、経済の成長につながる」というのは、因果関係が逆である。その雇用はどこから降ってくるのか。雇用は労働需要がなければ増えず、労働需要はGDPが上がらないと増えない。つまり経済が成長しない限り雇用は増えないのである。これはきわめて初歩的な経済学の知識なので、民主党のスタッフは官邸に注意したほうがいいと思う。

 さらに、長谷川幸洋氏は
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1127?page=2
において、次のように述べています。
 菅のお気に入りに「1に雇用、2に雇用、3に雇用」というフレーズがある。最初にこの発言を聞いたとき、私は「政治家特有のリップサービスだろう」と思った。雇用増加は経済成長の結果であって、雇用増加を出発点にする経済政策はないからだ。
 雇用を増やすには、なにより経済を活性化させなければならない。景気が悪いのに、雇用が増えるはずもない。そんなことは、だれでも知っている。
 だから雇用拡大を目指すなら、まず経済を元気にさせる。そのために民間部門=企業・産業を元気にさせる政策を打ち出す。普通の国では、それが経済政策の役割である。
 ところが、菅はどうやら本気で「雇用が広がれば、所得が増え、消費を刺激し、経済が活性化する」と思い込んでいるらしい。立候補に際して発表した政策ペーパーにそう書いてある。「第一の柱が雇用を起点とした国づくり」と強調しているのである。
 会見でも「雇用を拡大し、そこから経済を立て直していく」と繰り返した。
 経済が活性化して雇用が増えるのではなく「雇用が増えて経済が活性化する」と信じているようなのだ。雇用拡大と経済活性化の因果関係を完全に逆立ちして理解しているのである。
 こういう発想で政策を考えると「雇用を守るためなら、なんでもあり」になる。あっという間に「税金投入で雇用を守る」政策に陥るだろう。雇用確保を大義名分にして、ゾンビ企業救済も政策金融の拡大ももちろんOKである。行き着く先は「社会主義」だ。

 大変なことです。総理大臣たるものの舵取りの方向性が間違っているというわけです。
 この問題に対して、Mutteraway さんが「雇用を増やすだけなら1億総公務員にすれば良い」
http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=2628
と述べています。すごいアイディアで、まさに究極の社会主義です。これでは経済がうまく回るはずがありません。
 菅総理のカン違いは、直せないのでしょうか。
 このままだと、日本は沈み行く一方になりそうです。
ラベル:菅直人 雇用 経済
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2010年08月28日

保育園問題をミネラルウォータにたとえると

 乙がネット内で見かけた記事です。
http://webronza.asahi.com/synodos/2010082300006.html
鈴木亘氏の執筆による記事ですが、保育園をミネラルウォーターにたとえたのが秀逸です。
 ミネラルウォータの話として読んでいくと、規制のおかしさが納得できると思います。
 ところが、保育園の話がまったく同じ構造をしているわけです。
 変な規制をやめて、自由競争にするだけで、保育園問題は大きく変わっていくでしょう。そうできないのは、すでに保育園を運営している側が既得権益にしているからです。
 待機児童問題は、本当に深刻です。
 保育園に入園したいという希望があり、行政もその必要性を認めているのが待機児童なのですから、今すぐにでも入園(措置)させないと(親が)困ることは明らかです。入園を待っているということは、その間、仕事ができない状態が続くわけで、大きな痛手です。
 こんなことで、子供が産めないと考えるようになり、少子化問題が一層ひどくなっているとしたら、まずは、ここを抜本的に改める必要があります。
 乙は、すでに子育てを終えてしまいましたが、子供が乳児のころは、無認可保育園を利用させてもらいましたし、その後、公立保育園に進みました。そのころでも、すでに待機児童問題があったし、それがいまだに解決されていないのです。
 上記は、保育園問題を考える一つの視点をわかりやすく提供してくれた記事でした。
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2010年08月27日

名古屋の河村市長がしかける戦い

 乙は、ダイヤモンドオンラインで名古屋の河村市長が何をねらっているかを読みました。
http://diamond.jp/articles/-/9130
今までにも、断片的に読んでいたのですが、実際のところ、名古屋がどんな状況なのか、よくわからないままになっていました。
 名古屋市での「戦い」も興味深い話です。
 地方自治とは何か、どうあるべきか、どのように改革していけるのかを考える上で重要な視点を提供してくれます。
 ここの「戦い」の結果によっては、日本という国のあり方にも関わるような気がしています。

 それにしても、議会と首長という二元代表制は、考えてみると不思議な制度です。国レベルでいえば、国会とは別に大統領が直接選挙で選ばれているようなものですが、これでは、誰が決め、誰が執行するのか、わかりにくくなります。特に、両者が対立すると大変なことになります。名古屋では(阿久根市でも)現実にそうなっているわけです。

参考記事:
2010.4.28 河村たかし(2008.9)『この国は議員にいくら使うのか』(角川SSC新書)角川書店
 http://otsu.seesaa.net/article/148042638.html
ラベル:名古屋 河村市長
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2010年08月19日

阿久根市の市長の奇妙な行動とA-Zスーパーセンター

 阿久根市の竹原市長が議会と対立している話は全国的に有名になっています。
 ところで、この阿久根市のあり方を考える際に、地元のスーパー「A-Zスーパーセンター」
http://ja.wikipedia.org/wiki/A-Z%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC
が関係しているとの主張をブログで読みました。
http://d.hatena.ne.jp/inuimon/20100809
 すごい話です。
 A-Zスーパーセンターの話さえ、乙は知りませんでしたので、衝撃的でした。こんな田舎(失礼!)でこんな大規模店舗が運営していけるだけでも驚きなのに、それがかなりの利益を出しているというのですから、これからの日本を変えるくらいのインパクトがある話でしょう。
 これが阿久根市にあることが興味深い話です。
 こういう大規模スーパーがあることは、地域経済への影響が避けられません。さらにいえば、人々の生活のしかたまで変えてしまいます。そのような大規模スーパーは阿久根市のあり方(地域の人々が阿久根市をどう考えるか)まで影響しているといえるかもしれません。
 A-Zスーパーセンターの社長も変わった人のようですが、そんなことも、竹原市長の姿勢とある部分重なって見えてきます。
 阿久根市はますます注目されてしかるべきと思いました。

参考記事:
http://pro-con.jp/editor/gallery.cgi?no=36
http://news.livedoor.com/article/detail/4592479/
posted by 乙 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月17日

就職氷河期に日本学術会議提言

 乙は読売新聞8月15日1面の記事で知りました。
 日本学術会議が提言をまとめたそうですが、その内容が「企業側が、大学を卒業して数年の「若年既卒者」を新卒と同様に扱う」ことを求めるとのことです。「数年」というのは、3年程度を考えているとのことです。
 この話は、(一部ですが)ネットでも読むことができます。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100814-OYT1T00945.htm
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20100815-OYO8T00208.htm
http://news.biglobe.ne.jp/social/540/ym_100815_5401555567.html
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/yomiuri-20100814-00945/1.htm
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20100814-567-OYT1T00945.html
http://news.www.infoseek.co.jp/society/story/20100814_yol_oyt1t00945/
 しかし、これで企業の「新卒優先」が解決するかといえば、乙はそんなことはないものと思います。
 第1に、若年既卒者を新卒と同様に扱うとしても、求人数が増えるわけではないということがあります。むしろ、日本企業の現状を反映して、外国での求人は増えるものの国内の求人は減る傾向にあるのではないかと思います。とすると、学術会議が言うように、既卒者が採用されるようになった分、新卒者がはじかれてしまうわけで、大学を卒業してもすぐには就職できない人の数はさらに増えることになります。大学生の卒業後就職率がさらに下がるという結果になります。氷河期がいっそうひどい超氷河期になります。
 第2に、企業側の論理が抜け落ちています。22歳で卒業し、定年の60歳まで(今後は65歳定年制になるかもしれませんが、当面は60歳として考えておきましょう)働くとすれば、勤務年数は38年間ということになります。既卒者を採用するとすると、1年既卒者で勤務年数は37年間になり、新卒者と比べると3%ほど短くなります。同じような仕事をしてもらうことを考えると、3%の差は大きいと思います。あれこれ手間をかけて(現在の社員の手間と時間を使う以上は、その分のコストがかかっているわけです)既卒者を含めて採用人事を進めるよりは、新卒者に絞ってしまったほうが平均的には企業にプラスでしょう。求人数よりは求職者数のほうが多い状態なのですから。
 この論理は、同じく新卒者といっても、卒業までのどこかで足踏み(浪人や留年など)してしまって、年齢が上になってしまった人も、同様に不利になります。
 もっとも、多くの人が3%ほど短く働くようになることで、雇用者数を3%ほど多くしよう(その分、就職率が上がるはずだ)という考え方ならば、成り立ちますが、そのような「後ろ向き」の姿勢では、問題の解決にはならないでしょう。
 なお、日本の企業文化の中では、年功序列・終身雇用が確立しています。今後それが崩れるとしても、大きく変わることは少ないでしょう。とすると、3年経って入ってきた年増の新入社員をどう待遇するべきかという点で、各企業の中で「きしみ」が生まれるのではないでしょうか。これは企業の問題であると同時に、社員一人ひとりの問題でもあります。自分がそういう新入社員に日々どう接するかという問題です。

 今の就活は会社説明会に参加することから始まりますが、ここが大変な関門になっているようです。説明会の定員をはるかに越える参加希望者があるため、申し込もうとすると5分で満員などということがあるそうです。今やネットが普及していますからねえ。
 企業側としても、膨大な手間をかけて何万人も相手にするよりは、何らかの方法で数千人(あるいは数百人)にしぼって、その中から選考するほうが、トータルでは低コストで新卒採用ができるということです。
 若年既卒者を新卒扱いにすることで、就職希望者が増大することがあれば、この面からの企業の論理も無視できなくなると思います。

 大学生の就職問題は、簡単には解決できない問題です。
 日本の経済状況が好転して、求人数が増えるようであれば、かなりの部分は自ずと解決できそうにも思いますが、それはそれでなかなかむずかしい別の問題になります。

参考記事:
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-43d8.html
http://blogs.dion.ne.jp/calcio/archives/9633631.html
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2010年08月13日

電気自動車の航続距離

 乙は、今乗っているクルマ(2003年購入)がいつまで持つか、いつごろ買い換えるか、少しだけ気にしています。少なくとも10年は乗るつもりで買いましたから、あと3年は今のクルマに乗るつもりです。
 3年もすれば、ハイブリッド車(HV)か、いっそのこと電気自動車(EV)かも、などと夢を描いています。
 そんな中、ダイヤモンドオンラインで気になる記事がありました。「走行条件によって大きく変わる電気自動車のタブー「航続距離」の正体」
http://diamond.jp/articles/-/9038
というもので、桃田健史氏の執筆によるものです。
 一番気になったのは、電気自動車は航続距離が意外に短いのではないかということです。聞いた話ですが、フル充電で 100km ないし 200km くらい走れるものと思っていましたが、条件によっては、70km くらいになってしまうというのです。これでは実用性に乏しくなります。1日数百キロくらい走ることはありますし、そのたびに給油ならぬ給電をやっていては、めんどくさいことになります。
 記事中の電気自動車のレースで「完走できないかも」などということばを見ると、いよいよ疑惑が高まりますが、それにしても、桃田氏は記事中に肝心要のレースの走行距離を載せていません。
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=4&no=28144
によれば、1周 2.4km のコースを21周するそうですから、50.4km の距離です。これが完走できないということは、つまり、フル充電でも 50km が走れないということです。いやはや、いやはや。
 電気自動車の場合、ガス欠ならぬ電欠になったときでも、どこかで気軽に電気をもらってくるわけにいきません。ガソリンならば、近場のスタンドで2リットルか3リットルくらい買って、自分でクルマのタンクに流しこんでやれば、当面は動きます。あとはガソリンスタンドまで走って、そこで給油すればいいわけです。
 そんなことを考えてみると、電気自動車は、まだまだ発展途上の技術で、当面はハイブリッド車を考えておいたほうがよさそうです。
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2010年08月10日

参議院選挙で国民が求めていた政策

 乙が「現代ビジネス」のサイト内で見かけた記事で、「永田町ディープスロート「政策選挙プロジェクト」の結果概要――国民はどんな政策を求めていたか――」というのがあります。
http://gendai.ismedia.jp/article/-/990
 一読して、大変おもしろく思いました。
 ウェブ上で行った質問調査の結果の概要ですが、投票件数 728 件というのは、この種の調査としてはやや少な目ですが、傾向をとらえるには十分な数だと思います。
 支持政党とともに、個別の政策への意見を尋ねたものです。集計は支持政党別に行われています。回答者にはみんなの党支持者が多いとのことですが、全員の回答でどういうのが多いという見方をするのでなく、支持政党別に分割して集計すれば、特定の政党支持者が多くても、その影響を除外してデータを見ていくことができます。
 乙が何よりもおもしろく思ったのは、支持政党と、その政党の掲げる政策とは別だということです。
 たとえば6ページでは、郵政公営化(共産党)、政府法案路線(民主、国民、社民)、郵政民営化(自民、公明、みんな)の三つの方向を示し、どれを支持するかを尋ねています。どの政党支持者も「郵政民営化」を支持しています。国民新党が強硬に主張し、政府法案となった路線は、どの政党支持者からも支持されていません。
 こんなふうに、多数の人から意見を集め、それをデータとして分析しながら、さまざまな政策に関する意見と政党支持とが食い違っているようすを知ることは、大変有意義でした。こういうことがあるから、民主党が大勝したり、大敗したり、さまざまに投票結果が変わっていくのですね。
 日本の政治の一断面をマクロにとらえた結果であると思います。
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2010年08月06日

上杉隆氏の発言の意味がわかりません

 乙は「週刊 上杉隆」の7月29日の記事
http://diamond.jp/articles/-/8903
を読みました。第1ページです。
 しかし、上杉氏のいっていることの意味がわかりませんでした。
 上杉氏が政治家3人の発言の共通点を取り上げて、3人がそれぞれ何回も取材を断っていることを「取材を受けていない」と表現することをとがめている点です。上杉氏は「その場合は「インタビューを受けていない」「取材を受けていない」と言うのではなく、「取材を断った」「取材を拒否した」というのだ。」と述べていますが、乙は上杉氏の議論の方が間違っているように聞こえます。
 「取材を受けていない」というと「取材申込を受けていない」と受け取られてしまうのでしょうか。そんなことはないと思います。取材を受ける側が取材を断れば、取材する側としても取材はできないわけで、つまりは「取材」はまったく行われていないわけです。それを「取材を受けていない」と表現しても、別に「強弁」とは思いません。取材されていなければ「取材を受けていない」と表現していいのではないでしょうか。同義表現はいろいろあります。「取材されていない」「取材されたことはない」「取材は成立していない」「取材はなかった」などなど、どれを使っても問題はないように思います。
 もちろん、「取材を断った」や「取材を拒否した」と表現してもいいですが、どちらを使うかは使う側の判断でいいのではないでしょうか。
 上杉氏が20回も30回も取材申込をしても、申込をされた側が応じなければならない理由はないわけで、いろいろと忙しかったりすれば(あるいは他の理由でも、理由なしでも)、断ってもいいと思います。
 取材を申し込んだ側が「取材を断った」「取材を拒否した」と書いても何ら問題はありません。
ラベル:上杉隆 取材
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2010年08月03日

国民が政府の大きさを選択できるように、国債発行をやめてみては

 乙は、アゴラウェブで平井進氏の記事を読みました。
http://agora-web.jp/archives/1063806.html
ラディカルな案ではありますが、「次年度予算から公債特例法を立法せず(建設国債を含めて国債を発行しない)、(国債費を含めた)予算規模を税収に合わせること、そして重要なことは収入=支出のレベルを国民の意向が反映するようなプロセスにする」という提案です。
 これで、日本の財政規模は半減することになります。
 ちょっと考えただけでも、どうやっても、政府自体が法律に違反するようなことをしないと予算が組めないでしょう。
 大混乱が起こりそうです。
 財政法の例外の特例法を毎年国会で可決する代わりに、別のナントカ改正法を通すことにすれば、それでもよさそうです。しかし、これまたねじれ国会では通るとも思えません。
 そんなことで、考えてみれば、この案は実行不可能なように思えてきます。
 でも、こうすることで、全国民に日本の財政が現在どうなっているかを直接示すことができます。財政法に則って実施すれば、こうなるわけです。
 国の行動ですから「試しにやってみる」などということはできませんが、アイディアとしておもしろいし、国民の一人ひとりが日本をどうすればいいのか考えるきっかけになるように思います。そんなショック療法でも行わないと、日本は変われないでしょうね。
ラベル:国債 財政法
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2010年07月30日

中国格安航空 日本に就航

 日経新聞7月28日夕刊2面で見かけた記事です。
 中国の格安航空会社(LCC)である春秋航空が、上海と茨城空港を結ぶチャーター便を就航させたとのことです。今はチャーター便でも、10月以降は定期便に移行する計画だとのことで、中国人の日本観光旅行にはもってこいとなりそうです。
 チャーター便ですから、団体旅行客向けが原則ということになりますが、日本の個人客にも利用の道が開かれるでしょう。
 日経新聞の記事によれば、個人の片道で 200 元(約 2,600 円、税金は含まず)とのことです。さすがに LCC だけのことはあります。上海から日本まで飛んできてこの価格なのですね。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00181569.html
によれば、定期便化する際は、往復 4,000 円にしたいとのことです。
 こういう価格を聞くと、日本航空にしても、全日空にしても、高いなあと思ってしまいます。上海便は5万円前後ですし、国内を飛ぶだけで万単位の運賃ですからねえ。
 JAL も ANA もいらないから、世界の LCC に日本に乗り入れてもらって、国内線の運行もすべて任せてはいかがでしょう。観光客やビジネスマンたちの大きな味方になりそうに思います。
 あ、JRのグリーン車のような感じで、JAL 便や ANA 便を残しておいてもいいです。国会議員をはじめ、お偉いさん方がきっと利用するでしょう。文字通りのプレミアムシートが実現し、それなりの需要もあることでしょう。
 ベンツに乗ることが安全で楽でいい(それだけの金を払う価値がある)と考える人もいるでしょうが、一方では、クルマで移動できるならカローラで十分と考える人もいます。乙は、断然後者です。
 現在の日本の航空会社および航空行政では、そういう選択肢がほとんどない(ごく一部あるようですが)という点が問題です。

関連記事:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100728-00000016-scn-cn
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0728&f=national_0728_034.shtml
続きを読む
posted by 乙 at 07:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月21日

65歳までの雇用 議論

 日経新聞7月17日の朝刊で読んだ記事です。ネットでも読めるようです。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E3E4E2E19D8DE3E4E2E5E0E2E3E29C9CEAE2E2E2;at=ALL
 会社勤めをしている人が定年になって無職状態になっても、年金の支給は65歳からですから、その間、「無職無年金」という状態になります。これを防ぐために、企業に65歳までの雇用を義務づけようという話です。
 話としては、わからなくもないですが、今一般的な60歳定年制を基準にした場合、定年から65歳までの給料をどのような金額に設定するといいのでしょうか。これは、制度の設計上、きわめて大きな問題です。この点を抜きにして議論しても無意味です。記事では、この点がまったく触れられていなかったので、乙は不満に思いました。(新聞記事というのは、どうしてこんなに掘り下げ不足なのだろうというのが感想です。)
 年功序列の延長で、定年から65歳までの給与水準を定年時程度とすれば、企業は人件費の増大に苦しむことになります。その負担に耐えられない企業は退場せざるを得ません。倒産する企業も出てくるだろうと思います。
 一方、定年時に比べて給料が大幅減となれば、企業倒産のような最悪のケースは避けられるでしょうが、今度は、高年層が若年層の雇用を奪うことになりそうです。高齢者の側はどう反応するでしょうか。低賃金でいいというでしょうか。同じ企業で低賃金で働くよりは、他に移りたいと思うのでしょうか。企業側としても、優秀な労働者が低賃金で働いてくれるならばありがたいでしょうが、長期的に見た場合、本当にプラスの効果があるとは限りません。結局、人は無制限に働き続けることは不可能ですので、いつかは仕事を辞めるときがくるものです。

 高齢者が働くことに関して、乙は以前ブログで三つの記事を読みました。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100214
http://plaza.rakuten.co.jp/outpostofnanasi/diary/201002150000/
http://kabu-10.at.webry.info/201002/article_10.html
 乙は、それらの基になった「ガイアの夜明け」も見ましたので、興味深くそれらの記事を読みました。
 65歳になって、年金がもらえるようになっても、働きたいという需要はあるのです。
 Chikirin さんは「若者、アウト!」と叫んでいます。本当にそうなるかもしれません。
 少なくとも、若年層と高年層の世代間対立はいっそう激しさを増すように思われます。
続きを読む
ラベル:定年 高年層 雇用
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2010年07月19日

こんにゃくゼリーの形・硬さ「法規制が必要」?

 乙は、asahi.com のニュースで知りました。

 消費者庁は、こんにゃくゼリーの形・硬さに関して「法規制が必要だ」と判断しているとのことです。
 このニュースは日本という国のおかしさを象徴しているように思えます。
 確かに、こんにゃくゼリーで窒息事故があったのは事実です。だからといって、すぐに法律で規制するという発想が出てくるところがおかしいのです。
 これを法律で規制するなら、同様に窒息事故を起こしやすい食品はすべて同じ規制をするべきです。最大の問題は「餅」です。こんにゃくゼリーよりもはるかに多くの人が口にしていると思われます。毎年、お正月過ぎには、全国各地でお年寄りが餅を喉に詰まらせた事故がニュースになります。なぜ、餅は法律で規制せずに、こんにゃくゼリーは規制するのでしょうか。
 乙は、こういうものに規制は不要だと思います。食べ(させ)る人が自分で気をつければいいのです。喉に詰まらせやすいと思ったら、食べ(させ)なければいいのです。餅は、食べやすい大きさに自分で切って食べるでしょう。こんにゃくゼリーも同じことです。もっと小さく切って食べさせてもいいのです。そうしても誰も文句をいいません。
 何でも法律で規制するというやり方は、人間一人ひとりの大事な「判断力」を奪うものになります。日本人は、国が決めたとおりに生活していればよく、自分で考えることは不要だとでもいうのでしょうか。
 包丁で殺人事件が起こると、「包丁は各家庭におくな」とでもなるのでしょうか。家庭内のお風呂でおぼれる事故が起きると、水は危険だから各家庭に水道として配水するのを規制するのでしょうか。そんなことはありえません。包丁も水道も今まで通りがいいのです。
 こんにゃくゼリーを包丁や水道にたとえるのが適当か、わかりませんが、今回の規制の話は乙には同じような話に聞こえます。
 こうして日本は不自由な国になっていくのでしょうね。自由があるところに各企業や社会全体の発展の基礎があるのに、……。
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2010年06月24日

消費税10%に?

 Yahoo! ニュースで毎日新聞から配信された記事「消費税 「10%」巡り論戦 9党首討論会」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100622-00000031-maip-pol
が掲載されていました。
 乙は、テレビ番組でその一部を見ましたが、何だか各党首の議論がずれているような気がしてなりませんでした。
 消費税は、最終的には 10% でも不足でしょう。20% くらいになるのではないでしょうか。しかし、当面は 10% くらいにしておこうということです。10% という数字に根拠なんてあるわけがありません。何%でもいいのです。乙は、このあたりはどんぶり勘定でかまわないと思います。
 政府の歳入は、初めは区分されているかもしれませんが、集めた後はお金に色が付いているわけでもないので、全部一緒になってしまいます。「消費税は社会保障のために使います」などといったって、ほとんど無意味です。まあ、「社会保障のために使う金額よりも消費税のほうが大きくならない」程度のしばりはあるわけですが、大したことではありません。
 それなのに、なぜ 10% なのか、なぜ消費税を増税するのか、根拠を示せ、シミュレーションの結果を見せよなどというのは鼻が白むだけです。
 お金の使い道だっておなじことです。収入にしても、年度ごとに大きく違ってしまい、途中での変更を余儀なくされているのですから、支出だって、それに見合った形に変えていくのは当然の話です。

 毎年、予算案を作って、国会で審議しています。大幅な赤字が出ていることは周知の事実です。これに対しては、収入を増やすか、支出を減らすか、国債を増やして将来世代から借金するか(外国から借りるか)くらいしか手はありません。
 増税が不要だと主張している党は、具体的に、ここでの課税額を増やし、ここの支出をカットし、国債をいくらくらい発行し……という形で歳入も歳出も明示するべきです。それではじめて政府案と突き合わせることが可能になります。
 まあ、しかし、政権を奪う前に民主党がいっていたことと、実際に政権交代してから民主党が行っていることはまったくずれているようなものですから、他の野党の方々がいろいろ御託を並べても、実際の予算とは別物で、単なる議論のための議論にしかなりません。
 消費税もさることながら、国会議員や地方議員の数を減らし、歳費などを下げ、公務員についても人数を減らし、給与を下げるようなことが必要でしょう。消費税の改訂時期と揃えるか、それよりも前にこういうことを実現してほしいものです。
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2010年06月20日

緊縮財政が頭脳流出を呼ぶ?

 乙が Newsweek 日本版のサイトで見かけた記事です。
http://newsweekjapan.jp/stories/world/2010/06/post-1350.php
 ギリシャは、今回の金融危機の影響で、緊縮財政路線を歩まざるを得ないわけですが、その結果、高学歴の若者が欧米諸国に職を求める傾向がいよいよ強まりそうだという記事です。
 外国留学者は帰国しない道を選ぶとのことですが、若者の失業率が 25% にも及ぶということでは、それもまたしかたがないのかもしれません。
 ひるがえって、日本も、ギリシャと同様の道をたどる可能性があります。
 日本企業が新卒者ばかりを採用するような求人を続けていると、いつかは若者に強烈なしっぺ返しをくらうでしょう。
 少子化の傾向は、人々の考え方の反映です。子供をもうける時期の親たちが日本(その将来像)をどう見ているかを物語っています。明るい未来がないわけです。
 少子化をさらに加速させるのが、頭脳流出の話です。ギリシャで現実に起こったことならば、日本でも同様のことが起こる可能性があります。
 その場合、日本人の若者は、欧米で働く道を選ぶよりはアジアで働くのでしょうね。
 どこで働こうとも、日本で働かない(したがって日本に税金を払うこともない)ことは同じです。
 放漫財政を続けていったとき、日本の破綻がどういう形で起こるのか、よくわかりませんが、大量の頭脳流出もその一形態と見ることができるのではないでしょうか。親世代が日本を見捨てるのではなく、若者世代が日本を見捨てるというわけです。その結果は、……さらなる少子化の進展です。子供を産む世代が日本から流出していったら、子供がますますいなくなるのは当然です。
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2010年06月06日

若者が選挙に行くと日本が変わる?

 日本では、若者が選挙に行かないことがいろいろなところで言われています。とにかく投票率が低いということです。
2009.12.23 http://otsu.seesaa.net/article/136084374.html
 さて、さきごろ、韓国で統一地方選挙がありました。そこで若者が大挙して投票に参加し、結果的に与党が惨敗したというのです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3653
 この記事は二つの点でたいへん興味深いことでした。

 第1に、若者が選挙に行って自分たちの意思を示すことで世の中が変わるという実例であることです。
 徴兵制があり、いつ何どき戦争が起こるかわからない韓国と、徴兵制がなく、何かといえば自衛隊と米軍におまかせの平和(ボケ)国家・ニッポンでは、状況は大いに異なると思います。韓国の兵役の義務はそれはそれは厳しいものでしょう。実戦に巻き込まれることは当たり前のことです。投票時には、そういうことを考慮して投票したのでしょう。
 それにしても、若者が大挙して投票することで、こんなにも結果が違ってくるというのは痛快です。
 日本でも、そうならないものでしょうか。
 まもなく参議院選挙があります。若者の投票率が10ポイントくらい違ってくれば、相当に変化がありそうに思うのですが、どうでしょうか。
 1票の格差をなくすことも、同様に、忘れてはならないことですが。

 第2に、このような若者の行動がツイッターで起こり、増幅されて広がったという点です。
 日本はネット選挙の後進国ですが、早く解禁してほしいものです。ツイッターでも何でも使いながら、候補者に関する情報がどんどん流れ、その中で有権者が判断していくというプロセスが大事です。街宣車にスピーカーを積んで騒音をまき散らし、候補者が白手袋をはめた手を振ることが選挙運動だというのでは、あきれてしまいます。一体いつの時代の選挙なんでしょう。
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2010年05月20日

普天間移設問題は、結局辺野古「埋め立て」?

 乙は、読売新聞の記事を Yahoo トピックス経由で見ました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100518-00001222-yom-pol
 普天間基地の移設問題は、あちこちフラフラしたあげくに、結局、辺野古「埋め立て」案になりそうだとのことです。だったら、この9ヶ月間のさまざまな検討(というよりは混乱と迷走)は何だったのでしょうか。
 これでは、内閣支持率はいよいよ下がるでしょう。とうとう鳩山政権は終わりが見えてきたようです。
 この問題は、そんなに急速に解決できる問題ではありません。だからこそ、長期的な政治的ビジョンが重要だと思います。日本をどうするのか、アメリカ軍の基地をどう考えるのか、といったことを総合的に見通すことです。鳩山内閣はこれがなかったわけです。そういうビジョンなしに普天間基地をどこかに移設しようというのは無理が生じます。
 もちろん、乙自身にこれといった名案があるわけではありません。
 しかし、日本のこれからを考えた場合に、これからもずっとアメリカ軍が沖縄に駐留し続けるというのは望ましいことではないと思います。主権国家でありながら、外国の軍隊が長期に居座ること自体がおかしいことです。ですから、長期的にはアメリカ軍には撤退してもらうのがスジです。
 それを見越して、では、日本の安全保障をどうするのかを考えるべきであり、そのビジョンのもとで、現在の基地をどうするのがよいかを検討するべきです。
 1兆円をかけて辺野古沖にアメリカ軍の基地を新設するならば、それを10年や20年で撤去・返還するというのは明らかに無駄であり、もっと長期的に基地を置いておくことにつながります。
 そのあたり、「抑止力」というひとことによる説明では、納得できません。
 鳩山総理はこの間「抑止力」に関して何を学んだのか、国民にわかりやすく説明してほしいと思います。そして、アメリカ軍が沖縄に居続けることが必要だという議論を展開するべきです。専門家による説明が聞きたいのではなく、素人(鳩山総理のことです)の考えでいいから、何をもってそのような判断を下したのかを説明するべきです。それがリーダーシップということでしょう。
 民主党政権は4年程度しか持たないとしても(言い過ぎでしょうか?)、基地問題について判断するためには数十年のビジョンを持って臨むべきです。

 普天間基地の周辺の住居や学校にしても、基地の後にできた部分が多いと聞きます。だとしたら、「普天間の危険除去」というのも、本当に焦眉の急なのか、疑問が残ります。
 沖縄経済は、アメリカ軍基地(とサトウキビと観光)で成り立っているという声も聞きます。しかし、この問題はそういう経済的な観点から判断してはいけないと思います。
 この問題に関連して、情報を一番たくさん持っているのは日本政府のはずです。長い報告書も、その短いまとめも公表して、いざとなったら国民一人ひとりがこの問題を考えることができるようにすることも重要だと思います。ネットによる公開ならば、費用はさほどかからないはずです。
 こういったことをあれこれ考えてみると、鳩山内閣は、何もしていなかったかのようにしか思えません。
posted by 乙 at 05:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月25日

養子が 544 人という韓国人

 乙が読んだニュースで、韓国人が妻の出身地・タイで大量の養子縁組みをして、子ども手当をもらおうとした事例がありました。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100424k0000m010117000c.html
養子が 544 人というのは、信じがたい話ですが、そうだと主張され、それを裏付ける書類を提出されたら、断るのはむずかしそうです。市当局は断ったとのことですが、その根拠は何でしょうか。今後、その韓国人が訴訟を起こしたりしたとき、ちゃんと勝てるでしょうか。
 乙は、子ども手当実施前から、こういうことが起こるかもしれないという記事を読み、なるほどその通りだと思っていました。
2010.3.13 http://otsu.seesaa.net/article/143502581.html
その実例が現れたわけで、これは子ども手当の本質的欠陥の一つだと思います。
 外国にいる子供まで支給対象にするという時点で、おかしい制度だとみなさなければなりません。日本のように戸籍制度がしっかりしている国は、世界的には例外かもしれません。誰が誰の子供かわからないような国もたくさんあります。一夫多妻制なども誰と誰の間で親子関係を認定するのか、問題をはらんでいます。日本を基準に「子ども」の概念を決めようとしても、世界には通用しないのです。
 日本の今の子ども手当は、いわばよその国のことまで口を突っ込んでいる(外国に住む子供の親の認定を日本が行っている)ような制度であり、明らかにおかしいといわなければなりません。
 それにしても、こうした変な制度を通じて、日本人が納めた税金(外国人が収めた分も混じっていますが、比率としては少ないはずです)が外国に流出していくのですね。言い換えれば、日本は世界に金をばらまいているわけです。こうした制度を導入したのは、鳩山政権の責任ですが、間接的には鳩山政権に日本の今後の舵取りを任せようと判断した日本国民の責任です。夏の参議院選挙では、こうしたことを考えて投票する必要があるように思います。
posted by 乙 at 05:56| Comment(9) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月23日

個人所有の本を PDF 化する

 乙が驚いたニュースです。
 元々の記事は
http://blog.dandoweb.com/?eid=93664
ですが、関連して、
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51434363.html
http://www.bookscan.co.jp/
http://lifehacking.jp/2009/10/scanning-your-books-and-comics/
http://ascii.jp/elem/000/000/505/505080/
なども読みました。
 今や、個人所有の本を裁断して、各ページごとに PDF 化するサービスがあるということです。しかもかなり安価です。
 いよいよペーパーレス時代がそこまで迫ってきたということでしょうか。
 乙の自宅も本であふれかえっており、これがきれいに片付くならば、意味がありそうに思いました。
 もっとも、現物を手に取る楽しみなどは消えてしまうので、一長一短ではあります。
 新聞や出版関係が衰退していくのも理解できるように思いました。
ラベル: PDF
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2010年04月14日

インターネットの利用で本を読む機会が減った

 興味深い調査結果が公開されました。
http://japan.internet.com/research/20100408/1.html
インターネットの利用で本を読む機会が減ったというわけです。
 まあ、この調査では「本」の中に雑誌や漫画を含めていますから、普通にいわれるところの「本離れ」などとはちがっていますが、乙は、回答者の主観とはいえ、インターネットをはじめることで本を読むことが減ったと意識されるのは興味深いと思いました。
 利用者の実際の時間はどうなのでしょうか。
 本を読む時間は変わらず、インターネットを利用する時間が上乗せされているような面があるように思うのですが、……。つまり、本を読む時間は、絶対量としてはさほど減っていないのだけれど、ネットと比べて相対量としてみると減っているということではないでしょうか。
 こういう調査でも、もう少し質問文が工夫されているとよかったと思いました。
posted by 乙 at 05:12| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月12日

電子書籍のコスト

 乙がネットの中で見かけた記事です。
 「岸博幸のクリエイティブ国富論」の中で、電子書籍のコスト(ただし、アメリカの例ですが)について言及されていました。
http://diamond.jp/articles/-/7841?page=2
 これは、なかなかおもしろかったです。推計値ということで、あまり信頼性はないとの断りが書いてありますが、そうはいっても、かなり真実に近いところだろうと思われます。ハードカバーの本の場合で、印刷/流通/在庫の費用は、実は大したことがないというのです。
 このコスト構造から考えると、電子書籍になったからといって本の価格が大幅に安くなることはなかろうということです。
 電子書籍の値段の設定は悩ましいものです。ずいぶん安く設定されている面もありますが、それは、どこかがそれなりの負担をしているのでしょう。
 世の中は、電子書籍の方を向いて動きつつありますし、パソコンIT信奉者は、ますますその方向を向いて旗を振っていますが、実際は、そう簡単な話ではなさそうです。
posted by 乙 at 06:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

日経新聞の電子版で個別記事のリンクに賠償請求?

 乙が驚いたニュースです。
http://www.j-cast.com/2010/04/06063945.html
日経新聞のサイトへのリンクについての方針が、「個別記事へのリンクはお断り」「違反した場合は損害賠償を請求することがある」ということです。
 日経新聞のサイトを見ると、
http://www.nikkei.com/info/link.html
にリンクポリシーが書いてあります。
 今回の話は、たとえば、この乙の記事のように文中に「http://www.nikkei.com/info/link.html」という URL を示して(クリック一発で当該記事が読めるようにして)、日経のサイトのある部分を参照するようなことを書くと、日経新聞社が損害賠償を請求することがあるというものです。そんなバカな話があるでしょうか。
 乙は、日経新聞の方針は間違っていると思います。
 リンクを張る場合は、張る側が勝手に張っていいのであって、張られる側に通知する必要はないし、ましてや、許可を求める必要はないということです。
 上記リンクポリシー中に「リンクを張る場合は、リンク先のページとURL、リンク元のホームページの内容とURL、リンクの目的などを記載してお問い合わせページでご連絡ください。」は不要です。
 さらに「リンクの仕方やページの内容によっては、お断りする場合があります。」とありますが、それは不可能です。書き手が「リンクしてほしくない」と思っていても、それを参照する側が勝手にリンクしていいというのが著作権法の趣旨だと乙は解釈しています。特に、相互批判などで、「ほらほら、ここにこういう間違い記事があるけれど、これは正しくはしかじかなんだよね」などと書くことは当然のことで、それを書き手側が断ったりはできない性格のものです。記事を公表するということは、そのような批判に身をさらす覚悟があるということなのです。
 日経新聞が上記記事中でリンクをお断りする場合として挙げているのは、いろいろ問題があります。
 「営利目的や勧誘を目的とするなど、「日本経済新聞 電子版」の趣旨に合わないホームページからのリンク」は、批判を批判と受けとめないという主張に受け取れます。一般論として、日経新聞の趣旨に合わないリンクも当然ありです。「日経新聞はこんな記事を書いているよ。バカだなあ。」という書き方の中で個別記事にリンクするようなことをした場合、それは日経新聞の趣旨とは合わないと思いますが、こういう批判は許されるし、そのために当該記事を参照するのは当たり前です。当該記事を参照しないでは何も書けないではありませんか。これが「言論の自由」ということです。ま、「バカだなあ。」という書き方は名誉毀損に該当するかもしれないので、言い方は変えた方がいいと思いますが。
 「「日本経済新聞 電子版」のコンテンツがリンク元のホームページの一部に見えるような形のリンク(フレームの中にコンテンツを取り込むような形のリンクなど)」は、もっともです。しかし、こんなことは、わざわざ書くまでもなく、著作権法の趣旨を基準にすれば、明らかです。
 「日本経済新聞社の事業に支障をきたす恐れがあるリンク」もOKです。「日経新聞社がこんなイベントを企画しているが、これは行かないほうがいい」という記事があって、リンクが張ってあると、「日本経済新聞社の事業に支障をきたす恐れがあるリンク」になると思いますが、こういう記事は許されます。これも言論の自由の一種です。
 「個別記事へのリンク」は当たり前に許されるものです。
 「以上の項目に違反した場合は、損害賠償を請求することがあります。」は一番カチンと来るところです。いうまでもないでしょう。

 どうしても、日経新聞が個別記事にリンクを張ってほしくないときはどうすればいいか。簡単です。記事をアップロードしなければいいのです。逆にいえば、記事をインターネットにアップロードするということは、その時点で公開したことと同じことで、他人が、「ここにこういう記事があるよ」と URL を示すことを禁止できなくなります。URL は所在地を示す情報にすぎません。リンクもこれとまったく同様です。

 リンクの考え方については、琵琶湖博物館の方針「リンクに許可はいらない」
http://www.lbm.go.jp/lnkplcy.html
が参考になると思います。乙は、これがインターネットにおける共通理解だと思っています。

 日経新聞社のリンクポリシーは、普通に考えられるリンクに対して網をかけ、「それをするな」と主張するもので、新聞社として許されないものだと思います。
 日経新聞社の今回の件は、著作権や言論の自由など、基本的なことに関して、新聞社として誤解していることを明確に物語っています。マスコミの一部として、こんなことがあっていいのでしょうか。

 乙は、このブログ記事で、日経新聞社の個別記事
http://www.nikkei.com/info/link.html
にリンクを張っていろいろ書いてきました。日経新聞は、リンクポリシーに反しているということで乙に対して損害賠償を請求してくるでしょうか。もし、してきたら、日経新聞は本当にバカだということを世界に公言するようなものでしょう。してこないなら、こんなばかげたリンクポリシーは日経新聞社の品位を下げるだけですから、削除しておくほうがいいと思います。

 乙は、何十年も(紙の)日経新聞を愛読してきましたが、今回の1件で、日経新聞社に対する信頼がだいぶ失われました。
posted by 乙 at 05:34| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月06日

中高年層と若年層の給料格差の解消

 昨日の記事
2010.4.5 http://otsu.seesaa.net/article/145646847.html
に対して、「さぼ」さんからコメントをいただきました。
 乙もコメントにしようと思ったのですが、ちょっと長くなってきたので、本文として書きます。
 実質的には、「さぼ」さんへの乙のコメントであり、昨日の記事への補足でもあります。

 日本の中の若者と中高年の世代的対立はけっこう鋭いものがあります。典型的には「同一労働同一賃金」でないところです。しかし、両者が妥協できないわけではありません。昨日の本文中にも書いたように、ポイントは「時間をかける」ことです。
 だんだん変えていけば、いわば中高年の貯金がだんだんなくなっていくことと同じような効果が起こります。そのようにして変えていかないと、みんなが納得できないと思います。
 年金だって、今の高年者が一番トクをしているわけですが、中高年者だって、若者だって、制度をだんだん変えるようにして、みんなで少しずつ痛みを感じつつ、20年程度で制度を変えるようにするべきでしょう。
 あるいは、制度を一挙に変えるとしても、それまでの加入期間分はそれまでの計算に基づいて支給するとすれば、事実上、ゆっくりとした変化になります。
 同一労働同一賃金の話も同様だろうと思います。
 中高年層だって、家族の中に(自分の子供として)若年層を抱えていますから、若い人の痛みは理解できます。だから、時間をかけて日本社会が変わるならば、将来の日本に望みをつなぎつつ、みんな我慢するだろうと思います。
 しかし、「クビ」などを通じて、一挙に変えようとすると、中高年層の反乱が起きるでしょう。「クビ」は個人の問題であり、社会全体の問題ではありません。こういう解決のしかたは大きな摩擦を産みます。

 日本の企業では、賃金制度として年齢給制度があるところが多いと思います。したがって、年齢が上がれば給料が上がる、いわゆる定期昇給が存在することになります。年齢給部分を一挙にゼロにすると、日本社会全体がきしみます。中高年層の給与が大幅ダウンになる場合が続出するでしょう。年齢給分を全従業員で割り算して平等に分けるようにすると、その企業の中高年層の給与が大きくダウンするとともに若年層の給与が急激にアップします。これも社会不安のタネになります。(こんなことで企業としてやっていけるでしょうか。)ある時点での年齢給を個人ごとに固定すれば、定期昇給なしとなり、これは維持可能です。しかし、定期昇給がないままに、なぜ年齢が高い人は高い年齢給をもらっているのかなどと考えたら、こういう仕組みは長持ちしそうにありません。
 そこで、年齢給の重みを次第に小さくしていき、たとえば20年かけて年齢給ゼロにするようにします。昨日の記事で「賃金カーブを少しずつ変える」と書いたことは、典型的には、こういうことです。こうすると、あまり痛みを伴わずに、「同一労働同一賃金」が実現できます。これを「中高年層の逃げ切り」と考えるのは間違いです。(そういう面があることは事実ですが。)何と言っても、働く人の給与を下げることなど、労働条件の不利益変更は、日本ではそう簡単にできることではないわけで、そういうさまざまな法律や判例や習慣やらが今の日本社会を形作ってきたわけですから、それを一挙に変えることは好ましくないと思います。
 この点に関して「20年後では遅い。数年以内に行わないと日本沈没だ」と考える人もいるでしょう。しかし、そういう主義主張は、今の日本では絶対に多数を握れず、無視されるだけです。団塊の世代は人口が多く、しかも選挙での投票率が高いことに留意してください。
 乙は、日本はゆっくり変わるしかないと思います。その分、沈没のスピードが遅くなりつつ、沈没方向に進んでいます。
 日本は20年持たずに沈没するかもしれません。そのときはそのときです。
 日本が沈没するとは、ほとんどの会社が倒産し、みんながクビになって仕事がなくなることです。政府も機能しなくなっている可能性が高いです。しかし、その結果新しい社会が生まれるということになるので、むしろ好都合なのかもしれません。中高年層としてはこういう「革命」は歓迎しませんが。
 なお、こういう沈没のケースでは、公務員が一番強いと思います。もっとも、税金を払う人がいない場合に、どうやって公務員の給料が払えるのか、乙は知りませんが、国債でも発行するのでしょうかね。いや、公務員もリストラで大半はクビになってしまうのでしょうか。
 なお、今回の議論は机上の空論であって、考え方を述べたまでです。実際に個々人の給料が時間とともに下がらないようにして年齢給の分を下げていくことが可能かどうか、20年でゼロにできるのか、自分でシミュレーションをしたわけでもないので、わかりません。
posted by 乙 at 05:17| Comment(9) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月05日

辻広雅文(2010.3.25)「日本社会は中高年の雇用を頑なに守り、若者を見捨て続ける」

 ちょっと前ですが、ダイヤモンドオンラインの中で、辻広雅文(2010.3.25)「日本社会は中高年の雇用を頑なに守り、若者を見捨て続ける」という記事がありました。
http://diamond.jp/articles/-/7684
 その中で、辻広氏が「日本の労働者を二つに大別すれば、「大企業に勤める男子正社員とそれ以外」という分類になる。「それ以外」というのは、非正社員であり、女性であり、中小企業に働く人々である。」と明確に語っている点に驚きました。確かに、建前はともかく、実質的にこのような二分法でものを見ると、日本社会がよく見えます。
 ちなみに、乙とその家族を見ると、やはり、大企業男子正社員とそれ以外に区分できるようです。乙自身と息子の一人は「大企業正社員」の側で、乙の妻ともう一人の息子は「それ以外」に属します。両者で給料の総額なども違いますし、さらには、それ以外の福利厚生などでの差が結構ありそうです。
 続いて、辻広氏は2ページで「正社員と非正社員の賃金格差は20代ではそれほどでもなく、30代、40代になるにつれて拡大していく。正社員が年功賃金の恩恵を受けるからである。ここで、二重の格差が生まれていることに気がつく。正社員と非正社員の格差に加え、正社員のなかでの中高年と若年層の格差である。」と述べ、年齢格差にも言及しています。
 辻広氏の主張は明解です。こうして「同一労働同一賃金」の実現を回答として主張するわけです。
 乙は中高年層ですから、その立場は、言い換えると、今後給料を減らされる側の人間です。その立場では、やはりいいたいことがあります。若いときは、年配社員と同様な仕事をして、しかし、給料はかなり安く、いわば辛抱と我慢を強いられてきたわけです。そして、中高年層になって、いざ、会社に貯金しておいた分を取り戻そうとすると、若い人と「同一労働同一賃金」だといわれて減額されるとなると納得できません。
 実は、乙が若いときは公務員だったので、上記の言い方(社員・会社)は厳密には当てはまりませんが、公務員時代に周囲を見渡してみると、高年層で、仕事にはいかにも不適当な人が、郵便の重さを量って切手代わりの白いシールを料金機で印刷していたりしました。彼には一体給料がいくら払われていたのだろうなどと思いました。
 今の乙は民間に勤務していますが、まあ世間並みの給料をもらっており、総額は若い人より明らかに多くなっています。それは「会社に対する貯金」ではありませんが、「日本社会に対する貯金」の反映だと思っています。
 そういう現状を変えて、給料を減額するといわれるとつらいものがあります。
 どうしたらいいか、乙には名案がありませんが、最高裁の判例などで正社員の保護が打ち出されてしまっている現状で、法律や判例に反しない形で制度を改めるには、時間が必要だと思います。根拠はありませんが、ざっと20年くらいでしょうか。一気に改革するのでなく、20年くらいかけて年齢層ごとの賃金カーブを次第に変えていくほうがいいのではないかと思います。
 とはいえ、このようなやり方をすると、今後20年、賃金総額がじんわりと減っていくことになります。(役員報酬は現状のままとすれば、会社役員の所得水準は、勤め人一般から見れば、相対的に高くなっていきます。)
 今のままの制度では日本は長期的に沈み行くだけです。しかし、変革には痛みが伴いますから、非常に困難です。
 今までの日本の経済的停滞は20年にも及びましたが、それはさらに今後も(数十年?)続くだろうと予想しています。
posted by 乙 at 04:41| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月04日

就職内定率の調査

 日経新聞4月2日朝刊第17面のコラム「大機小機」欄に「疑問のある就職内定率調査」という記事がありました。ペンネーム「一直」さんの執筆によるものです。
 2月1日現在で文部科学省と厚生労働省が共同で行った調査がありますが、その結果が3月12日に公表されました。それによると、今春卒業予定者の就職内定率は 80% で、きわめて厳しいということになっています。
 一方、千葉労働局が同時期に調査したものを同じ日に公表しているそうですが、そちらでは、千葉県内の32大学の卒業予定者の内定状況を調べ、57.8% という内定率だったとのことです。文科省・厚労省の調査よりもさらに厳しい結果になっています。
 二つの調査で数値が大きく異なることから、コラムの筆者は調査結果に疑問を呈しています。
 千葉労働局の調査は、すべての大学からヒアリングした結果ということで、調査対象の卒業予定者は2万3千人だとのことです。
 文科省・厚労省の調査は、全国の大学62大学の中からランダムサンプリングで6200人あまりを調査したものです。
 コラムの筆者は、全国の大学が700以上あり、卒業予定者が50万人を超えることから、文科省・厚労相の調査はサンプル数が少なすぎるのではないか、私立大学の比重が小さすぎるのではないかと疑問を呈しているわけです。
 乙は、この記事を見ただけで、生データの集計を見たわけではないので、断言はできませんが、このような調査のしかたで特に問題はないものと思います。50万人を調べるのに、サンプル 6200 人というのは十分な数です。世論調査などでは、全日本人成人1億人の調査でも、サンプルは 3000 人程度で十分だとされています。
 それよりも疑わしいのは、むしろ千葉労働局の調査で、本当に 23,000 人にヒアリングしたのでしょうか。23,000 人というとかなりの数であり、個々に面接や電話をするとしても、普通に調査員を動員するようなことではとても全部調査できないものと思います。調査会社を利用するとすれば、相当な費用もかかります。おおざっぱにいって、たぶん数千万円レベルでしょうか。千葉労働局というサイズで毎年のように負担できるような金額ではないと思います。逆にいうと、もっと小さなサンプルを調べただけではないかと予想します。
 文科省・厚労省の調査と千葉労働局の違いを見るには、データをさらに分析してみる手もあります。たとえば、文科省・厚労省の調査を都道府県別に集計して、千葉県(およびその周辺)の結果を見てみるとかも必要な操作でしょう。大学を国立・公立・私立に分けて、それぞれを比較してみるなどということも有効でしょう。
 何はともあれ、もっと検討するべきところであり、コラムの筆者のように、単純に文科省・厚労省の調査に疑問を呈する態度はよろしくないと思います。
 それにしても、就職内定率が下がっているのは、若い人に苦労を押しつけているみたいで、中高年層としては恐縮するべき事態ですね。
posted by 乙 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月14日

アメリカでの育児と仕事の両立

 アメリカでも、育児と仕事の両立はむずかしいようです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2928
こういう記事を読むと、日本よりも一層大変です。
 低所得層から高所得層まで、それぞれの立場で苦労していることがわかります。
 どうしたらいいのでしょうか。いや、どうしようもないから苦労しているのです。
 子供や家庭のことを理由にした遅刻も早退も本人の勤務成績に関係して来るとなると、どうしようもありません。こんな状態で子育てができるというのが不思議なくらいです。
 アメリカにはアメリカなりの価値観があります(個人主義、競争社会、……)が、だからこそ、育児と仕事の両立がむずかしくなっているように思います。日本とは大違いです。
 今のままでいいのでしょうか。
 この深刻さはどう解決できるのでしょうか。
 日本はアメリカのマネをするべきなのでしょうか。
 いろいろ考えさせられます。
posted by 乙 at 08:23| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月13日

【拡散希望】「母国の村の子供たち300人養子にした」 by中国人

 ブログ記事にはいろいろあるものですが、民主党の子ども手当の問題点を簡単明瞭に指摘している記事がありました。
http://blog.goo.ne.jp/fubenkyou/e/efc7bb2dfa90f06112509fa9b68315ac
 おもしろい記事です。一読することをおすすめします。
 子どもがいるという書類を用意するだけで、大金持ちになれる日本は平和で豊かな国だなあと実感できる記事です。中国人ならこういう書類の偽造は簡単でしょう。

 ところで、外国にいる子どもに関して手当を支給しないことになれば、日本人の場合も同じです。
 お父さんが頑張って国内で働き、子どもが外国に留学して、お母さんがそれについて行っている場合なども同じくくりになるでしょう。
 支給の範囲について考えるときは、子ども手当が何のために存在するのか、その目的を考えなければなりません。
 外国人だって、日本にいて働いている以上、日本に税金を払っているわけで、そういう人を支給対象から除外することはできません。
 子どもがいると、生活費がかかって大変だから支援しようというならば、相対的に物価が安い外国で生活している子どもは支援の対象にならないわけですし、物価が高い外国で生活している場合だって、そこにあえて行ったのは当人(子どもというよりはその親)の判断という面もあるわけで、支援すべきものかどうか、判断がむずかしいと思います。
 日本は物価が高い(ということになっている)ので、子どもを抱えての生活が大変だから、若干子育てを支援しましょうという目的なら、外国に住んでいる子どもを除外してもいいように思います。
 特に、上記記事のように不正受給が行われそうならば、事実関係が把握しやすい国内限定でも大きな問題にはならないように思います。(これは現行の児童手当にも当てはまる議論です。)

 ちなみに、現状での法律の案がネット上にあります。
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/kaigi/2010/01/dl/k0122-1b.pdf
その2ページにある支給要件
子ども手当は、次のいずれかに該当する者が日本国内に住所を有するときに支給するものとすること。
(1)子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母
(2)父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない子どもを監護し、かつ、その生計を維持する者
(3)子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母であって、父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない子どもを監護し、かつ、その生計を維持するもの

は、まことにわかりにくいもので、(1)と(3)の違いなどは、一読しただけではわからないです、はい。(3)は、他人の子どもを育てているようなケースを想定しているのでしょうね、たぶん。それにしては、自分の子どもがいないと(他人の子どもだけでは)支給要件に入らないというのはよくわかりません。このあたりが不正受給を防ごうとするところなのでしょうか。
 (2)は児童養護施設などを想定しているのでしょうね、たぶん。
 (2)が「者」で(3)が「もの」というのは、(誤字ではなくて)別のものを指しているのでしょうね、たぶん。(2)が施設などを含めて指すのであれば、「者」が人間以外を含み、「もの」は人間だけを指すということで、日常語(「もの」は人間以外を含み、「者」は人間だけを指す)とは語感が逆です。

 子ども手当がどう決着するか、見守りましょう。
posted by 乙 at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月11日

鳩山内閣の支持率がいよいよ下がる

 共同通信が3月6日〜7日に行った調査結果が記事に出ていました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2946
それによると、不支持率が 48.9% に達したとのことです。
 民主党に対する国民の失望感は相当に高いようです。
 今や、自民党が民主党に並ぶほどの支持率を集めているとのことで、「時代が変わったな」と感じます。
 さらに興味深いのは、以下のところです。
「いま首相にふさわしい政治家」については、自民党の舛添要一前厚生労働相が23.7%で、最多数。以下、鳩山由紀夫首相8.3%、菅直人副総理7.4%、岡田克也外相7.2%、石破茂自民党政調会長5.4%の順で、谷垣禎一自民党総裁は2.3%にとどまった。

 舛添さんが圧倒的な支持率なんですね。
 乙は、こんなにも大差がついているとは知りませんでした。今後は舛添さんにも注目していく必要がありそうです。
posted by 乙 at 05:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月20日

国会の予算審議と消費税

 田原総一朗氏が、今の国会の予算審議と消費税増税について、「こんな予算審議では「二番底」が来る」と題して記事をお書きです。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100216/210978/
 衆議院予算委員会は大切な2010年度予算案を審議する場なのに、予算はそっちのけで、鳩山由紀夫首相と小沢一郎幹事長の「政治とカネ」の話ばかりだ。
 自民党が鳩山さんと小沢さんのカネの問題を「大きな攻めどころ」と考えているのが理由の一つだが、それだけではない。実は、予算に関しては、自民党にも案がないのである。

 予算委員会というのは、予算を審議する委員会だと思いますが、いつのころからでしょうか「何でも委員会」になってきました。まあ、すべての政治的な話題が予算(日本国のカネの使い方)に関わるということでしょう。しかし、今問題になっているような鳩山総理が実母から億単位でお金をもらったとか、小沢幹事長が4億円で不動産を購入したとかいいう話は、国のお金をどう使うかということとは関係が薄いものです。政党にも国から助成金が出ているとかいうことがありますから、予算と無関係とまでは言いきれませんが、それよりも、2010 年に日本はどの方向に向かおうとしているのか、田原氏が言うような「二番底」が来るのか、そのときどうするのかというような話題のほうがはるかに大切です。
 自民党が政治とカネの問題を追求したい気持ちはわかりますが、それは予算委員会の外でやってほしいものです。
 予算委員会は、まずは国家予算について一生懸命審議するべきでしょう。

 次に、消費税の問題ですが、乙の感覚では、これは上げるしかありません。問題は、いつごろどのくらい上げるかです。しかし、自民党も民主党も消費税増税を言い出せないわけで、ここが政治不信の一つの根っこです。
 民主党の事業仕分けなんて、たかだか数千億円の話ですが、今の日本が直面する問題は、数十兆円のお金をどう工面するかということです。そういう大問題を放っておいて、事業仕分けなどをやったって、ほとんど無意味です。
 民主党の言う「無駄の徹底的削減」で数十兆円の資金が出てくるならば、拍手喝采ですが、今審議中の予算を見たって、そんなことはありえないわけで、1年後の 2011 年度の予算でそれが可能になるなんてことはにわかには信じがたいです。それが可能なら、なぜ 2010 年度予算でやらなかったのかという問題になります。
 というわけで、消費税増税は当然の話なのです。選挙(夏の参議院選)の前に増税を言い出すのはタブーでしょうが、きちんとした国家の骨格を提示して、したがって消費税増税が必要だと説けば、国民もわかってくれるのではないでしょうか。そうでもしないと、日本の国家財政は持たないと思います。

 ところで、田原氏の言う 2010 年4月過ぎの二番底懸念ですが、投資家の立場からは、今は現金を多めに用意しておいて、二番底が見えたら買いに出動するのがいいということになります。今、日本株を全部売り払って現金化しておくようなことをすると、二番底がやってこないで、このまま経済の上昇が継続したときに問題になりますから、どちらでもいいように、日本株は保有したまま、現金の比率を高めるということになるでしょう。
 このあたりの判断は、もちろん、自己責任ということになります。
 日本を見限って、もっぱら海外に投資するという方策も十分あり得るでしょう。
 乙は、どうしたらいいか、確たる判断がつきません。
posted by 乙 at 05:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月16日

Wikipedia が危ない?

 Wikipedia が危ないというニュースがありました。
http://japan.internet.com/research/20100215/1.html
によれば、「長引く不況で、これまで「Wikipedia」を支えてきたボランティアの執筆者や編集者の多くが、その活動をやめつつある」ということです。
 これは、日本語版だけの問題でしょうか。
http://japan.internet.com/busnews/20091228/6.html
の記事も参考になります。
 こちらは海外発の記事ですから、各言語の Wikipedia が同様に危機に瀕しているように読めます。
 乙は、Wikipedia を優れた百科事典だと思います。そこで、若干の寄付をしたのですが、
2008.12.5 http://otsu.seesaa.net/article/110702799.html
そんなことでは、この問題は解決できません。Wikipedia への寄付は、たくさんの人から少額が集まっているようですが、
2009.12.22 http://otsu.seesaa.net/article/136084335.html
いかんせん、肝心な編集者や執筆者が離れていけば、深刻な事態になります。辞書はメンテナンスが命なのです。
 メンテナンスがうまく機能しないと、適当な人が、Wikipedia に悪ふざけのような記述をしても、それを止める人がいなくなります。ということは、Wikipedia の記述の質がだんだん下がってしまうということになります。一度信頼を失えば、復活するのはきわめて困難でしょう。
 今や、WWW 自体が一つの百科事典のようになっているという見方もできますが、しかし、ある程度しっかりした記述を求める場合は、WWW 内のさまざまな記述だけでは、「百科事典」の代用にはなりません。検索エンジンがいくら発達しても、関連記事の中で一番有用なものを適確に探し出すことはしばらく不可能でしょう。
 やはり、辞書記述は人の関与が不可欠です。
 Wikipedia がダメになったら、他の百科事典が立ち上がるでしょうか。とてもそんなことは考えられません。まさに Wikipedia がうまくいかなくなったのと同じ理由で、新しい百科事典もうまく機能しないでしょう。
 困った問題です。乙には解決策がありません。
 Web 2.0 時代を象徴するものの行方に注目しています。
ラベル:Wikipedia
posted by 乙 at 03:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月13日

「22万非正規社員を正社員に」 郵政亀井プラン本気なのか

 J-CAST で流れたニュースです。
http://www.j-cast.com/2010/02/08059758.html
 郵政事業で22万人の非正社員がいるそうですが、希望者を正社員として雇用していこうという方針です。
 これを見て、乙は驚きました。こんなことをしたら、明らかにコスト増になります。そうして赤字になったら、税金で穴埋めするのでしょう。つまりは、税金というみんなのカネを不要なところにばらまいているわけです。国家予算のムダを排除することが民主党(とその他の与党)の基本方針ならば、まずは、ここに切り込んでおかないといけません。
 亀井大臣にはそんな単純なことがわからないのでしょうか。
 ブログで書かれていたところでは、
http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=1874
がおもしろいと思いました。
正社員化するよりも、それらの方々を一旦解雇して、仕事自体を本物の民間企業へアウトソースし、そちらの企業で解雇したもと社員を使ってもらった方が、郵政の固定費削減には効果的であるように思われます。

 そうなんです! 亀井大臣にはこういう発想がほしいですね。
posted by 乙 at 08:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月11日

ネットカフェとはどんなところ?

 bobby さんが、ブログで「ネットカフェ難民は経済難民か」
http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=1868
という問いを発しています。
 乙は、ネットカフェ難民に関する本を読んだとき、
2009.7.29 川崎昌平(2007.9)『ネットカフェ難民』(幻冬舎新書)幻冬舎
  http://otsu.seesaa.net/article/124492008.html
2009.4.8 水島宏明(2007.12)『ネットカフェ難民と貧困ニッポン』日本テレビ放送網
  http://otsu.seesaa.net/article/117043427.html
なるほど「ネットカフェ難民」ということばは言い得て妙だと思いましたが、ネットカフェの実態はまったく知りませんでした。
 bobby さんは、実際に経験した上で、「実に快適な空間だった」とお書きです。逆にいえば、普通のアパートの家賃やビジネスホテルの料金が高いということなんでしょう。
 とすると、遠方に出張するとき、ホテルに泊まるのを止めて、ネットカフェに泊まってみればいいわけです。あるいは、終電を逃した場合に、ネットカフェに1泊というのでもいいかもしれません。
 bobby さんと同じく、「快適な空間」と感じられるのか、アパートやビジネスホテルと比べてどうなのか、自分で経験してみないとホントはわからないというべきでしょう。経験しないうちに決めつけるのはよくないという主張には首肯できます。
 今度機会があれば乙も経験してみたいとも思います。
 なお、厚生労働省の調査
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/08/28/16715.html
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/08/h0828-1.html
http://markezine.jp/article/detail/1679
http://www.pressnet.co.jp/osaka/kiji/hit001.shtml
によると、年齢分布では、20歳代(26.5%)と50歳代(23.1%)に二つの山が見られたとのことですから、ネットカフェは必ずしも若い人だけの利用だけではなく、50歳代の人間もネットカフェを使っているのですから、中高年層が泊まりに行っても違和感はないはずです。
 また、この調査では、住居がなく寝泊まりするためにネットカフェを利用しているのは、7.8% しかおらず、「パソコンなどを利用するため」52.8%、「仕事や遊びで遅くなり帰宅がおっくう」27.8% ということですから、「ネットカフェ難民」ということばは、やっぱりおかしいのかもしれません。
posted by 乙 at 06:51| Comment(4) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月04日

高速道路の一部無料化

 平成22年度から「高速道路無料化」が始まるということで、ニュースになりました。
 どんなところが無料化されるのかなと思って国土交通省の資料を見てみると、
http://www.mlit.go.jp/common/000057575.pdf
合計 1,626km(約18%)と書いてあります。
 初年度だから、こんなものかもしれません。では、具体的にどこが無料化されるのかと思って、この記事の末尾のほうの路線図を見てみると、何とびっくり。東京近辺の無料化区間はほとんどありません。
 それだけでなく、どうでもいいような路線を適当にピックアップした感じになっています。長さでいえば、全体の 18% かもしれないけれど、実質的には、数%以下ではないかと感じます。
 なるほど、「無料化社会実験」なんですね。しかし、こんな実験をして、一体何になるのでしょうか。
 休日上限 1,000 円による渋滞実績のグラフを見ても、東京近辺の渋滞ぶりはすごいものです。
 同じ「高速道路」と言っても、都市のそれと地方のそれはずいぶん違ったもののようです。乙が走った経験でも(そんなに全国を走り回っているわけではありませんが)、地方のがら空き具合は、経営が心配になるくらいのレベルでした。
 今回の社会実験で、地方の高速道路の無料化の影響はある程度わかると思いますが、都市部の場合はわからないというべきです。ということは、つまりは無料化の影響はわからないと言っていることと同じです。高速道路の利用者は都市部に多いわけですから。「実験」してもあまり意味はありません。
 まあ、1,000 億円だけの予算でお茶を濁そうとすると、こんなことになるのでしょうかね。
 高速道路を無料化する(つまりは税金で維持する)べきか、有料化のままにする(つまりは利用者の負担で維持する)べきか、それは少しくらいの社会実験でわかるものではなく、基本は政治的判断だろうと思います。
 今の民主党政権に(自民党政権でも同じく)そういうビジョンはないし、判断するリーダーシップを取れる人もいないようです。

関連記事:
2009.8.23 首都高速・阪神高速も無料化の対象にする?
http://otsu.seesaa.net/article/126275146.html
2009.8.15 高速道路 1000 円の影響
http://otsu.seesaa.net/article/125728556.html
2009.4.15 休日の高速道路の利用料 1000 円
http://otsu.seesaa.net/article/117488545.html
2008.12.18 松下文洋(2005.5)『道路の経済学』(講談社現代新書)講談社
http://otsu.seesaa.net/article/111385076.html
2008.6.14 山崎養世(2008.3)『道路問題を解く』ダイヤモンド社
http://otsu.seesaa.net/article/100455602.html
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2009年12月20日

鳩山内閣支持率の低下

 最近行われた調査で、鳩山内閣の支持率が低下したとのニュースがありました。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1216&f=politics_1216_007.shtml
 株式会社ライフメディア
http://www.lifemedia.co.jp/index.html
の調査だとのことです。
 12月中旬の調査ということで、最新版といえます。
 まあ、この間、いろいろな「事件」がありましたからねえ。
 ただし、ライフメディアはネット調査会社ですから、どこまで全国的な傾向をフォローしているかはよくわかりません。
 支持者の年齢分布から見ると、民主党は年齢が高い人ほど支持している一方、自民党は若い人ほど支持しているというのは驚きました。乙は反対だとばかり思っていたからです。
 そして、もう一つ、みんなの党が意外に(失礼!)伸びてきている点にも要注目です。こちらも年齢が上の人の支持率が高いため、民主党から逃げ出すとすると、自民党よりはみんなの党になりそうです。
 先日、乙は消去法で「みんなの党」に期待する意見を述べたのですが、
2009.12.17 http://otsu.seesaa.net/article/135838982.html
意外とこの線が太かったりするのかもしれません。
ラベル:鳩山内閣 支持率
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2009年12月17日

民主党の「農家戸別所得補償」の問題点

 乙がたまたま見かけたのですが、DIAMOND ONLINE に山下一仁氏がお書きです。
http://diamond.jp/series/agric/10018/
この記事では、民主党の農家に対する「戸別所得補償」にどんな問題点があるかを明確に語っています。山下氏は日本の現状を正しく認識し、その上で民主党のこの政策に対して反対意見を述べているのですが、乙はまさに我が意を得たりという感覚でした。
 日本のあるべき姿(ここでは農業)をトータルに考え、そこから個々の政策を決定していくべきなのに、民主党の各種政策を見ていると、このあたりがちぐはぐというか、場当たり的というか、総合的に考えられていない気がしていました。
 あ、乙の親戚に農業をやっている人間がいますので、少しは農業を身近に感じることもあります。それでも、今提案されている政策には問題点が大ありのように思います。
 ことは農業政策だけに限りません。
 鳩山政権は、マニフェストに書いたことを愚直に実施していこうとするだけで、なぜそういう政策をとるのか、なぜマニフェストにそう書いたのか、そのあたりの検証や国民への説明も不十分です。
 連立政権で舵取りがむずかしいのは理解できますが、まずは、政権運営の基本的なスジが通っていないのが一番の問題です。
 今の民主党のやり方を見ていると、自民党と基本的に変わらないようです。こんなことでは、来年夏の参議院選挙は乗り切れないし、次の総選挙では、さらに政権交代などということになるかもしれません。自民党はあんまりだから、あと選択の余地は「みんなの党」くらいしかないですかね。消去法で考えるようではたかがしれていますし、現有勢力を考えると「みんなの党」が政権をとるなんて考えられないわけですが、……。
posted by 乙 at 05:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月10日

製造業派遣を禁止しても、正社員は増えない

 朝日新聞社の調査がありました。全国主要100社を対象に、アンケートした結果です。
http://www.asahi.com/business/update/1207/TKY200912070318.html
 鳩山政権が製造業派遣と登録型派遣の原則禁止を打ち出していますが、そういう規制が実施されると、派遣社員は正社員になれるでしょうか。企業アンケートの結果では、そんなことはありません。鳩山政権の法案提出は逆効果になることは明らかです。
 派遣社員を使わないことにした場合、企業としてはいろいろな勤務形態が考えられますが、正社員を増やす方針の企業はごく少数に限られます。
 それはそうです。
 企業としては、手厚い規制に守られ解雇しにくい正社員の数はなるべく減らすのが正解です。
 以前のアイデム社による調査と符合します。
2009.10.6 http://otsu.seesaa.net/article/129595922.html

 もっとも、自分自身とその周辺を振り返って、勤務先の経営層の(決して口には出さない)内心を推測してみると、中高年の正社員たる乙をまずは解雇したいということなんでしょうかね。乙は、後輩・若者を信じて、さっさと退職するのがスジなんでしょうか。個人的にはあと15年仕事を続けたいと思っていますが、……。いや、今現在では12年でいいですが。
 自分のこととなると、なかなか退職は決断できないものです。
 なんだか自分で矛盾を感じてしまいました。
 もっとも、乙が退職しても、その分が若い正社員でまかなわれるとは限りません。経営者の判断ですが、パートタイマーなどを数人雇って、乙の仕事の代替をさせるなどということもありえます。そうなれば、若い人に譲ると考えて乙が退職する意味がなくなります。
 この際、乙は給与引き下げを甘受していくべきでしょうか。(あ、いや、乙の勤務先でそんな方針は現実には打ち出されていないのですが。)少なくとも、「ボーナスを○ヵ月分支給せよ」などという労働組合の勇ましい方針にはちょっと引いてしまいます。あまりおおっぴらに言えませんが「そんなにもらっていてホントにいいの?」などと感じてしまいます。12月のボーナスはすでにもらってしまいましたけれど。
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2009年12月09日

COP15 の会議のゆくえ

 デンマークで、国連COP15の会議が始まりました。とはいえ、今後の見通しがよくわかりません。
 日本がひとりでCO2大幅削減の義務を負ってしまったら、日本経済がめちゃくちゃになります。
 今、climategate 事件も注目されています。乙は、事件の全貌がよくわからなかったのですが、具体的な記述があるサイトを見つけました。
http://www.chem-station.com/blog/2009/12/-climategate.html
 なるほど、これはだいぶひどいですね。こういうことだと、地球温暖化の議論は振り出しに戻りそうです。
 そもそも地球が温暖化していないとすれば、ここに至る膨大な議論はなんだったんだろうということになります。
 それにしても、データに基づいてグラフを書いたという場合、そのグラフの「正しさ」を誰も検証しないのでしょうか。そこがそもそも変だと思います。

 地球の温度変化は、さまざまな要因が絡んでいるものでしょう。CO2を減らすというだけでは、どれだけ効果があるかもわかりません。減らさないよりは減らしたほうがいいことは事実ですが、どれだけ減らせばいいかが決めがたい時に、各国の話し合いでお互いの目標を決めましょうなんて、ムダです。
 地球温暖化のことは、あまり大騒ぎせずに、なるようになるという態度でもいいのかもしれません。まあ、乙はこの程度でもいいかなと思っています。東京が暑くなってきたら、北海道とかに引越し、北海道が暑くなってきたら、カナダあたりに引越し、……というのでも別にかまわないのですが。
 地球全体を考えたら、アメリカと中国がどうにかするのが先で、日本は、その後から付いていく程度でもいいのかもしれません。世界の先頭に立って旗振りもいいのですが、それにしても、鳩山総理の主張・行動には何も中身がないような気がしています。
 総理の周りにはブレーンがいないのでしょうか。
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posted by 乙 at 05:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月12日

女性事務職はどこへいったのか

 乙は、日経新聞11月11日の夕刊11面「生活・ひと」の「さらりーまん生態学(いきざまがく)」というコラムを読みました。作家の高任和夫氏の執筆です。ごく一部を引用します。
 どうやら若い女性の職場が減っているようだ。【中略】
 私がいた会社は、高卒や短大卒の女性を事務職として多数採用していた。だがパソコンが普及するにつれ、総合職が自己完結するようになると、事務職に頼む仕事は激減した。よって以前のように採用しなくなった。このような変化は、方々で起きているに違いない。
 結局、何らかの専門性を身につけねばならないということだろう。そして、若者はこの現実に直面しているのではないか。私のように、ぼんやりと進学し、就職できた時代は去った。

 こういう話を聞くと、昔、多数採用していた女性の事務職(「女性」と限定してしまうと性差別的に聞こえますが、その昔は実際そういう女性が多かったように思います)は、具体的にどんな仕事をしていたのでしょうか。本当にそれらの仕事がパソコンに置き換わっていったのでしょうか。
 それぞれの職場で数十年かけて変化が起きているので、個々の事情と、日本全体を見渡したときの概観がかなりずれている面もあり、実際のところよくわからないように思います。
 よろしければ、年配の方の「記憶」をうかがいたいところです。
 乙の感覚では、高任氏の認識とだいぶ違います。データに基づいた議論ではなく、単なる感覚にすぎないのですが、……。
 昔は、女性の就職というのは、会社側にとって、男性社員の花嫁候補の採用という面が強かったのではないでしょうか。人事部の仕事は、容姿を確認するために面接し、自宅から通える人(親と同居している人)を採用することで、しっかりした(変な男性遍歴がない)花嫁候補を選ぶことができるといったことです。
 会社としては、男性社員にちゃんと家庭を持ってもらって、その男性が安定的にバリバリと働けるようにしてもらうということです。そのためには、専業主婦としてちゃんと切り盛りしていける優秀な女性(花嫁候補)を採用する必要がありました。したがって、女性社員を採用しても、これといった仕事は、ほとんど何もなかったりします。お茶くみやコピー取り等の雑用程度です。それでも、当人が若ければ、年功序列制度のもとでは給料が低いですから、アルバイトを雇うのと同じで、あまり人件費もかけずに採用しておくことが可能でした。そして、結婚退社してもらうか、女性は若年定年制で30歳程度で辞めてもらう(この年ではもう花嫁候補にはならない)という仕組みになっていたように思います。社内の規則がそうなっている例が多数ありました。
 その後、男女雇用機会均等法などで女性の若年定年制がなくなり、女性が働き続ける例が出てきます。すると、女性の人件費も年齢とともに上がっていくので、簡単な仕事を頼むのでは、コストに合わなくなります。そこで、総合職ということで、女性にも男性並みの仕事をしてもらうようになります。お茶くみやコピー取りは(本当に必要ならば)パートやアルバイトを雇って(彼(女)らは長期雇用ではありませんから)短期的にとっかえひっかえするようになります。こうして、会社の中では総合職とパート・アルバイトの2極化が進行し、女性事務員はいなくなります。
 このような解釈では、パソコンが事務職を駆逐するようなことはないということになります。
 乙も、仕事上でパソコンを使うことがありますが(というか、それがメインですが)、パソコンを使えば使うほど、補助的な仕事(データの整理等)が必要になります。そのために、人を使うことになりますが、それは総合職に頼む話ではなく、結局、パート・アルバイトに頼むことになります。
 こんなことを考えていくと、日本で若い人に非正規雇用者が多く、不安定な立場の人が増えているのは、男女雇用機会均等法のせいだ(いやまあそれだけではないでしょうが)というような議論になってきます。
 これからの日本は、一部の優秀な人を総合職の正社員として採用すれば十分であり、そうでない人は非正規雇用しか残されていないように感じています。大変な社会になっていくことが予想されます。
posted by 乙 at 05:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月05日

京都府の公募型公共事業

 京都府では、2009 年から、全国初となる公募型公共事業をはじめました。
http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2009041400159&genre=A2&area=K00
 京都府のホームページ上に案内が出ています。
http://www.pref.kyoto.jp/koubo-kouji/
 雇用・経済対策の面もあるようで、こうやって60億円を注ぎ込んで、京都府を温めようとしています。
http://www.pref.kyoto.jp/koho/dayori/200904/toku_01.html
 審査委員会の開催結果も公開され、
http://www.pref.kyoto.jp/koubo-kouji/kyotosiiinkai.html
どんな審査・議論がなされたか、よくわかります。
 京建労(全京都建築労働組合)もこれをニュースとして取り上げています。
http://www.kyokenro.or.jp/info/2009/05/post-8.html
 もちろん、府民は誰でも要望が出せるので、業者側からの要望であっても問題はありません。
 日本の多くの地域では(中央政府も含め)こういう公共事業は役人が具体的な計画を策定し、議会での承認を経て実施されるものでした。そこに住民の意向は若干は反映されるものの、むしろ、役所が中心となってきた感があります。一部住民の陳情やら一部政治家のごり押しやらがあって、昔から、新幹線の停車駅を自分の選挙区に持ってきたとか、空港を作ったとか、変な査定がまかり通ってきたことが多いように感じていました。いかにも不透明です。
 今回の京都の話は、小規模工事とはいえ、住民の声が府を動かすものであり、たいへん興味深い事例です。無駄をなくし、本当に必要な工事を行っていくというのはこういうことなのかもしれません。こういう公共事業が他の都道府県市区町村でも行われるようになると、公共事業のあり方も変わってくるかもしれません。住民たちも、そのような経験を通して、政治とは何か、役所とはどういうところか、知る人が多くなり、自分たちの住んでいるところを自分たちの手で改善していくような動きが出てくるように思います。
 乙は京都市のやり方に賛成です。
 京都は、さらに先を行ってほしいとともに、国も地方公共団体も、お金の使い方・使い道をよく考えてほしいものです。
posted by 乙 at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月22日

年金問題の解決の人手

 乙は、「くまさんの自立」さんの提案に脱帽しました。
http://shigemaro.cocolog-nifty.com/kumasan/2009/10/post-9a7a.html
 先日のブログで、年金問題の解決の人手を集めるなら、派遣社員じゃなくて、任期付き公務員がいいのではないかなどと書いたのですが、
2009.10.18 http://otsu.seesaa.net/article/130553052.html
それよりも、「くまさん」のアイディアのほうが優れています。「天下り法人」から人材を出向させるというアイディアです。
 人手は、しかるべきところにしかるべき人がいるものですね。
 いろいろと抵抗がある可能性もありますが、ここは一つ長妻大臣にがんばってもらいましょう。
ラベル:年金問題 人手
posted by 乙 at 05:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月16日

羽田空港のハブ空港化と成田空港の利用法

 ゴローさんが、羽田空港のハブ空港化に関連して、「前原発言に「頭にきて寝られなかった」という千葉県知事は、怒る矛先を間違っている。怒るなら、成田空港を建設した自民党と霞が関をしかるべきである。」と述べています。
http://iiaoki.jugem.jp/?eid=3283
 もっともです。
 羽田空港をもっと活用するようにしましょう。羽田が本当にハブ空港になれるかどうかはわかりません。アジアのハブ空港は無理でも、日本国内のハブ空港ならば可能です。

 さて、成田空港と羽田空港をどのように使い分けるべきか。
 都心から短時間で行ける羽田空港があるなら、成田空港は不要か。そんなことはありません。成田は成田で活用するべきでしょう。しかし、羽田でも成田でも自由に乗り入れることができるとなったら、着陸料が高く、都心から遠い成田空港を希望する航空会社がどれだけあるでしょうか。
 利用者の側に立って考えても簡単にわかります。成田を利用するなら、航空運賃が安上がりでなければなりません。
 そうです、だからこそ、成田空港には海外のLCC(格安航空会社)の活躍の余地があります。
 JAL も ANA も、羽田を利用していいでしょう。海外の有名航空会社もどんどん羽田に発着させましょう。一方、成田にはLCCを誘致しましょう。羽田からアメリカに行くと10万円かかるときに、成田からアメリカなら3万円で行けるとなれば、成田経由を選ぶ人もいるでしょう。時間があるけれどお金の余裕が少ない学生とか退職者などはけっこう成田を選ぶ場合が多いのではないでしょうか。遠い空港を利用する人には安い航空運賃というメリットを提供しなければなりません。経済の仕組みを考えれば当然の話です。
 このアイディアはかなり行けそうな気がしますが、どうなんでしょう。
 あ、どこの航空会社でも羽田発着を希望できるとすると、LCCも羽田を希望しますね。その場合は、「規制」するのでしょうかね。
 こんなことを考えてみると、給料が(退職後の年金も)高い(したがって運行コストが高い)日本航空などという会社がなぜ存在するのか、わからなくなってきました。こういうのは潰してしまって、日本の空に海外の航空会社(だけ?)を全面的に導入すれば、需要と供給に従った理想的な航空行政ができるように思います。羽田−福岡間をデルタ航空が運行しても何も問題はないように思うのですが、そんなことは無理でしょうか。こういうことがオープンスカイ政策なのではないでしょうか。
 もちろん、海外の航空会社は日本政府のいうことを聞かないので、万が一のときの外国からの邦人脱出などには使えませんが、そのような場合こそ、政府専用機や自衛隊機の出動場面のように思います。
 日本航空は経営的に危機的状況だという話ですが、だとしたら、これは潰してしまう絶好のチャンスです。日本航空がなくなっても、日本国内の、また日本と外国を結ぶ航空路線はなくなりません。需要があれば供給があるものです。

関連記事:
2008.9.19 高城剛(2008.6)『70円で飛行機に乗る方法』(宝島社新書)宝島社
  http://otsu.seesaa.net/article/106780453.html
2008.2.18 PTと海外格安航空
  http://otsu.seesaa.net/article/84564177.html
posted by 乙 at 05:18| Comment(7) | TrackBack(1) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする