2013年02月14日

銀行の通帳を発見(続)

 昨日の話
2013.2.13 http://otsu.seesaa.net/article/322114670.html
の続きです。
 解約済みの通帳が発見されたのと合わせて、もう1冊の通帳が「発見」されました。
 インターナショナル口座というもので、海外の ATM から現地通貨を引き出せるというものでした。しばらく前に、半年ほど中国に行くことがあったので、こんな口座を作ったりしたのでした。
 実は、銀行から連絡があり、まもなく海外サービスが終了するという話でした。
 そこで、当時の通帳を探したというのが実態です。
 引き出しから通帳が出てきました。中を見ると、残高はン百万円ありました。よくまあこんな金額をここに入れておいたものです。
 さっそく銀行に行って、解約の手続きをすることにしました。
 銀行に行くとき、ハンコを忘れてしまい、自宅まで取りに戻らなければなりませんでした。
 その後、別の支店の口座を解約するために、本人確認が必要ということで、自宅まで免許証を取りに再度戻りました。
 窓口でも随分待たされました。全部で1時間以上、かかったように思います。
 まあ、自分のカネを守るということはこういうことだと納得して、手続きをしました。
 最終的には、口座の解約ができるということになりました。残額は、連結してある口座に入金してくれるという話です。
 ああ、よかった、時間をかける甲斐があったと思いました。
 「ちなみに、口座残高はいくらでしょうか。」
 乙は、期待をこめて窓口の係員に尋ねました。
 「6円です。」
 「えっ! たった6円ですか。」
 「はい、ずっと前に口座のほぼ全額が引き出されており、その後、利息分が口座について6円になっています。」
 ガーン。
 こんなに努力して6円をもらっても、うれしくありません。
 昔、全額引き出しをしたとき、口座解約にしなかったのは、この口座を次も使うことがあるかもしれないと考えた結果でした。しかし、かえって変なことになってしまいました。
 昔の自分が将来の自分に迷惑をかけたということです。
 口座の管理はきちんとしておかなければならないと自戒しました。
タグ:銀行 通帳
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2013年02月13日

銀行の通帳を発見

 乙が机の引き出しの整理をしていたときの話です。
 とある銀行の通帳が出てきました。
 残高がン十万円あります。
 しめしめ。こんなこともあるかと思いました。この口座のことはまったく記憶にありません。支店名を見ても、どこにあるのかわからないくらいです。乙が何かの時に口座を作った支店がどこかの支店と統合したのでしょう。
 通帳の末尾は10年ほど前の記録なので、まずは、ATM で記帳してみようと思いました。何かの利息が付いているはずです。ところが、ATM では受け付けられないと出てしまいました。
 しかたがないので、窓口に行って確認しました。
 そしたら、何と、4年ほど前に解約されているということでした。
 今は、通帳なしでも口座の解約ができるのですね。
 残念な話でした。

 それよりも、解約した事実を覚えていないということの方が乙には驚きでした。
 そんなことがあるのですね。たった4年前のことでも覚えていないのです。

 このような状態で口座の所有者が死んでしまうと、残された家族にいい迷惑です。ン十万円の通帳が発見されて、小躍りして銀行に行き、いろいろ調べた結果、結局口座解約済みということでがっかりするはずです。
 自分のことは自分でしっかり管理しなければならないと思いました。家族に迷惑はかけられません。
タグ:通帳
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2012年09月17日

午堂登紀雄(2012.4)『日本脱出』あさ出版

 乙が読んだ本です。「この国はあなたの資産を守ってくれない」という副題が付いています。
 タイトルを見たとき、日本を脱出して、海外で生活するための本かと思いました。
 読み終わってみると、まあ、そういう話も出ては来ますが、本書のごく一部でしかありません。p.170 あたりにマレーシアへの脱出が出てくる程度で、あとは、必ずしも海外への脱出の話ではありません。期待して読んだ乙の失敗でした。
 230 ページほどの本ですが、投資の本としても、あまり参考になる話は出てきません。
 目次を見るとわかるように、多種多様なことが述べられていますが、それぞれが1〜2ページで論じられており、これでは、なぜそう考えるのか、根拠を示すところまでは行きません。したがって、全体として著者の主張が書かれていても、それぞれが掘り下げられていないのです。
 何というか、消化不良のような感想を持ちました。


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2012年09月05日

ウォルター・ブロック(2011.2)『不道徳な経済学』講談社+α文庫

 乙が読んだ本です。「擁護できないものを擁護する」という副題が付いています。
 文庫本ですが、もともとは『不道徳教育』という題だったとのことです。原書は 1976 年の出版だそうですが、いい本はいつまでもいい本だと思います。
 本書は、橘玲氏の訳で、例などが日本で該当するものに置き換えられており、とても読みやすくなっています。
 基本的にはリバタリアニズムの立場から、一般には「不道徳なもの」(=擁護できないもの)をそんなに悪くないものだとしています。見方の転換があり、とてもおもしろく読めます。
 では、どんなものが擁護できないものでしょうか。
 目次を見れば一目瞭然です。売春婦、ポン引き、女性差別主義者、麻薬密売人、シャブ中、恐喝者、……。
 これらを擁護する議論ですから、一般にはとても受け入れられないと言われるでしょう。でも、本書を一読すると、なんだか擁護してもいいような気分になるので、そこがおもしろいと思えます。たとえば、売春婦の場合だって、客との間で合意して自由意思で契約し、セックスを提供してお金をもらっているわけで、その過程で何も悪いこと(殺人など他人に迷惑をかけること)をしていないということになるわけです。
 なお、p.11 から訳者の橘玲氏の手で「はじめてのリバタリアニズム」という解説があります。本文を読む前に、ピッタリの解説です。その中で、p.39 あたりですが、アフリカの貧困者に食料や衣類を援助することはよくないという議論が出てきます。たとえば、トウモロコシを送っても、それらは旱魃の被災地には届かず、政治家の選挙区や闇市に流れ、さらには、無料の農産物の大量流入で、現地の農業を破壊してしまうというのです。衣類の援助でも、現地の軽工業にダメージを与えているという話で、乙は、こんな見方を知りませんでしたから、かなりショックを受けました。
 小さなミスですが、p.110 には、ある発明によって、労働時間が半分になれば余暇が2倍になると書いてあります。これは間違いです。余暇が労働時間の半分であれば、たとえば、余暇が4時間で労働時間が8時間であれば、労働が半分の4時間になると余暇が8時間になるので、余暇が2倍になりますが、それ以外では違ってしまいます。
 暇つぶしに読んでみてもいいと思います。


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2012年07月29日

内藤忍(2011.4)『こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義』大和書房

 乙が読んだ本です。表紙には「55 Things You Didn't Know About Money」という英語の題名もついています。「Didn't」や「About」は、一般に大文字で書き始めることはないと思われますが、まあ、そんなことはいいでしょう。
 本書は全体が七つの「Step」に分かれ、それぞれが 7,8,6,5,8,10,5 の項目に分かれています。足し算すると、おや、49 個になります。おっと、コラムが六つありますので、それを足すと 55 個になります。
 本書を読んで、どうだったか。乙はひとことでいうと、不満でした。述べてあることは間違いではありません。しかし、そのようなモットーのようなものを書き連ねても、当たり前であり、おもしろくも何ともありません。
 たとえば、Step 1 の@は「お金をほったらかしにしない」です。当然です。ということは、記述の中にいかに具体例を盛り込み、モットーではなく、例に基づいて話ができるかというあたりが書き方のポイントになりそうですが、そこのところが全般に弱く、読んでいて「なるほど!」と思う部分はあまりありませんでした。説得力という点ではイマイチだったように思います。
 もっともだと思いながら、完全に同意できなかったこととしては p.64- の「有名なお店には行かない――同じときに同じことをするのは損――」というのがありました。ゴールデンウィークに海外旅行に行ったり、お盆になると帰省するというようなことは、お金の面でいえば損なのはわかっています。しかし、やっぱりその時期でないとできないことはあるのです。仕事を持っていれば、好きなときに海外旅行というわけにも行きません。仕事がない時期をねらうと、ゴールデンウィークに海外旅行というのは、しかたがないのです。損なことはわかっていても、そうするしかないという感覚でしょうか。
 乙も、退職したら、平日に海外旅行を楽しみたいと思っていますが、そうなるまでは「わかっていてもやめられない」だろうと思います。
 本書を読むなら、若い人でしょう。あまりお金について考えていない人は、こういう本を読んで考え方のポイントを押さえることも大事だと思います。


タグ:内藤忍
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2012年06月10日

瀬川正仁(2008.8)『老いて男はアジアをめざす』バジリコ

 乙が読んだ本です。「熟年日本男性のタイ・カンボジア移住事情」という副題が付いています。
 タイが中心でカンボジアも1割くらい記述されています。
 日本人男子高齢者がタイやカンボジアに移住(ないしロングステイ)していますが、そういう人たちが経験したさまざまなことを描いています。
 著者は映像ジャーナリストということで、多数の日本人にインタビューし、それをまとめて1冊にしています。
 出てくる話は、若い女性との恋愛・結婚、あるいは破局や詐欺が多く、次に、ビジネスをしていく上で騙された話もたくさんあります。
 個々のケースについて具体的に書いてあります。
 しかし、エピソードがあまりに多いので、読み進めるうちに、いくつかの話がこんがらがってしまうような感覚になりました。
 日本で結婚しなかった(できなかった)高齢男性が、タイで若い女性を得て幸せに暮らしている例もあるわけですが、彼女らが巧みに日本語を話すのは、そうすることで彼女らの(さらにはその親や親戚などの)生活が成り立っているからです。つまり、日本人高齢者は、どうみてもネギをしょったカモなのです。「財布がもてている」のが現実なのです。日本では普通の金額にあたるようなものでも、現地では相当な額になるので、それをねらう人々が活躍するわけです。厚生年金をもらっているような人もねらい目です。結婚して、先に男性が死ねば、その後、女性は遺族年金で暮らしていけばいいわけで、一生安泰です。そういう知識は現地の女性たちに行き渡っています。
 結婚・恋愛も、金とつながっています。儲け話に騙されるのも同根の話です。
 そんなわけで、やはり、アジアで暮らしていくのもなかなかむずかしいものだということになります。
 自分はどんな人生を送っていきたいのか、考えさせられる本でした。
 乙は、まだ年金をもらうような歳ではありませんが、本書に出てくる人たちの考え方がわかるような気がします。
 本書は、「定年後は海外でロングステイを」と考えている人には必読書になるでしょう。


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2012年06月09日

増田悦佐(2012.1)『日本と世界を直撃するマネー大動乱』マガジンハウス

 乙が読んだ本です。
 一口で言うと、世界の経済を概観する本です。
 第1章は「全米市民もようやく目覚めたのか アメリカは財務省。ウォール街複合体に潰される!?」です。アメリカはいよいよ格差が大きくなっており、中間層が没落し、一部の人たちが富を独占し、多くの人たちが貧困にあえいでいる国です。それを具体的に記述します。
 第2章は「アメリカの金権社会は、荒療治でしか直せない」です。金融業界がいかに腐ってしまっているか、綿密に描きます。
 第3章は「悪夢と化したアメリカン・ドリームとこれから隆盛するジャパニーズ・ドリーム」です。平均寿命、エネルギー、ドル安政策、米国債など、マクロな目でアメリカ社会を見ていきます。著者によれば、アメリカは、あちこちに問題点大あり社会ということになります。
 第4章は「ほんとうに危ないのはドイツとイギリス 復活は永遠にありえないユーロ経済の真実」です。この章では、ギリシャ危機をはじめ、スペイン、イタリアの問題を取り上げ、フランス国債の下落の問題も扱います。そして、各国の抱える問題と、それが影響するドイツ・イギリスを取り上げ、ユーロ圏はどこもかしこも危機であり、もうどうしようもないとしています。
 第5章は「明らかに変調する中国 崩壊へのカウントダウンはすでに始まっている!」です。リーマンショック以来、中国経済がおかしくなっているというのです。共産党内部の問題、為替政策、外交や軍事の問題まで幅広く取り上げ、めちゃくちゃぶりを描きます。
 こうして、アメリカも、ヨーロッパも、中国も、問題を抱えて、どうしようもないという現状を述べた後、第5章「なぜかマスメディアは絶対報道しない 日本と金だけが一人勝ちする世界」が続きます。著者は、つまり、これからは日本と金(ゴールド)に投資するのがよいというのです。
 乙は、驚きました。普通に言われていることとまったく違います。
 一つのものの見方として、おもしろいと思いました。
 では、日本と金に投資するか。いや、話はそう簡単ではないと思います。著者の意見は意見として、そうではない見方もあるわけで、社会のありかたがおかしくても、それがそのままで経済的に発展していくことだってあると思います。世界各国でさまざまな問題があることはその通りだけれど、だからといって、そこに投資しないという否定的な態度を取る必要はないと思います。
 本書は、大いに危機を煽っていますが、ある意味ではパニック本的なにおいもしています。世界のこれからを予想することはむずかしいと思います。著者のいうことを信じていくのもいいですが、はずれることとだってあると考えておくのが無難な態度でしょう。


タグ:増田悦佐
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2012年05月28日

藤沢数希(2011.10)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。「もう代案はありません」という副題が付いています。ちょっと副題の意味がわかりにくいですが、今の資本主義の仕組みが最善であって、これを上回る仕組みは存在しないということです。いろいろ問題はあるものの、それを改善しつつ、何とかやりくりしていくしかないということです。
 内容は、章目次でだいたいわかります。
第1章 マネーは踊り続ける
第2章 小一時間でわかる経済学の基礎知識
第3章 マクロ経済政策はなぜ死んだのか?
第4章 グローバリゼーションで貧乏人は得をする
第5章 もう代案はありません

 一読して、納得する内容でした。図表なども適当に含まれていてわかりやすかったと思います。
 この本が「経済学」の本かどうか、わかりませんが、少なくとも、日本を中心に世界を見る「見方」が述べられており、しかも、その見方は妥当であると思えました。
 日本の現状をどう見るか、あれこれを関連付けてきれいに解釈してくれています。一読して、すっきりした気分になりました。
 日本の閉塞状況を打ち破るためにも、著者の指摘する現状の問題点などを知ることはとてもいいことだと思います。日本の今後を考える必要のある政治家など、本書を読むといいのではないでしょうかね。
 しかし、既得権の圧倒的に強い日本社会を見ていると、現状の問題点を知ったとしても、それを改善することなんてできるんだろうかという気持ちにもなります。
 それはそれでまた別の話なのかもしれませんが……。


タグ:藤沢数希
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2012年05月26日

きたみりゅうじ(2005.10)『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。』日本実業出版社

 乙が読んだ本です。長いタイトルですが、タイトルが本書の中身を十分語っています。
 フリーのライター&イラストレーターである著者が税理士に税金について質問をし、税理士が回答する形で書かれています。
 サラリーマンを対象にした節税の話は(需要が多いので)いろいろな本に書かれていますが、フリーランスの人を対象にした本は(サラリーマンよりは圧倒的に需要が少ないので)ほとんどないように思います。
 税金と社会保険の話から始まって、記帳業務の大切さを説きます。さらに、白色申告と青色申告の違いを説明し、青色申告をするように説きます。
 消費税についても書いてあります。1千万円を超える売り上げがあると消費税にも注意しなければなりません。本書では、フリーランスの人に対しては、手間を省いて簡易課税を推薦していますが、たしかにこれで十分なように思います。
 さらに、その後の話として、法人化も視野に入れていますが、このくらいの規模になると、フリーランスで働いているというよりは会社の社長として働いているわけですから、本書とは違った側面の知識が必要になるでしょう。しかし、それならそれでいろいろな本がありますから、そちらで知識を得るほうがいいと思います。
 最後に「税務調査」の話が書いてあります。実調率(実際に調査に入った比率)については、個人の所得税なら1%、法人だと6〜7%という統計が示されます。ずいぶん低いものです。
 岩松正記(2011.2)『個人事業、フリーランス、副業サラリーマンのための「個人か? 会社か?」から申告・節税まで、「ソン・トク」の本音ぶっちゃけます。』ダイヤモンド社
2012.4.21 http://otsu.seesaa.net/article/265912899.html
とは少し値が違いますが、まあ似たようなものです。
 ただし、乙は、所々に入るイラストが不要だと思いました。本文との重なりが気になります。また、話し言葉(対話調)で書いてあるのも、ちょっと冗長な感じで、これなら普通の書き言葉で書いてあるほうが読みやすいのにと思いました。
 とはいえ、税金について知りたい場合、全体としてまあ良書だと思います。


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2012年05月20日

山田順(2011.10)『資産フライト』(文春新書)文藝春秋

 乙が読んだ本です。「「増税日本」から脱出する方法」という副題が付いています。
 第1章は「成田発香港便」で、実際に現金を運んでいる人を取材しています。夫人と二人でバッグに500万円ずつ詰めて運んでいるような人ですから、普通のサラリーマンではありません。普通のサラリーマンなら、年収は数百万円のオーダーでしょうから、1000万円の現金を目にするようなことはなかなかないものです。
 p.28 では、普通のOLが香港の銀行に口座開設する話が出てきます。口座を開設するのは個人の考えですから、他人がどうこういうことは慎むべきですが、「普通のOL」ならば、わざわざ海外に持ち出すほどの現金を持っていることもないのではないかと思います。安易な気持ちで口座を開設しても、有効に活用できるのか、乙は心配になります。
 第2章は「震災大不況」で、3.11 の震災の後外資金融が東京を逃げ出したことを描いています。中でも、p.53 で、菅首相(当時)が浜岡原発の全面停止を要請したことを日本人の多くが評価していることをとりあげ、これに対して外国人投資家、そして日本人投資家も驚いていることが書いてあります。原発を停止して天然ガスを何十億ドルも購入して、電気料金を上げ、税金も上げるというやり方は、どうにもおかしいとしています。こんなことが積み重なって、外国人投資家も、日本人投資家も、日本を見限ってしまうのですね。
 p.56 から、歴史のアナロジーとして18世紀のポルトガルの例を引き、1755年のリスボン大震災で大きな被害が出てしまい、その後、街は復興したものの、産業は戻らなかったことを記述しています。今の日本と実によく似ています。
 第3章「海外投資セミナー」では、日本国内でさまざまな海外投資セミナーが開かれていることを書いています。ここでの「海外投資」は、海外に投資することではなく、(それを含みますが)海外で投資することです。
 第4章「さよならニッポン」では、富裕層が日本を捨て永遠のトラベラーになることを書いています。まあ日本の制度を見ていると、それはそれでしかたがないかもと思います。
 第5章「富裕層の海外生活」では、海外の富裕層を取材して書いていますが、あまりたくさん実例にあたっているわけでもないようで、やや迫力に欠けます。
 第6章「税務当局との攻防」では、武富士裁判や『ハリポタ』翻訳家の申告漏れ事件を取り上げ、オフショアが発展している様を描きます。
 第7章「金融ガラパゴス」では、日本のおかしな制度を指摘しています。
 第8章「愚民化教育」では、日本の教育全般の批判です。英語教育が特にやり玉に挙げられています。
 第9章「愛国心との狭間で」では、日本の税制などの不備を指摘するものです。
 全体として、まあよく書けていると思います。
 しかし、著者がいう「資産フライト」は、富裕層を念頭に置いているようです。一般のサラリーマンにはあてはまらないような話がたくさんあります。ただし、そういう富裕層なら、こんな本を読まなくても、実務的な相談相手がいることでしょう。となると、本書はいったいどんな読者を想定して書かれたのでしょうか。そう考えてみると、著者の立ち位置がだんだんわからなくなってきました。
 巻末の著者紹介を見て、すこしわかるような気がしました。著者は、光文社で雑誌や本の編集を手掛けてきた人です。一応関係者に取材して書いています。しかし、どうにも突っ込みが足りないような印象を受けます。なぜかといえば、著者が自分自身で投資をしていないからでしょう。経済学や金融などの知識もあやしいものです。乙の読後感では、不満が残る内容でした。
 週刊誌を読んでいるようなものだと思えば「不満」はないものと思います。


posted by 乙 at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする